07度岡山UM:A0535+26

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Be/X線連星A0535+262の
近星点付近の変動を捉える
森谷友由希、野上大作、今田明、杉保圭、平田龍幸 (京都大学)
岡崎敦男 (北海学園大学) 増田盛治 (あすたむらんど徳島)
内容
1.
introduction
1.
2.
2.
観測
1.
2.
3.
Be星とは
Be/X線連星とは
profileの変動
視線速度による軌道位相
まとめ
Introduction: Be星とは

B型星からのスペクトルは、大抵連続光+
吸収線として見える。
Hα
B型星のスペクトル
Be星とは

(古典的)Be星:『過去に1度でもBalmer系
列線が輝線として観測された超巨星では
ない星(主系列星)』
B型輝線星のスペクトル
(Porter & Rivinius (2003))

この様なスペクトルが観測される理由は…
photosphere ⇒吸収線
+
Be disc ⇒輝線
Be/X線連星とは
Be星とコンパクト星(主にNS)との連星系:2
disc
 軌道離心率が小さくない(~0.3以上)
 2種類のX線outburst (NSに質量降着すること
で生じる):

 normal
outburst(<1Crab at 1~20keV):軌道
位相依存性がある。(近星点通過後)
 giant outburst(>1Crab at 1~20keV):軌道位相依
存性がない。
コンパクト星
1Crab=2E-8erg/s/cm^2(かに星雲の明るさ)
Be星(星+disc)
Be/X線連星の概念図 (Okazaki et al. 2002)
連星系におけるBe discの変動
Be/X線連星の軌道離心率は小さくない
⇒軌道位相依存性を持った相互作用をする。
 (Okazaki et al.(2002)によるモデル計
算):近星点(位相0.0)通過後、位相0.1辺
りからコンパクト星との相互作用によっ
てBe discに変動が最もみられる。
 Be discに変動⇒Balmer輝線に変動(V/R比、
peak separation等)
 normal outburstの発生機構になるのではな
いか。

A0535+262(HDE245770)
1975年のoutburst時にAriel 5衛星によって
発見された。(Rosenberg et al. 1975)
 Be/X線連星(NS + O9.7IIIe)。
 X線normal outburstの間隔から推定される
連星軌道周期 ~111.3 days
 軌道離心率 ~0.47
 normal outburst、giant outburst共に観測さ
れている。

観測概要
A0535+262を可視光連続(連夜)分光観測をし、
Hαのスペクトルに変化があるのかどうかを
確認し、モデルと比較を試みる。
 連続分光観測をするのは、Be星のdiscの変化
を連星軌道位相の視点から考えるため。
 岡山天体物理観測所188cm望遠鏡HIDESを用
いて、2005年11月下旬~12月上旬の7
夜、及び2006年12月に1夜。
 波長分解能~61,000、積分時間:30分/枚。

観測結果:profileの変化1
強度:Fλ/Fc
Hα輝線は全く
変動していな
い。
⇒Be discは変動
していない
 観測時期の軌
道位相は0.7~
0.8
 Okazakiのモデ
ルとは矛盾し
ていない。

2005年
波長(Å)
観測結果:profileの変化2
強度:Fλ/Fc
1年間でHα輝線が
変動。(形、V/R比)
⇒Be discが変動して
いる

波長(Å)

2006年10月のprofile
(Grundstrom et al. (2006))
とも大きく異なる。
(Grundstrom et al. 2006)
観測結果:視線速度と軌道要素

視線速度km/s
↓2006年12月の観測
視線速度か
ら軌道位相
を決めにく
い。
 光球からの
↑2005年11月の観測
軌道位相
情報ではな
い
 discは様々な
時間スケー
ルで変動
※視線速度から軌道位相を求めるには比較的短
いスケールで系統的に観測する必要。
まとめ
2005年11月下旬~12月上旬と2006年12月に
Be/X線連星A0535+26を岡山天体物理観測所
188cm望遠鏡/HIDESを用いて分光観測した。
 Hαはdiscの青側の強いダブルピークを示し
ていた。2005年11月の下旬にスペクトルは
殆ど変化しなかったが、2006年12月は1年
前に比べスペクトルが大きく変化していた。
 Be discの変動の為に視線速度曲線を求めるに
は短い期間に系統的な観測の必要がある。

今後の展望
 2005年のスペクトルは(実は)図らず
も軌道位相0.7~0.8辺りのものだった。
 Be discの変動を詳しく調べるには近
星点付近(最もdiscの変動が期待され
る)での変動を調べる必要がある。
 2007年11月上旬~中旬に岡山天体物
理観測所で“今度こそ”近星点付近を
狙って連夜観測する予定。