Transcript SPB - 国立天文台 光赤外研究部

B型星の非動径振動
増田盛治
（国立天文台岡山）
•B型脈動星について
•HIDESによるSPBｓの観測
B型脈動星
脈動型変光星のHR図上での位置
β Cep型とSPBsのHR図上での位置
(Waelkens et al., 1998, A&A, 330, 215)
β Cep型
SPBs
β Cep型
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early-B(B0.5～B2)
変光（0.1等程度）
線輪郭変動（非対称、バンプ）
周期0.3日以下
ｐ-modeの非動径振動と解釈
Feなどの金属イオンによるκ-機構で励起
β Cep型の線輪郭変動
ω1 Sco（β Cep型）の線輪郭変動
(Telting & Schrijvers, 1998, A&A, 339, 150)
バンプの説明イラスト
(Vogt & Penrod, 1983, ApJ, 275, 661)
κ-機構
不透明度の変化の様子
金属イオンによる不透明度の「山」
(Pamyatnykh, 1999, Acta Astronomica, 49, 119)
(Kiriakidis et al., 1992, MNRAS, 255, 1P)
水素
ヘリウム
金属
β Cep型の星震学（１）
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HD129929
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21年以上の測光データ
6成分を検出し、モード同定
コア overshooting あり、一様回転では無い
Aerts et al., 2004, A&A, 415, 241
β Cep型の星震学（２）
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ν Eri
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測光11＋分光11望遠鏡のキャンペーン
8+7成分を検出し、一部のモードを同定
HD129929と似たような結果
Handler et al. , 2004, MNRAS, 347, 454
Aerts et al., 2004, MNRAS, 347, 463
Slowly Pulsating B Stras(SPBs)
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mid,late-B(B3～B9)
変光（0.01等程度と微小）
線輪郭変動（非対称）
周期１日程度
g-modeの非動径振動と解釈
β Cep型と同じ励起機構
SPBｓの線輪郭変動と不安定帯
τ Her(SPBs)の線輪郭変動
(Masuda & Hirata, 2000, A&A, 356, 209)
β Cep型とSPBsの不安定帯
(Pamyatnykh, 1999, Acta Astronomica, 49, 119)
β Cep型
SPBs
Be星
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early～late-B
変光（0.1等程度）
線輪郭変動（バンプ）
周期１日程度
自転速度が速い
解釈は不定（非動径振動、自転？）
頻度分布
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自転速度分布
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速い（Be星）⇔遅い（β Cep型、SPBs）
周期分布
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短い（β Cep型）⇔長い（SPBs、Be星）
頻度
自転速度（km/sec）
変動周期（日）
HIPPARCOS SPBs
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HIPPARCOSによる測光観測で大量発見
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自転速度の速い星も含まれる
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数が約１０倍に
100～250km/sec
それまでは100km/sec以下
Aertsらのグループがフォローアップ観測
分光観測の目的
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非動径振動の確認
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サンプルの質の向上
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測光周期とHR図上の位置から分類
線輪郭変動の検出
連星のチェック
自転速度の測定
非動径振動の周期、モードを求める
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自転による効果を検証
観測（１）
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OAO188cm + HIDES
HIDES設定
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4000から4700Å（青用クロス）
波長分解能～50000
S/N～200程度を目標（～30分積分）
対象天体
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赤緯＞-25度で７等より明るい全22天体
観測（２）
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観測ログ
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1999-5（共）
2000-4（観）、6（観）、8（共）、9（共）
2001-1（共）、9（観）、10（観）
2002-1（共）、2（共）、3（観）、10（共）、11（観）
2003-1（観）、2（観）
合計約700フレーム
データ整約
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IRAFのnoao.echelleパッケージを使用
普通のエシェルスペクトル整約法
（バイアス引き、フラットフィールディング、
散乱光引き、一次元化、波長較正）
規格化したフラットで感度ムラ補正
エシェル感度曲線は後で補正
一次元化する際に同時に宇宙線除去
星自身のコンティニュームで規格化
地球運動の補正
線輪郭変動（１）
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標準星
β Tau （B7III）
偏差
（R.M.S.）
強度
平均
線輪郭
波長
速度
線輪郭変動（２）
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線輪郭変動あり（３つ山）
τ Her
線輪郭変動（３）
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線輪郭変動あり（３つ山）
HD26739
線輪郭変動（４）
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線輪郭変動あり（２つ山）
HD206540
線輪郭変動（５）
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線輪郭変動あり?（２つ山）
HD191295
線輪郭変動（６）
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線輪郭変動なし
HD42927
線輪郭変動（７）
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MgII
Binary + LPV
HD37055
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MgII, CIIにバンプあり
HeI, SiIIには無し
CII
HeI
SiII
線輪郭変動（７）
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Binary + LPV
HD183133
480km/secは間違い
結果（１）
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線輪郭変動
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連星
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１２天体で検出、５天体で可能性あり
ほとんどが非対称性
５天体は連星、４天体で可能性あり
自転速度
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未測定だったものは全て100km/sec以下
HD183133の480km/secは間違い（連星）
結果（２）
†はAertsらがモニターしている星
今後
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２つ山、３つ山の線輪郭変動
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周期解析
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モデルとの比較、脈動モードとの関連
十分なデータのあるτ HerやHD26739
複数の吸収線での比較
連星
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軌道運動補正後、線輪郭変動調査