第2回(2007/10/22)

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Transcript 第2回(2007/10/22)

電子回路Ⅰ 第2回(2007/10/22)
バイポーラトランジスタの動作原理
今日の内容
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半導体とは
ドーピング
キャリアの運動(電流)
pn接合
pn接合ダイオードの動作原理
バイポーラトランジスタの動作原理
バイポーラトランジスタの直流動作
半導体とは

固体を電気を流す、流さないで分類



金属 電気を良く流す(自由電子)
アルミニウム(Al), 銅(Cu), 金(Au), ・・・
ニクロム(NiCr), ステンレス(FeCrNi), ・・・
半導体 流すときと流さないときがある
シリコン(ケイ素,Si), ガリウム砒素(GaAs), ・・・
絶縁体 電気を流さない
ガラス(SiO2), その他多くの物質
固体中の電子(絶対ゼロ度)
伝導帯
エネルギー
禁制帯
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
価電子帯
•Siの最外殻電子数(価電子数)は4つ
•安定な結合になるためには4つのSi原子と
電子のやり取りをする
•結合に使われている電子は動けない
固体中の電子(室温)
伝導帯
自由電子
(負の電荷
を運ぶ)
禁制帯
正孔
(正の電荷
を運ぶ)
価電子帯
•熱によって結合が切れ、自由電子が発生
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
Si
n p
•隣の結合の電子が移動することによって、切れた結合も移動できる(正孔:電子の抜け穴)
•自由電子と正孔は電荷を運ぶ
電気を流すことができる
•自由電子と正孔の密度は温度とともに増加
金属、半導体、絶縁体の違い
伝導帯
伝導帯
伝導帯
禁制帯
禁制帯
禁制帯
価電子帯
価電子帯
価電子帯
金属
半導体
絶縁体
伝導帯に電子が多数
存在
電流は流れる
禁制帯の幅が狭い
禁制帯の幅が広い
電流はそこそこ流れる
電流はほとんど流れない
半導体へのドーピング(n型)

IV族元素のSiにV族のPをわずかに添加
周りの原子との結合には電子は4つで十分
ドナーイオン
(+)
Si
Si
Si
Si
Si
P
Si
Si
•電子を供給する(donate)する元素の
ことをドナー(donor)という
Si
Si
Si
Si
•ドナーがドーピングされた半導体は、
正孔よりも自由電子の密度が高い
Si
Si
Si
Si
電子が1つあまる
容易に自由電子となる
結合に
寄与しな
い電子
•n型半導体(単体では電気的に中性)
Nd  nn  pn
半導体へのドーピング(p型)

IV族元素のSiにIII族のAlをわずかに添加 アクセプタ
イオン
(-)
周りの原子との結合には電子が4つ必要
Si
Si
Si
Si
Si
Al
Si
Si
•電子を受け入れる(accept)する元素の
ことをアクセプタ(acceptor)という
Si
Si
Si
Si
•アクセプタがドーピングされた半導体
は、自由電子よりも正孔の密度が高い
Si
Si
Si
Si
電子が1つ足りない
容易に正孔となる
電子の
受け入
れ場所
•p型半導体(単体では電気的に中性)
np  p p  Na
キャリア密度の温度依存性
ドーピングしないとき(真性半導体)
ドーピングしたとき(外因性半導体)
1017
1016
1015
不純物
温度上昇によって生成されるキャ
リア密度が増加する
ドーピングの密度で制御できる
固体中のキャリアの運動
キャリア(carrier) = 自由電子 または 正孔
ドリフト(電界から力を受けて動く、電気的な運動)
速度 v  E  : 移動度
電流密度 j  qnv  qnE
拡散(密度むらがあると、密度が均一になるように動く、
電気に関係のない運動)
dn( x)
キャリアの流れ J  D
D : 拡散定数
dx
dn( x)
電流密度 j  qJ   qD
dx
n(x)

n( x )
dx
固体中では、電子と正孔が、それぞれドリフトと拡散によって運動する
x
pn接合(空乏層の発生)
p
接合直前
n
アクセプタイオン
接合後
接合直後
ドナーイオン
電位
空乏層
(空間電荷層)
拡散によりキャリアが移動する
位置
pn接合の電流
n(カソード)
pに+, nに-(順バイアス)
p
n
正孔と電子は接合を超えられる
電流が流れる
電位の障壁
電位
電位
電位
p(アノード)
pに-, nに+(逆バイアス)
p
n
正孔と電子は接合を超えない
電流が流れない
pn接合ダイオードのI-V特性
立ち上がりはゼロボルトではない
I  I 0 expqV / kT  1
I 0 : 逆方向飽和電流
q : 素電荷 (1.6  1019 C)
k : ボルツマン定数(1.38 10 23 J/K )
T : 絶対温度
バイポーラトランジスタの構造

p
エミッタ
pnp型とnpn型
n
ベース
p
C
n
B
コレクタ
エミッタ
p
ベース
n
C
B
コレクタ
E
2つのpn接合ダイオードを直列に並べた構造
(実際はダイオードを上図のように配線してもトランジスタ
としての動作はしない)
E
トランジスタの写真
エミッタ
ベース
ベース
コレクタ
エミッタ
コレクタ
トランジスタの型番
名称
種別
用途
2SA
2SB
2SC
2SD
高周波、スイッチング用
pnp
低周波
npn 高周波、スイッチング用
低周波用、電力増幅用
2 S B 1815 A
トランジスタ
を意味する
半導体を意味する
改良型を意味する
用途
登録番号
トランジスタの特性表


各社のホームページからダウン
ロードできる
2SC1815の特性表
トランジスタのバイアス(pnp)
エミッタ
ベース
p
VBE
順バイアス
n
コレクタ
p
VCB
逆バイアス
トランジスタの動作原理
電位
拡散
一部
再結合
加速
(ドリフト)
再結合
ベース幅が短いことが重要
p
n
p
トランジスタを流れる電流
I C  I E (  1)
(理想的にはゼロ)
I C  I E (  1)
I C  I E (  1,限りなく
1に近い)
I E  I B  Ic
接地方式
ベース接地
E
IE
C
B
VBE
IB
エミッタ接地
IC
IC
VCB
IB
RL
C
B
VCE
E
VBE
IE
RL
ベース接地電流増幅率 
入力 IE
I E  I B  Ic
I C  I E
E
出力 IC
B VCB
VBE
I B  I c より ~1
C
IB
RL
エミッタ接地電流増幅率 b(hFE)
I E  I B  I c より、
I E を消去し、
I C  I E
エミッタ接地電流増幅率
IC
b
IB
をで表しなさい
出力 IC
入力 IB
C
B
E
VBE
  0.99のとき、
bはいくらになるか計算しなさい
IE
VCE
RL
まとめ





トランジスタのタイプ npnとpnp
VBEは順バイアス、 VCBは逆バイアス
VBEは0.6V以上必要
ベース接地電流増幅率  ( 1より少し小さい)
エミッタ接地電流増幅率
b  hFE


1