拍動血流ポンプを用いた模擬血管血流システムの構築と検討

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コロトコフ音と運動の関連性について
~拍動血流ポンプを用いた模擬血管血流シ
ステムの構築と検討~
桐蔭横浜大学
工学部 電子情報工学科
T21E016 門間 優剛
背景
• 過去の実験でコロトコフ音と運動の関連性が
あることがわかっている。
• 機械的に様々な条件のコロトコフ音を作るこ
とができれば、その関連性について理解を深
められるのではないかと考えたため。
図-1エアロバイク(Alinco製 AF5900)
コロトコフ音とは
• コロトコフ音とは、血圧測定の際に上腕部を圧迫し
血流を止め、後に減圧し血液が流れ始めたときに
発生する音である。
(未だ発生のメカニズムは完全
には解明されていない。)
• コロトコフ音には5つの相がある。
(実験で使っていくのは、
波形が取得しやすいこと
から第2相で行う)
図-2 コロトコフ音の相について
実験手順
• 腕のモデル、血管、血液の代わりとなるもの
を作り、拍動血流ポンプを用いた模擬血管血
流システムを構築する。
• その後、人体と同様に腕のモデルにカフを巻
きコロトコフ音の取得を行う。
図-3 コロトコフ音取得セットアップ図
模擬血管血流システム
・腕のモデル、血管、血液の代わりとなる
ものを作り、拍動血流ポンプを用いた模
擬血管血流システムを構築する。
図-4 拍動血流ポンプ
(HARVARD
APPARATUS製
Model400)
図-5 血管のモデル
シリコンチューブ
(タイゴンチューブも使用)
図-6 腕のモデル
腕のモデル(断面図)
約7cm
シリコン
(皮膚)
約0.5~0.8cm
約0.5~0.8cm
タイゴンチューブ
シリコンチューブ(血管)
プラスチックの棒
(骨)
・チューブは5mmと7mmを使用。
・プラスチックの棒は20mmと25mmの二通り作成した。
図-6 完成図
模擬血管血流システム構築図
拍動血流ポンプ
カフ
腕のモデル
マイク
PC
タイゴンチューブ
(血管)
水
・腕のモデルにカフを巻き、コロトコフ音の取得を行った。
・カフで血液を止めたときに圧力が高まり水が吹き出ないようにチューブを分岐
した。
セットアップ図
データの解析
・マイクロフォンから音を波形として読み取った。
・Audacityというソフトを使ってコロトコフ音ではないかと
思われる部分の波形を5つ切り出しそれらの平均を高速
フーリエ変換をして、周波数成分を調べ、人間のコロトコ
フ音との比較を行った。
コロトコフ音ではないかと思われる波形
0.5
Amplitude(arb.)
Amplitude(arb.)
1
0
-1
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
0
-0.5
0
0.2
0.4
0.6
0.8
0.9
Time(s)
図-7 模擬血管血流システムで取得した波形
図-8 人間のコロトコフ音の波形
コロトコフ音の第2相との比較
0
0 10
10
20
20
30
30 40
40 50
50
Freqency(Hz)
60
60
70
70
80
80
90
90
0
10
20
30
40
50
60
Freqency(Hz)
図-9 模擬血管血流システ
ムを用いて取得した波形の
周波数解析結果
図-10 人間のコロトコフ音の波形
の周波数解析結果
70
考察①
• 含まれている周波数に類似が認められるが
顕著ではない。
• 模擬血管血流システムのカフを強く締めたの
でコロトコフ音の第1相を取得してしまったの
ではないかと考えられる。
コロトコフ音の第1相との比較
0 10
20
30 40 50
60
70
Freqency(Hz)
図-9 模擬血管血流システ
ムを用いて取得した波形の
周波数解析結果
80
90
0
20
40
60
80 100 120 140 160
Freqency(Hz)
図-11 人間のコロトコフ音の波形
(第1相)の周波数解析結果
考察②
• コロトコフ音の第1相で比較した結果、第2相
との比較に比べてかなり似た波形となった。
補足
・模擬血管血流システムにて血圧を下げてコ
ロトコフ音第2相の取得を行ったが、うまくいか
なかったため、モデル、システム、測定方法の
改善の余地はあると考えられる。
終わり
T21E016 門間 優剛
腕のモデル
シリコンの空気抜き
(真空脱泡装置を使用)
プラスティックの固定
チューブの固定
シリコンを入れた後