電解研磨工程の設備計画

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EBWについての取組み状況
1.取組み指針
2.空洞製造技術開発施設建設目的
3.マスタープラン
4.今後の取り組み
於:LC定例会議、技術検討会
平成21年8月31日
共通基盤研究施設
機械工学センター
上野健治
EBWについて:報告趣旨
• 取組み指針
• ILC(GDE)の空洞製造の取組み現状と
日本国内の企業の動向
• とにかく追いつき、追い越せ
• 空洞製造技術開発施設(モデル工場:パイロットプラ
ント)の構築
• 最新技術の導入、垣根のない幅広い参加、新技術
の創出、人材育成
• KEKが中心となる組織による運用
取り組指針
• 空洞電界性能を左右する因子の一つであるEBWの工程の
確立、その評価(縦測定以外の評価、縦測定評価)をデータ
ベースで行い、かつ共有する。
具体的には
• EBW工程を中心とした空洞製造モデル工場の構築
• 空洞製造の性能、コストを大きく左右するEBW、データの共
有化。後工程の電解研磨処理、組立てとのリンクを、データ
ベースで実施する。縦測定後にも、トレース可能とする。
• 一貫した工程管理ができる一箇所での製造工程の実現
• 評価ができる現場の完成ーー内視鏡(京都カメラ)、空洞縦
測定
• 多くの関係者の理解と協力ーー設備検討委員会
• 人材育成
日本国内の企業の動向
• 先端加速器科学技術推進協議会 技術部会
(山本部会長:ILC計画)
• 空洞製造分野(部門)に限って国内の現状
(製造現場)をみれば、2012年末までの3年
間で、製造の主エリアをどこ(どの企業、企業
体)に設置するか、また、誰が主体的に行う
のか。
• WG参加企業間の合意(ノウハウ、データの
共有等も含む)を得ることが簡単ではない。
GDE 山本PM提案
■ 高勾配化 目標値とKEKの現状
TRISTAN
E acc = 3-6 MV/m
Euro-XFEL
24 MV/m
ILC
31.5 MV/m
35 MV/m
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空洞の性能現状(海外)
アジア、KEKの現状と課題の1
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•
STF1は順調に立ち上がった.
◇ しかし,世界的にみて,遅れをとっている.
◇ 基礎的研究も行なわれている.
◇ 原因の切り分け(製造,表面処理)も必要.
この目的に対して、諸情報ができる限り
オープンであること
■ 低価格化ーー課題の2
◇ 世界的にみて,高価格である.(1:5)
◇ 特に,電子ビーム溶接のコストが高い.
◇ 内訳の精査が必要.支給品...
◇ 高圧ガス対策.
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空洞製造技術開発施設(パイロットプ
ラント)の構築(1)
• EBW,化学処理,測定,種々の加工.
• 空洞の製造にKEKが関与する:空洞を内作
する.
• 高勾配低価格空洞の量産化に向けた工程を
確立する.
• マンパワー:職員拡充,企業などから.
• 情報管理/公開
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空洞製造技術開発施設の構築(2)
• このモデルファクトリは、ILCに特化したものでなく、機構全体
に必要とされる装置開発のために共用設備として運用される
ことを狙い、例えばKEKB関連の装置開発(ビームパイプ開
発等)も、扱うものとする。本設備の目的は広いものである。
• KEKには既に空洞製作(性能測定も含む)に関する設備、
装置、技術が、多く完成(または開発)されており、これらの
再構築も上記の考え方には必要であり急務である。
• ILCを日本へ誘致するためには、実験レベルの技術完成度
を、とにかく上げなければ(追いつき、追いこせ)ならない。
• このような観点から、KEK内の主要設備に対して、不足する
設備、機能をみれば、EBWが一つの候補になりうると考え
る。
EBW装置導入目的ーーR&D
•
ILC空洞のEBW工程についてR&Dを進める。
R&Dとは:
•
EBWの信頼性向上、ILC空洞基準電界の歩留まり向上
のために、Nb材のEBWの部分とその周辺の材質、組織
変化等のEBWにまつわる技術検討をする。既存のEP
処理設備、京都カメラ(内視鏡)とリンクして、データベー
スのEBW技術の構築を進める。
•
その結果、必要時点で、EBWの条件(パラメータ)設定
をする。
•
空洞製作時期であれば、EBW条件の実証のため空洞
のEBWを実用空洞で行うことを目標とする。
•
一定のEBWの機能が立ち上がった段階で、空洞内製化
のための治具検討、自動搬送、自動段取り替えなどのE
BW周辺の技術開発を進める。
山本PM提案の検証
STF 建屋の拡張
既存STF建屋
空洞製造設備棟
トラック入口
既存STFトンネル
トンネル搬入口
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EBWを中心とした空洞製造技術開発
施設(斉藤提案レイアウト)
旧PSエネルギーセンターの
リニューアル(案)
電子ビーム溶接機の導入
1. 目的
• 工法のR&D (EB条件[電圧,電流,回転速度,保守など],継手,治具,,,)
• 生産技術の確立 (量産性,低コスト化)
• 実機への適用 (STF Phase2の残り) → スケジュール見直しが必要
2. 対象
• LC/ERL用超伝導空洞
• SKEKB用ビームダクト
• 入射器用加速管カプラー修理
3. 仕様
EB条件,チェンバー寸法,拡張性,診断・制御機能等 → 検討中
説明会 (5 社)・見学会 (5+3社) 開催
4. 設置場所
旧PSエネルギーセンター
5. マンパワー
機械工学・超伝導低温工学両センター,加速器研究施設,企業
6. スケジュール
2009.10 公告 / 2010.3 契約 / 2011.3 納期
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関連機器(装置)候補リスト(案)
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工場内整備
部屋全体の仕切り コンセント、クリーンルーム化、エアコン 空調関係
クレーン 1t
コンプレッサ
冷却水
プレス機:50トン程度の油圧プレスまたは110トン
空洞専用3次元測定器、可動式三次元計測機
ドラフト:STF棟へ設備する。または+純水製造装置+スクラバ(外部)
N2発生装置
旋盤または縦旋盤
ワイヤカットマシン
リークディテクター
工具研削盤
表面検査装置
STF長期計画案(空洞関係)
2009
S1 Global
2010
2011
2013
2014
2015
Jacket装荷
製造,縦測定
組込み 運転
量子ビーム
高圧ガス施設検査
組込み
Phase2
2012
運転
Jacket装荷
2空洞の製造 縦測定
高圧ガス施設検査
9空洞の製造
縦測定
EBW法R&D
施設整備
Jacket装荷 組込み
運転
(17空洞の製造)
第2EP建設
EBW建設
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いつまでに構築するのか
•
•
•
ILCの実現のため 2011年3月(設備購
入機の中、EBWについて)
――空洞製造モデルファクトリ 製造技術
開発施設 の構築
当初は、設備する場所の課題など解決す
べきことがあることから、全体像をゴールと
して、具体的に個々に詰める方針とする。
EBW装置調査委員会の立ち上げ
H21年6月26日
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取り組み(当面は、EBW導入のための活動とする)
加速器Gと機械工学センターが共同で担当する。リーダ山口、サブ
上野。月1回程度の全体会議、2週1回の共通系+山口委員の会議
を開き担当進捗を協議する。
この会議のミッション
まず、EBW装置調査を実施する。予算が具体化した段階で、装置
導入化とする。具体的には、
計画立案――>発注作業――>導入工事――>装置立ち上げ
を行う。当面は計画立案、発注作業に注力する。
会議委員メンバー(案) 敬称略
加速器Gから 山口、野口、加古、古屋、斉藤健、金澤、早野、加藤
佐伯
機械工学センターから、上野、東や、安島、井上、渡辺、舟橋
超伝導・低温工学センターから、寺島 PMの立場から山本
及び関係OBとして 飯野
全体スケジュール(案)
• 平成21年(2009年)6月、7月、8月調査活
動ーーEBW調査に関する会議3回開催済み
• 9月 たたき台案作成と見積りまとめ
• 10月始 検討案のまとめ――>その後の発
注仕様書のたたき台(案)。
• 平成22年(2010年)3月に開札、発注先決定。
• 納期7ヶ月~12ヶ月として
平成23年(2011年)3月末納入予定。
調査、検討項目(案、EBW)
• 加速電圧(高電圧:150Kv、低電圧:60Kv)
• 電子銃移動方式 または 電子銃固定ワーク(テーブル)移
動方式
• 最先端EBW技術、ハード面、ソフト面、メンテナンス面
• 周辺整備 クリーンルーム(ISO 5程度)、 搬送装置、 他
• 場合によっては、将来の拡張性、発展性のある装置
• マンパワー 設備維持の必要人数、作業員の必要レベル、
人脈つくり
別観点から
• Nb,銅に限定した場合の装置の選定
• バラシでの購入、組立をKEKで行う
• 建屋 旧PSエネルギーセンター
• 内部のレイアウトーーー設計作業
電子ビーム
高電圧型と低電圧型の比較
熱入力
歪み
高電圧
1/3
小
低電圧
1
大
Working
Distance
真空度,磁気の
影響
放射線
スパッタ
カソード寿
命
安定性
価格
長い 1.5 m
小
多
多
20時間
安定
高い
短い 0.6 m
大
少
少
500時間
不安定
安い
現状調査、技術動向調査
国内は、10名から11名、
海外は、山口、井上、安島、上野の4名
•
調査対象
ー ベンダー 6社
ー ユーザ 5社+研究機関(下記)
* J-LAB * DESY
KEK向け計画主仕様(案)と
見積もり依頼
• 電圧、出力、真空槽(空洞用+ビープパイプ
用)
• 真空槽は、将来の拡張対応までとして、今回
は単室。
• 材質は、SUS,鋼の両者での見積もり要求
• ビームパイプ拡張用チャンバーは初期手配。
• 最新技術情報(ハード、ソフト)の見積り依頼
高電圧、低電圧に関する実験調査
(案)
• 導入計画の基本仕様である電子銃の電圧に
ついて検証する。
• Nb板、ハーフセルを用いた高電圧、低電圧
の実際のEBWの比較試験を、今後担当する
機械工学センター員(4名)が、行う。
• 遅くとも、H21年12月末までに結果をまとめ
る。
• Nb板の素材手配すみ。計画詳細立案中。
EBW導入時期
人材の確保、拡大(案)
– 人材育成 当面はKEK内に限られるが、一定
の成果が得られたとき、関係研究機関等、及び
関連企業の人材の参加を要請する。
– 運用 KEK内職員が管理者となり、運用計画
(含む開発計画)立案作業を関係者会議を経て
まとめ、その遂行責任を果たす。このモデル形
態として電解研磨設備運用例を参考とする。
– 例えば、加速器G STF傘下に直属するグルー
プとし、共通基盤系が協力する組織とする。
まとめ
• 空洞製造技術開発施設(パイロットプラント)
の取り組み状況について報告した。
• 非常に大型のプロジェクトであるので、機構
関係者の積極的な協力とご理解をお願いす
る。
• 特に現業の企業の理解を得ることも非常に
重要と考えている。
• 国際的な理解を得る活動を具体例を提示し
ながら進めていきたい。