愛されることへの欲求 - 行動データ科学研究分野

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Transcript 愛されることへの欲求 - 行動データ科学研究分野

~愛すること、愛されることへの
欲求尺度の作成~
金政 祐司
大阪大学大学院人間科学研究科
2003.09.13
目的
 愛すること、愛されること欲求の尺度作成
 尺度項目の選択をSEFAで行なう
なぜ、
そんな尺度を作る?
 成人の愛着スタイルの2つの次元
(関係不安、親密性回避)との関連を
検討するため
成人の愛着2次元との関連
愛着2次元
関係不安
親密性回避
-
愛すること
への欲求
+
愛されること
への欲求
予備調査(項目収集)
 回答者
大学・大学院生 51名(男性21名、女性30名)
平均年齢 23.25歳(SD=4.12)
 KJ法による項目の整理
 愛すること、愛されることへの欲求、
共に12項目、計24項目を採択
本調査では
予備調査から得られた24項目<7件法>
愛すること、愛されることへの欲求尺度
(+成人の愛着スタイルに関する項目)
近畿圏の4つの大学にて調査実施
393名の学生
(男性181名・女性212名;
平均年齢19.59歳; SD=1.36)
分析
SEFAでの分析に必要なデータ
①尺度の項目間の相関係数
②サンプル数
以上
ここのデータ入力画面
をクリック!
ここに項目間相関を!
ここにラベル!
ここに変数の数
とサンプル数!
ここで実行!
ここは因子数、
共通性の推定方法、
回転の指定
赤いところに要注意
ここのチェックを
外して…
再び実行!
ここでの疑問
①適合度、共通性、因子の負荷量、
最初にどれを指標にして
項目選択をすべき?
②適合度指標は色々あるけど、
どれを参考にすればいいのか?
次の疑問・・・
③適合度はどこまで上げればいいのか?
④今回は2因子解から始めて項目選択を
したけど、他にも方法はあるか?
(因子の数が多いと、1項目の増減で他の項目が“うろつく”
場合がある。それを避けるための方法はあるのか?)
⑤どうしても外したくない項目(因子の代表項目と
考えているもの)を外せと言ってくる場合は
どうすればいいのでしょうか?
次に、
愛することへの欲求
愛されることへの欲求
を、別々にSEFAにかけてみました
まず、
愛することへの欲求 12項目
についてSEFAを実行
次に、
愛されることへの欲求 12項目
についてSEFAを実行
では、
最初のものと比べてみた場合・・・
双方のα係数は?
最初の結果
1因子からの結果
愛することへ
の欲求 .91
愛することへ
の欲求 .90
愛されること
への欲求 .88
≒
愛されること
への欲求 .85
検証的因子分析(CFA)での
適合度を見てみよう!
.44
Q503
最初の結果
e3
.56
Q505
e5
.37
.75
Q507
e7
χ2=177.985
.48
love
.75
.69
.66 .83
.76
.61 .84
.69
.72
Q508
e8
.57
Q510
e10
.47
Q512
e12
Q513
Q516
e13
e16
.71
Q518
loved
AGFI=.903
.68
.58
.80
GFI=.932
e18
.64
.80
.85
Q520
.86
Q521
e29
.73
e21
.74
Q522
e22
.64
Q524 e24
RMSEA=.067
1因子からの結果
.76
.58
Q505
e5
.44
love
.76
.67
.83
.82
Q508
e8
e10
GFI=.936
e12
AGFI=.896
.58
Q510
.46
Q512
.69
.66
.82
Q513
.81
e13
.68
Q518
e18
.54
loved
.73
.82
.83
Q520
e20
.68
Q522
e22
.68
Q523
χ2=134.234
e23
.66
Q524 e24
RMSEA=.086
成人の愛着2次元との関連
愛着2次元
関係不安
親密性回避
-
愛すること
への欲求
+
愛されること
への欲求
最初の結果
1因子からの結果
両方でやってみました
成人の愛着2次元との関連
(最初の結果)
el
.30
χ2=604.34
.24
GFI=.882
love
anxiety
-.4
5
.64
RMSEA=.061
.43
.19
avoidant
AGFI=.856
-.36
eld
.26
loved
成人の愛着2次元との関連
(1因子からの結果)
.29
el
χ2=499.22
.24
GFI=.886
love
anxiety
-.4
6
.77
RMSEA=.066
.42
.19
avoidant
AGFI=.856
-.40
eld
.27
loved
最後の疑問
SEFAでは、項目を削れば削るほど
適合度は上がるという感覚がある
それゆえ、適合度だけを考えれば、
項目をどんどん削ってしまいたくなる
しかし尺度の妥当性や信頼性係数など
のことを考えるとできるだけ項目数を
減らしたくないという思いもある
 今回の分析結果では、
2因子から始めた項目数の多いモデルと、
1因子から始めた項目数の少ないモデルとの
間にそれほどの違いは見られなかったが…
 項目数が多い(大きい)モデルと
少ない(小さい)モデル、
双方の特徴と考慮すべき点について、
数理統計的な側面からお聞かせください