輸血の歴史

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輸血の適応/適正使用
新鮮凍結血漿
福井大学輸血部
浦崎芳正
新鮮凍結血漿
 適正使用:凝固因子の欠乏による出血傾向の是正を
目的に行う。
 PTの凝固因子活性は%表示したとき30%以下に低下、APTTは
それぞれの医療機関における基準の1.5倍以上とする
 肝障害、DIC、大量輸血時、血栓性血小板減少性紫斑病、低
フィブリノゲン血症、ワルファリン効果の緊急補正、濃縮製剤
のない凝固因子欠乏症に適応
 フィブリノゲン値が100mg/dL以下、血中凝固因子活性が30%
以下あるいはアンチトロンビンIII活性 が70%以下
 FFPの不適切な使用
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循環血漿量減少の改善と補充
蛋白質源としての栄養補給
創傷治癒の促進
重症感染症の治療、DICを伴わない熱傷の治療、人工心肺使
用時の出血予防、非代償性肝硬変での出血予防
新鮮凍結血漿の投与量
 止血効果の期待できる凝固因子活性に上昇させる
のに必要なFFPを投与する。すなわち20-30%上
昇。
成人の循環血漿量は体重あたり40ml
正常血漿の凝固因子活性は100%
FFP輸血量=40ml/kg X 体重(kg) X 20%
体重50kgの場合 40 X 50 X 0.2= 400ml
FFP 5単位
(FFP1単位 80ml)
輸血の適応/適正使用
血漿分画製剤
名古屋大学輸血部
山本晃士
アルブミン
アルブミン使用の目安
急性時 3.0g/dl以下
慢性時 2.5g/dl以下
目標値・現在値から使用量を計算、結果を評価
不適切な使用:栄養補給
単なる血清アルブミン値の改善
全血の代用として赤血球との併用
ガンマグロブリン (IgG) の作用 (1)
① オプソニン作用:IgGが細菌の表面に結合し、食細胞
(好中球・マクロファージ)による細菌の貪食を促進す
る(莢膜を持つ肺炎球菌や肺炎桿菌、貪食作用に抵
抗する物質を持った緑膿菌、連鎖球菌などはIgGが
結合した状態でなければ貪食されない) ---> 抗生物
質にない作用
② 毒素・ウイルス中和作用:ジフテリア菌、破傷風菌、
黄色ブドウ球菌などが産生する毒素とIgG Fab部分
が結合して、毒素の活性を中和する。また、IgG Fc
部分が結合したウイルスは細胞への侵入が妨げら
れる ---> 抗生物質にない作用
ガンマグロブリンの臨床使用 (1)
重症細菌感染症における抗生物質との併用
敗血症
呼吸器感染症
尿路感染症
胆道系感染症
腹膜炎
外傷・術後の二次感染
ガンマグロブリンの臨床使用 (2)
特殊なウイルス感染症
(IgGサブクラスの特異抗体活性による)
ムンプス、麻疹
ポリオ
水痘、風疹
単純ヘルペス
肝炎
サイトメガロウイルス
ガンマグロブリンの臨床使用 (3)
ITP
(Idiopathic Thrombocytopenic Purpura)
(特発性血小板減小性紫斑病)
基礎疾患(肝臓病、再生不良性貧血やMDS等
の血液疾患)や薬剤など明らかな原因を認めず、
血小板減少により出血傾向をきたす疾患で、自
己免疫的な機序が想定されている。
凝固因子製剤
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第VIII因子製剤
(vWF含有)第VIII因子製剤
第IX因子製剤
活性型凝固因子複合体製剤
フィブリノーゲン製剤
リコンビナント製剤
(第VIII因子、活性型第VII因子)
クリオプレチピテート
・新鮮凍結血漿を4℃にて一日以上かけて
溶解し、得られた沈殿部分。
・37℃にて可溶化し、-40℃以下で保存す
れば1年間有効
・フィブリノゲン、ヴォンビレブランド因子、
第VIII因子、その他種々の接着性タンパ
クを含む
・低フィブリノゲン血症の補正に極めて有効