Transcript 5/25講義資料
日本與東亞經濟專題(二) 担当 小山直則 1 5.4. 金融政策 ●貨幣供給とは ⇒経済全体に流れている現金通貨と預金通貨の合計 をマネーサプライという。 マネーサプライ=現金通貨+預金通貨 ⇒日本銀行が供給する通貨をマネタリーベース(orハ イパワードマネー)という。 マネタリーベース=現金通貨+法定準備預金 ⇒日銀はマネタリーベースを直接制御できるが、マ ネーサプライは直接制御できない。 ⇒日銀は、マネタリーベースを制御することによって、 マネーサプライを制御し、物価を制御する。 2 5.4. 金融政策 ●金融調節 ⇒市中銀行が日銀に預ける法定準備預金の供 給量を日銀が制御することを金融調節という。 ⇒金融調節によってマネタリーベースが変動す る。マネタリーベースの変動を通じて金利や マネーサプライの大きさが変動する。 ⇒金融調節の手段には、公開市場操作と法定 準備率操作がある。 3 5.4. 金融政策 ●マネーサプライ論争 ⇒バブル崩壊後の金融政策をめぐり、岩田規 久男と翁邦雄の間で(1)貨幣供給の原理と(2) 金融調節の方法について論争があった。 ●論争(1) 貨幣供給の原理 ⇒岩田はマネタリーベースがマネーサプライを 決定すると主張した(教科書の考え方)。 ⇒ 4 5.4. 金融政策 ●論争(1) 貨幣供給の原理 ⇒岩田はマネタリーベースがマネーサプライを 決定すると主張した(教科書の考え方)。 ⇒日銀が金融調節を通じて法定準備預金を供 給し、マネタリーベースを拡大すると、市中銀 行は法定準備預金を引き出してそれを企業 に貸し付ける。 ⇒企業への貸付金は、現金または預金として流 通することになる。 5 5.4. 金融政策 ●論争(1) 貨幣供給の原理 ⇒企業への貸付金は、現金または預金として流通する ことになる。 ⇒預金として銀行に戻ってきた分は再び銀行によって 貸し出しに回される。 ⇒このように貸出→預金→貸出→…というように繰り 返され、マネタリーベースの何倍ものマネーサプライ が創造されていく(信用創造のメカニズム)。 ⇒以上のようにマネタリーベースがマネーサプライを 決定するという考え方を外生説という。 6 5.4. 金融政策 ●論争(1) 貨幣供給の原理 ⇒一方、翁や日銀関係者は、マネーサプライが マネタリーベースを決定すると主張した(内生 説)。 ⇒内生説によると、市中銀行の貸付によってマ ネーサプライが供給され、その後で日銀が金 融調節を通じてマネタリーベースを決定する ということになる。 7 5.4. 金融政策 ●論争(2) 金融調節の方法 ⇒貨幣供給の外生説が正しいとすると、マネー サプライはマネタリーベースの制御によって 決定される。 ⇒外生説に基づく金融政策の手段と目標の流 れは教科書の図5-9に記されている。 ⇒金融政策の手段は、公定歩合操作、公開市 場操作、預金準備率操作(法定準備率操作) の三つがある。 8 5.4. 金融政策 ●論争(2) 金融調節の方法 ⇒公定歩合操作、公開市場操作、預金準備率操作(法 定準備率操作)によって、法定準備預金(日銀当座 預金)が制御されるので、マネタリーベースが直接制 御されることになる(操作目標)。 ⇒外生説によると、マネタリーベースの制御によってマ ネーサプライが決定され、これを通じて長期金利、 貸出金利、貸出増加額が決定されることになる(中 間目標)。 9 5.4. 金融政策 ●論争(2) 金融調節の方法 ⇒外生説によると、金融調節を通じたマネタ リーベースの制御で、最終目標である物価の 安定、完全雇用、経済成長、国際収支、為替 の安定が実現される。 ⇒内生説では、日銀はマネーサプライを制御で きないということになるので、デフレも不況も 経済成長も制御できないということになる。 10 5.4. 金融政策 ●岩田vs.翁論争の背景 ⇒教科書の図5-8にあるようにバブル崩壊後の 90年代に日銀がマネタリーベースを制御して いるがマネーサプライが増えていない。 ⇒このことから、外生説に対する疑問が生まれ た。 11 5.4. 金融政策 ●量的緩和政策と効果 ⇒99年2月に無担保翌日物コールレートがほぼ0にま で引き下げるゼロ金利政策の開始を決定した。 ⇒ゼロ金利政策は、長期金利の低下をもたらし、景気 を下支えた。 ⇒さらに、信用秩序維持としても効果が発揮された。 ⇒更なる金融緩和政策として量的緩和政策が主張さ れた。 12 5.4. 金融政策 ●量的緩和政策と効果 ⇒00年8月にゼロ金利政策がいったん解除され た後、景気が一段と悪化した。 ⇒01年3月に量的緩和政策の導入が決定され た。 ⇒ベースマネー(法定準備預金)の目標は当初5 兆円程度であったが、最終的には30-35兆円 まで引き上げられた(図5-11)。 13 5.4. 金融政策 ●量的緩和政策の効果 ⇒量的緩和政策の効果には、(1)金利効果、(2) 期待効果、(3)資産組み換え(ポートフォリオ・ リバランシング)効果の三つがある。 ⇒(1)金利効果 これは量的緩和政策導入後、コールレート が再びゼロ近辺にまで低下した効果を指す。 14 5.4. 金融政策 ●量的緩和政策の効果 ⇒(2)期待効果 これは日銀が将来への政策の方向性を公約(コミッ トメント)することによって、人々の将来に関する期待 が変化する効果である。 ⇒日銀が消費者物価上昇率が安定的に0以上となる まで量的緩和政策を続けると公約した。 ⇒これは、人々にコールレートが将来にわたって低い 水準で推移するという期待を生じさせた。 15 5.4. 金融政策 ●量的緩和政策の効果(2)期待効果 ⇒これは、人々にコールレートが将来にわたっ て低い水準で推移するという期待を生じさせ た。 ⇒長期金利は将来の短期金利の予想平均とし て決定される。 ⇒したがって、将来のコールレートの水準に対 する期待の変化は、長期金利の下落を通じ て経済に影響を与えた。 16 5.4. 金融政策 ●量的緩和政策の効果(3)資産組み換え効果 ⇒マネタリーベース(法定準備預金)が拡大すると、市 中銀行の資産構成において日銀当座預金の占める 割合が大きくなる。 ⇒日銀当座預金は無利息なのでこれを大量に保有し ても銀行は収益を上げることはできない。 ⇒しかし、流動性の罠の状況下では利子を生み出す 貸出先を見つけることは難しい。 ⇒さらに、銀行の不良債権は貸し渋りを生じさせたた め、資産組み換え効果が働きにくい状況であった。 17