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第三章
「家」を基盤とする「タテ」の社会構造
一、「タテ」の社会構造
 1.戦後の日本社会の前
近代的なもの:日本経済
の高度成長を促進した
 2.中根千枝の日本社会
分析:分析の鍵、「場」
と「資格」、帰属意識の
強い日本人がその「場」
で「タテ」に人間が関係
し合い、そこに「タテ」
集団が成立する。
中根の観点
個人主義、契約精神の欧米と、「場」を
強調し、「ウチ」と「ソト」を強く意識
する日本
単一的で、明確な上下関係によって、底
辺のない∧型の「タテ」の構造関係
上級者に忠誠を尽くし、集団の利益に忠
誠を尽く、集団成員の向心力を形成する
鍵
3、「資格」と「場」の両要素:
 「資格」:生まれながらの氏
と身分、生後個人が獲得した
学歴、地位、職業
経済学的観点からの資本家、
労働者、地主、小作人
社会的、生物的に男女、老若
など種々の「資格」
 「場」:一定の地域と所属機関、
一定の個人が集団を構成して
いる場合
国、県、市、町、村の成員、
会社、企業、大学の成員
日本人の集団意識は「場」にお
かれ、インドでは「資格」にお
かれ、中国や欧米は中間
 4.日本人は職種
よりも組織を強調
する、○○会社、
○○大学、「場」が、
社会的に重要な役
割を持って、個人
の持つ「資格」は
第二の問題
 このように「場」を
強調する日本の社
会が、「資格」の異
なるものを包括す
る社会になり、そ
の構成員を結びつ
ける理論としては、
「タテ」の関係が大
きく作用するよう
 5.人間の社会の構
 日本において親子、
造は、「タテ」と
上司と部下、先輩と
「ヨコ」二つの関係
後輩は同列に置かれ
で考えられる。
ない「タテ」の関係
 例えば、親-子、兄
 兄弟、同僚のような
弟姉妹、先生と学生、
同列に立っている
同窓及び同僚は「ヨ
「ヨコ」の関係も、
コ」
序列によって「タ
テ」の関係同じ実力
 中世のヨーロッパ
と資格を有する、年
「ヨコ」の社会、イ
齢、入社年次、勤続
ンドのカースト、中
期間の長短などに
国の士農工商「タ
よって差が生じる
テ」「ヨコ」
6.日本の「タテ」の社会構造は次のような
二つの特徴を示している。
 (1)上下関係は身分等級制度や序列秩序の
上に成り立っている。社会集団と社会の中で
の等級が厳しく、階段式の序列の等級があっ
て、各等級にまた厳しい序列がある。序列を
決定する基準は、年齢、社会的地位、集団にお
ける経験年数、性別などである。
 江戸の「大名」:「親藩」「譜代」「外様」
 家来:年齢、仕える期間
序列
日本人の日常生活の中にも上下の序列意
識が存在している。日本では、人が集ま
ると、序列が意識され、自分の属してい
る序列の位置に従って行動する。
現在の日本社会序列意識が強い、安定性
と密度の高い企業ほど序列関係が強固、
個人の力の発揮を強調する作家や俳優、
芸能人の世界においても、序列意識が強
く存在している
 言葉-敬語の程度
 席順、「上座」「下座」、
 社会では等級序列によって並べられているが、
「家」制度の下では、上下の関係は家族の中で
の親分―子分という関係に現われていたから、
欧州やインドのような等級分離や等級封鎖の状
態にはならなかった。「タテ」の等級制度は職
業の区別や階級の区別を無くした。
 (2)日本の「タテ」の
社会組織と社会構造は
「単一性」を持っている。
中根氏によると「タテ」
の構造では、各集団(人
或は系統)は、普通、上
下両極と関係を発生し、
同じ等級にあるほかの系
統とはあまり関係を発生
しない。特色:①第一に、
成員はaを頂点としての
み全員がつながっている。
②第二の特色としては、
このような集団は底辺の
ない三角関係であること
である。
 パーソナルな、直接
的関係-感情的、情
緒的、接触的な「タ
テ」の社会:西洋の
理性的普遍的なルー
ルの設定が無い。
 相対的な価値観:人
と人との関係を何よ
りも優先させる。日
本人の党派性、派閥
争い、非社交性、
「ヨソ」の競争、契
約精神の欠如、社会
的強制、論理より感
情。
 このような組織は、
ヒエラルキーを生み、
古顔が力を持ち、新
成員は常に下位に立
たされる。「タテ」
型の集団においては、
感情的、情緒的関係
が生まれる。中根氏
は「この組織の長所
は、リーダーから末
端成員までの伝達が、
非常に迅速に行われ
る、「ヨコ」の連絡.調
整が難しい
 企業や官公庁の職場:同
じ年次に入った人達が同
じ階層を構成し、給料と
地位でほぼ同じ取り扱い
を受ける。情緒的な一体
感が生まれる。「就職」
の意識より、どの会社に
入るかという「就社」の
意識が強い。日本では、
雇用されるときに職種が
決まっていない場合が多
い。採用後に会社が決め
るのである。一人がいく
つもの職種を経験するこ
とも珍しくない。「何を
するか」が重要なのでは
なく、「どこの会社の人
か」が大切なのである。
二、日本の「家」制度
 日本特有の「家」制度は
「親分」-「子分」の形
式で職業と階級の区別を
無くした。
 「親分」-父母、領主、
上司、支配、面倒
 「子分」-子供、家臣、
部下、尽くす義務
 生活共同体で、経営
体
 情的に結びつき、感
情的なアプローチを
取る
 グループ内部の人間
同士の接触が頻繁、
公私の区分がつかな
くなる。


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 企業:終身雇用制、年功
序列制によって、封鎖な
「家」の集団社会を作っ
ている。「企業丸抱え」、
企業とは契約関係より婚
約関係、集団に一体感、
同族意識、「愛社精神」、
「企業は人なり」、「従
業員は家族の一員であ
り」、「縁あって結ばれ
た仲」、日本の社会組織
は、「家」の拡大図であ
る。個人は「家族の一
員」として認識され、従業
員の家族は従業員ととも
に一単位として認識され
ている。そして、個人の
行動や考え方にまで集団
の力が及ぶ。
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観人徳、るる成に間倫
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薄て達、 ってて体範
四、日本の「家元」制度
 一人の頂点に対する献身
 茶道、華道、香道、音曲
的な奉仕があり、神秘化
の伝統的な芸の世界では、
された技への賛仰、日本
「家元」制度によって技
の縮図
芸が伝授
 万を越す弟子家族の構成
 「家元」は、その芸を創
員、一番大きな「模擬的
始した流祖の嫡流、芸と
家族」、
血統が正統に一切の権利
 「模擬的な家族」、酒場
を持っている家、一人の
の女主人のママ、任侠の
師匠に弟子が増えてもよ
世界は「親分」と「子
い構造、世襲に引き継が
分」、代議士の秘書は、
自分の主人を「親父」と
れ、血の正統に対する信
呼ぶ。
仰
 家元は非常に権力、免許
状が発行権利。
二、中日の「家」制度の比較
「外親」と「本宗」:
 中国東部沿海と黄河流域の龍山文化、斉家文化。揚子江
流域の屈家嶺文化、青蓮崗文化
 父権制が確立-氏族制-家族―宗族制に変わる。夏(禹
より桀)に始まり、周に至って盛ん

―
―
な宗し
春
っ族、小奴秋
たに分作隷戦
。代封農型国
わ制型経時
る度の済代
基が経シの
本廃済ス土
的止シテ地
なさスム私
社れテか有
会、ムら制
群家と、、
体族転地領
とは化主主
 特徴:
 (1)中国の「家」は、
家、家族、宗族という
三つの部分
 家:同居して、共同生
活、二、三世代、経済
単位、「家長」。
 家族:家の総合体、同
じ先祖の男系後代、四
世代、血縁単位、族長。
 宗族:同じ姓の同族組
織で、「宗子」、

 (2)中国の「家」制
度は、父権を中心とし、
血縁関係を重視、その
尊卑、長幼、上下、親
疎が決定、同族、同姓、
同血縁の跡継ぎが無い
と忌まれる。
(3)宗法組織が、地方の
基本政権と社会組織、県
以下の権力行使は、宗法
制で管理支配「族規」、
「族法」、「族産」管理し、
仲裁、「家族」と宗法組
織の結合は、伝統社会の
「自給自足」、封鎖され
た「半分自治」形成
 (4)中国における「家」
の財産相続制度は、男子
平均相続制。土地貴族
の強大化を防ぎ、科挙を
奨励した。
日本の特徴 :
 (1)日本の「家」制度
は、濃厚な母権制の色彩
を帯びていた。
 婚姻制度と相続制度:4
世紀まで、「妻問婚」、
4世紀以後、父権制が生
まれ、7世紀中期父権制
が発展、妻問婚が依然、
13世紀初期、嫁入婚が
流行、民間普及は14世紀
以後、残余依然、相続制
度は男子女子平均制、女
子の相続権が認め
 (2)母権制の影響で、日本の父権制の出現が遅れ、同
族同姓の父系血縁観念の重要性が薄くなり、日本は、
中国ほど血縁関係の観念が強くない。「家」は、父系
の血縁、社会関係、階層関係、業界関係、地縁関係と
も関わる。血縁関係の無い弟子、家臣、家来「他人」
を「養子」、模擬血縁関係によって「家業」を受け継
がせる。「血縁団体」より社会の「組合」「経営団
体」、「組織」、「企業体」、非家族成員をも含める
 (3)荘園制度以後に
形成された父権制の
「家」は、長子相続制
度が慣行となり、特殊
な地位、優遇され、弟
や妹に対し支配権が、
尊敬される。「本家」
と「分家」経済的に
「本家」に従属し、
「本家」は「分家」の面
倒を見る

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一、日本企業の三大特色
 (1)終身雇用制:雇用
関係が続く。能力の向上
と年功により賃金と地位
が上昇する。雇用の安定
性と所得の安定性、企業
への忠誠心や技術革新の
円滑化。マイナス面雇用
の非弾力性、自己開発の
努力の衰退
 (2)年功序列制:勤続
年数が長くなるに連れて
給与が上がり、地位が上
昇していく。安心感と落
ち着きを与え、企業への
信頼感や忠誠心を持たせ
る
 (3)社内組合:職種
別ではなく、企業別
の組合。経営者も管
理者も昇進前は組合
員、会社に対する信
頼感を持っており、
要求するほうも認め
るほうも対立が厳し
くない
二、日本人の社会
 (1)学歴社会:社会的地
位や収入、人物の評価が
学歴によって判断。高学
歴至上主義の風潮、就職
の際、就職後もその学閥
が人事に影響を与える。
進学競争の低年齢化の弊
害、エスカレートする学
歴志向に、歯止めをかけ
ようとする企業や学校も、
増える。
 (2)資格:資格国家、
1000種類以上、公務
員や医師から、個人の
レベルを知る判断材
料となる英語検定.
秘書検定などある。
専門的な職種に就く、
給与面で加味される。
就職難の時代、企業に
対するセールスポイ
ント。
 (3)印鑑:欧米ではサ
インが重要視、日本
では公式の書類を作
る際、本人の証明を
要する際には、印鑑
を使う。直径1-2㎝、
長さ7-8㎝程度の木
または象牙、水晶な
どに名前を刻み込ん
だもので、その面に
朱肉を着けて書類に
押す。
 「実印」は、居住地に登
録し、重要書類に捺印す
る時、間違いなく本人の
印鑑であること証明でき
る。各人、法人が正式に
登録、偽造すると犯罪に
なる。
 「認印」は、苗字などを彫
刻して、日常用の事柄に
使う略式の印鑑である。
自分の書いた書類に責任
を持つ、他から回ってき
た書類を承認。会社員に
なくてはならないもので
ある。
 他に本の愛好家が「蔵書
印」を作ったり、芸術家
が「遊印」を作って作品
や色紙に押したりもする。
 (4)名刺:必要不可欠。
竹や木を削(けず)っ
てこれに姓名を記し
たものを「刺」と
いった。日本で名刺
が最初に使われたの
は、江戸時代の安政
元年(1854)、米国
使節と幕府の役人が
交換したのが始まり。
記載されている役職
名にも関心を寄せる。
個人よりも企業や団
体の肩書き
 (5)はちまき:、頭の
鉢に巻くもの。頭髪
の乱れなどを防ぐた
めに締め、また、魔
除けの方法。受験生
が、「必勝合格」、
デモ行進、運動会、
神社の祭礼。
 (6)宴会:起源は『風
土記』『万葉集』に
見受けられる。主に
神事あるいは種々の
宗教的行事として、
聖なる空間に人々が
集まって、飲、歌、
踊、食会合である。
現代の宴会はビジネ
スの場としての接待
であると同時に、忘
年会や新年会など、
儀礼や楽しみの席。
 (7)忘年会:年の終わ
りに、その年にあっ
た苦労を忘れるため
の宴会である。年末
になると、仕事仲間
や友人同士が集まり、
お互いに一年の苦労
をねぎらい、翌年の厚
意を願う。
 (8)万歳三唱:万歳は
両手を頭の上に上げ、
三唱とは祝福の言葉
としての「万歳」を
三回繰り返す。古代
中国で、皇帝に拝謁し、
慶賀するときに「万
歳三称」。日本では
平安時代に、天皇に
対して「万歳」を唱
えた。、慶賀の表現
として諸種の儀式や、
また壮行会や祝勝会。
 (9)女性の社会進出:  (10)OL:「office
女性が社会で働いて、
lady」の略語で1888年に、
日本銀行で採用されたの
経済的に自立した生
が最初、オフィスガール、
活を送るのが一般的
1955年ビジネスガール
になってきたのは
(BG)が使われ、OL、
1970年代頃からであ
1962年ごろ。その頃から
る。それまで女性は、
女性の社会進出が進み、
学校を卒業、結婚し
働く女性が増え。学校を
卒業結婚、出産まで働き、
たら家庭に入って家
子供が大きくなるにつれ
事と育児をもっぱら
て、また再び働く、その
とし、夫は外で働く
まま一生働きつづける女
という、役割分業意
性も増え、女性の管理職
識が強かった。
も出現する
 (11)定年退職:日本
企業で定年制が普及
た、大正時代。55歳、
男性の平均寿命が47
歳程度、生涯雇用。
現在は60歳が。平均
寿命が80歳時代を迎
えた、定年後、どう暮
らすかが問題。何も
することなく、抜け殻
の男性が、妻から離婚
を告げられる「定年
離婚」も増える。
 (12)ボランティア休暇:
 (13)職人:自分の手技
近年企業の社会的責任、
によってモノを作り、そ
地域や社会への企業の貢
れを正業としている人。
献のあり方に関心が高る。
大工や左官の屋外で仕事
これは企業市民という考
をする「出職人」と、自
え方から、アメリカで発
分の住まいの中に仕事場
達してきた。その一つに、
を持つ「居職人」、日本
社員にボランティアをす
の伝統産業としてこれら
るための休暇を与える。
を保護、育成しようとい
1ヶ月から3年程度の期
う国レベルの動きもある。
間で社員が希望するボラ
ンティア活動を行うこ。
給与は6割から全額まで
も支給される
三、日本人の人間関係
 (1)暑中見舞い:日本の
夏は高温多湿で、体調を
崩しやすい季節である。
親しい人の安否を確かめ
合う習慣が成立。「暑中
見舞い」。葉書による暑
中見舞いは、大正時代か
ら。7月20日頃から立秋
の8月7-8日まで、時期が
過ぎると「残暑見舞い」
になる。
 (2)お中元:「中元」
とは、中国で旧暦7月
15日。この日にもて
なしをすると、罪が
許されるという道教
の教えと、仏教の盂
蘭盆が影響して、半
年間の無事を祝う行
事になった。現在は、
お世話になっている
人に儀礼として贈り
物をする習慣。7月上
旬から中旬まで。
 (3)お歳暮:年の暮れに、
仕事やプライベートでお
世話になった人たちに贈
り物をする。通年の御礼、
1年の半ばに贈る「お中
元」に比べて、少し高価
なものを贈る。明治時代
までは、魚や米などの食
料品が一般、現代では食
品や衣料品などさまざま。
公務員や会社員に、ボー
ナスが支給される12月上
旬から中旬までが贈答の
ピークである。
 (4)世間体:体面重視。一
般の常識を意識し、それ
に外れないよう体裁を取
り繕うとすること、行動
原理。「世間体が悪い」
と咎められる。集団行動
をよしとする日本は、
「世間」は日常の行動や
生活態度を決定する際の、
拠り所となっている。
 (5)新人類:1960年以後を
総称。申し子、考えや感
性が違う。忠誠心や帰属
意識が薄く、義理と人情
に縛られることなく、や
さしくクールな関係を好
む。
 (6)建前と本音:共同
体の時代には、統一
した意見や方針を、
集団で行動する。
「本音」よりも「建
前」が優先、秩序が
保たれている日本の
縦社会では、、生き
残りに必要。相手を
傷つけることなく、
効果的に物事を解決
する「建前」、強硬
を避け。和を尊ぶが
大切。
 (7)井戸端会議:江戸時
代、一間(ひとま)ずつ仕
切りられた長屋に住む町
人の女達が、共同の井戸
端で水汲(みずく)みや洗
い物をしながら、世間話
やうわさ話をしていた。
社交場。
 (8) お世辞:社交辞
令の一種が「お世
辞」。相手を喜ばせ
るため、実際以上相
手を誉める。人間関
係をスムーズに進め
る処世術が、度を越
した真実味のないお
世辞は「おべっか」
「諂い」などとも称さ
れ、逆に嫌われる。
 (9) 良妻賢母:明治
から二次大戦までの
女子教育目標の根幹
「良妻賢母」。
「家」制度を支える。
家父長たる夫や舅姑
に、従順仕える女性
が理想。女性の教育
も、家庭生活に役立
つ家事、裁縫、母親
としての子供に接す
る躾の作法が重要視。
現在男女共同参画。
四、日本人の暮らし
 (1)健康保険:官庁、公
共機関、民間の事業体に
雇われる人と家族が、勤
務先で強制的に健康保険
組合に加入。保険料は、
労働者側と使用者側が半
分ずつ負担。一方、「健
康保険法」に適用しない
農民、自営業者、仕事を
しない人、外国人を対象
とし、疾病、負傷、死亡
に関して医療の給付など
の保険給与を与えること
を目的として、国民健康
保険が設けられた。
 (2)介護保険:世界一の
高齢化社会に対応するた
めに、2000年導入。労働
人口より、リタイアした
高齢者が多日本、個々の
家庭の力では、面倒を見
ることは不可能。介護が
必要になるときに、在宅
でのサービスや施設での
サービスを受ける、介護
保険が義務付けられ。対
象者は、65歳以上の高齢
者、40歳から64歳までの、
介護を必要とする人も対
象となる。
 (3)年金:①国民年
金:国民年金は、厚生
年金保険法などに適用
を受けない一般国民
(20歳以上の男女)を加
入対象として、自営業、
主婦、学生、無職の人、
外国人などが、障害者、
遺児、母子世代など、
労働能力のないものに
対する福祉年金もある。
25年以上加入していれ
ば、1999年の計算で月
額6万7017円を支給さ
れる。
 ②厚生年金:厚生年金
は、民間企業に勤めて
いる人の年金。5人以
上事業所、法人の事業
所の従業員に老齢年金、
障害年金、遺族年金な
どを給与するための、
政府管掌の社会保険制
度。40年の加入の男子
で、1999年の計算で、
平均して23万8150円。
 ③共済年金:公的年
金である国家公務員
共済組合、地方公務
員共済組合の長期給
付。支給は、厚生年
金よりも支給月額が、
1-2割が多いようで
ある。
 少子高齢化は、日本
の年金制度は危機に
瀕している。
 4)高齢化社会:
2004年、平均寿命
は男性が78.36歳、
女性が85.33歳。世
界の長寿国は、ス
ウェーデン、ノル
ウェー、アイスラ
ンドなど北欧に多
い。出生率は1.43
人と少子化2015年
には、総人口の4人
に一人が65以上の
高齢者になると予
測されている。
 (5)原爆と敗戦:日
本は世界で唯一、原
子力爆弾を投下され
た経験を持つ国。
1945年8月6日広島市
に、9日に長崎市に投
下。広島市の死者25
万人、長崎市の死者
15万人。広島の原爆
ドーム、ユネスコの
世界遺産に指定され
ている。
 (6)ゴミ:物質文明
の「副産物」のゴミ。
可燃ゴミ、不燃ゴミ
や粗大ゴミの埋立地
も、人口1200万人、
可燃ゴミと不燃ゴミ
の分別回収、粗大ゴ
ミ処分の有料化、ゴ
ミ袋の改定などの法
令を定め、ゴミ消却
炉周辺の土壌から有
害物質であるダイオ
キシンが検出。
 (7)宅配便:
五、サラリーマンの世界
 労働力人口の約8割はサラリーマン、日本経
済を支えている
 (1)通勤と会議:会社の始業時間は8時半
―9時、通勤時間の平均が1時間以上、サラ
リーマンは7時ごろには家を出。ラッシュア
ワーの通勤電車、立ちっぱなしで、週に一度、
月に一度定例会議、販売会議、宣伝会議など
セクションごとの会議、また、部課長会議、
支店長会議などの職制別の会議など、職制が
上がるほど多くなる。結論が出ずに伸び.
 (2)社員食堂、喫茶店:
市価より安い。福利厚生
の一環。
 (3)退社後:残業が普通。
取引先の接待もあり、帰
宅が深夜に及ぶ、「社用
族」。
 (4)会社人間:企業への
忠誠心が高く、家庭を省
みず猛烈に働く人。高度
経済成長を支えた。その
後、マイホーム主義が増
え、今の若者は、会社と
の関係をドライに考える
傾向。
 (6)家族との関係:サラ
リーマンの生活が会社中
用.年功序列で生活は保
心なので、家庭は妻を中
障される、会社の命令に
心に運営される。このた
拒否権、選択権はない。
め、家計、子供のしつけ、
どのセクションに配属さ
教育などは妻に任せ、月
れるかは会社が決める。
給も全額妻に渡し、必要
転勤、一定の期間ごとに
な小遣いを妻からもらう
配置転換を行う、何度か
という家庭も多くある。
の配転、転勤を経験する。
 (5)配転.転勤:終身雇
 (7)単身赴任:昔は、
親が転勤、子供も転
校。近頃、マイホー
ムがあって、家族を
残したまま単身赴任
が多。40歳で半数を
超える。子供の教育
のため。交通の便の
発達。週末に家族の
もとに帰ってきて、
月曜日の朝早く赴任
地に戻ることも可能。
 海外へ単身赴任するケー
スも多くなった。7割以
上の会社が、単身赴任者
に月額2-3万円の別居手
当、3割の会社が月1-2回
の帰宅手当てを支給。単
身赴任の問題は、金銭で
解決できない。月に数回
しか合わない夫婦、父親
の顔も見ずに育つ子供達、
日本の家庭生活の崩壊の
一因。最近、単身赴任の
家庭に起こる物質的.精
神的な問題が社会問題化
してきて、「単身赴任保
険」などという変わった
保険も出来た。
 (8)収入とボーナス:従業員30人以上の企業、
2002年の一人当たりの月給給与総額は、38万
7638円。残業手当や特別給与(ボーナス)を月
に均(なら)したもの。
 近頃年俸制を導入、月給制が主流。夏と冬の年
二回支給ボーナス、お中元やお歳暮、帰省や旅
行.
 (9)サラリーマンの付き
合い:集団主義、人間関
係の和を重要視。企業内
のフォーマル及びイン
フォーマルな催し物が。
封鎖された集団、会社中
心の付き合い。人間関係
を円滑にすること重要。
商売上の付き合いも人間
関係が重視、上下関係に
基づく儀礼的挨拶、或は
接待、贈り物などの独特
の慣習がある。
 (10)運動会、忘年会:定
期的に組織全体、或はセ
クションごとの行事が行
われる。従業員の家族も
参加する運動会や、転勤
者への送別会、或は歓迎
会、年末の忘年会。家族
主義的慣習で、人間関係
を緊密にする、組織は運
命共同体、組織の活性化
を図る。スポーツから文
学、囲碁、将棋といった
同好会。社内の厚生施設
を利用し、活動。労使の
区別は無く
第十八屆夏季奧
林匹克運動會
 (11)社員旅行:「家族主
義的」経営、社員旅行現
れ。年に一回、部や課ご
とに、中小企業なら社員
全員で、温泉地や観光地
に一泊旅行に出かける。
裸のコミュニケーション。
夜の宴会では無礼講にな
り、社員が「かくし芸」
などを披露する。最近は
若手社員望まない傾向。
退社後アフターファイブ
まで干渉されたくない。
 (12)赤提灯:大衆酒場。
終業時間が終わると、同
僚と連れ立ち、飲み雑談、
インフォーマルな席、日
ごろの不満などを言い合
う、一種のストレス解消
の場。
 (13)社宅:社員に提供す
る住居で、家賃は市場相
場より安く貸す。社員の
福利厚生の一環、人材確
保の手段。大都市では地
価が高く、持ち家を持つ
ことが難しい、社宅を利
用する人は大勢。若い世
代、集合型住宅では、プ
ライベートの時間が制限、
社宅を嫌う。
 (14)接待とゴルフ:商取
引、普段の付き合いが重
要、接待が行われる。取
引を有利に展開、人間関
係を円滑にする。料亭、
高級クラブ、ゴルフ接待
である。ビジネスマンは、
挙ってゴルフを始める。
ゴルフは、趣味ではなく、
仕事上の利益を伴う。業
者が公務員を接待し、公
務員が自分の地位を利用
して業者に便宜を図。業
者は贈賄罪、公務員は収
賄罪に問われる
 (15)窓際族:第一線
のポストを外され、
肩書きはあるが実質
的には仕事がない状
態のサラリーマンを
指す。古(ふる)株(か
ぶ)社員で、邪魔にな
らない席に移動。終
身雇用をモットーと
した日本企業の切捨
て政策、最近の経済
不況では、事実上の
首切りであるリスト
ラが断行。
 (16)脱サラ:サラリーマ
ンを辞めて、独立して仕
事をする。「企業組織の
中では所詮自分は歯車、
生きがいはない。自分の
能力を試みしてみたい」
と、高度成長時代の終焉
を迎えた1970年代に、
「脱サラ」がブーム。
「男のロマン」をかかげ
て脱サラした、現実に成
功した人は2割。今日の
ような不景気の世の中で
は、脱サラする人は減っ
ている。