ブランドカルチャーマーケティング ブランドカルチャーマーケティングは

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Transcript ブランドカルチャーマーケティング ブランドカルチャーマーケティングは

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INTAGE CHINA Marketing Seminar
2013
カルチャーマーケティング
の魅力
魏欣
事例:
北京の某会社はイランに200トンの食用アヒル
を輸出しようとした。それまで順調に進んだも
のの、イランの税関に到着したとたん、本国に
戻された。
当然中国側は理解に苦しんだ。交渉した
結果、アヒルの殺し方がイスラム教の教範に
合わないため、返品すると告げられた。輸出
品が「里帰り」し、その会社は大損を負うこと
になった。
日本のSEIKOはかつて、安くて
良いものだと評判でしたが、熾烈な
グローバル競争の中で、イスラム世
界では苦戦を続いてきた。
そこでマーケティング担当の管理
層はこれは特殊な宗教伝統のマー
ケットだと気づいた。世界のどこにい
ても、イスラム教徒は毎日必ず聖
地メッカの方向に向かって礼拝を
行う習慣がある。
3
そこで、SEIKOは特殊機能を持つ腕時計を
開発した。世界のどこにいても、現地時刻をイス
ラム時刻に変更できる、礼拝時刻を知らせる機
能の開発である。しかも、「羅針」は常にメッカの
方向を指している。
この腕時計が発売された時から、イスラム社
会から大人気を博し、SEIKOも矢大なる収益
を得た。
4
同じく馴染みのない宗教に
直面した時、こうも異なる結
果が出てしまう!
文化とマーケティングは実
は相互作用の関係にある。
文化はマーケティングに影響
を与え、マーケティングは文
化に変革をもたらす。
5
文化的な要素をたくさん持つマーケティングは
、より人間性・地域性・企業性がある。それによ
って、差別化・個性化のあるマーケティングに発
展していく。
(バービー人形)
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カルチャーマーケティングの出現内因
文化の衝突はカルチャー文化出現の原
動力である。
例えば、スリムな女性が美しいと一般的に
考えられるが、アフリカでは女性は太るほど
美しいと賞賛される。
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カルチャーマーケティングが盛んになってきている
技術力の進歩及び激しい市
場競争の結果、同類商品間
の性能がほぼ同じとなり、消費
者は性能で商品差別化を図
る意味がもう無いと感じている。
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商品の差別化はどこからくるか?
生活水準の向上や消費価値観の変化と共
に、消費者の消費行動に「文化性」が現れて
きた。
例えば高価な腕時計。精確な時間を提供
することには変わりは無いが、消費者の購入動
機は身分や社会的地位など文化的な需要に
よるものである。
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現在の消費者は商品
の使用価値よりも文化価
値を求める。
商品の形・デザイン・色
などの外観、トレンディ性
、センスなどの文化的な
要素は商品選択時の重
視点となる。
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カルチャーマーケティングとは
従来のマーケティングは基本的に有形の
商品にかかわるものである。一方、カルチャ
ーマーケティングとはあるコア価値観を意識
的に発見・選別・育成或いは創造すること
によって企業の経営目標を達成するマーケ
ティングである。
カルチャーマーケティングは文化をマーケテ
ィングの理念に融合させ、マーケティングの
戦略に取り入れるによって、斬新なマーケ
ティングに作り上げることである。
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米国でインスタントコーヒーが出始めた頃のお
話。「手軽さ・便利さ」を訴求ポイントにしたとこ
ろ、主婦たちに見向きもされなかった。調査して
たどり着いた売れない理由は、この訴求方法は
主婦の価値観に反したからである。「手抜き主
婦、良妻賢母でないと思われたくない!」
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カルチャーマーケティングの機能
カルチャーマーケティングは商品差別化戦
略のために斬新な道筋を示した。
商品の差別化は企業が優位性を勝ち取
るための主要因である。コストや品質やサ
ービスなど物質的な要素において、企業は
どんなに努力しても大きく進展しない時に
、非物質的な要素、すなわち文化は市場
競争に参入してきた。
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文化の親和力を用いて企業と消費者の間
に共同ビジョンを構築し、それによって企業の
業績と競争優位性を高める。(トヨタ自動車の
コピー)
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カルチャーマーケティングの三段階
 商品カルチャーマーケティング
 ブランドカルチャーマーケティング
 企業カルチャーマーケティング
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商品カルチャーマーケティング
商品カルチャーマーケティングの視点から考察す
ると、商品は単なる価値観の実現体に過ぎない。
P&Gが中国市場に「Head-Shoulders」を導入
した時、同類商品では販売価格が一番高いにも
かかわらずよく売れた。その理由は消費者の自己
満足・身分・社会的地位などのニーズを汲んだ価
格設定にある。
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ブランドカルチャーマーケティング
ブランドカルチャーマーケティングは商品カルチ
ャーマーケティングが進化した結果である。
品質や価格やアフターサービスなど物質的
な要素において、ブランド競争は行き詰まった
時、文化的な深みを加えると、その価値は物
質的な要素の合計ではなく、更に高いレベル
での勝負となる。
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企業カルチャーマーケティング
IBMの価値観はかつて社員利益のため・顧客
利益のため・株主利益のためとの三原則に具
現化した。以後、「個人の尊重」・「真心のこも
ったサービス」・「一流主義」の三信条に発展し
た。これらの内容はIBMの原点や精神でもあり、
良好な企業イメージ構築にも貢献している
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商品の生産
文化の品格が商品に与える影響はまず製品
のデザインに現れる。
ヨーロッパ人は古代の乗馬生活を憧れ、筋肉
質のようなつるつるした車内を好むため、欧州の
自動車メーカーはインテリアに革製品を多く取り
入れる。一方、日本の自動車メーカーは車内に
動物の特徴がつくことを嫌う。
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商品のデザインもまた異なる文化の特徴を反映す
る。
ドイツ人の几帳面で温和な性格はよく知られてい
る。ベンツのデザインを見れば分かるように、角ばった
ところは一切なく、ありとあらゆるところにバランスが取
られている。デザインの変更も少しずつ行われていて
大きな変更は起こさない。ほかの国のメーカーなら、
ゼロから作り直すことも珍しくない。
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また、商品イメージは価格と
も密接に関連してる。
1995年、中国はパリの磁
器博覧会に参加した。精美
な中国磁器セットはただの
300フランの価格設定だった。
インテリアグッズとして購入しよ
うとした顧客は考え直した。こ
の価格は消費者の自己満足
・身分・社会的地位のニーズ
を満たせなかったからだ。
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反対に、P&Gは当初「Head&Shoulder」を
中国市場に導入した際、ローカルブランドの三
、四倍の価格を設定したにもかかわらず、現代
消費者のファッション志向及び大衆の消費心
理を掴んだため、かえって売上がうなぎ登りだっ
た。
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価格設定から分かる文化差異
低価値商品
9.97元 米国人は奇数を好む
9.94元 日本人は偶数が好き
9.98元 中国人は8と6が好き
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販売チャネル
文化背景の違うと購買習慣も異なる。
企業は販売チャネルを構築する際に、詳
細な調査を行うべきである。その後、それ
ぞれの商品に合わせて正しいチャネルで
販売していく。
中国では、コンタクトの洗浄液はメガネ
ショップで買うのに対して、フランスでは、
雑貨店で販売される。
イタリアでは、ベビーフードは薬局でしか
買えない。ドイツでは、どこの売店でも簡
単に手に入る。
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購買方法が異なると販売側は
現地特有の文化習慣に合わせ
たチャネルでの配置を考慮すべき
である。
アメリカの有名大型スーパーウ
ォルマートはメキシコに進出した
時、アメリカ式は通用しなかった。
メキシコ人は普通家族全員で買
い物に行く。買い物を遊びの一
部だと考えるため、通路を狭く感
じる
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メキシコ人は車の保有率がそれほど高くない
ため、小売商は住宅地の近くに店舗を設置する
必要があった。
また、現地の市場と同じように商品と肉類を別
々で陳列することや、生鮮品は包装済みではな
く、バラ売りが良いなどなど、ウォルマートの経営
陣は最初の頃にメキシコ人特有の消費習慣に
頭を抱えるほど大変悩んだ。
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販促戦略
世界的にも有名なマールボロ
は男らしいイメージがすでに定着
しているが、1924年に会社が設
立された当時は売行きがよくなか
った。この状況を打開するため、
広告会社は無骨なアメリカカウボ
ーイの広告を打ち出した。颯爽と
乗馬するカウボーイは男性の男ら
しさを十分に表現した。
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マールボロはこのカウボーイの広告を機に、一
気に世界的なブランドに変身。マールボロの本
当の魅力は勇ましい男という文化価値にある。
この文化価値はまた当時の西部カウボーイに憧
れるという心理的なニーズにマッチしたため、よく
売れるようになった。
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商品の文化価値は顧
客の文化ニーズによって生
まれる。だからこそ、文化背
景が異なる場合、文化ニ
ーズによって変えるべきであ
る。
同じマールボロではある
が、香港の広告はアメリカ
西部の刺青の入ったカウボ
ーイではなく、有能でハンサ
ムな若手農場主という設
定になっている。
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しかしながら、日本の広告になると、一人の
牧童が都市や現代文明から離れ、桃源郷の生
活を楽しんでいるという設定に変わった。
マールボロ製品は消費者のニーズの変化によ
って商品の位置づけを変えているため、世界中
に売れているということに納得できる。
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デベル社は世界的にも有
名なダイヤモンドの会社である。
これまで欧米での広告は決ま
りのストーリがある。旦那さん
が奥さんにダイヤモンドを贈る。
奥さんがそれを受け取り、微
笑みながら旦那さんにキスをし
た。欧米では奥さんがドレスを
着てダイヤモンドをつけるという
のは伝統的な印象を持つが、
日本では非現実的な光景で
ある。
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日本の女性はダイヤモンドを受け取る時に涙
を流し、旦那さんが大金を使ったことに少し怒る
ふりをする。したがって、この広告は日本ではほと
ん効果を得られなかった。
試行錯誤の結果、デベルの広告デザイナー
が作り出したものは、狭い部屋に疲れ果てたサ
ラリーマンと一生懸命仕事をしている妻がいる。
ダイヤモンドをもらったとたん、贅沢な買い物をし
てしまった旦那さんを怒鳴りつける奥さん。この
広告は日本で予想外の成功を収めた。
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それ以外、文化風習が異なる
と広告の理解も変わってくる。
あるベビーケア用品の会社は化
粧石鹸の広告に赤ちゃんを抱っこ
する若い母親を起用した。
しかしハンガリーに行くと、この広
告では化粧石鹸ではなく、未婚
ママが出ている。その女優は左手
に指輪をつけたが、ハンガリーでは
結婚指は右手につける風習があ
る。
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よく見られる販促ツールは広告以外に、個人セ
ールス、PR、クーポン、割引などがある。
販促ツールの好みに見られる差異は文化差異
の表れともいえる。世界各国の消費者を比較す
ると、フランス人はクーポンが好きである。イギリス
の消費者は同じ商品でも、「何割引」の販促方
式を好む。
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ブランドカルチャーマーケティング
消費水準の向上につれ、消費需要は数量型か
ら質量型に転換している。よって、市場競争は製
品の競争からブランドの競争まで上昇した。
したがって、マーケティングも相応なブランドマーケ
ティングの時代に突入している。
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いわゆるブランド文化というのはあるブランド特
有の名称や標記、もしくはこの二つ要素の組み
合わせである。
消費者の前に現れた有形のブランド文化はブ
ランドの名称と標記である。
ブランド名称は商品ブランドので音読できる部
分であり、よい名称はその商品の「点睛の作」と
なり、商品に莫大な文化価値を与えることができ
る。
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ブランド文化の体現
 Maybelline(美容ケアブラン
ド)は「美は内側から」との文
化理念を提唱
 Liningは「素晴らしさを自分
に残す」と個性の主張を提
唱。
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製品文化・ブランド文化・企業文化の融合
マクドナルドといえば、あの親切なドナルドおじさ
ん、明るくて清潔な店内環境、さらに、あの個性
に溢れた「I am lovin it」の広告用語を思い出す
。
これらは全部マクドナルドの
ブランド文化の現れである。便
利で清潔で快適でアクティブな
アメリカ文化のような企業文化
を表現している。
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KFCも同じくファストフード
業ではあるが、ブランドの中
身は少し異なってくる。「
KFCに来て、生活を味わお
う」や「中国に基づき、生活
に棲み込む」の位置づけを
みると、商品や生活を重視
する姿勢が理解できる。
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アクティブで情熱的で個性的というコカコーラ
のブランド文化から、その企業文化も情熱や
革新にまつわるものだと容易に想像できる。穏
便で保守的な人がコカコーラを好むことはまず
なかろう。
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Haierは上質・誠実・責任感があるというブラ
ンドイメージを持つ。その企業文化も誠実・革
新が中核となっている。
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商用車はビジネスマンをターゲットとし、勝ち
組の風采・気質・屈服しない精神を表現する
。
スターバックスは都会のホワイトカラーをターゲ
ットとする。多忙な中で一息入れて、情調とセ
ンスにこだわるようなコーヒー文化を構築する。
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企業カルチャーマーケティング
企業文化とは企業資源によって作られた実
態のある財産・知的/芸術的な製品・内部組
織機構・規律制度など物質形態と観念形態
の成果、及びこれらの成果をもたらす実体・施
設・組織形式などから構成された複合体であ
る。
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制度文化のレベル。企業の各
規定制度はその企業の管理方
式を反映したほか、企業文化を
も表す。
ある企業は温情で自主的な
管理方式を取る。ある企業は厳
重な管理制度を採用し、厳しい
罰則によってスタッフの行為を制
約する。いずれの規定制度・管
理方式にしても、企業の価値観
を表す。企業文化のもう一つの
表れともいえる。
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行動文化のレベル。企業の各行動は企業の
意思を表現し、企業の文化品位を反映する。
デュポン社は上海浦東新区で企業を立ち上
げた際に、大金をはたいて購入した150ムーの
土地のうち、30ムーを公共緑地として建設し、
浦東新区の環境美化に貢献した。このような
行為はまさにデユポン社の「自分の行為を通じ
てよりよい生活にする」との価値観の現れであ
る。
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物質文化のレベル。物質文化は企業文化
の中もっとも表面的なものとしてストレートに企
業文化の真髄が理解できるものである。例え
ば、統一されたロゴ・色・符号・製品包装など
。企業の製品・オフィスビル・生産設備なども
物質文化の構成部分である。
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GE食品はかつて数百万ドルをかけて、日本の消費者に
包装されたケーキパウダーを売り込もうとした。マーケティング
計画の大半が実施された段階で、日本家庭では3割しか
オーブンを持っていない事実に気づいた。もう後戻りできな
い苦境に陥ってしまった。
克蕾糸歯磨き粉はメキシコではアメリカ式の広告で宣伝
していたが、開始してすぐに見事に失敗をしてしまった。メキ
シコ人は虫歯予防のメリットを信用しないし全く考えてもい
ない。たとえ科学的な広告宣伝であっても彼らの興味を引
き立てることはできない。
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ホールマーク社のカードはデザインがき
れいで、お祝いの言葉も添えられているた
め、世界各国から愛用されている。しかし
、一番ロマンチックな国-フランスではなか
なか市場展開が進まない。原因は極めて
簡単なことである。ロマンチックなフランス
人は印刷された祝いの言葉よりも、自分
の気持ちをカードに手書きしたいという。
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オランダのフィリップス社は
日本人のキッチンが狭いこ
とに気づき、小さめなサイ
ズのコーヒーポットで日本
市場を攻めた。また、欧米
人と比べて日本人の手が
小さいことに気づき、シェー
バーのサイズをも小さくした
。上記の改善をした後に、
ようやく日本市場で黒字に
転じた。
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コカコーラ社は一旦スペイン市場で2リットルのコーラ
の販売を試みたものの、売上がいまいちだった。アメリ
カの本部から人を出向かせて調査した結果、大瓶の
コーラが売れない原因、すなわちスペインでは大容量
の冷蔵庫を使う人はかなり少ないことが判明された。
そこで大瓶の販売計画を中止し、小容量のコーラを
売る方向に方針転換した。結果的には大成功を収
めた。
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マクドナルド社は日本進出の際に販促活動
を行った。そこで「白い顔ドナルド」 (RONNIE MC
DONALD)といった滑稽なイメージの広告を出し
たが、失敗した。というのは、日本では白い顔は
死亡を意味するからである。そこで香港の時に
使った「ドナルドのおじさん」の広告イメージに変
えた。結果的には年間売上が4倍になった。目
下マクドナルド社は日本で一日三つの支店を開
設している。
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中国市場における日系ブランド
日系企業の中国市場での成功理由
1.いち早く中国市場への進出を果たした
2 .生産拠点としてではなく、中国市場を重要視して
いる
3 .市場を深く理解し、市場戦略を獲得した
4 .企業経営は日本国内のコピーではなく、中国の
実情に合わせ調整
5 .効果的なメディア宣伝
 1937年に光学技術で開業し、世界一流のカメラを目標とするキャノンは、その
あと、新技術の積み重ねによって、19世紀70年代の初めに、日本第一号の普
通紙プリンターを開発した。
 80年代初頭、キャノンは世界初めてのインクジェットプリント技術の開発に成功
し、全世界にその製品を広げていった。研究開発を重視し投資を惜しまない
結果、数十年で拡大し、業界をリードする存在まで発展した。技術開発への
重視と投資は数十年で大いなる成長を遂げつつ業界のリーダーとなっている。
 2003年、キャノンはネット売上高が298.89億ドル、ネット収入が25.77億ドルに
達成し、両方とも記録を更新した。
 キャノンは2004年フォーチュン500の売上ランキングでは165位となっている。
日系企業の中国市場での失敗理由
1.日本国内の経営方式のコピー
2.中国を製造拠点だと考える。人件費が高騰した
ため、撤去せざるを得なくなった
3.中国市場見通しがきかないため、目先重視の戦
略
4.企業経営の現地化は全くされていない
2005年より、日本の携帯電
話メーカーは次々と撤退し、いま
や中国市場から殆ど姿を消した
。2006年、日本のメーカーのDC
問題は相次いで起こり、ニコンの
バッテリー危機、ソニーの品質問
題、リコールなど、企業の名声が
地に落ちた。2006年の末のNEC
ノートパソコンの中国市場からの
全面撤退は日系電気メーカーが
中国での惨敗を意味した。
日本企業の現状及び解決策
日本の対中投資推移
実際の金額
契約の件数
2010 年の中日貿易額は3,000億ドル超(
日本側の統計データ)。外資による中国への
投資をみると、日本は米国に次ぎ、二位とな
り、投資額も全体の12.6%に上昇。
2010年の日本企業の対中投資額は前年
比2.4%増。増幅は小さいが、2008年以来の
連続増加を獲得(図1)。日系企業の収益は
近年減少傾向が続き、特に2009年の金融
危機の影響を受け著しく減少した。2010年に
金融危機前のレベルに回復した。 中国は日
本企業に大きな期待を寄せられた市場ともい
える。
中国における日系企業の黒字企業の比率
(2005~2010年)
注:非製造業2007年から調査開始
資料出所:日本貿易振興機構《アジア・大洋州における
日系企業活動実態調査》(毎年版)
日本企業の中国市場での課題
1、文化融合の苦境
中日両国の文化の類似点のため、日本企業は中
国を理解しているつもりでも、実際はそうでない。特に
多くの日本企業は目の前の利益しか考えないため、
リターンだけは目的となる。しかしながら、歴史問題も
あって、日本企業は中国社会に溶け込むため、人一
倍努力しないと中国人に受け
入れてもらえない。仮に日本
企業は欧米企業や韓国企業
と同じ過ちを犯したとしても、
もっと深刻なことになる。
2. 現地化の進展が遅い
ウォルマートと同じように、より多くの西欧
会社はアジア区域の運営センターを中国に
設置し始めている。そして、より多くの日本企
業は本部を中国に設立するようになっている
。90年代の終り頃には、統一された市場だと
認められなかった中国は過去数年間で物流
や交通などを完備するにつれて、日本や韓
国企業はその重要性に気づいた。中国とい
う巨大な市場のために統括された機構を設
立し、一括された形でブランドと公共関係を
管理する必要があると考えるようになった。
3、持続型の全体戦略はない
例えば中国の携帯電話市場。当初たくさんの日
本企業は参入したものの、いまは一社も残っていな
い。最初から莫大な資金を投入する予定がないの
で、当然生き残れない。市場に自信を持てないた
め、宣伝費用はアップルとサムソンよりはるかに低か
った。小さい投資をして、儲かったらまた投資すると
いう考え方を持っている。日本企業の中国戦略は
あくまで場当たりなものである。中国の投資は一番
多いが、リスク回避しか考えていない。
4.原材料及び労働力コストの増加
CPI三年ぶりの高水準
表1:中国の日系企業の経営問題点
1
2
3
4
5
6
7
8
9
9
賃金の上昇
競合の増加(コスト競争)
購買コストのアップ
従業員のレベル
主要なクライアントから値下げを求められた
現地人材の養成が困難
品質管理が困難
現地での原材料や部品の調達が困難
人材(労働者)の雇用が困難(製造業限定)
コスト削減の余裕がない
資料出所:日本貿易振興機構 アジア 大洋州
日本企業活動実態調査(2010年版)
回答率(%)
79.6
57.5
55.9
48.4
44.1
44.0
43.3
43.1
42.7
42.7
5. 中国では原材料の購買が困難
世界的な原材料の値上がりのあおりを受けて、中
国での購買コストが上昇しつつある。これは部品製造
業が直面する一番の問題である。賃金は日本の十
分の一に過ぎないが、原材料の9割は日本から輸入
している。もし中国国内で高品質且つ低価格の原材
料が購買できれば、部品価格を下げることができ、製
品の競争力が大幅に向上すると考えられる。
日系企業の課題のソリューション
1、日本国内の人的資源管理
モデルを中国に導入し、中国
人社員のモチベーションを向
上させる
日系企業はまず自分の人
的資源管理モデルを改善す
る必要がある。日本国内のも
のを中国に導入し、中国の
文化に融合させ、中国人社
員のモチベーションを上げる。
日本国内企業の施策を参考させてもらう
(一)
(二)
(三)
(四)
(五)
(六)
(七)
終身雇用
年功序列
企業内組合
社員が管理と決定に関与
日本企業の社会的責任
企業の内部研修制度
社員の企業への忠実を高める
2.研究開発の現地化
現地の研究開発センターは以下のいずれかを採用する
現地研究開発
センター
能力センター
グローバル研究開発部門
からの権限を譲度
工程核子
現地
分析会社の割合
海外単位
プロジェクト責任範囲
現地研究開発センターの発展経路のパターン
グローバル
3.技術移転の管理及び知的財産の保護
 日本企業は現地の研究
開発担当者を本部の長
期研修に行かせる、もしく
は本部の専門家を現地
に派遣する。これは効果
的な技術移転であろう。
と同時に、知的財産を保
護する措置も取らなけれ
ばならない。
4.現地購買の拡大
中国では購買の範囲が限られているため、日本
企業は三つの手段を取るべき
1、現在の購買部品をもっと多く購入
2、アップグレードした製品を購入
3、日系企業はいくつかのサプライヤーを使う時のトー
タルコストを真剣に検討する必要がある。総合的
に考えて優れた一社に絞った方がよいと思われる
。
カルチャーマーケティングは
「サーファー」である
常に新しい波を狙いつづける
カルチャーマーケティング
価値を作り + 尊厳を守る
マーケティング
マネージメント専門家
魏欣
2013.7.12