意思決定会計論B_08

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意思決定会計論B
第8回、第9回
原価企画
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図表8.1 原価企画・原価維持・原価改善の相互関係
今日の原価管理の対象(段階)
従来の原価管理の対象(段階)
企画・開発段階
製造段階
原価企画
原価維持
目標利益を確保す
る目標原価の作り
込み
標準原価計算や
予算管理による目
標原価の維持
標準化の
組込み
原価改善
原価改善目標額
の決定と割当、お
よびその実現
標準化
原価改善活動成
果の標準化
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図表8.2
従来の
原価管理
広・狭義の原価企画の関連
製造段階における原価管理
(原価維持・原価改善)
開発設計・製造準備の段階
における新製品等の原価企画
(狭義の原価企画)
今日の
原価管理
新製品等の
利益企画管理
(広義の原価企画)
製品企画から製造初期流動の段
階における新製品等の利益企画
従来の
利益管理
製造段階における
利益管理
今日の
利益管理
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原価企画
 狭義
原価発生の源流に遡って、VEなどの手法をとり
まじえて、設計、開発、さらには商品企画の段
階で原価を作り込む活動
 広義
製品の企画・開発に当たって顧客ニーズに適合
する品質・価格・信頼性・納期等の目標を設定
し、上流から下流に及ぶすべてのプロセスでそ
れらの目標の同時的な達成を図る、総合的利
益管理活動
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図表8.3 確定・発生原価の各段階における原価態様
確定原価
100%
70%~80%
発生原価
研究開発
企画設計
製造
販売
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源流管理
 新製品の開発・設計から製造への一連の流れ
の上流ないし源流から管理を行うこと
 製品の原価のほぼ80%が製造段階の前に確
定している
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図表8.4
原価管理についてのまとめ
従来の原価管理
•標準原価・実行予算等を管理指
管理の 標とした日常業務を管理
進め方 •主に職制に基づく日常的、短期
的な活動
管理対
象部門
•主に製造活動
•現在発生している原価
管理対 •メーカーが負担すべき原価
象原価
原価企画
•目標原価を管理指標とした原価
の戦略的な作り込み活動を管理
•主にプロジェクト・チームによる中
長期的な活動
•主に開発設計・製造準備の活動
(設計担当者から現場作業員ま
で)→源流管理・ラグビー方式
•これから決定する原価
•メーカーが負担する原価だけで
なく、消費者が負担する原価も含
む(ライフサイクル・コスト)
効果の •標準原価等と実際発生原価との •目標原価と見積原価との差額
測 定 差額
•開発設計中の製品に具現
効果の •主に次回の製品に具現
具体化
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伝統的原価計算・損益計算
販売価格-原価=利益
(積上)原価+利益=販売価格
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原価企画
販売価格-(目標)利益=目標原価(許容原価)
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図表8.5
従来の積み上げ計算による考え方
企
研究
開発
企画
設計
市場
業
製造
原価の集計
原価
販売
利益
製品
利益
原価
販
売
価
格
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図表8.6 原価企画における目標原価の考え方
企
研究
開発
企画
設計
製造
原価の作り込み
原価
市場
業
販売
(目標)
利益
製品
期
待
価
格
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目標原価と標準原価
 原価企画での目標原価
市場の状況を踏まえて計算された原価で、達成
しなければならない原価
⇕
 標準原価:現在の技術水準などの条件のもとで
達成すべき原価
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目標原価の作り込み
 開発・設計段階
 控除法:
期待価格-目標利益=目標原価
 加算法: 成行原価=現在の技術水準などを前
提として製造・販売に必要な原価
 統合法: 目標原価と成行原価を統合・調整し
て最終的な目標原価を設定
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目標原価達成のためのVE
 製品・サービスによる顧客にとっての価値を製
品やサービスなどの機能による効用と、それに
支払われる原価の関係によってとらえるもの

function(機能)
value(価値)=
cost(原価)
価値向上のために
機能が一定なら、原価を下げる
 原価が一定なら、機能を高める
 原価より機能の増分が上回るようにする

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図表8.7 原価企画における原価低減活動のプロセス
(試作)設計図面
VE活動等に
よる原価低減
原価の見積もり
見積原価≦目標原価
No
Yes
最終設計図面
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職能横断的チーム活動
 設計、購買、製造、販売、経理などの部門から
職能組織を横断して専門家を集め、開発プロ
ジェクト活動全体を水平的に管理する責任者
(プロダクト・マネジャー)を選定し、そのもとで総
意を結集して、チーム活動を行う
PM
設計
◎
○
○
:
購買
◎
○
○
:
製造
◎
○
○
:
販売
◎
○
○
:
経理
◎
○
○
:
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コンカレント・エンジニアリング
 引き出し型の製品開発
設計
購買
製造
販売
経理
販売
経理
 ラグビー型の製品開発
設計
購買
製造
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原価企画の海外移転
 現状では、設計段階までの原価企画活動に限
定
 日本と海外との開発方式の相違、サプライ
ヤーとの関係の相違が原因
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図表8.8
原価企画の顕在活動・潜在活動
顕
在
活
動
原価企画活動
推進体制
の確立
潜
在
活
動
人材育成
(
体
制
)
情報
の整備
経営
社内
組織・
利益
マーケ 技術力 調達力
トップの コンセン 制度の の企画
ティング 開発力 製造力
支援
サス
整備
管理
コーポレートカルチャー
(
体
質
)
(
文
早いビジネススピード、ITの活用、チャレンジ精神
業界の活性化、自由闊達な雰囲気、低い組織の壁、など 化
)
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