(CG-CICC)の分析と評価 - 空間情報デザイン研究室

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非同期分散型施工管理支援システム
(CG-CICC)の分析と評価
施設設計工学研究室 吉村真一
前提:CG-CICCの目的
現状:施工の複雑化
刻々と変化する現場の状況をCG化
擬似的空間
インターネットを介し
一元化されたの情報(CG等)を
共有
協調化施工
意見交換・合意形成の支援によって
施工の円滑化
Computer Graphics –
supported Collaborative Integrated Communications for Construction
前提: CG-CICC研究の歴史
1996年
1997年
1998年
「大阪臨海地区開発計画」
FAA
FAA
FAA
「田島ダム建設工事」
CICC(英) ウェブ技術
複数の情報伝達手段
PM
FAA
情報の一元化
RTA
FAA
「田島ダム周辺整備計画」
CADデータの2次利用
FAA
2000年
「佐敷大橋建設工事」
「浜手バイパス普及工事」
MITでの
CG利用研究
1999年
RTA
FAA
FAA
PM
RTA
研究背景
佐敷大橋建設工事において過去の研究を踏まえた
CG-CICCの本格的実証実験が終了した
次期CG-CICCへの方向性を示す意味でも現状CG-CICC
の問題点を分析し、さらに現状評価しておきたい
研究目的
佐敷大橋実証実験における運用状況を分析
問題点を抽出、改善案の提示
運用時における特記事項
現状CG-CICC実証実験を評価
佐敷大橋概要とCG-CICC実証実験概要
事業地:熊本県佐敷地方
形式:PC3径間エキストラドーズド橋
橋長:225㍍
幅員:9.25㍍~12.25㍍
事業期間:1998年3月~2000年11月
実証期間:1998年5月~2000年2月
関係者(予定):施主(熊本県)
㈱鴻池組
㈱オリエンタル建設
㈱佐藤産業
熊本大学CGグループ
「ファイルアップされた情報」
CG:89 BBS投稿659 現場写真126
ドキュメントファイル 104
ウェブページURL:http://gdp1.erec.kumamoto-u.ac.jp/sashiki-bridge
佐敷大橋実証実験における問題点
F氏
鴻池組以外の
CG-CICCへの参加の協力が
得られなかった
さらに
A氏
実質のCG-CICC参加者
・鴻池組F氏
・現場事務員A氏(鴻池組)
・熊本大学CGグループ
施工決定権を持つ人物の不在
佐敷大橋実証実験における問題点
鴻池組以外のCG-CICCへの参加の協力が
得られなかった原因
1. PCの操作に不慣れ(通信速度不足によるストレス)
2. 関係者の労働環境(組織、制度上の不具合
または常にPCに向かうことはできない等)
社会的に解決する(建設CALS/ECの推進、IT技術の革新)
3. CG-CICCによりどのように施工が円滑化されるか
が不明確である
かえって仕事の負担が増加するだけではないのか?
CG-CICCによる施工の円滑化とはどうすることか?
施工の円滑化とは?
例えば、
・人的事故を少なくする・・・安全
・適切な構造物を造る・・・品質
・できるだけ安く造る・・・原価
・最適な作業を確保する・・・工程
安全・品質・原価・工程の4大施工管理項目
における合意形成を支援することである
CG-CICCによる円滑な施工
CG-CICCによる事前情報の可視化
前提条件の把握
合意形成
OK!!
OK!!
OK!!
OK!!
意見交換
施工
CG-CICCの位置づけ
→施工の前段階における合意形成の補助
OK!!
CG-CICCによる施工の円滑化
佐敷大橋実証実験で
合意形成を支援し、施工を円滑化させるような提案は
行ったか?
一元化された情報の中から関係者へどの情報を提供し、
共有すればいいのかの分析がないまま、システムの
動作確認を見切って実証実験を始めた
(すべての情報を電子化し、共有することに終始していた)
共有する情報の性質を認識し、最適情報を提示したい
改善案(情報の共有の最適化)
現場
受注者
発注者
サー
バー
地域
住民
CG
目的別の提示
備考
目的別の提示
new!!
BBS
YES
YES
YES
CAD
YES
YES
現場写真
YES
YES
YES
個人情報
YES
YES
YES
ドキュメント
ファイル
YES
YES
YES
YES
new!!
情報へのアクセス
読みとりのみ
読みとり&書き込み
セ
キ
ュ
リ
テ
ィ
・
認
証
YES
分離
NO
データの流用
YES
現場把握
new!!
個性認識
new!!
補足
NO
NO
運用時における特記事項
意見交換・合意形成のためのやりとりの活性化
・投稿技術
意見投稿の際、背景・目的を明確化
・自由な議論の場
互いの敬称を省略(例:吉村>小林)
やりとりの相互作用による学習
次回投稿へのインセンティブ
現状CG-CICCの評価
現場技術者の参加の協力がえられなかったとはいえ、
実際CG-CICCは21ヶ月間の運用を終えた
現場での合意形成のツールとして採用されたCGも
あった
CG-CICC内でのやりとりとCG提示までを
現CG-CICCの評価として総括したい
現状CG-CICCの評価:佐敷大橋実証実験運用状況
①
63のCG提示、7/月
図面→CAD図面
②
③鉄筋干渉シミュレーションFAA
②フォトモンタージュ
③
①全工程シミュレーションFAA
実際に採用されたCG
月ごとの投稿件数推移
①~②要請
③要請
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
迅速な対応
上部工
㈱オリエンタル建設
橋脚打設
㈱鴻池組
6
7
8
9
10
1998年
11
12
1
2
3
4
5
6
7
1999年
8
9
10
11
12
1
2
2000年
現状CG-CICCの評価:佐敷大橋実証実験運用状況
現在では建設CALS/ECの推進により情報化施工に対する
現場職員の受け止め方は一般的となってきたが、
1998年6月当時の段階から少なくとも情報の一元化・共有
は実現出来ていた
システム構築に関する汎用性、その使用性は実用的である
紙の図面から2次元CAD図面への変換は手作業で行ったので
当初のCG提示には時間がかかったが(3~6ヶ月)、
2次元CAD図面が準備された1998年9月頃から、7/月の比率で、
特に現場から要請のあった鉄筋干渉シミュレーションFAA
の提示までには約10日で対応できた
現段階で、1/3~1/6のCG作成時間コストが低減できている
将来的には3次元CAD図面の流用が考えられるので、
さらに迅速・容易・適切なCGの提示ができると考えられる
まとめ
1.CG-CICCの概要・目的を示した
2.CG-CICC研究の歴史を作成したCGとともに示した
3.佐敷大橋実証実験における問題点を提示し、分析した
4.運用の際に明らかになった意見交換・合意形成のための
特記事項について明らかにした
5. 佐敷実証実験におけるCG-CICC内でのやりとりと
CG提示までを現CG-CICCの評価として総括した