ユビキタス社会に適したモバイルインフラの研究 NTT ネットワーク

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ユビキタス社会に適したモバイルインフラの研究
NTT ネットワークサービスシステム研究所 須永宏、武本充治、浜田信
慶應義塾大学環境情報学部 湧川隆次、岡田耕司
近年, 様々な無線通信機器を搭載した移動端末が登場しており, 近い将来にはそれらの移動端末が相互に
接続する新しい形態のネットワークが構成される事が期待される. その一例として, 無線を搭載した自動車
や電車, 携帯電話, PDA, ラップトップコンピュータといった移動端末間での相互データ交換を目的としたマル
チホップネットワークをあげることができる. そのようなネットワークの実現により, インターネットの末端に新
しい無線の雲(Mobile Fringe Stub) が登場することになる. このMFS では無線端末が多段に接続される場
合があり, インターネットへの出口を発見, ループの回避, 最適なMFS への接続といった機能が必要となる.
現在, MANEMO (MANET for NEMO) と呼ばれるMFS形成技術がIETF 等を中心に議論されている. この
MANEMOを用いることにより, 次世代移動体ネットワークにおけるサービス発見などの機能を実現する.
Contents
Devices
Sensor Devices
Web Services
Network Devices
USON(NS研)
ユーザやサービス要素の状
況変化に合わせ使用するデ
バイスを自動切換
ST
USON: Ubiquitous Service Oriented Network
ST: Service Template
SE:Service Element:SE
サービス要素を自由に組み合
わせその場でサービス実現
共同研究イメージ図
Internet
MANEMO
Personal Area Network
MANEMOによるMFS
デバイスの小型化, 高機能化により, 既存のシステム
において単一の計算機であったものが, 機能に特化し
たノード同士の集合体(ネットワーク)としてとらえられ
ることが予想される. その際, 移動ネットワークには移
動ルータ(MR: Mobile Router)によってインターネット
への接続性が提供されることが本研究の前提となる.
移動ネットワークの例としては, 個人が携帯するパー
ソナルエリアネットワーク(PAN), 自動車内ネットワー
ク,
電車内ネットワーク等が考えられる.
a
MFSは, インターネットの末端において移動ルータ同
士の相互データ転送のために形成されるネットワーク
である. MFSを利用した通信を行うことにより, 地域に
限定した通信を行うことが可能となる. 従来の通信方
式では, ある一地点に存在するユーザに対するデータ
配信を行うためには膨大な設備が必要となる. MFSは
物理的に近傍に存在する移動ルータ同士で構成され
るネットワークであるため, 地域限定型の通信を容易
に実現することができる.
MFSにおいてサービス発見技術を用いることで, あら
たなサービスを構成できる可能性がある. 例えば, 商
業地域において店舗がユーザに対して広告を配信す
る場合, 店舗側がユーザのPAN上に存在する広告受
付可能なディスプレイやヘッドフォンをMFS経由で動
的に検索し広告をユーザに対して提供することが考え
られる. また, ユーザが電車で移動する際, MFSを経
由して動的に駅構内, 電車内のネットワーク接続情報
を取得しておくことで, より広帯域なネットワーク接続
性を確保することが可能となる.