問題解決力向上のための 初等中等教育への支援

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Transcript 問題解決力向上のための 初等中等教育への支援

統計リテラシの強化
問題解決力育成のための
2011年7月23日改訂版
財団法人統計情報研究開発センター主催・
統計グラフ全国コンクール
• 統計の知識を広めることと、統計を表現する技
術を高めることを目的としています
• 全国の小学生から大人までが対象です
• テーマは自由です
なるほど統計学園・統計グラフコンクール
http://www.stat.go.jp/naruhodo/c1conc.htm
http://www.jsqc.org/
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グラフコンクールの部門
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•
•
•
•
•
第1部・・・・・・・・・・・・・・・・小学校1年~2年
第2部・・・・・・・・・・・・・・・・小学校3年~4年
第3部・・・・・・・・・・・・・・・・小学校5年~6年
第4部・・・・・・・・・・・・・・・・中学生
第5部・・・・・・・・・・・・・・・・高校生以上
パソコン統計グラフの部・小学生以上
2011年度より問題解決に関する作品を
表彰する日本品質管理学会賞が
加わります!!
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http://www.jsqc.org/
日本品質管理学会賞
グラフコンクール出品作品の中で、
新学習指導要領
「資料の整理と読み方」(小学校算数)
「資料の活用」(中学数学)
「データの分析」(高校数学)
の意図に沿い、
問題解決に関する優秀な作品を表彰します
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日本品質管理学会賞副賞
• グラフコンクールの入賞作品のうちから、
問題解決に関する特に優秀な作品に対し、
記念品と賞状が贈られます
• また、受賞者が高等学校以下の生徒・児童に
よるグループによる合作(チーム活動)の場合、
上記の記念品に加えて、所属する学校には
盾が贈られます
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新学習指導要領 中学・高校 数学の一部
中学1年
目的に応じ、資料
を収集し
*ヒストグラムや代
表値の必要性と意
味の理解
*ヒストグラムや代
表値を用いて資料
の傾向を捉える
*平均値,中央値,
最頻値,相対度数,
範囲,階級
【量的データの
分布の比較】
【コンピュータ,
大規模データ】
資料の活用
中学2年
不確定な事象につ
いての観察・実験
を通して
*確率の必要性と
意味への理解
【統計的確率と数
学的確率】
*簡単な確率の
計算
*不確定な事象の
確率を用いた説明
データの分析
中学3年
数学Ⅰ
母集団より標本を
抽出し、あるいは
インターネットなど
のICTを利用して
資料を収集し
*【標本調査】の
必要性と意味の
理解
*簡単な場合に
ついて標本調査を
行い,【母集団の
傾向】をとらえ説
明すること
*全数調査
*統計の基本的な
考え方への理解
*データの整理・
分析・傾向の把握
*データの散らばり
四分位範囲(偏差)、
分散、標準偏差
*データの相関
散布図、相関係数
中学校・高等学校学習指導要領解説 数学編、文部科学省(H20年9月・H21年12月)
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問題解決を効率よく行うためには
• 問題解決を効率よく行うためには、
正しい手順(ステップ)を踏むことが
有効です
• 日本企業では効率的に問題解決を行うため
品質管理活動の中でQCストーリーと
呼ばれる手順が考案され、
活用されています
• 今回は、それらを教育用に改訂しましたので
ご紹介いたします
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問題解決の基本ステップ
問題解決の基本は次の3つのステップです
Ⅰ. 現象を正しくとらえる
Ⅱ. その現象の因果・メカニズムを究明する
Ⅲ. その原因へ対策を講ずる
これを企業の品質・コスト・納期問題等の解決のために、日本の
品質管理界では次のスライドに示す7つのステップからなる
QCストーリー という問題解決手順を 1962年に確立し、
日本の製品の品質向上に多大な 貢献をしてきました。PPDAC,
DMAICなどはこれを元に作られました。この手順を
初等中等教育用に改訂したのが問題解決ストーリーです。
PPDAC:Problem⇒Plan⇒Data⇒Analysis⇒Conclusion
DMAIC:Define⇒Measure⇒Analyze⇒Improve⇒Control
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問題解決の基本ステップ
stepⅠ:現象
現象を正しくとらえる
stepⅡ:因果・メカニズム
その現象の因果・メカニズムを究明し原因を特定する
stepⅢ:対策
特定した原因へ対策を講ずる
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問題解決ストーリーとは
問題解決型
QCストーリー
1.
基本
3STEP
テーマの選定
現象
2.
現状把握
因果
3.
解析
4.
5.
対策
効果の確認
6.
7.
標準化
残された問題点と
振り返り
メカニ
ズム
問題解決ストーリー
1. データで現象を捉え,
解決したい問題を明確にする
2. 問題のありかを見つけ,着目
すべき事象(現象)に絞り込む
3. 要因をもれなく挙げる
4. 調べた現象を基に要因を
ある程度絞り仮説を立てる
5. 仮説をデータで論理的に確かめる
6. 真の原因への解決案を検討し,
その効果を確認する
対策
7. 解決策をルール化し,これを周知
徹底し定着させ,振り返りを行う
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総合的な学習の時間
総合的な学習の時間は,変化の激しい社会に
対応して,自ら課題を見付け,自ら学び,
自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を
解決する資質や能力を育てること
などをねらいとすることから,思考力・判断力・
表現力等が求められる「知識基盤社会」の
時代においてますます重要な役割を果たす
ものである。と指導要領に明記されています。
学習指導要領解説 中学校総合的な学習の時間 p.6
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内容についての配慮事項
• 学習指導要領には、以下のように書かれています
(2) 問題の解決や探究活動の過程においては,他者と
協同して問題を解決しようとする学習活動や,
言語により分析し,まとめたり表現したりする
などの学習活動が行われるようにすること。
グループでグラフコンクールに
応募することが効果的です
学習指導要領解説 小学校総合的な学習の時間 p.41
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要因をもれなく挙げるための道具
特性要因図 例:冷蔵庫の無駄遣い
① 低学年用では自由に意見を
出していきます。
② 高学年用は、低学年用で出
た意見を似たもの同士でグ
ループ別(層別)にします。
③ 要因(葉っぱ部分)、つまり
原因の候補の中から仮説を
立て検証していきます。
せっていが
わるい
つかいかた
がわるい
れいぞうこの
むだは
するのは
どこにある?
なんでかな?
いらないもの
がいっぱい
ある
あけっぱ
なし
むだな
あけしめが
おおい
扉
冷蔵庫
設定が
悪い
左図のようにクラスでグループに
分かれて検証すると効率よく
問題解決を行うことができます。
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あけっ
ぱなし
いらないも
のが多い
冷蔵庫の
電気の
無駄使い
なりたい.したい
開け閉め
が多い
冷気の穴が
塞がっている
冷凍庫
設定が
悪い
レッツ
カイゼン!
目的の趣旨
横断的・総合的な学習や探究的な学習を通すこと
探究的な過程
① 課題の設定
② 情報の収集
③ 整理・分析
④ まとめ・表現
問題解決が学べないわけではないが、
調べ学習のみに終わるおそれがあります
学習指導要領解説
中学校総合的な学習の時間 p.13
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探究的な学習と問題解決
• 探究的な学習だけでは、調べ学習のみ
に終わるおそれがあります
• 問題解決を効率よく行うためには、
問題解決ストーリーが有用です
探究的な学習①~④
と
問題解決ストーリー
との関連付けを示します
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問題解決ストーリー
1.
2.
データで現状を捉え、
解決したい問題を選ぶ
探究的な学習
①課題の設定
問題のありかを見つけ,
着目すべき事象(現象)に絞り込む
②情報の収集
3. 要因をもれなく挙げる
4. 調べた現象を基に要因を
ある程度絞り仮説を立てる
5. 仮説をデータで論理的に確かめる
6.
7.
真の原因への解決案を検討し,
その効果を確認する
解決策をルール化し,
これを周知徹底し定着させ,
振り返りを行う
③整理・分析
④まとめ・表現
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探究的な学習と問題解決のポイント
探究的な学習
問題解決のポイント
①課題の設定
解決したい問題がなぜ重要なのか
を示すグラフ
②情報の収集
現象の本質がデータにより捉えら
れ、焦点が絞られているグラフ
③整理・分析
どうすれば問題を解決できるかを示
す、あるいは解決しうるかのヒントを
与えるグラフ
④まとめ・表現
解決案がどの程度の効果をもたら
すか、あるいはもたらしうるかを示
すグラフ
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問題解決の基本とポイント
現象
ポイント
問題解決ストーリー
基本3STEP
1.
データで現象を捉え、
解決したい問題を明確
にする
解決したい問題がなぜ重要な
のかを示すグラフ
2.
問題のありかを見つけ、
着目すべき事象(現象)
に絞り込む
現象の本質がデータにより捉え
られ焦点が絞られているグラフ
3. 要因をもれなく挙げる
調べた現象を基にある程度
因果 4. 要因を絞り仮説を立てる
メカニズム 5. 仮説をデータで論理的に
確かめる
6.
対策
7.
真の原因へ解決案を検討
し、その効果を確認する
解決策をルール化し,
これを周知徹底し定着させ,
振り返りを行う
どうすれば問題を解決できるか
を示す、あるいは解決しうるか
のヒントを与えるグラフ
解決案がどの程度の効果を
もたらすか、あるいはもたらし
うるかを示すグラフ
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チャレンジエコライフの事例~小学生版~
stepⅠ:現象
現象を正しくとらえる
stepⅡ:因果・メカニズム
その現象の因果・メカニズムを
究明し原因を特定する
stepⅢ:対策
特定した原因へ対策を講ずる
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チャレンジエコライフの事例~中高生版~
1
1
2
2
3
4
5
6
5
3
7
4
6
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1
チャレンジエコライフの事例~中高生版~
1
2
2
3
4
5
6
3
5
7
4
6
http://www-suzuki.inf.uec.ac.jp/tqe
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事例と問題解決のポイント
1 解決したい問題が
なぜ重要なのかを示すグラ
フ
2 現象の本質がデータにより
捉えられ焦点が
絞られているグラフ
3
どうすれば問題を解決できるか
を示す、
あるいは解決しうるかのヒント
を与えるグラフ
4
解決案がどの程度の効果を
もたらすか、
あるいはもたらしうるかを示す
グラフ
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問題解決ストーリーについては
• 別資料、問題解決の要点をご参照ください
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