Transcript お客様

「『わかる』→『できる』へ」
個人情報保護の取組による企業価値の創
出
2008年2月11日
日本経済新聞社「企業情報セキュリティフォーラ
ム」
株式会社 ジャパネットたか
た
常務執行役員 CIO
吉田周一
VER.4.0
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当社の個人情報漏洩事件の背景と当時の状況
2
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個人情報に関する事件・事故概要
個人情報保護法の全面施行後も、全国で個人情報に関する事件・事故は発生している。
2007年は、年間で約14,000件の事件・事故が発生
故意
過失
(10%未満)
3
(90%以上)
・個人的理由
(主にギャンブル、遊行費等)
・対策の未整備によるヒューマンエラー
(人的ミス、つい・うっかり)
・外部からのサイバー攻撃
(Dos攻撃、ウイルス感染等)
・私的利用による漏洩
(Winny等のファイル交換ソフト等)
事件・事故は、起こり得るもので
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当社における個人情報漏洩事件発生時の状況
2004年3月 約51万件の個人情報漏洩が発覚
お
客
様
取
引
先
監
督
省
庁
4
不安視
不信感
苦情
励まし
社
員
の
家
族
犯人(元社員)逮捕
憤り
疑心暗鬼
危機感
取引の中断
弊社
社内では
会社存続
・社員間での犯人探し
⇒人権を損なう
定期的な
対策実施報告
・電話の減少
⇒やる事がない
営業自粛の結果
154億円の減収
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対策
社会的責任
再発防止
信頼による企業価値の創造(小売業の視点から)
企業の価値とは、ステークホルダーの評価により生み出されるものであるが、昨今、その
評価の要素が変りつつある。
お客様が企業に求めるモノ
以前
お客様=
消費者
企業価値の創造
業績
以前
利益、売上、ROA、ROE、キャッシュフロー
いい商品を、より安く
現在
現在
お客様=
生活者
いい商品を、より安く
安心・安全
業績
ス
テ
ー
ク
ホ
ル
ダ
ー
利益、売上、ROA、ROE、キャッシュフロー
信頼性
CSR(企業の社会的責任)
コーポレートガバナンス
コンプライアンス
企
業
価
値
の
創
造
内部統制
安心・安全とは・・・
 個人情報保護や情報セキュリティへの取り組み姿
勢
 商品リコールや個人情報漏洩等の正しく迅速な情
報公開
等
※情報セキュリティG
個人情報保護
※情報セキュリティGは、情報セキュリティガバナンスのことです。
CSR(企業の社会的責任)は、企業価値を創造する上で、必要不可欠な要件となっている。
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個人情報漏洩の影響
個人情報が漏洩すると、以下のような事件・事故につながる可能性がある。
広告
Eメール
架空請求
ダイレクト
メール
商品の
勧誘販売
延滞料金
請求
誘拐
なりす
まし
振り込め
詐欺
空き巣
カード
詐欺
ストーカー
生命や財産を侵害する
6
いたずら
電話
人権を脅かす問題に発展す
る
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個人情報の有効活用
個人情報の紛失や漏洩等が発生した際、事業継続の危機に陥ることは言うまでもない
が、個人情報保護法の目的(第一条)にもあるとおり、個人情報は非常に有用な情報で
ある。その個人情報を安全に管理し、有効に活用することで、新たな企業価値の創造を
生み出すことを考える必要がある。
個人情報の有効活用
個人情報
個人情報は非常に有用である
個人情報は危険・・・。
個人情報は持たない方がいい・・・。
個人情報廃棄
BSデジタル放送5社全ての
個人情報を抹消(2005年)
7
使用制限
学校で緊急連絡網の廃止
有効活用
 顧客囲い込み
 リコール対応
 自然災害対応
安全管理の徹底
病院での病状(カルテ)
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企
業
価
値
の
創
造
当社における取り組み事例の紹介
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当社における情報セキュリティ対策浸透の取り組み
当社では、情報セキュリティ対策を導入する上で、『社員を守る環境』を創ることをテーマに
取り組んだ。
第1フェーズ
第2フェーズ
情報セキュリティ対策は、通常、右図の通り
技術的対策
の三位一体で取り組む。
個人情報関連 事件・事故発生要因 割合
故意
(10%未満)
過失
(90%以上)
キーワード1:見える化
キーワード2:アイデア
過失による事件・事故が起こりうるものと捉え、社員を守るために
は、社員一人一人、自らが、情報セキュリティの重要性に気づき、
その取組み方法を考え、実装し続けなければならない、と考えた。
「わかる」から「できる」へ
物理的対策
「やらされる」から「やるべきこと」へ
人的・管理的対策
当社では、人的・管理的対策、技術的対策、物理的対策のバランスを保ちつつ、事件・事
故が起こり得るものと捉え、人的・管理的対策の手法に工夫を凝らした。
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第1フェーズ 「やらされる」から「やるべきこと」へ
キーワード1:見える化 ~テストの実施
~
社内に情報セキュリティ対策を導入する上で、情報セキュリティの重要性を気付かせるた
め、徹底した教育を行っている。
階層別にテストを実施
テストの回答及び結果一覧の掲示
合格
マイスター制度で評価
社員に対し、情報セキュリティ対策は
「やらされる」のではなく「やるべきこ
と」だと気付かせるため、『見える化』し、
各人の競争心や羞恥心に訴え続けた。
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不合格
フォローアップ研修
ゴールドスター
フォローアップ研修の様子
評価制度へ反映
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参考事例
コンプライアンスニュースの掲示
貼り出すことにより
イントラ掲載よりも
認知率をアップする
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参考事例
フォローアップ補講の実施
補講実施概要の掲示
補講の実施
徹底した
フォローアップ
を実施
再テストの実施
コンプライアンス補講再テスト
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第1フェーズ 「やらされる」から「やるべきこと」へ
キーワード1:見える化 ~抜き打ち査察
~
情報セキュリティに関する知識を身に付けるだけでは意味がないため、それが実装でき
ているかを検証するため、抜き打ちでの査察を行っている。
結果一覧表掲示
抜き打ち査察チェックシート
是
正
・
予
防
処
置
の
実
施
抜き打ち査察の様子
「わかる」だけではなく、
「できる」とは何か気付か
せるために、『見える化』
を積極的に推進している。
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評価制度へ
反映
没収物の展示
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第1フェーズ 「やらされる」から「やるべきこと」へ
キーワード1:見える化 ~評価制度への反映
~
当社では、人事評価の要素に、情報セキュリティに対する意識・知識・組織「三シキ」を組
み込んでいる。
人事評価の要素割合
倫理
業績
スキル
年に2回
評価制度面談を実施
自己評価
上司評価
各人の賞与へ反映
業務改善
個人情報保護を含む情報セキュリティへの意識や取り組みを人事評価の項目とすること
により、「わかる」だけではなく、「できる」ことの重要性を企業として示した。
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第2フェーズ 「わかる」から「できる」へ
キーワード2:アイデア ~アイデアマラソン~
情報セキュリティ環境の維持向上のため、全社員で取り組んでいるアイデアマラソンを活
用し、全社員が実現できるアイデアを導入している。
アイデアマラソンとは、会社をよりよくしていくことを目的に、
情報セキュリティだけではなく、業務全般に関する様々なアイ
デアを全社員が毎日考え、それを、周りに話し、実現すると
いう、全員参加型で取り組んでいるプロジェクトである。
情報セキュリティに関するアイデア発想→実現例
アイデア(実例)
1
チーフに新人の持ち物チェック(特にノート)とセキュリティプチ
テスト(基礎知識の口頭テスト)を行わせる。
2
月に2回、抜き打ちセキュリティチェックを行う。
成果
新人のフォローアップになっており、また、今までこのようなことを
行った事がなかったチーフのスキルアップにもつながっている。
実質的な安全対策にもつながり、課員がいつもセキュリティを気
にかけるようになった。
全員参加型で「誰でも意見を言える環境を創る」ことが、
『社員を守る環境』創りには必要である。
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第2フェーズ 「わかる」から「できる」へ
キーワード2:アイデア ~アイデアの導入事例
~
当社では、様々なアイデアを出し合いながら、無駄な費用をかけない情報セキュリティ対
策に取り組んでいる。
ファイル管理
レベル管理
レベル1
レベル2 レベル3
情報のレベルを明示することによ
り、管理の意識が芽生える。
ファイルにラインを引く事で、
一目で情報のズレを把握できる。
出力物管理
部門長付近に出力機器を設置することで、
出力物の管理ができる
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ファイルの所在を見える化し、どこに何の
ファイルが存在するのか一目で分かる。
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ステークホルダーとの関係強化
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ステークホルダーとの関係強化
~お客様~
お客様から頂いた情報を基に、お客様へフィードバックすることにより、お客様にとって不
利益を被る事件・事故の発生を未然に防止している。
お客様からの情報収集
架空請求
フィッシング詐欺
弊社の関連会社と誤解を与える業者
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ステークホルダーとの関係強化
~取引先~
個人情報保護法 第22条「委託先の監督」に則り、個人情報の委託先を集め、課題の共有
や、解決方法を導き出すことを目的として、会議(個人情報保護法対策管理会議)を開催。
開催
2004年11月~過去10回開催
参加企業数
38社71名(第10回を参考)
参加者
委託先企業の役員及び部長等、各企業の幹部
会議の進め方 テーマ(課題)に沿って、事件・事故の事例等の情報を共有し、課題解決策を討議する。
過去の議事テーマ
■各社の個人情報保護への取り組み状況プレゼンテーション





個人情報保護体制について
教育及び監査について
個人情報の保管期間と廃棄方法について
委託先監督について
危機管理体制構築状況について
■事件・事故事例からの予防・是正処置についての討議





ファクシミリの誤送信
ノートパソコンの盗難
ファイル交換ソフトによる漏洩
委託先における紛失・漏洩
不正アクセスによる流出
第10回の会議(2007年11月開催)から個人情報保護だけでなく、事業継続管理を重要課
題と位置付けた”危機管理合同会議”として実施した。
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経営者・幹部の関与についての考察
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企業価値創造要素の変化
企業価値の要素は、以下の通り、有形資産から無形資産のものへと移行している。
以前の企業
現在の企業
有形資産
無形資産
財務状況
知的資産
Ex.)人材、知的財産、ビジネスモデル、等
有形資産規模
顧客資産
Ex.)顧客データベース、顧客との関係、等
ブランド資産
 無形資産の構築には時間が必要
 形がないもの程、崩れるものも早い
Ex.)ロゴ、経営戦略、信用・安心・安全
CSR(企業の社会的責任)
無形資産の構築を怠ると・・・
事業継続の大前提
企業価値の創造
長期的な売上・利益、顧客・取引先の減少
事業継続の危機
競争力や企業価値要素が無形資産へと変化している背景には、TOB等によるM&Aや、コスト削減、
経営の標準化等により、有形資産に対する差別化・区別化が困難になったことが挙げられる。
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経営戦略としてのBCM活動
企業のBCM活動は、「やらされる」のではなく、「やるべき」経営戦略と捉える
べきである。
高
対処療法的対応
経営戦略対応
「やらされる」領域
「やるべき」領域
BCM活動の誘因
経営戦略
企
業
価
値
企業価値の向上
(創造)
業界の標準化
経営戦略
•
•
•
•
•
制度対応
ステークホルダー
の要求
全社統合リスクマネジメント
事件・事故の未然防止
事業中断リスクの極小化
競争力強化(差別化/区別化の要因)
経営資源の効率的、効果的、合理的な投資
低
受動的
BCM活動
能動的
BCM活動を受動的な取り組みから、能動的な経営戦略として捉えた取り組みを行うことで、はじめて、
企業価値の向上や創造が可能なる。
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関連資料
企業にBCMが必要とされる背景
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小売業の視点から見た顧客ニーズの変化
関連資料
現在、お客様の企業に求めるニーズが、以下の通り、変化しつつある。
以前までの『顧客ニーズ』
製品に起因する事故件数の年度別推移
件数
顧客 = 消費者
2413
2500
顧客ニーズ:
2124
いい商品を、より安く
2000
1718
1532
1500
1051
1132
1013
1015
1000
現在の『顧客ニーズ』
1594
1444
956
552
423
顧客 =
500
生活者
410 402
400
顧客ニーズ:
0
いい商品を、より安く
安心・安全
24
90年 91年 92年 93年 94年 95年 96年 97年 98年 99年 00年 01年 02年 03年 04年 05年
引用:独立行政法人 製品評価技術基盤機構 ホームページ(http://www.jiko.nite.go.jp/)より
信用失墜
製品破壊
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価格破壊
企業価値評価要素の変化
関連資料
企業の価値は、ステークホルダーの評価によって左右されるものであり、今、その評価要素
が変りつつある。
以前
企業の業績(利益、売上、ROA、ROE、キャッシュフロー)
現在
企業の業績(利益、売上、ROA、ROE、キャッシュフロー)
ス
テ
ー
ク
ホ
ル
ダ
ー
企業の信用(=企業の社会的責任)
企業の社会的責任(CSR)
コーポレートガバナンス
事業継続管理(BCM)
コンプライアンス
内部統制
情報セキュリティガバナンス
企業の存続
が大前提
企
業
価
値
の
創
造
個人情報保護
今後、企業が取り組むべき課題は、CSR(企業の社会的責任)を通して、企業価値を創造することで
ある。それらを実現するためには、事業継続のための前提条件といっても過言ではない。
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関連資料
事業継続を脅かすリスク
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企業を取り巻くリスク
関連資料
企業を取り巻くリスク
1.戦略リスク
マーケティングの失敗
新製品開発の遅れ
人材不足・人材流出
企業買収
5.労務リスク
労働争議・ストライキ
セクシャルハラスメント・差別行為
過労死
人権問題
2.事業環境リスク
景気変動・経済危機
原材料などの高騰や供給不足
海外拠点の政情不安・戦争勃発
強力な競合企業の市場参入
3.財務リスク
資金不足
為替・金利などの変動
金融投資などによる損失
取引先倒産による貸倒れ
4.法務・コンプライアンスリスク
違法行為・規制違反
自社の知的財産権に対する侵害
役員・従業員の不正行為
環境破壊
企業
6.災害リスク
地震・台風・水害・大雪・落雷
火災
伝染病・感染症
原発事故
飛行機・船舶・列車・交通事故
7.事故・故障リスク
設備故障
情報システム障害
電気・通信・交通などのインフラ停止
8.故意・犯罪リスク
破壊・爆破
脅迫
盗難・盗聴・盗撮
情報漏洩
風説流布
9.過失リスク
機器の誤操作・データの誤入力
誤送付・誤配布
誤廃棄・紛失
今回は、事業継続を脅かすリスクと
して、この3点に関連する取り組みを
ご紹介します。
引用:KPMGビジネスアシュアランス㈱編集『事業継続マネジメントの構築と運用の実践』より
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市場の現状
関連資料
 上場会社において粉飾決算や虚偽報告等の不祥事や法令違反など証券市場にまつわる問題
が後を絶たない状況
 本業面において、
【頻発する不祥事】
 自動車のリコール隠し
【経営者の声】
 パート社員の雇用
 「担当者が勝手にやった」
 食品の偽装事件
 「聞いていなかった」
 放送局プロデューサーによる経費流用事件
 「知らなかった」
 スパ施設のガス爆発
 事件発覚後、社会的に大きな反響となり企業業績に多大な影響を事態も発生
 企業の存続さえ脅かされる事態
 上場廃止も散見される状況
 マスコミやインターネットによって情報が即座に広まっていく高度情報社会において、事件が発生し
てからの事後的な対処では対応しきれない時代。
 投資家にとっては開示情報(財務諸表中心)だけではリスクが図れない状況。
 証券市場において投資家の信頼を損ないかねない状況。
 不祥事の発生を未然に防ぎ、不測の事態に備える事前の安全装置・リスク管理体制が求められて
いる。
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問われる情報開示
関連資料
 新興企業の下方修正等、大幅な業績修正が相次ぐ
 「あの会社は滅茶苦茶」(ステークホルダーの声)
【投資家説明会での経営者の言い訳】
真夜中に突然の
大幅下方修正
翌日株価
ストップ安
• 不十分かつ説明力のない開示
• 事業計画が甘かった
• 経営管理の甘さ
• 販売体制の未整備
• 組織運営の未熟さ
• 大口案件の受注延期
• 成長重視でリスクが未考慮
• 回収目途の甘い開発案件が先行
• 計画修正の遅れ
• 業態転換の遅れ
• 買収後の相乗効果期待の思惑はずれ
【投資家からもリスク管理の成熟度が問われる時代】
内部統制の
成熟度合い
29
レベルの認識
業務運営の状況
レベルアップへの課題
不安定レベル
何が起こるか予測不能
業務に潜在するリスクが見えていない
リスクの洗出し
属人的レベル
文書化されておらず人に依存
属人的なリスク管理で全社的には見え
ていない
全社的に見える体制へ(文書化)
標準化レベル
文書化されているが統制からの逸脱
が発見されない
文書化は出来ているがリスク感がバラ
バラ
標準化して検証、評価できる体
制へ
モニターレベル
統制機能が限定的だが自動化され
ている
評価、改善が十分でない
継続的なモニタリングができる体
制へ
最適レベル
経営陣によりリアルタイムのモニタリ
ングがなされている
統合的な内部統制のフレームワーク
ができており改善が直ちに行われる
内部統制から全社的リスクマネ
ジメントへ
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関連資料
リスク管理の手法
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リスク管理の第一ステップ
関連資料
~リスクの洗出し~
リスク管理の第一ステップとして、リスクを洗出し、洗い出したリスクを整理する。
リスクマッピング
マクロリスク
リスクの洗出し
テロ・誘拐
情報セキュリティ
人権
独禁法違反
著作権・特許違反
技術革新
格付下落
環境リスク
為替
地震
人権問題
独禁法違反
著作権・特許違反
借入金利
火事・噴火
品質管理
契約リスク
原材料
天候
ブランド
製造物責任
社員不正
規制
整理
契約リスク
システムダウン
情報漏洩
原材料
為替
戦略投資
製造物責任
労働災害
天候
盗難
競合他社参入
借入金利
雇用関連
セミマクロリスク
社員不正
戦略リスク
信用リスク
戦略投資
取引先倒産
規制
格付下落
競合他社参入
技術革新
取引先倒産
雇用関連
オペレーショナル リーガルリスク
リスク
市場リスク
地震
火事・噴火
プライベートリスク
自動車事故
偶発災害
システムダウン
情報漏洩
安全危機管理
盗難
テロ・誘拐
情報セキュリティ
自動車事故
偶発災害
労働災害
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関連資料
リスク管理の第二ステップ~リスクの分類と対応策の検討~
【リスクマネジメント戦略の検討とIRへの展開】
(第一象限) インパクト:大、発生頻度:高
事業リスク、戦略リスクに関するものであり、株価・格付への影響は大きく、
事前に織り込まれる傾向。
会社予想にも織り込まれる。
業界・個別企業毎により詳細な分析が求められる。
マネジメントできるものと、できないものを分けたリスクIRが必要。
(第二象限) インパクト:大、発生頻度:低
発生後でないと株価への影響は出てこない傾向。
インパクトが小さければ、株価などへの影響も小さい。
発生時のインパクトを軽減するための方策が必要。
保険などの対応もあり。
重要度:
中
高い
地震
重要度:
高
技術革新
為替
格付下落
独禁法違反
景気
生産コスト
著作権・特許違反
原材料
社員不正
品質管理
ブランド
火事・噴火
戦略投資
契約リスク
競合他社参入
借入金利
テロ・誘拐
システムダウン
安全危機管理
製造物責任
情報セキュリティ
情報漏洩
インパクト
IRを強化し、見えや
すくする工夫が必要。
見えにくいと将来収
益予想が割り引か
れる危険もある。
人権問題
取引先倒産
自動車事故
偶発災害
規制
労働災害
流通
IT
天候
知的財産
雇用関連
盗難
低い
低い
重要度:
低
(第三象限) インパクト:小、発生頻度:低
リスク保有を基本とする。
32
頻度
重要度:
中
高い
(第四象限) インパクト:小、発生頻度:高
リスク保有を基本としつつも、対応コストを考慮しつつ、リスク頻度の軽減を図る。
多いと会社自身の構造問題を疑う必要あり。
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リスク管理の第三ステップ
●保険でカバーできるリスク(赤い部分)
関連資料
~リスク対応策の選択~
●積極的にIRをおこなうリスク領域
(第二象限) インパクト:大、発生頻度:低
発生時のインパクトを軽減するための方策が必要。
インパクトが小さければ、株価への影響も小さい。
保険などの対応もあり。
(第一象限) インパクト:大、発生頻度:高
事前に株価・格付に織り込まれる部分。
インフルエンス・ダイアグラムの設計などのより詳細な分析が求められる。
マネジメントできるものと、できないものを分けたリスクIRが必要。
戦略リスクが含まれやすい。
高い
独禁法違反
地震
技術革新
情報漏洩
著作権・特許違反
戦略投資
契約リスク
賠償責任
低い
ブランド
製造物責任
休業損害
規制
借入金利
競合他社参入
労働災害
安全危機管理
原材料
取引先倒産
政府規制
品質管理
自動車事故 システムダウン
テロ・誘拐
偶発災害
人権問題
社員不正
自然災害
インパクト
景気
原材料
格付下落
火災・爆発
為替
生産コスト
仕入
雇用関連
盗難
頻度
低い
(第三象限) インパクト:小、発生頻度:低
リスク保有を基本とする。
高い
(第四象限) インパクト:小、発生頻度:高
リスク保有を基本としつつも、対応コストを考慮しつつ、リスク頻度の軽減を図る。
企業が保有しているリスクの内、【管理可能なリスク】と【不可能なリスク】を峻別し、対応策を検討することが必要。
今後、リスクIRの巧拙は資本市場からの企業評価基準の一つとなることが想定される。
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経営者・幹部の関与
関連資料
企業価値創造の要素となるCSRを果たすため、企業はマネジメントシステムを導入し、そ
の仕組みの円滑な運用のためには、経営者、幹部の関与が絶対条件である。
『CSR』の充実
企業の社会的責任(CSR)
※人権侵害問題
コーポレートガバナンス
事業継続管理(BCM)
コンプライアンス
内部統制
情報セキュリティガバナンス
個人情報保護
経
営
者
・
与幹
部
の
関
34
経営資源の投入
人
物
時間
金
情報
積極的な関わり
個人と組織の兼ね合い
(Ex.状況に応じた組織の改善)
CSRの重要性の理解
Copyright© 2008 JAPANET TAKATA Corporation. ALL Right Reserved.
ご清聴ありがとうございました。
株式会社ジャパネットたかた
吉田 周一
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