遠方銀河団 3C324 (z=1.206) 周辺領域の解析

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Transcript 遠方銀河団 3C324 (z=1.206) 周辺領域の解析

・しかし、e(a) や k+a の中で S0 であるものはほとんど無い (Poggianti et al. 1999)。
Moran et al. (2005) では、z=0.4 での E と S0 で stellar population に差を見出す
ことができず、e(a)/k+a と S0 galaxy の関係はよく分かっていない。
1. INTRODUCTION
・UV のcontinuum は <数百Myr の timescale の星形成と相関があり、観測している
銀河の現在及び最近の星形成活動に強い制限を与える。
・今回は、Galaxy Evolution Explorer (GALEX) により、z=0.4 の銀河団銀河の
UV光を調べる。
・morphology-density relation (Dressler et al. 1997; Smith et al. 2005; Postman
et al. 2006) が定量的に調べられることにより、intermediate-z の銀河団に見られる
blue star-forming spirals は S0 に変化するのではないかと考えられるようになった。
・どうして Spiral -> S0 の変化が起こるのか調べるため、intermediate-z の銀河団で
transitional phase にある銀河を探されている (Couch et al. 1998; Poggianti et al.
1999; Balogh et al. 1999)。
・いくつかの候補天体は、 [OII] 輝線
現在の星形成を反映
バルマー吸収線 最近 (~1Gyr) の星形成を反映
などの分光データから分類されている。
・例えば、以下のようなものがある (Poggianti et al. 1999)。
E+A(k+a) deep Balmer Hδ
e(a)
[OII] 輝線 + strong Balmer absorption
・最近の研究により、e(a) は dusty star burst galaxies (Poggianti & Wu 2000)、
k+a は poststarburst (Goto 2005; Tran et al. 2003) に付随いているようである。
・最近、興味深い天体として、”passive spirals” というものが分類されている (Couch
et al. 1998; Dressler et al. 1999; Poggianti et al. 1999; Goto et al. 2003)。
・passivel spirals とは、spiral の形態を持っているが、[OII] 輝線が無い、もしくは
弱い天体。
・これらは spiral から S0 に変化する途中段階にある天体?
星形成停止の timescale が、形態変化の timescale より短ければ説明可。
(形態変化が遅いことは、S0 の stellar population が古いことも説明できる。)
・理論的には、Bekki et al. (2002) が、この “gas starvation” (cold halo gas の
galaxy disk への降着停止) を考えることにより、説明できるとしている。この場合
~3Gyr で spiral arms は無くなる。
・しかし、これまでのところ、passive spirals の詳しい星形成史については、ほとんど
分かっていない。
・この論文では z=0.4 の rich cluster Cl 0024+17 の GALEX UV + HST + Keck
spec のデータから、passive spirals の星形成率に制限を与える。
2. OBSERVATIONS AND SAMPLE SELECTION
2.1. Data
・Cl 0024 の wide field survey (HST+Keck) のデータを使う (Treu et al. 2003;
Moran et al. 2005)。
WFPC2 39 視野 (F814W) で R>5Mpc をカバー
I<21.1 で reliable な形態分類 (Treu et al. 2003)
このデータから、passive spiral, star-forming spiral, E+S0 に分類。
・GALEX では 2004 年 10 月に 13.3ks 観測。視野 ~1.2°
NUV band は z=0.4 で rest frame の FUV (λc~1620Å) 。この band に注目する。
測光は 6” aperture (~32kpc) で行う。NUV の FWHM は 5.5”。
2.2. Sample Selection
・暗い天体は、輝線天体の方が identify されやすいという bias がある。
今回は、 F814W<21.1 という明るい限界等級を採用。
この等級範囲なら、形態分類の信頼性も高い。
passive spirals : Sa – Sd のうち EW([OII])>-5Å
active spirals : Sa – Sd のうち EW([OII])<-5Å
と定義。今回の sample では EW(Hδ)>5Åのものは 2 つしかない。
E+S0 のサンプルからは、EW([OII])<-5Å(~25%) のものは除いた。
・サンプルは目で check し、UV 光が
隣の天体から影響を受けているもの
など、約 12 % を除いた。
・最終的なサンプル数は、
passive spirals : 24
active spirals : 44
E+S0:
75
・Fig.1 に E+S0, passive spirals,
active spirals それぞれのスペクトル
を示す。
3. UV EMISSION IN PASSIVE CLUSTER SPIRALS
・Fig.1 から分かるように、E+S0 と passive spirals は可視スペクトルが似ている。
しかし、FUV の特性は大きく異なる。UV で検出 (>3σ) できる天体の割合は
passive : 67±13%
active : 80±13%
E+S0 : 25±7%
つまり、stellar population は E+S0
と passive で明白に異なる。
・Fig.2 から、passive spirals は FUV-V
の color で active spirals と E+S0 の
中間の色を持つことが分かる。
4. MODEL STAR FOMATION HISTORIES
・星形成の指標のtimescale を比較すると
Hδ(109yr) FUV flux (107-108yr) hard ionizing photon (107yr)
・FUV-V versus Hδdiagram を考える。
1. 異なる timescale の星形成指標を比較することで、最近の星形成史を調べる
2. FUV-V の color は dust extinction に影響を受けるが、Hδは受けない (e.g.,
MacArthur 2005; Sato & Martin 2006)。passive spirals が FUV-V で赤い色を
持つのが dust によるものかどうか検証できる。
・Fig. 3 が (FUV-V) versus Hδ diagram
active spirals : open blue triangles
passive spirals : fillled green triangles
active spirals は FUV-V で青く、やや強め
の Hδ吸収 (~4Å) を持つ。
passive spirals は FUV-V で赤く、
Hδ吸収も弱い。
右下から左上にかけてのエラーバーは
“active”, “passive” の平均値。
一番左上は、個々に plot できない (Hδの
信頼性が低い、FUV が正確に測光でき
ない) 13 個の passive spirals を合成
したもの。
・Fig.3 にはBruzual & Charlot (2003) に
よる進化トラックものせる。
solar metallicity zF~5 z=0.4 (~8Gyr)
トラックで赤いのは EW([OII])>-5Åのもの
(SFR, LB から推定;Barbaro & Poggianti 1997)
・実線は、τ= 3, 5, 10 Gyr の exponentially declining SFR に対応
・破線は、Av=0.6 の dust extinction を考慮したもの (Cardelli et al. 1989)
τ=5Gyr の場合のみ示してある。
この他、τ=1 Gyr の場合について、実線、破線を示しているが、これについては
後で議論する。
・dust extinction を考慮することで、赤い FUV-V color や輝線が弱いことは説明
できるが、passive の中に Hδが弱いものがあることは説明できない。
・”truncated” SF を考慮してみる。
t=5-7Gyr の間で SFR が急にゼロになるモデルを点線でプロット。
このモデルでは、UV 光の暗くなり方が早すぎて、Hδが小さくなる前に GALEX で
検出できなくなってしまう。
・τ<1Gyr の SFR (Fig.3 の一番上の実線、破線) を仮定すれば、多くの passive
spirals について、FUV-V と Hδを説明できる。
また、τ=3-10 Gyr の active spirals が、τ<1Gyr でSF を decline させることでも
同じ結果になる (thick dash-dotted line)
5. DISCUSSION
・SFR が急に decline するような星形成史は、”starvation” (Bekki et al. 2002;
Larson et al. 1980; Quilis et al. 2000) を考えれば再現できる。
・ガスの降着が急に無くなったら、星形成は短い timescale で減少する
(0.8Gyr<τ<2Gyr, Larson et al. 1980)。
・SFR の急激な変化を考えず、小さい τ(~1Gyr) を仮定すれば、やはり passive
spirals の data に合う。この場合、physical mechanism を考える必要もない。
しかし、passive spirals はcluster に偏在するらしく (Goto et al. 2003)、その形成
には、cluster に関係したmechanism があると考えられる。
・passive spirals のうち、FUV で検出できなかったものは多くない (8/24) ので、
おそらく FUV が暗くなってからすぐに形態が変わってしまうのと考えられる。
“starvation” で gas accretion が止まってから FUV が暗くなるまでは ~3Gyr
これは、Bekki et al. (2002) による形態変化の timescale と一致している。
・以上から、intermediate z の passive spirals は現在の cluster S0 を形成する
途中過程の天体であると考えられる。
・これらの観測から、high-z にあるlate-type galaxies は、現在どの天体に対応する
のかが疑問になる。
・この論文では、z=0.83 の銀河団と Coma の銀河について、質量と形態を比較した。
2. DATA
・HST/ACS による観測 (Blakeslee et al. 2006)
MS1054.4-0321 : F606W, F775W, F850LP
CL 0152.7-1357 : F625W, F775W, F850LP
形態分類は、i775 data で行った (Postman et al. 2005)。
・spectroscopically confirmed members は
MS1054.4-0321 : 143 個 (i775 < 23.5; Treu et al. 2003)
CL 0152.7-1357 : 95 個 (i775 < 23.5; Demarco et al. 2005)
・Coma のデータは Beijersbergen et al. (2002a,b) のものを使った。
r<16.27 Mr<-18.75 UBr band
rest frame の g-r color は、Bruzual & Charlot (2003), Kinney et al. (1996) の
template を用いて g-r = 0.61 (B-r) -0.07 の関係から求めた。
3. MASS ESTIMATION
・Bruzual & Charlot (2003), Kinney et al. (1996) の template から
For MS 1054 g-r = 1.01 (i775 - z850) – 0.05
r = z850 – 0.32 (V606 – z850) + 0.84
For CL 0153
g-r = 1.00 (i775 – z850) – 0.06
r = z850 – 0.28 (r625 – z850) +0.63
(g-r) color と M/L の関係は stellar population model から求める (Bell et al. 2003)。
・51 個の銀河について、half-light radii と velocity dispersion が求まっている。
MS1054
22 個 (Wuyts et al. 2004)
CL 0153
29 個 (Jorgensen et al. 2005)
astro-ph/0603839
1. INTRODUCTION
・early-type fraction や morphology-density relation から、現在の銀河団銀河の
分布は、過去 7-10 Gyr で大きく変化していると考えられる (Dressler et al. 1997;
Lubin et al. 1998; van Dokkum et al. 2000,2001;Holden et al. 2004; Smith
et al. 2005; Postman et al. 2005)
・Fig. 1 で MDyn と Mstars の比較
MDyn : M = 5σ2re / G の関係から求める (Jorgensen et al. 1996)
Mstars : g-r から推定した、M/L から求める
・Mstars と MDyn の間には 0.13 dex の offset があるので、この分を補正。
分散は elliptical で 60 % (全体で 66 %)。
・小質量で Mstars が overestimate 気味になるが、これは luminosity limit (点線) の
影響と考えられる。
・Fig.2 で見られるように M>M* (点線) と L>L*+0.5 (実線) では selection が大きく
異なる。青い late type では、M* より 0.4 dex 小質量のものも選ばれる。
・この結果から、ある質量から early-type fraction が減少することを示している。
・M>1010.9M◎ で見てみると
Coma : 79±6%
z=0.83 : 71±7% (78±8% for MS1054, 64±8% for CL0153)
M<1010.9M◎では incompleteness が大きい (~50%)。
・よって、今回のサンプルでは early-type fraction が進化している証拠は見つけら
れなかった。
5. DISCUSSION AND RESULTS
・Coma についても同様に MDyn と Mstars を比較したところ、offset は 0.07dex で、
分散は 46% だった。
・求めた mass のから Coma の質量関数を Schechter function で fit すると、
M*=1011.1±0.2M◎ だった。
4. MASS AND THE EARLY-TYPE FRACTION
・M>1011.1M◎の銀河に対して、early-type fraction は、
Coma : 87±6 %
z=0.83 : 79±6 % (65±8% for MS1054, 60±8% for CL0153)
z=0 から z=0.83 で、変化は 9±8% と小さい。
・luminosity-selected sample として L*+0.5 (Mr=-21.1) とすると、
Coma : 78±4%
z=0.83 : 62±6% (65±8% for MS1054, 60±8% for CL0153)
とこれはこれまでの研究と一致 (van Dokkum et al. 2001; Holden et al. 2004)。
・magnitude limited sample を使えば、
z=0 から z=1 まで early-type fraction
に進化が見られる (Dressler et al. 1997;
Lubin et al. 1998; Fasano et al. 2000;
van Dokkum et al. 2000,2001)。
・一方、Fig.3 から分かるように、M>M*に
おいては z=0.83 から z=0 まで
early-type fraction の変化は 9±8% と
ほとんど変化が無い。
・luminosity-selected の場合、M~1010.7M◎
に peak を持つ late-type が入ってくる。
・よって、大質量の early-type gals の
ほとんどは z=0.83 ですでに形成されて
いたということになる。対照的に、
(4-8)x1010M◎ の銀河の約半数が将来
late-type から S0 に変化すると考えられる。