Transcript 消費者余剰 - 跡見学園

跡見学園女子大学マネジメント学部 国際経済学
消費者余剰，生産者余剰および経済厚生
丹野忠晋
2009年12月21日
消費者余剰(p.128)
 消費者余剰とは大ざっぱに実際に価格を支払
ったときの財からの満足度
 正確には支払ってもよいと考えている金額から
実際に支払った金額を差し引いた値
 英語で Consumer Surplus
 CS と略す
2009/12/21
国際経済学7
2
支払い意欲
 消費をするときに満足度と支払いの費用を比
較する
 同じ値段でも既に沢山購入していればもう買
わない
 ある財が1単位増えたときにどのくらい支払っ
ても良いか考えている
 それを支払い意欲という
 限界効用に似かよった概念
2009/12/21
国際経済学7
3
支払い意欲/2
 ヤワラがビザを食べようとしている
 1枚目のビザは１８００円まで支払おうとしてい
る．
 1枚目を食べてもう1枚には１６００円の支払い
意欲
 この金額までは支払って良いと考えているの
で，それ以下の価格では喜んで支払うだろう
2009/12/21
国際経済学7
4
ヤワラのピザへの支払い意欲
ピザの枚数
2009/12/21
支払い意欲
１
１８００
２
１６００
３
１５００
４
１４００
５
１３００
国際経済学7
5
支払い意欲のグラフ
支払い意欲
1800
1600
1400
1300
1500
枚数
2009/12/21
1
2
3
4
5
国際経済学7
6
ピザの価格が1400円のとき
支払い意欲
4枚目まで食べるだろ
う
1800
1600
1500
1400
1300
価格は1400
円
5枚目までは食べ
ない
枚数
2009/12/21
1
2
3
4
5
国際経済学7
7
需要曲線＝支払い意欲曲線
 価格と支払い意欲が一致している枚数を購入
する
 価格＝支払い意欲→購入量
 これは需要曲線と同じ
 価格に対して購入しようとする数量
 支払い意欲曲線は各数量から1単位増えたと
きに支払っても良い金額
2009/12/21
国際経済学7
8
需要曲線（価格から数量へ）
価
格
P
需要曲線
Q
2009/12/21
国際経済学7
数
量
9
支払い意欲のグラフ＝需要曲線
支払い意欲，
価格
1800
1600
1500
1400
需要曲線
1300
枚数
2009/12/21
1
2
3
4
5
国際経済学7
10
支払額
支払い意欲，
価格
支払額
＝1400円×４個
＝５６００円
需要曲線
1800
1600
1500
1400
価格は1400
円
1300
枚数
2009/12/21
1
2
3
4
5
国際経済学7
11
ピザの価格が1400円のとき
支払い意欲
支払い意欲－支払額
＝財購入による満足
＝消費者余剰
1800
1600
1500
価格は1400
円
1400
1300
4枚目まで食べるだろ
う
枚数
2009/12/21
1
2
3
4
5
国際経済学7
12
消費者余剰
 支払ってもよいと考えている金額から実際に支払
った金額を差し引いた値
 金額を面積で表す＝△PABの面積
A
消費者余剰
B
P
需要曲線
2009/12/21
国際経済学7
Q
13
生産者余剰(p.296)
 生産者余剰とは実際にその市場で営業してい
る企業の利益を表します
 生産者余剰 Producer Surplus
 PSで略
 生産者余剰とは収入から可変費用を差し引い
た額を言う
 収入＝価格×数量
 可変費用とは産出量の増減により変化する費
用を表す
2009/12/21
国際経済学7
14
生産者余剰と利潤






利潤に似た概念
生産者余剰＝収入ー可変費用
収入 Revenue
Rで略
可変費用 variable cost，
VCで略
PS＝RーVC
2009/12/21
国際経済学7
15
生産者余剰と利潤/2






利潤は収入から総費用を差し引いた額
総費用は可変費用と固定費用を加えた額
総費用 total cost，
Cで略
固定費用 fixed cost
FCで略
2009/12/21
国際経済学7
16
生産者余剰と利潤/3
 利潤をπとすると
π＝R－C
＝R－(VC＋FC)
＝Ｒ－ＶＣ－ＦＣ
＝ＰＳ－ＦＣ
 以上の議論より
π＝PS－FC
PS ＝ π＋ FC
2009/12/21
国際経済学7
17
生産者余剰と利潤/4
 生産者余剰は利潤に固定費用を加えたもの
 利潤は生産者余剰から固定費用を除いたもの
2009/12/21
国際経済学7
18
供給曲線と生産者余剰
 固定費用が０の企業，可変費用のみ
 限界費用とは生産量が１単位増加したときの
費用の増加分
 限界費用曲線は供給曲線である
2009/12/21
国際経済学7
19
限界費用の例
2009/12/21
生産量
限界費用
１
２
３
８００
９００
１１００
４
１４００
国際経済学7
20
可変費用と限界費用
生産量
限界費用
可変費用
０
１
２
０
８００
９００
８００
１７００
３
１１００
２８００
４
１４００
４２００
2009/12/21
国際経済学7
1700+1100=28
00
21
限界費用と可変費用
ある生産量の可変費用は，1単位前の可変費
用にそこから1単位生産量を増やしたときの限
界費用を加えたもの
ある生産量の可変費用は，その生産量までの
限界費用をすべて加えたもの
2009/12/21
国際経済学7
22
限界費用曲線
限界費用
限界費用4
限界費用2
1400
このすべての面積が
生産量４の時の可変
費用
限界費用3
限界費用1
限界費用
1100
900
800
枚数
1
2009/12/21
2
3
4
国際経済学7
23
限界費用曲線
限界費用
それに限界費用4を加え
ると生産量4の可変費用
この色の面積が生
産量3の可変費用
限界費用4
1400
1100
900
800
2009/12/21
枚数
1
2
3
4
国際経済学7
24
限界費用曲線＝供給曲線
限界費用，価格
生産量は４単位
1400
1100
900
価格が1400円
800
2009/12/21
枚数
1
2
3
4
5
国際経済学7
25
限界費用曲線＝供給曲線/2
 限界費用曲線は供給曲線でもある
 利潤最大化条件
限界費用＝価格
 限界費用＝価格 → 企業の望ましい生産量
2009/12/21
国際経済学7
26
限界費用曲線＝供給曲線/3
限界費用，価格
供給曲線
価格
1400
1100
900
800
2009/12/21
枚数
1
2
3
数量
4
国際経済学7
27
供給曲線
限界費用，価格
生産量は４単位
1400
1100
900
価格が1400円
800
2009/12/21
枚数
1
2
3
4
国際経済学7
28
供給曲線と収入
限界費用，価格
この面積が収入
1400
1100
900
価格が1400円
収入＝価格×数量
800
2009/12/21
生産量は４単位
枚数
1
2
3
4
国際経済学7
29
供給曲線と収入/2
価格
供給曲線
1400
四角の面積＝
収入
1100
900
800
2009/12/21
数量
1
2
3
4
国際経済学7
30
供給曲線と可変費用
価格
供給曲線
1400
台形の面積＝可変
費用
1100
900
800
数量
1
2009/12/21
2
3
4
国際経済学7
31
生産者余剰＝収入ー可変費用
収入
－
可変費用
＝
2009/12/21
生産者余剰
国際経済学7
32
供給曲線と生産者余剰
価格
供給曲線
生産者余剰
1400
1100
900
800
2009/12/21
数量
1
2
3
4
国際経済学7
33
消費者と生産者余剰
価格
供給曲線
消費者余剰
1400
1100
900
生産者余
剰
800
数量
1
2009/12/21
2
3
4
国際経済学7
34
経済厚生
 経済厚生とは取引をしている全ての主体の望
ましさ
 経済厚生は消費者余剰と生産者余剰の和
 政府がある場合はそれに政府税収をさらに加
える
 需要曲線と供給曲線の交わる点である均衡で
は経済厚生が最大化される
2009/12/21
国際経済学7
35
均衡価格と経済厚生のまとめ/1
 個別需要曲線はある経済主体の様々な価格の下
で需要量がいくらかになるか
 市場需要曲線とは市場全体の様々な価格の下で
需要量がいくらかになるか
 他の要因が変わると需要曲線が移動＝シフトする
 財の価格上昇が他方の財の需要量を増す場合に
2財は代替財
2009/12/21
国際経済学7
36
英語の復習
価格とは英語で
price
数量を英語で
quantity
需要を英語で
demand
2009/12/21
国際経済学7
37
英語の復習
供給を英語で
supply
2009/12/21
国際経済学7
38
需要曲線の見方
今川焼きの価格
イチローの今川焼き
に対する需要曲線
価格から数量を見る
100円
今川焼きの数量
6個
2009/12/21
国際経済学7
39
まとめ
 供給とはものを販売したいと考えている数量
 供給＝supply (英語)
 供給曲線は価格と数量のグラフ
 供給曲線は右上がり
 市場供給曲線はすべての売り手の供給曲線を
加えたもの
2009/12/21
国際経済学7
40
まとめ/2
 その価格以外の要因で供給曲線が変化するこ
とをシフトするという
 投入要素価格の変化
 技術進歩
 自然環境の変化
 信用の供与枠
 予想
2009/12/21
国際経済学7
41
まとめ/3
 需要曲線と供給曲線が交わるところが均衡
 均衡価格は需給が一致している価格
 均衡数量は需給が一致している数量
 需要・供給の法則
• 競争的な市場経済においては実際の取引価格が
均衡価格になる傾向がある
2009/12/21
国際経済学7
42
まとめ/4
 需要曲線や供給曲線がシフトすると均衡価格
や均衡取引量が変化する
 取引による消費者の利益を消費者余剰
 取引による生産者の利益を生産者余剰
 生産者余剰は利潤に固定費用を加えた額
2009/12/21
国際経済学7
43