Transcript PCグラウトを開発

高チクソトロピー性を有するグラウト材料の開発
背景
従来のPCグラウトは高粘性型と低粘性型に大別される。長大PC橋などで使用される波形
配置のシース管内にグラウトを注入する場合は，低粘性型グラウトを用いるとシースの下り
勾配部で先流れを生じて充填不良に至ることがあり，高粘性型グラウトを用いると先流れが
生じないが，注入圧力が増大するため一度に注入できず，段階的に作業することを余儀なく
され効率が悪い等の問題を有する場合がある。そこで，これらの問題を解決するものとして、
低い圧送圧力で高い充填性が得られる，高チクソトロピー性を有するグラウトを開発した。
低粘性グラウトにおける
先流れによる残留空隙の発生メカニズム
高粘性グラウトにおける
ステップバイステップ式グラウト注入
高チクソトロピーグラウトと従来型グラウトの性状比較
①使用グラウト
HT: 高チクソトロピーグラウト (W/P*=33.0%)
HV: 高粘性型グラウト (W/P=26.0%)
比較用
LV: 低粘性型グラウト (W/P=36.5%)
*P: 粉体
②フロー値
50
50
(mm)
HT : 56.8mm
HV : 268.8mm
LV : 313.0mm
JP漏斗
圧縮空気
コック
JP漏斗
加圧流下試験装置
JP漏斗流下時間(s)
③JP漏斗流下時間(非加圧及び加圧下)
30
25
20
15
10
5
0
非加圧状態
加圧状態(0.1MPa)
23.97
∞
8.03
1.97
0.30
水
4.43
1.00
1.16
HT
HV
LV
圧力とJP漏斗流下時間の関係
④ブリーディング率
種類
3時間後(%)
1日後 (%)
HT
0.0
0.0
HV
0.0
0.0
LV
0.0
0.0
JP漏斗
加圧ブリーディング率 (%)
⑤加圧ブリーディング率 (0.5MPaで5分間)
フィルター
圧縮空気
コック
加圧ブリーディング率試験装置
⑥圧縮強度
0.40
0.35
0.30
0.20
0.10
0.11
0.02
0.00
HT
HV
LV
加圧ブリーディング率(5分間)
⑦膨張率
HT : 48.4N/mm2 (7日後)
HT : 0.00% (20時間
後)
99.2N/mm2 (28日後)
0.34% (4日後)
実物大充填実験
HT
HV
LV
下り勾配部のグラウト流先端部
実物大充填実験の試験体
Ａ
Ａ
Ａ‘
注入圧力(MPa)
Ａ‘
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
HT
1.5
0.4
HV
シース管下り勾配部
0.4
82.6mm
HT
HV
注入圧力
LV
HT
Ａ
Ａ‘
LV
15mm
HV
A-A’ 断面
65mm
LV