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高齢者向け災害対策の検討
福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
立命館大学文学部地理学専攻
教授
矢野桂司
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
GIS演習の概要
 演習の目的
 災害時の要援護者対策の検討等に必要となる基礎的な
データの収集・分析ついて、講師による実演によりGISによ
る分析イメージをつかむ。
 演習の前提
 データ及び分析方法については、別科目の演習「高齢福
祉計画の計画策定/政策立案のための基礎分析(地域カ
ルテの作成と活用)」の内容を前提。
 演習の特徴(重視ポイント)
 考慮すべき各種統計データ等を入手・可視化し、災害時
要援護者の分布や避難所等の位置を重ね合わせ・集計
する方法を学ぶ。
 高度な分析の実演を見ることで、GISの高度な分析イメー
ジを学ぶ。
 演習に必要な環境
 ArcGIS(ESRI社)がインストールされたパソコン
(Network Analyst 機能が必要)
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
GIS演習の概要
《演習の流れ》 90分
 ①演習の概要の説明
 ②災害時要援護者(高齢者)の分布の作成
 ③避難所の収容人数の過不足の試算
 ④避難ルートの検討
 ⑤高齢者向け災害対策の検討
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
高齢者向け災害対策の検討
 分析事項:
(1)災害時要援護者(高齢者)の分布の作成
(2)避難所の収容人数の過不足の試算
(3)避難ルートの検討
 データ:
 避難者
 高齢者、要援護者(各自治体保有の台帳、国勢調査の町丁・字の代
表点)
 避難所
 広域避難所・避難所(各自治体保有の台帳)
 道路ネットワーク
 数値地図25000(空間データ基盤)
 GIS機能
 アドレスマッチング、ネットワーク分析
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
(1)災害時要援護者の分布の作成
災害時要援護者の分布
 災害時要援護者台帳(上図)について、住所
情報をもとにアドレスマッチングを行い、緯度
経度を付与すれば、右図のような災害時要
援護者マップを自動作成することができる。
 災害時要援護者は、対象者及び対象者の属
性の変動が大きいため、更新にかかる時間
を削減する意義が大きい。
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高齢者向け災害対策の検討
福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
(2)広域避難所の収容人数の試算
各避難者が最寄りの避難所に避難するとした場合、収容人数はカバーできるの
かを定量的に分析する。
避難者の分布
広域避難所の分布
(点:収容人員で表示)
1)避難者の分布図
を表示(左図)
2)各避難所の分布
図を作成(右図)
3)各避難所(右図)
を最寄とするエリア
に居住する避難者
数(左図)を合計す
る。
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
(2)広域避難所の収容人数の試算
3)各避難所を最寄とするエリア 道路ネットワーク図と広域避難所の重ね合わせ
に居住する避難者数を合計す
る<続き>
【分析に必要なGIS環境について】
・最寄の広域避難所を特定するた
めには、道のり距離で最短ルートを
検索する必要がある。
・道のり距離を検索するためには、
道路ネットワークデータとNetwork
Analyst 機能が必要。
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
(2)広域避難所の収容人数の試算
3)各避難所を最寄とするエリアに居住する避難者数を合計する<続き>
【分析手順】
町丁・字から最寄り広域避難所までの最短ルート
・Network Analystにより、各町
拡大図
丁・字等の代表点から広域避
難所までの道路ネットワーク上の
最短ルートを検索した。(右図)
・同一の施設を最寄とする町
丁・字の代表点(ルートが同じ
色になっている点)について、
総人口を集計することで、各
避難所の避難者数を合計する。
・収容人員から需要数を引くこ
とで、収容人員の過不足が大
きい施設を特定する。
⇒過不足の大きい施設を可視
化すれば、施設配置に課題の
⇒当該の広域避難所が最も近くなる町丁・字等の代表点
ある地域を算出できる。
の最短ルートは、同一の色で示されている。
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
(3)避難ルートの作成
 避難ルートを検討する際は、移動距離だけではなく、坂道や道路幅員等の避
難にあたっての障害の有無を確認する必要がある。
・ArcGISには,Google Earthに重ね合わせが
できるファイル形式(KML形式)への出力機
能がある。
・Google Earthは、空中写真との重ね合わせ
や地形との関係なども理解でき、ストリート
ビューにより選択された避難ルートを体験す
ることができる。
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福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
高齢者向け災害対策の検討
高齢者向け災害対策の検討
 応用・展開
検討の視点(例)
 どのような高齢者を想定するか?
 広域避難所までの距離はどう設定するか?
 「戸別訪問業務の高度化・効率化」演習のデータの利用
 戸別訪問で訪れた住宅のデータをGISソフトに取り込む。
 戸別訪問で訪れた住宅から広域避難所までの最短ルートを作成す
る。
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