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アミノ酸の等電点
5版 p.471 4版 p.477
(+)
R
(合計電荷0)
O
H3
+
H3N CH C OH
低pH
(プロトン化)
R
O+
O
H3N+ CH C O-
(ー)
OH-
等電点(pI)
(中性双性イオン)
R
O
H2N CH C O-
高pH
(脱プロトン化)
等電点では正電荷と負電荷が等しくなる→双性イオン
電気泳動→電荷により移動度が異なる
pH 5.97
O
-
+
-
H3N CH C O
+
(CH2)4N H3
リシン(pI 9.74)
O
O
H3N+ CH2 C Oグリシン(pI 5.97)
H3N+ CH C OCH2COOアスパラギン酸
(pI 2.77)
+
例題15・2
グリシン
pI 5.97
O
H3N+ CH2 C O-
O
< H3N+ CH2 C OH
O
O
pH=pKa(COOH)=2.34 H3N+ CH2 C O- =
O
pH=3.0
H3N+ CH2 C O-
H3N+ CH2 C OH
O
> H3N+ CH2 C OH
O
pH=6.0→ほぼ等電点
pH=9.0
H3N+ CH2 C OO
H3N+ CH2 C OO
pH=pKa(NH3+)=9.60
H3N+ CH2 C OO
H3N+ CH2 C O-
O
> H2N CH2 C OO
= H2N CH2 C OO
< H2N CH2 C O5版 p.472 4版 p.478
問題15・5
O
リシン(pI 9.74)
H3N+ CH C OH
a) pH=2.0→等電点より低い→プロトン化
(カルボキシル基のpKa [2.18]より低いので,
(CH2)4N+H3
カルボキシル基もプロトン化)
O
c) pH=11.0→等電点より高い→脱プロトン化
H2N CH C O(アミノ基のpKa [9.74]より高いので,アミノ基
(CH2)4NH2
も脱プロトン化)
アスパラギン酸 (pI 2.77)
b) pH=6.0→等電点より高い→脱プロトン化
(アミノ基のpKa [9.60]よりは低いので,
アミノ基は脱プロトン化しない)
O
H3N+ CH C OCH2COO-
アラニン (pI 6.00)
O
H3N+ CH C Od) pH=3.0→等電点より低い→プロトン化
(カルボキシル基のpKa[2.34]よりは高いの
CH3
で,カルボキシル基はプロトン化しない) 5版 p.472 4版 p.478
問題15・6
O
H3N+ CH C OCH2
pH 7.6
O
O
H2N CH C O-
H3N+ CH C O-
N
NH
ヒスチジン(pI 7.59)
CH2(CH3)2
バリン (pI 5.96)
pH 5.7
-
O
H3N+ CH2 C OH
グリシン(pI 5.97)
pH 6.0
O
H3N+ CH2 C Oグリシン(pI 5.97)
-
+
CH2CH2COO
グルタミン酸 (pI 3.22)
O
O
H3N+ CH C O-
H2N CH C OCH2
+
CH2OH
セリン(pI 5.68) フェニルアラニン (pI 5.48)
O
O
H2N CH C O-
H2N CH C OCH2
+
CH2OH
セリン(pI 5.68) フェニルアラニン (pI 5.48)
5版 p.472 4版 p. 478
アミノ酸の結合
アミノ酸のカルボキシル基は,他のアミノ酸のアミノ基
とペプチド結合により結合し,ポリペプチド鎖(蛋白
質)を形成する
H3C
H
C
H2N
OH
C
O
アラニン
Ala
+
H2N
H
C
H3C
C
OH
CH2OH
セリン
Ser
C末端
O
N末端
O
H
C
H2N
HN
C
C
C
OH
H
CH2OH
O
アラニルセリン
Ala-Ser
蛋白質における各アミノ酸単位をアミノ酸残基とよぶ
ポリペプチド鎖は左から順に記し,最初をN末端,
最後をC末端とよぶ
5版 p.473 4版 p. 478-9
ジスルフィド結合
2個のシステインが近接している場合,両方のチオール基が
酸化されて結合し,ジスルフィド結合(SS結合)を形成
C
O
H2
CH C SH
C
HS
H2
C CH
NH
NH
システイン
O
酸化
還
元
C
O
H2
CH C S
C
S
H2
C CH
NH
NH
ジスルフィド
CyS-Tyr-Phe-Glu-Asn-CyS-Pro-Arg-Gly-NH2
バソプレッシン
髪の毛のパーマは,ケラチンのS-S結合を切断し,型をつ
けてからかけ変えている
チオグリコール酸アンモニウム HSCH2COONH4で切断
臭素酸ナトリウム NaBr3で結合を再生 5版 p.474 4版 p. 480
O
蛋白質の分類
複合蛋白質
—糖蛋白質,リポ蛋白質,金属蛋白質,核蛋白質,
リン蛋白質
形態
—繊維状蛋白質,球状蛋白質
機能
—酵素,ホルモン,防御蛋白質,貯蔵蛋白質,
構造蛋白質,輸送蛋白質
5版 p.481 4版 p. 488
蛋白質の構造(1)
一次構造:アミノ酸配列
二次構造:部分的立体構造ユニット
αヘリックス(らせん状)
アミドのC=O基と,4残基離れたアミノ酸残基の
アミドのN-H基が水素結合を形成
18残基で元の位置にもどる→3.6残基で1巻き
β構造(シート状)
一次構造上離れたポリペプチド鎖のアミドのC=O基
と,N-H基が水素結合を形成
平行と逆平行の2種類が存在
ターン構造→蛋白質表面で折り返す
ランダムコイル→上記以外の構造
5版 p.483 4版 p. 489
http://www.ecosci.jp/poly/protein_ab.html
蛋白質の構造(2)
三次構造:分子全体の立体構造
α型 ケラチン,ミオグロビンなど
β型 フィブロインなど ひだ状なので伸縮性に富む
α+β型 トリオースリン酸イソメラーゼなど
コラーゲンなどは特殊な構造(トリプルヘリックス)
四次構造:複数のポリペプチド鎖(サブユ ニット)が集合
してできた構造
例:ヘモグロビン
5版 p.483 4版 p. 489
コラーゲン
4-ヒドロキシプロリンを多く含む
→トリプルヘリックス構造の維持に必要
HO
OH
C
N
H
プロリン
OH
酸化
O
C
O
N
H
4-ヒドロキシプロリン
NHKスペシャル「地球大進化」
蛋白質の構造の構築原理
5版 p.4844版 p. 492
アミノ酸配列により、どんな立体構造をとるかは決定される
→アンフィンセンのドグマ
アミノ酸間に力が働き、最も安定になる構造をとる
→蛋白質の構造を支える力
近距離、遠距離の様々な力が複雑にからみあっている
→アミノ酸配列から立体構造を予測することは現時点では困難
変性状態
ネイティブ状態
蛋白質の構造を支える力(1)
共有結合性相互作用
ジスルフィド結合
非共有結合性相互作用
疎水性相互作用
疎水性アミノ酸の側鎖は蛋白質内部に集まり、
コアを形成する
親水性アミノ酸、特に酸性・塩基性アミノ酸は蛋白質
の外側に集まる傾向がある→水和
塩結合(塩橋、イオン結合)
酸性アミノ酸の負電荷と、塩基性アミノ酸の正電荷の
間にクーロン引力が生じる
5版 p.486 4版 p. 492
蛋白質の構造を支える力(2)
水素結合
アミノ酸の主鎖・側鎖間 水酸基、カルボキシル基、
アミド基、アミノ基、イミダゾール基など
髪の毛の寝ぐせ→水素結合
水により水素結合切断され,柔らかくなる
→ぬれた状態で形を決めて乾かすことによって水分を抜
くと固定される→ドライヤーを使ったセット
寝る前に髪を乾かさないで寝たり,寝ている間にかいた
汗により寝ぐせがつく
5版 p.4854版 p. 492
アミノ酸間の相互作用
O
+H3N
C
CH3
O-
CH2S
塩橋
SCH2
CHCH3ジスルフィド結合
CH2
O
CH3
C
CHCH2CH3
疎水性相互作用
CH2 O H
-O
水素結合
5版 p.4864版 p. 492
酵素
触媒作用をもつタンパク質
→活性化エネルギーを低下させることにより反応促進
作用する化合物→基質
特定の基質のみに作用する→高い基質特異性
鍵と鍵穴の関係
パパイン→タンパク質分解酵素
O
HN
CH C
O
HN
R
CH CH HN
R'
O
H2N
CH C
R
O
CH C
R''
O
O
OH
+ H2N CH C OH + H2N CH C OH
R''
R'
プロテアーゼで肉をやわらかくする方法
2
3
4
5版 p.4864版 p. 493
酵素の補助因子
酵素には、補助因子が必要なものがある
金属イオン
Zn, Fe, Cu, Mgなど
補酵素(多くはビタミン)
アスコルビン酸(ビタミンC),チアミン,
リボフラビン,ビタミンAなど
補助因子を取り除いた酵素—アポ酵素
補助因子が結合したもの—ホロ酵素
5版 p.4874版 p. 494
酵素の分類
加水分解酵素→基質の加水分解
プロテアーゼなど
イソメラーゼ→基質の異性化
トリオースリン酸イソメラーゼなど
リガーゼ→ATPを使って2つの基質を結合
DNAリガーゼなど
リアーゼ→小さな分子の切り離しや結合
ピルビン酸脱炭酸酵素など
酸化還元酵素→基質の酸化還元
グリセロアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼなど
トランスフェラーゼ→基質に分子を転移
ヘキソキナーゼなど
5版 p.4884版 p. 494
酵素の触媒機構
酵素は常温で効率良く働く触媒
→酵素に基質がしっかり結合し、触媒基が最適な位置に配
置されることによる
例えば、酸と塩基を同時に作用させることは普通の触媒で
は不可能
例
クエン酸シンターゼの触媒機構
N
N
Asp375
H
C
O
His274
O
OH
OOH
C
H
C
H
SCoA
H
5版 p.489
クエン酸シンターゼの触媒機構(2)
His274
N
N
OH
O H
C
C
H
SCoA
H
クエン酸シンターゼの触媒機構(3)
His274
His320
N
N
N
H
O
N
N
H
HO
O
OHC
2
C
OOCH22C
C
CC
H
COO
SCoA
H SCoA