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2009年8月27日
熱流体力学
第14回
担当教員: 北川輝彦
5.4 ベルヌーイの定理
5.4.1 エネルギ保存とベルヌーイの定理
ベルヌーイの定理が成り立つ条件
・非圧縮性流体(密度ρ=一定)
・定常流れ(∂/∂t = 0)
5.4 ベルヌーイの定理
図5.4を参照
定常、1次元(y方向、z方向への
流れを考えない)、非圧縮性流体の場合
質量流量ρQが保存されるため、
ρQ = ρA1V1 = ρA2V2 = ρA3V3 = Const
(5.17)
(A:流路の断面積、V:流体の速度、Q:体積流量)
補足
Q:体積流量 (m3/s)
ρ:密度(kg / m3)
ρQ:質量流量 (kg / s)
ρ: (kg / m3); A:面積 (m2); V:速度 (m / s)
ρQ = ρAV (kg / s)
5.4 ベルヌーイの定理
図5.4における1,2,3各点の流体に
存在するエネルギ
・運動エネルギ
・位置エネルギ
・圧力伝達仕事
運動エネルギ
図5.4の管内部の流体速度によって
発生するエネルギ
物理学:mv2 / 2 (J)
位置①: ρA1V13 / 2 (J / s)
位置②: ρA2V23 / 2 (J / s)
位置③: ρA3V33 / 2 (J / s)
位置エネルギ
図5.4の位置によって定まるエネルギ
(基準面Zからの位置)
物理学:mgZ (J)
位置①: ρA1V1gZ1 (J / s)
位置②: ρA2V2gZ2 (J / s)
位置③: ρA3V3gZ3 (J / s)
圧力伝達仕事
図5.4の左側から加わる
圧力Pによって発生するエネルギ
物理学: 位置①: P1A1V1 (J / s)
位置②: P2A2V2 (J / s)
位置③: P3A3V3 (J / s)
ベルヌーイの定理
これらをまとめると表5.2のようになる
粘性が存在しない流体:粘性による損失=0
エネルギの総和:一定(エネルギ保存)
⇒ ベルヌーイの定理
5.4 高さに関するエネルギ保存式
(5.19)をρQg= ρgAVでわり、
右辺の一定値をHとおくと
V2 / 2g + Z + P / ρg = H (5.20)
V2 / 2g : 速度水頭 (velocity head) 速度ヘッド (m)
Z
: 位置水頭 (potential head) 位置ヘッド (m)
P / ρg : 圧力水頭 (pressure head) 圧力ヘッド (m)
H
: 全水頭 (total head) トータルヘッド (m)
5.4 様々な表現
V2 / 2g + Z + P / ρg = H (m) (5.20)
この式の全体に重力加速度gをかけ、
流体1kgが保有するエネルギの保存式としても表現が可能
V2 / 2 + gZ + P / ρ = E (J/kg) (5.21)
V2 / 2
gZ
P/ρ
E
: 比運動エネルギ
: 比位置エネルギ
: 比圧送エネルギ
: 比エネルギ
(J / kg)
(J / kg)
(J / kg)
(J / kg)