冬場に注意すべき感染症 - 朝倉介護保険事業者協議会

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Transcript 冬場に注意すべき感染症 - 朝倉介護保険事業者協議会

冬場に注意すべき感染症
平成20年11月21日
処:杷木地域行政センタ- 楽邑館
朝倉保健福祉環境事務所
坂本 龍彦
よく問題となる感染症
<接触感染>*経口感染も含む
 感染性胃腸炎(ノロウイルス、腸管出血性大腸菌等)
 疥癬
 MRSA
<飛沫感染>
 インフルエンザ
<空気感染(飛沫核感染)>
 結核
<血液を介した感染>
 HBV・HCV
 HIV
ノロウイルス感染事例
介護従事者の認識不足が招いた集団発生!
デイサービス、入所施設における事例
2003年12月
A施設デイサービス
利用者 12名/155名(8%)
職員 6名/32名(19%)
A施設入所施設
入所者 16名/61名(26%)
職員 13名/38名(34%)
デイサービスに携わる職員と、入所者の介護に携わる
職員は全く別なシステムであった
状況1:デイサービス利用者が嘔吐した!

12月4日の午前中、デイサービスを利用しているお
年寄り(Yさん)が施設の中で、嘔吐した。下痢もして
いた。
Yさんの吐物は、4人の介護職員が手分けして始末
し、さらにYさんを浴室につれていき、身体を洗っ
た。
*介護者同士、デイサービス利用者と入所者の行き
来はなかったが浴室は共通に使用していた。

この時、介護職員は、ノロウイルスに感染している
かもしれないという認識は、まったくなかった!
デイサービス利用者・職員の発病日分布
5
4
利用者:12名/155名
職員:6名/32名
3
職員
利用者
2
1
0
4日
5日
6日
7日
8日
9日
10日 11日
入所者・職員の発病日分布
入所者:16名/61名
職員:13名/38名
12
11
10
9
8
7
職員
入所者
6
5
4
3
2
1
0
4日
5日
6日
7日
8日
9日
10日 11日
*5日に入浴した入所者の1人(Wさん)が翌6日に、食事の際にベッドにおかれ
たテーブルで嘔吐。吐物は処理されたがしばらく部屋の隅に放置されていた。
5
4
3
職員
利用者
2
1
0
4日
5日
6日
7日
8日
9日
10日
11日
12
11
10
9
8
7
職員
入所者
6
5
4
3
2
1
0
4日
5日
6日
7日
8日
9日
10日 11日
得られる教訓は?



デイサービス利用者の粗相に対して、汚物の
処理方法が不十分であった。
汚物を処理した浴室は、消毒されることのな
いまま使用され、感染者が入所者にまで拡大
した。
入所者の吐物の処理が適切でなかった。
何より、ノロウイルスに対する認識不足があった!
初期対応の失敗!
介護職員が感染を拡大した?
ノロウイルス感染症とは?
<特徴>
 幅広い年齢層に、感染性胃腸炎を起こす
 年間を通じて発生するが、特に冬季に多発
 10~100個という少量で感染が起こる。
(患者の便や嘔吐物には1グラムあたり100万か
ら10億個もの大量のウイルスが含まれる。)
ノロウイルス感染症の症状


潜伏期:24~48時間
症状:下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などで、通常
3日以内に回復するが、ウイルスは感染してから1
週間程度(長い場合は1ヶ月)便中に排泄される。
*高齢者では、吐物が誤って気管に入り誤嚥性肺炎
を起こしたり、のどに詰まって窒息することがある。
*感染しても症状が出ない人もいるが、便中にはウイ
ルスが排泄されている(無症状病原体保菌者)。
感染症予防の観点から



とにかく丈夫である
乾燥にも、酸にも、水中でも長時間丈夫である。
:正しい消毒方法を!
嘔吐が特徴
吐物は残りやすい。乾燥すると埃の中に取り込まれて遠くま
で運ばれる。
:正しい吐物処理を!
無症状病原体保菌者がいる
症状がなくても便の中にウイルスが存在する。
:手指衛生等の徹底を!
嘔吐・下痢症状の患者は、原因があきらかになるまでは、原則ノロウイルス対
策に準じた対応を行う!
ノロウイルスの感染経路
① ノロウイルスを含有したカキなどの二枚貝を、十分
に加熱しないで食べることにより感染する。
② ノロウイルスに感染した人が、十分に手洗いを行
わずウイルスが手についたまま調理をすると、食
品が汚染され、その食品を食べることにより感染
する。
③ ノロウイルスに感染した人の便や嘔吐物を処理し
た後、手についたウイルスや、不適切な処理で
残ったウイルスが、口から取り込まれ感染する。
④ ウイルスを含む便や嘔吐物中が乾燥すると、ウイ
ルスが空気中に長時間漂い、感染を起こす。
ノロウイルスの消毒方法
① 他の微生物などと比べると熱に強く、85℃
で1分以上の加熱が必要。
② 逆性石けん、アルコールの消毒効果は十分
ではない。塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナト
リウムは効果がある。
ネコカリシウイルスの各種薬剤に対する感受性
log reduction*(-logTCID50/mL)
薬剤
過酢酸
エタノール
次亜塩素酸ナトリウム
塩化ベンザルコニウム
濃度
30sec
60sec
300sec
0.10%
>4.02
>4.02
>4.02
0.05%
>4.02
>4.02
>4.02
0.01%
4.02
4.08
4.08
95%
0.76
1.14
1.82
75%
1.45
3.01
5.07
50%
0.76
2.13
2.94
1000ppm
>4.02
>4.02
>4.02
200ppm
>5.02
>5.02
>5.02
1000ppm
1.75
1.38
100ppm
0.80
1.07
接種ウイルス価:6.52
平常時のノロウイルス対策
*日頃から標準予防策の徹底を!
・正しい手洗い方法を身につける。
・おむつ交換時の手袋着用の徹底。
・適切な汚物処理。 など
*ノロウイルス対策の重要性を認識し、発生時の
対処方法(吐物処理など)等について研修を
行っておく。
ノロウイルスの流行の把握
ノロウイルスへ発生時の対応
 原則個室管理だが、同病者の集団隔離も検討。
 次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒の徹底。
 入所者・職員の健康管理。
 保健所・医療機関への相談、対応検討。
 リネン類を介した感染の防止。
 面会者の制限。
 入所者・家族への情報提供。
*どれだけ早く発見できるかが鍵。
日常の入所者・職員の健康管理の徹底を。
ノロウイルスは、少量でも発症するので排泄物
や嘔吐物は迅速かつ確実に処理してください!
 排泄物や嘔吐物が付着した床、衣類、トイレなどを消毒する場合
①感染しないよう、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用する。
②使い捨ての布等を使用し、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで浸す
ように拭く。
③使用した布等は床に置かず、すぐにビニール袋に密閉して処分
する。
④処置後、手袋を外して手洗いをおこなう。
 直接手が触れる手すりやトイレのドアノブ等を消毒する場合
0.02%次亜塩素酸ナトリウム消毒液で清拭。
患者が発生したら、消毒して欲しい場所
トイレ:便座、レバー、ドアノブ、手すり、蛇口
 洗面所:蛇口、ドアノブ、流し台、手すり
 居室:ドアノブ、手すり、洗面所、トイレ
 共用場所:ドアノブ、手すり(階段や廊下など)
 汚物処理室:ドアノブ、汚物流し、汚物入れ
 浴室:ドアノブ、手すり、蛇口、浴槽内は清掃後に塩素
系消毒液で消毒する
その他、日常生活において直接手の触れるところ

行政への報告
<報告が必要な場合>
ア、 同一の感染症や食中毒による、またはそれらが
疑われる死亡者・重篤患者が1週間以内に2名以
上発生した場合。
イ、 同一の感染症や食中毒の患者、またはそれらが
疑われる者が10名以上又は全利用者の半数以上
発生した場合*。 *累積ではない。
ウ、 通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑
われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合
厚生労働省通知
「社会福祉施設等における感染症等発生時に関わる報告について」
実演!
正しい吐物処理
感染制御イマジネーション
2008年11月21日(金)20時、あなたは3連休前の
準夜勤務をしている介護施設職員です。
20時に巡回していた所、入所者がトイレでうずくまり
足元には多量の嘔吐物がありました。トイレにいくも、
間に合わず、噴き出すように嘔吐したようです。
少し楽になったようですが、まだ不快感があるようで
す。この患者は日勤帯は元気で、特に申し送りも受け
ていません。他に同症状を有する入所者もいません。
また、福岡県ではノロウイルスの流行が始まってい
るとの情報も耳にしています。
さて、あなたならどうしますか?
想像を膨らませて、あなたのシナリオを描いてみてください
感染制御のための方策
1.
2.
3.
4.
5.
6.
初期対応:まず何をする?
嘔吐物処理:どのように処理する?
患者対応
職員自身の管理
施設管理
中長期的対応
モニタリングの重要性
ノロウイルス感染症の集団発生の原因






感染力が強い
ウイルスは手に付きやすく、容易に取り除けな
い
糞便中に大量のウイルスが排出される
吐物も感染源である
不顕性感染がある
症状が消えた後も長時間ウイルスを排出する。
総合的な感染予防策
感染予防策の基本は標準予防策の徹底です!
接触予防策
飛沫予防策
標準予防策
空気予防策
手指衛生
CDC勧告 recommendations
Guideline for hand hygiene in health-care setting
MMWR.2002/51(RR16);1-4
A. 手指が目に見えて汚れている時またはタンパク成分を含むも
ので汚染されている時、あるいは血液や他の体液で目に見え
て汚れている時は石鹸と流水で手を洗う。抗菌性石鹸でも、
抗菌物質を含まない石鹸でもよい。
B. 手が目に見えて汚染されていない時は、擦式消毒用アルコー
ル製剤で手指の汚染除去を行う。または、抗菌性石鹸と流水
で手を洗う。
ただし、ノロウイルス感染症では、石鹸と流水での手洗いを徹底すること!
親指のまわり、指先、指のあいだは要注意!
日本環境感染学会監修 病院感染マニュアル(2001)
手洗いの順序
①
②
③
手掌を合わせて良く洗う
手掌で手の甲を洗う
指先・爪の間を入念に洗う
④
⑤
⑥
指の間を入念に洗う
親指と手掌のねじり洗いを
する
手首も忘れずに洗う
ケア時の手袋の交換タイミング




原則は介護時、対象者ごとに交換する。
血液・体液・排泄物が付着し、他の部位を汚
染させる可能性があるときは処置ごとに交換
する。
処置中に手袋の破損に気づいたら交換する。
長時間使用し、手に汗をかいたときに交換す
る。
手袋を外したあとも手指衛生が必要



手袋を外す技術的問題(汚染されやすいので手袋
は着けている)
長時間着用時の手袋内での菌増殖
未使用手袋の微細ピンホール
A社
B社
C社
D社
3%
1.5%
7%
1%
未使用手袋の微細ピンホールの発生率
N=200
インフルエンザ
(感染経路) 主に飛沫感染
(流行時期) 例年12月~3月下旬
(潜伏期間) 通常1~3日
(症状)
急激な発熱で発症。
呼吸器症状に加え、全身症状も強い。
(診断) 迅速診断キットが普及
(治療) 抗インフルエンザウイルス薬
(予防) ワクチンの接種
A型インフルエンザウイルスの構造
NA
(ノイラミニダーゼ)
HA
(ヘマグルチニン)
M2
M1
vRNA
東京大学医科学研究所
ウイルス感染分野
河岡義裕氏
インフルエンザウイルスの分類
型
A
B
C
症状
典型的
典型的
軽度
亜型
H1~H16
N1~N9
なし
宿主
ヒト、鳥類
ウマ、ブタ
ヒト
A:H1N1(ロシア型)
H3N2(香港型)
B
ヒト
インフルエンザ患者数
全国5000カ所の医療機関より報告
報告数
2002-2003
2003-2004
推計数
118万人 1485万人
77万人
超過死亡数
11,000人
923万人
2,400人
2004-2005
150万人 1770万人
15,100人
2005-2006
96万人 1116万人
6,800人
小児と高齢者への影響(インフルエンザ)
高齢者におけるインフルエンザワクチンの効果
60
49.6
50
40
32.6
ワクチン接種
未接種
30
20
9.8
4.7
10
0
37.5度以上
死亡者数
65歳以上、および60-64歳で基礎疾患のある人は、
予防接種法による定期接種の対象
2007/08シーズンの
日本のインフルエンザワクチン製造株



A / Solomon islands / 3 / 2006 (H1N1)
A / Hiroshima / 52 / 2005 (H3N2)
B / Malaysia / 2506 / 2004
• 通常、前の年に流行したウイルス株を翌年のワクチン
種株として使用
• それでも多少の違いがあり、毎年インフルエンザは流
行
インフルエンザウイルスの感染様式
接触感染
患者がくしゃみをした際、口を手で覆って、そ
の手でドアノブを触る。そこを他人が触れる。
 飛沫感染
患者が出したウイルスを含んだ大きな粒子
(飛沫)が周辺に飛び散る。
 飛沫核感染(空気感染)
長時間空中に漂い続ける微小粒子(飛沫核)
による感染

1-2 メートル
飛沫感染
飛沫と飛沫核
飛沫
直径5μm以上
●
水分
蒸発
飛沫核
直径5μm以下
●
咳、くしゃみ、会話に含まれる飛沫量



くしゃみ 1,940,000 個
咳
900,765 個1
5分間の会話でも、咳と同じ程度の飛沫を発
生させる。2
1Gerone
PJ et al. Bacteriol Rev 1966;30:576-88 (taken from Viral Infections of Humans, and
numbers in text were possibly wrong, but they make the point)
2Bates
JH, Stead WW. Med Clin NA 1993;77:2105-17.
抗インフルエンザウイルス薬

オセルタミビル(タミフル)・ザナミビル(リレンザ)
• A,B両方のインフルエンザに効果あり
• タミフルが広く使用されている


1日2回、1回1カプセル、5日間投与が標準的治療
アマンタジン(シンメトレル)
• 従来はパーキンソン病の治療薬
• A型インフルエンザにのみ効果あり
• 耐性ウイルスの割合が増加している
「タミフル耐性」インフルウイルス、鳥取で高頻度…
拡大警戒
治療薬「タミフル」が効かないインフルエンザウイルスが昨冬、
鳥取県で30%以上という高頻度で見つかっていることが20日、
国立感染症研究所の緊急調査で判明した。
26日から岡山市で開かれる日本ウイルス学会で発表される。
今冬以降、全国的に広がっていく可能性もあり、同研究所では
引き続き監視が必要とみている。同研究所では昨冬、欧州を中
心に耐性ウイルスが急速に広まっているため緊急調査を実施。
全国の地方衛生研究所から送られてきたソ連型ウイルス(H1N
1)1544株について、耐性株かどうかを調べた。
その結果、全体では2・8%にあたる44株が耐性株だったが、
鳥取県だけは68株のうち22株(32%)と、耐性ウイルスの割合
が特に高かった。隣接している島根県(1・2%)や兵庫県(7・
5%)では1割以下だった。
インフルエンザへの対応
【平常時の対応】
インフルエンザウイルスは感染力が非常に強いこ
とから、できるだけウイルスが施設内に持ち込まれ
ないようにすることが基本
*施設従事者が最も施設にウイルスを持ち込む可
能性が高い集団であり、かつ、高危険群にも密接に
接する集団であることを認識する
インフルエンザ対策
【ウイルス施設内への持ち込み防止のポイント】
 入所者・通所者の健康状態の把握
 入所者・通所者へのワクチン接種及び一般的な予
防の実施
 施設に出入りするヒトの把握と健康管理
 施設の衛生の確保、加湿器等の整備
「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」より
*地域におけるインフルエンザ流行状況の把握を。
呼吸器衛生/咳エチケット
○ 咳・くしゃみの際にはティッシュなどで口と鼻を押
さえ、他の人から顔をそむけ1m以上離れる。
○ 呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッ
シュをすぐに蓋付きの廃棄物箱に捨てられる環境を
整える。
○ 咳をしている人にマスクの着用を促す。
* マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用
する。
インフルエンザへの対応
【発生時の対応】
① 原則個室管理。同病者の集団隔離とする場合も。
② 隔離できないときは、ベッド間隔を2m以上あける。
カーテンなどの障壁
③ 特殊な空調は必要ない。
④ ケア時はマスク(外科用)を着用する。
⑤ 手洗い・うがいの徹底。
*患者が高齢者等の高危険群である場合、肺炎等を合併した場合、
重症化する可能性があるので、施設内での治療とともに、状況に
応じて医療機関への入院も検討する。(関連医療機関の確保)
マスクの種類

家庭用マスク
不織布製マスク、ガーゼマスク等
補足可能粒子:5ミクロン以上の飛沫物

医療用マスク
N95マスク等
補足可能粒子:0.3ミクロン以上の飛沫核物

産業用マスク
防塵マスクDS2等
不織布製マスク

熱や化学的な作用によって接着させたことで
布にしたマスク。市販されている97%が不織
布製マスクである。
サージカルマスク:医療用の不織布製マスク
ガーゼマスク


綿織物を重ね合わせたマスク。市販されてい
る家庭用マスクの3%。
様々な改良が行われているが、ガーゼマスク
のフィルターの性能は、環境中の飛沫を補足
するのには不十分。咳エチケットとして使用す
ることは可能であるが、不織布製マスクがな
い場合に使用を検討する。
不織布製マスクの使用方法
(1)咳・くしゃみなどの症状のある人が使用する場合
咳・くしゃみなどの症状のある人は、周囲の人に感染を拡大する可
能性があるため、可能な限り外出すべきではない。また、やむを得
ず外出する際には、咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために不
織布製マスクを積極的に着用することが推奨される。
(2)健康な人が不織布製マスクを使用する場合
環境中のウイルスを含んだ飛沫は不織布製マスクのフィルターに
ある程度は補足される。しかし、不織布製マスクを着用することで飛
沫を完全に吸い込まないようにすることはできない。よって、咳や発
熱がある人に近寄らない、手指を清潔に保つといった感染予防策を
優先して実施することが推奨される。
不織布製マスクの着用方法
説明書に従って行う。
1)鼻、口、顎を覆う
(特に、鼻と口の両方を確実に覆うこと)
2)可変式の鼻部分を鼻梁にフィットさせる
3)ゴムバンド/ひもで頭にしっかり固定する
4)フィットするよう調節する
不織布製マスクの着脱方法
1)(ゴムバンド式)後頭部のゴムの部分を持ち、上方
へ移動する
2)(ひも式)下のひもをほどく、それから上のひもをほ
どく
3)顔から外す
4)廃棄する
:表面に触れないようにビニール袋に入れて口を閉
じて廃棄する、もしくは、蓋のついたゴミ箱に入れる
などして廃棄する。廃棄後は、すぐに手洗いや消毒
用アルコール製剤による消毒を行う。
遺伝子再集合
非病原性
低病原性
高病原性
(H5・H7)
突然変異
新型インフルエンザが発生したら?


人間界にとっては未知のウイルスでほとんど
の人は免疫を持っていない。
容易に人から人へ感染して広がり、急速な世
界的大流行(パンデミック)を起こす危険性が
ある。
現在の状況(H5N1ウイルス)


平成15年(2003年)11月以降、インドネシア、ベト
ナム、タイ、中国など東南アジアを中心に、通常ヒト
には感染することがない高病原性鳥インフルエンザ
(H5N1)に387人が感染し、これまでに245
人の死者がでている(2008年9月10日現在)。
当初、高病原性鳥インフルエンザはヒトからヒトへの
感染はないとされていたが、濃厚な接触によるヒトーヒ
トへ感染の事例も一部報告されており、ヒトーヒト感染
が容易に起こるようなウイルス(新型インフルエンザ
ウイルス)へと変異する可能性がでてきている。
ヒト型になった時の病原性ついてはわからない!
(専門家間でも意見が異なる)
新型インフルエンザの大流行(20世紀)
1918年
1957年
1968年
“Spanish Flu”
“Asian Flu”
“Hong Kong Flu”
死者2000-4000万人
死者100-400万人
A(H1N1)
A(H2N2)
死者100-400万人
A(H3N2)
1923
0
関東大震災
1990
1986
1982
1978
1974
1970
1966
1962
1958
阪神・淡路大震災
2006
2002
1998
1994
250
1954
1950
1943
100
1939
1935
1931
350
1927
400
1919
1915
1911
1907
1903
1899
主要死因別死亡率(人口10万人対)の長期推移
1918年
肺炎
スペインインフルエンザ流行
300
がん
結核
200
150
心疾患
老衰
脳血管
50
不慮の事故
自殺
福岡県における
新型インフルエンザ発生予測





医療機関を受診する患者数 約69万人
(最小53万人~最大100万人)
外来 約66万8千人
(最小52万4千人~最大97万4千人)
入院 約 1万7千人
(最小7千人~最大2万1千人)
死亡 約4千人
(最小3千人~最大7千人)
1日当りの最大入院患者数
流行発生から5週目 約4千人
新型インフルエンザ(1)
いつ起こるかわからない
「いつ起きてもおかしくない」
病原性がわからない
「非常に強い可能性もある」
感染力・感染経路がわからない
「感染力は強い。おそらく通常のヒトインフルエンザ
と同じ飛沫感染が主であろう」
新型インフルエンザ(2)
プレ・パンデミックワクチンが効くかわからない
「効果があるかもしれない→備蓄・事前接種」
*パンデミックワクチンは発生しないと作れない。
薬が効くかわからない(予防・治療)
「NA阻害薬は効果がある?→備蓄」
不確定要素が多い。
対策も難しい。
県民のための新型インフルエンザ対策ガイドより
県民のための新型インフルエンザ対策ガイドより
県民のための新型インフルエンザ対策ガイドより
県民のための新型インフルエンザ対策ガイドより
事業所における
新型インフルエンザ対策の検討を!

新型インフルエンザに対する職場での対応の検討
も必要!
・事業継続計画
・関係機関との連携 など
(参考)
「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイド
ライン」
「高齢者施設における新型インフルエンザ対策等の手
引き」
等
結核について
結核菌を吸い込む
ことによってうつる
感染症
・表面はロウ状の物質でできた
丈夫な膜で覆われている
・発育が遅い
1回の分裂に10~15時間かか
る
・直射日光には弱いが、冷暗所で
は3~4か月生存可能
0.3~0.6μm
1~4μm
結核菌

感染経路:空気感染(飛沫核感染)
感染予防上、問題となるのは肺結核が主。
 症状
①呼吸器症状:咳と痰、時に血痰
②全身症状:発熱(微熱)、体重減少、倦怠感
*高齢者では、全身の衰弱、食欲不振などの症状
が主となり、呼吸器症状を示さない場合も多い。
*高齢者では過去に結核に感染した者が、結核を
発病するケースが目立つ。
(体力・免疫力の低下による)

結核の世界と日本の状況
【世界の状況】
約20億人が感染
毎年880万人が新たに発症
【日本の状況】
日本は中蔓延国
全国 新規登録者(H17) 28,319人
福岡県 新規登録者(H17) 1,123人
※原因のひとつとして結核は過去の病気と思いこみ症状が現れても
本人も医師も気づかず受診や診断が遅れるケースが多いためです。
結核登録者の年齢構成(管内の状況)
4% 4%
15%
46%
12%
19%
20代
40代
50代
60代
70代
80以上
患者総数26名
H19 朝倉保健福祉事務所
高齢者層における高い結核既感染率と
結核発病の危険因子の増加
感染と発病の違い
*感染しても必ず発病するものではない。
結核菌に暴露
非感染
感染
(100人)
非発病
(95人)
一次結核
晩期発病
(5人)
二次結核
発病
(5人)
一次結核(ほとんどが2年以内)
<結核菌に暴露した後にたどる経過の1例>
結核を発病しやすい人
★糖尿病の人
★胃切除をした人
★副腎皮質ホルモン剤の治療を受けている人
★最近、感染を受けた人
★人工透析を受けている人
★悪性腫瘍がある人
・・・・など
予防対策(皆さんができること)

感染源を見逃さない。
・早期に結核を疑うことができるかが鍵

採用時健診・定期健康診断の徹底
(胸部X線検査、ツベルクリン反応)
・感染源にならないように
・接触者となった場合の的確な感染者の把握

感染対策委員会の設置。啓発教育。
結核菌感染症への対応
【平常時の対応】
・対象者が結核でないことを確認する。年に1度は、
胸部レントゲン検査を行って、結核に感染していな
いことを確認する。
【発生時の対応】
・ 診断した医師は直ちに保健所へ届け出。
・ 排菌者は、結核専門医療機関への入院が必要。
・ 患者にはサージカルマスク、職員はN95マスクの
着用が必要。(個室へ隔離)
* 保健所等からの指示に従った対応
終わり
ご清聴ありがとうございました。
た。