VR補足~ Virtual Realityと人間,社会
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Transcript VR補足~ Virtual Realityと人間,社会
空間情報処理特論
~VR補足~
Virtual Realityと人間,社会
バーチャルリアリティと人間
感覚器からの刺激量をどのようなプロセス
で認識しているのか?
認識プロセスのどこにどんな刺激を与える
のか?
感覚器入力だけでなく,脳内の高次過程ま
で考慮に入れる必要
バーチャルリアリティと人間
視覚の認識プロセス
感覚器
(網膜)
光
脳幹
(視床)
大脳(後頭葉)
第
一
次
視
覚
野
第
二
次
視
覚
野
第
三
次
視
覚
野
第
四
次
視
覚
野
第
五
次
視
覚
野
網膜
光→電気変換,対数圧縮,側抑制(空間微分とコントラスト強調)
視床(LGN:Lateral Geniculate Nucleus,外側膝状体)
情報の整理(サッケード抑制:眼球の動きによる像のぶれ防止)
大脳
第一次視覚野:直線位置選択性,第二次視覚野:傾き,運動方向選択性
第三次視覚野:長さ,角度選択性,第四次視覚野:色選択性
バーチャルリアリティと人間
現実感を感じるのは脳内高次過程
現実感を論じるためには,外界からの刺激だけで
なく内的感覚(メンタルプロセス)を知る必要がある
脳内高次過程の外部からの計測は困難
「感」をどう測定するか?
アンケートなどによる主観評価
心電図(RR間隔),脳波,脳誘発電位など生体信号の
計測
心理反応→表情変化→血流量変化→温度変化
=顔面皮膚温度変化による心理的変化の測定
バーチャルリアリティと人間
内的刺激によるバーチャルリアリティ
マトリックスの世界?
感覚代行システム
他の感覚で代行する
神経系を直接電気刺激する
バーチャルリアリティと人間
感覚代行システム:視覚の場合
他の感覚で代行
触覚の利用
文字・画像をスキャンしながら光電変換→皮膚
刺激
舌触覚の利用
舌は触覚ニューロンが多い器官
導電性の唾液で覆われているため高効率
聴覚の利用
超音波眼鏡による障害物認識
バーチャルリアリティと人間
感覚代行システム(視覚の場合)
神経系の直接電気刺激
1968:Brindley
ヒトの大脳視覚野を直接刺激
1972:Donaldson
180chの刺激電極を大脳視覚野へインプラント
輝点は見えたが隣接点が融合して弁別困難
感染症
バーチャルリアリティと人間
直接電気刺激による視覚
代行システム
TVカメラ+超音波距離セ
ンサの眼鏡
コンピュータで距離算出と
ビデオ画像処理,電気刺
激のためのトリガーパルス
を発生
視覚野表面のプラチナ電
極を電気刺激
the Dobelle Institute, USA
バーチャルリアリティと人間
視覚の感覚代行システム
39歳,18年間失明の患者
CNN, 2002 June, Wired, 2002 Sep.
バーチャルリアリティと人間
視覚の感覚代行システム
カメラから視覚野への入力信号
ここまでの行動を可能に
バーチャルリアリティと人間
感覚代行システム(触覚の場合)
感覚信号を伝える,神経系と完全に一体化した義手の開発
イタリア,ドイツ,スペイン,デンマークの共同研究
2007年の人間への装着を目標として開発
小さな電極と生体模倣技術を用いたセンサーによって神経系と
義手がつながれ,義手の位置や動きだけでなく外界からの刺激
まで感じることが可能になる。
今後の課題
使用する素材が人体と適合するか
患者の脳がどのように適応するか
義手への電力供給はどうするか
バーチャルリアリティと人間
触覚の代行システム
バーチャルリアリティと人間
触覚の代行システム
バーチャルリアリティと人間
触覚の代行システム
ここまで実現したそうです(2008.1.16)
ここまで実現したそうです(2008.4.17)
神経インタフェースの分類
Neural prosthesis : 脳から記録した情報を使って行動を可能とする技術
入力型
出力型
侵襲型
人工内耳,人工視覚
など
Brain Machine
Interface
(BMI)
非侵襲型
表面刺激FES*
前庭電気刺激など
Brain Computer
Interface
(BCI)
*FES : Functional Electrical Stimulation : 機能的電気刺激
バーチャルリアリティと空間情報
VRとは,コンピュータに対する新しいメタファ(比喩)
「脳」から「空間」へ
「人工的な空間は,脳そのものの表現である」 養老孟司「唯脳論」
「空間は外転した脳」 廣瀬通孝「空間型コンピュータ」
VR技術の一般化とVR空間での活動の社会的意義の認知
VR空間は「人工現実」ではなくもう一つの「現実」
伝える手段としてのVR
シンボルとしては伝えられない情報の伝達
何が伝えられて何が伝えられないのか?
Artificial IntelligenceからIntelligence Amplificationへ
優れたアフォーダンス*環境を構成し知能を増幅する
*外部環境とのインタラクションにより動的に 知能を
得るという考え。J.J.Gibson( 知覚心理学者)