磁気圏-電離圏結合の起承転結

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Transcript 磁気圏-電離圏結合の起承転結

2008年度SGEPSS夏の学校(静岡・河口湖)
~セッションまとめ~
磁気圏-電離圏結合の起承転結
座長:岩田陽介
代理発表:新堀淳樹
池田昭大・山崎洋介・伊藤祐毅・麻生直希・足立潤・粕谷紳太郎・
筒井寛典・井口恭介
I. 磁気圏-電離圏結合セッションの研究領域
I.1 太陽-地球系の構造
SFE(山崎)
ジオコロナ(麻生)
オーロラ現象
(伊藤・岩田)
リコネクション(足立)
SC
ジオコロナ
SC(池田)
観測パッケージの開発・・・・井口
現象の定量的評価(数値実験)・・・・筒井
理論・基礎課程の理解
とそれを用いた人生設
計・・・・新堀
I. 磁気圏-電離圏結合セッションの研究領域
I.2 磁気圏-電離圏結合過程の大枠
粒子流(太陽風)
温度(T)、密度(N)、速度(V)、 惑星空間磁場(Bx,By,Bz)
入力機構?
物理過程(磁気圏・電離圏)
粒子と電磁場の変動(磁気圏対流の駆動、環電流の生成)
プラズマ相互作用(粒子加速、波動励起、衝突、電荷交換反応)
出力機構?
SC・磁気嵐(地上・電離圏)
温度(T)、電流(J)、速度(V)、磁場変化(DB)、密度変化(DN)
いかにしてエネルギー変換機構を知るかことができるか?
I. 磁気圏-電離圏結合セッションの研究領域
I.3 研究手法と意義
起
対象:
太陽活動によって激変する磁気圏-電離圏-大気圏環境
複合系の物理:
承
転
結
アプロー
チ:
方法:
領域間結合によるエネル
ギー・物質の輸送(麻生・岩
田・新堀)
物理素過程:
多成分プラズマ (足立)
オーロラ粒子加速(伊藤)
•観測衛星搭載機器パッケージの開発(井口)
•次世代地上ネットワーク観測(電場・磁場観測) (池田・山崎)
・観測および数値実験データ解析の融合 (足立・筒井)
磁気圏-電離圏結合としての
現象と新パラダイムの確立
普遍的宇宙物理学プロセ
スの観測・実験と理論によ
る検証
人類活動にもっとも身近
な宇宙環境であるジオス
ペース理解
双極磁場天体の物理へ展開
⇒木星、土星、(水星)
意義:
II. 結びの言葉
II.1 今が複合系(磁気圏-電離圏結合)研究に舵をきる時
1. 宇宙空間が神秘の空間から利用する空間に変わった。宇宙科
学は、この変化に対応できているか? 社会のニーズ(オーロラ
発生予報・宇宙嵐予報)に答えるレベルに達したか?
2. これを可能にするのが、複合系の研究。自然をそのまま理解し
ようとするのが、複合系研究の基本姿勢。
3. 部分を取り出したり、切り離しては、本来の性質を失う。生命体
のようなもの。領域間を切り離しては意味をなさない。
4. 研究手法は単純。データ間の整合をとり、矛盾のない理解。極も
赤道も同列に見る。1本の電流は存在しない。
5. 定量的な議論。100円玉ひとつで、夏の学校に参加する人はいな
いと思われる。
II. 結びの言葉
II.2 一流で輝く地球物理(複合系)の研究を進めていくには?
必要な項目-1
①基礎学力=研究対象とする分野の基礎事項、物理法則・原理
⇒我々の分野では、力学、電磁気学、熱力学、連続体の力学
英語の読み書き、(listening, speaking)
②素直さ
=過去に構築された基礎概念、枠組みにとらわれずにいかにし
て観測データ等を観察できるか?
⇒たいていの科学者の場合、過去に構築された基礎概念に合
わない結果を無視してしまう
◎真実を写し出すのはやはり観測データ!!
思わぬものを偶然発見しよう
II. 結びの言葉
II.3 一流で輝く地球物理(複合系)の研究を進めていくには?
必要な項目-2
③多種多様なことへの好奇心・興味
自分の研究分野以外のことを少し覗いてみよう
⇒思わぬヒント(未知の問題解決策)が転がっている場合も!?
④人との出会いと会話力
=人の集まる場所(学会・研究会)には貴重な情報が多く集積
一人だけでは最先端の研究・事業はできない!
⇒積極的に学会等に参加していろいろな研究者と議論しよう
⇒⇒将来、信頼のできる先生・先輩・後輩が多くできます
⑤豊かな感性、大きな器、忍耐力、執念、決断力
II. 結びの言葉
II.4 一流の磁気圏-電離圏結合過程の研究方法のまとめ
電離圏磁気圏結合
過程の研究
全体像を統一的に解釈する基本原理の理解
基本原理の欠陥部分の存在
=部品はかなりあるが製品へ
の組み立て方がわからない
現代の研究では、細分化さ
れて多くの部品が転がって
いるので、いかに適切な素
材を見つけるかがカギ
知識量×創造力
基本原理の理解
過去の研究の時
代背景・問題点
非線形
応答
夏の学校の利点を最大限
に生かしましょう
足し算でないことに注意
多種多様なことに興味を持つこと
(研究分野以外も含めて)
目的以外のことでの偶然の大発見
思わぬものを偶然発見する能力
人との出会い
=人の集まるところに情報が集まる
日本の将来を担う若者たちへ贈る言葉
一流の研究を遂行するにあたって大切なもの、
それは、
価値ある出来事に出くわす偶然の機会
発見・創造につなげる知恵、
未知への好奇心・感動と人を想う心
そして、何事にも屈しない精神力と執念
これらは、おそらく研究者になる以外、つまり就職(会社勤め、学
校の教員、公務員など)にしてもすべて成り立つと思われる
人生設計全てに成り立つ共通事項
おしまいです!!
鎌倉花火大会 2008年8月11日撮影