障害保健福祉施策の改革と介護保険

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Transcript 障害保健福祉施策の改革と介護保険

障害保健福祉施策の改革
1
障害保健福祉の現状
• 支援費制度により新たな利用者が急増し、サービス費用も増大
→さらに増加する新規利用者への対応が不可欠
• 大きな地域格差(全国共通の利用のルールがない、地域におけるサービス提供
体制が異なる、市町村の財政力格差)
→サービス利用に関するルールづくり、地域の実情に応じた柔軟なサービス提供
体制の整備
• 障害種別ごとに大きなサービス格差、制度的にも様々な不整合、精神障害者は
支援費制度にすら入っていない
→障害特性を踏まえながら、障害保健福祉の総合化、一元化
• 働く意欲のある障害者が必ずしも働けていない
→その持てる可能性を活かして企業等で働けるよう福祉と雇用が連携して支援
2
自立と共生の社会づくり
• 障害者が自立して普通に暮らせるまちづくり
• 地域に住む人が、障害者の有無、老若男女を問わ
ず、自然に交わり、支え合うまちづくり
地域福祉の実現
「自立と共生」の社会づくり
3
障害保健福祉の改革の基本的な視点
• 障害者本人を中心にした個別の支援を、より効果的・効率的に
進められる基盤づくり
年齢や障害種別等に関わりなく、
できるだけ身近なところで必要な
サービスを受けながら暮らせる地
域づくりを進める。
障害保健福祉の総合化
障害者を支える制度が、国民の信
頼を得て安定的に運営できるよう、
より公平で効率的な制度にする。
・市町村中心の一元的体制
・地域福祉の実現
自立支援型システムへの
転換
・保護から自立支援へ
・自己実現・社会貢献
制度の持続可能性の確保
・給付の重点化・公平化
・制度の効率化・透明化
障害者が、就労を含めてその人らしく
自立して地域で暮らし、地域社会にも
貢献できる仕組みづくりを進める。
4
必要となる法的整備
• 改革を実現するため、通常国会に「障害者自立支援法案」を
提出
障害者に共通の
自立支援のため
の各種福祉サー
ビスについて一元
的に規定
障害者自立支援法
身体障害者
福祉法
•
知的障害者
福祉法
精神保健
福祉法
児童福祉法
(当面在宅)
平成18年1月から段階的に実施(公費負担医療の見直し
については、平成17年10月実施)
5
障害者自立支援法の施行スケジュール案
17年度
18年度
公費負担医療の見直し(利用者負担の見直し・指定制度の導入)
新支給決定手続きの実施
新障害程度区分の検討
利用者負担の見直し(介護給付等)
国・都道府県の義務的負担化
第1期障害福祉計画
新体系
施設・事業の段階的移行
旧体系
児童入所施設の契約制度への移行
利用者負担の見直し※
17年10月
18年1月
18年10月
※児童入所施設の利用事務の市町村移譲及び施設再編につ
いては、概ね5年後の施行を目途に3年以内に結論を得る。
6
改革の全体像
7
障害のある人が普通に暮らせる地域づくり
(目指す方向)
・できるだけ身近なところにサービス拠点
・NPO、空き教室、小規模作業所、民間住宅など地
域の社会資源を活かす
・施設入所者も選べる日中活動
・重度の障害者も地域で暮らせる基盤づくり
(主な具体的な改正内容)
・障害種別を超えた法体系を整備
・施設・事業体系を抜本的に見直すとともに、通所関
係 事業について、NPO法人等でも運営できるように規
制 緩和
・地域に住める環境を整備するとともに、入所施設も
居 住機能と日中活動支援機能に分化
・極めて重度な障害者に対して包括的にサービスを提
供する仕組みの創設
地 域 社 会
自宅
アパート
訪問介護等
グループホーム
訪問看護等
通所
病院
一般企業等
たとえば空き教室等
を利用したNPO等が
運営する小規模な通
所型の事業所
入所施設(通所機能つき)
8
総合的な自立支援システムの構築
市 町 村
介護給付
訓練等給付
・自立訓練(機能・生活)
・就労移行支援
・就労継続支援
・共同生活援助
等
自立支援給付
・居宅介護
・重度訪問介護
・行動援護
・療養介護
・生活介護
・児童デイサービス
・短期入所
・重度障害者等包括支援
・共同生活介護
・施設入所支援
等
自立支援医療
障害者・児
・(旧)更生医療
・(旧)育成医療
・(旧)精神通院公費
補装具
地域生活支援事業
・相談支援
【基
・移動支援
・居住支援
・コミュニケーション支援、日常生活用具
・地域活動支援
本 事 業】
等
支援
・広域支援
・人材育成
都道府県
等
9
(移動支援サービスの見直し)
〈見直しの視点〉
○ 移動支援については、突発的なニーズへの対応や複数の者の移動の同時支援など柔軟性のある支援を行う
ため、「地域生活支援事業」としてサービスを提供する。
○ ただし、移動支援と介護を一体的に提供する必要がある一定程度以上の重度障害者については、個別給付
でサービスを提供するものとする。(一定時間継続した利用を想定した単価を設定)
※なお、見直し後の下記類型と別に設けるALS等極めて重度の身体障害者、強度行動障害のある極めて重度の知的障害者、極め
て重度の精神障害者に複数のサービスを包括的に提供する「重度障害者包括サービス」には、移動支援を含むものとする。
行動援護
以下の障害者を対象に、
個別給付によりサービス
を実施
・身体障害者
(視覚、全身性)
・知的障害者
・障害児
※精神障害者については、
サービスを未実施。
自己判断能力が制限されている者が危険等を回
避するための援護(移動の場合も可
見直し
※ 自閉症、てんかん等を有する重度の知的障害者(児)又は
統合失調症等を有する重度の精神障害者であって、危険回
避ができない、自傷,異食,徘徊等の行動障害に対する援護
を必要とする者
重度訪問介護
現行の日常生活支援+外出時における介護
障
害
者
介
護
給
付
※ 重度の要介護状態にあって、かつ、四肢マヒのある
身体障害者
移動支援事業
上記以外の移動支援(具体的な支援の範囲は
市町村ごとに決定)
※身体障害者、知的障害者、障害児、精神障害者で
あって、一定程度以上の障害の状態にある者
地
域
生
活
支
援 10
事
業
(極めて重度の障害者に対するサービスの確保)
<基本的な考え方>
○一定の要件を満たす者が、自立支援計画に基づき、複数のサービスを適切に確保する仕組み(必要
なサービス提供事業者の確保・調整等を利用者が行わなくとも事業者によって行われる仕組み)。
○緊急のニーズに際して、その都度、支給決定を経ることなく臨機応変に対応が可能となる。
○サービスの種類等にかかわらず、一定額の報酬を支払う仕組みとし、各種サービスの単価の設定や
利用サービスの種類や量を自由に設定できる仕組みとする。
<対象者のイメージ>
身体:ALS等の極めて重度の障害者であって専門機関が判定した者
知的:強度行動障害のある極めて重度の障害者であって専門機関が判定した者
精神:極めて重度の障害者であって専門機関が判定した者
(チーム提供型)
(チーム提供型)
必要なサービスを提供できる複数の事業者とチーム
必要なサービスを提供できる複数の事業者とチーム
を組んで提供できる
を組んで提供できる
短期入所
短期入所
ケアホーム
ケアホーム
単独又はチームを組んで提供
重度障害者
自ら必要なサービスを提供できる
自ら必要なサービスを提供できる
通所介護
通所介護
生活介護
(生活療養事業等)
(生活療養事業等)
②申請
③利用決定
③必要なサービスを十分提供できる体制
③必要なサービスを十分提供できる体制
(単独提供型)
(単独提供型)
居宅介護
訪問介護
訪問介護
⑤包括報酬
の支払い
市町村
①ケアマネジメント機能(複数の事業者のサービスの調
①ケアマネジメント機能(複数の事業者のサービスの調
整等)
整等)
②
24時間の連絡・対応体制
②24
時間の連絡・対応体制
相談支援
相談支援
事業者
事業者
必要に応じて連携
医療機関
一定の要件を満たす事業者※
一定の要件を満たす事業者※
①相談・サービ
スプラン作成
④サービス提供
11
※相談支援事業者が行うことも想定
(居住支援サービスの再編)
重度
グループホーム
世話人1人
知的はヘルパー利用可
精神はヘルパー不可
通勤寮(知的)
生活訓練施設(精神)
1カ所20名程度
福祉ホーム
身体
知的
精神(A型、B型)
ケアホーム(共同生活介護)
○介護を要する知的障害者・精神障害者
○平日の日中は外部の各種事業等を活用
○入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生
活 上の世話を提供
○日中活動を含めた生活プログラムを策定
個
別
給
付
グループホーム(共同生活援助)
○就労又は自立訓練、就労移行支援等を受け
て いる知的障害者・精神障害者
○食事提供その他の日常生活上の世話を提供
福祉ホーム(住居提供)
居住サポート事業
(障害保健福祉圏域ごとに体制確保)
地
域支
生援
活事
業
軽度
12
障害のある人の能力や適性に応じた自立支援
(目指す方向)
・一人ひとりの能力や適性に応じた自立支援
・ライフステージに応じた支援
・制度は共通に、支援は個別に
(主な具体的な改正内容)
・障害種別を超えた法体系を整備
・施設・事業体系を機能に着目して再編
・一人ひとりに合った就労、自立訓練等の支援目標
と 支援プログラム
(既存の通所施設が新体系に移行する場合のイメージ)
一般就労等へ
多機能型
通所施設
A事業
B事業
C事業
ム支直施
援し設
プと体
ロ個系
グ別の
ラの見
◎、☆、△は異なるニーズ等を持つ障害者
地域から新たな利用者
13
(雇用施策と連携のとれたプログラムに基づく就労支援の実施)
○ 既存の授産施設、更生施設等を、就労移行支援事業、要支援障害者雇用事業等に再編。
○ 雇用施策との連携を強化することにより、障害者の意欲と能力に応じて職業生活を設計・選
択できるような支援体制を確立。
就労支援に係るサービスマネジメント体制
障害者に応じた進路先・支援の選択
市町村
市町村
ハローワーク
ハローワーク
地域障害者就労支援チーム
構成員
・ハローワーク
・市町村
(相談支援事業者)
・職業訓練校
・養護学校
・就労移行支援事業者
等
連携
委託
相談支援事業者
サービス調整会議
・各障害者の進路等
への助言、指導
構成員
・市町村
(相談支援事業者)
・自立訓練事業者
・養護学校
等
今後の進路先・支援の相談
離職者等
養護学校新卒者
施設退所者
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市町村を中心とするサービス提供体制の確立と国、
都道府県による支援
(目指す方向)
・市町村を中心とする障害保健福祉サービス提供
体制の確立
・国及び都道府県による重層的な支援
(具体的な改正内容)
・ サービス提供に係る都道府県事務の市町村への移
譲
・ 数値目標のある障害福祉計画の策定の義務化
・ 国、都道府県の財政の義務負担化
国
(制度の枠組み整備、国としてのサービス提供体制整備のための計画、財政支援等)
都道府県
(サービス提供体制の計画的整備、広域的・技術的な支援、財政支援等)
市町村
(制度の運営・計画的なサービスの提供)
支給決定
委託等
NPOや社会福祉
法人等
サービス提供
広域連合等
障害者などの
地域住民
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(障害保健福祉サービスの計画的な整備手法の導入 )
国(障害保健福祉サービスの基盤整備に関する基本指針)
・ 都道府県及び市町村の指針の提示
市町村(市町村障害福祉計画)
・ 市町村内の障害者の状況とニーズの把握
・ 各年度に確保すべきサービスの量の目標の設定
・ サービスの見込み量確保のための方策
障害者の地域生活支援を進める観点からの市町村障害保健福祉計画の調整
都道府県(都道府県障害福祉計画)
・ 市町村のニーズの集約→都道府県内の障害者の状況とニーズの把握
(都道府県内のサービス格差の是正)
・ 必要なサービス提供体制の確保のための方策
・ 障害者の相談支援を担当する人材の養成研修の実施計画
・ 精神障害者の退院促進のための実施計画
・ 精神科救急体制の整備計画
国の障害保健福祉プラン
※ 市町村と都道府県の計画は、障害者基本法に基づく障害者計画と一体のものとして策定。
16
(計 画 の 位 置 付 け 案)
作成期間等
○ 障害福祉計画は、3年を1期とする。
○ 第1期については、平成18年度中に計画を作成し、平成19年度にはすべての地方自治体において、
計画期間が始まることとする。
○ 第1期の計画期間は、平成20年度までとする。(第2期以降は平成21年度から始まり、3年を1期
とする)
※ 既に数値目標を盛り込んだ障害者計画が作成されている場合には、第1期の障害福祉計画と整合性が
図られている限りにおいて、当該障害者計画の全部又は一部を障害福祉計画として取扱うことも差し
支えないこととする。
障害者基本法に基づく計画等との関係
○ 市町村障害福祉計画は、障害者基本法に基づく市町村障害者計画その他の法律の規定による計画であっ
て障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
○ 都道府県障害福祉計画は、障害者基本法に基づく都道府県障害者計画その他の法律の規定による計画で
あって障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
・ 作成手続きは、障害者自立支援法案に定める手続き(作成、変更の際に都道府県知事(厚 生労働大臣
)に提出する等)による。
17
手続きや基準の透明化・明確化
(現状)
• 市町村がサービスの量等を決定する際の標準や基準がな
い。
• サービスを効果的に提供するための仕組み(ケアマネジメ
ント)が制度化されていない。
• 市町村からもこれらの仕組みを設けることについて要望あ
り。
• サービスの必要度に関する尺度を開発して適用。
• サービスを効果的に提供するための仕組みを制度化。
• サービスの長時間利用のケース等については、審査会を設置
して意見を求めることとし、透明化を図る。
公平で効果的なサービス利用を推進
18
(介護給付・訓練等給付の利用手続き)
市町村
利用者
相談支援事業者
※市町村が自ら相談支援を担
う場合あり
サービス利用申請
障害程度区分の一次判定
障害程度区分通知
○アセスメント
○サービス利用計画案
の作成
市町村審査会
介護給付
の場合
障害程度区分の
二次判定
障害程度区分の認定
サービス利用
計画案聴取
意見照会(*)
支給決定案作成
非定型的な支
給決定案等の
場合
(利用者本人が自ら申請する場合)
定型的な場合
支給決定
意見
支給決定
審査請求(支給決定に不服のある場合)
サービス利用へ
都道府県(障害者介護給
付等不服審査会)
・市町村の行った障害程
度区分認定及び支給決定
について不服審査
(*) より専門的な判断を要する場合
19
には、更生相談所等に意見照会
費用の公平な負担と資源配分の確保
(目指す方向)
・入所施設と地域生活の均衡ある負担
・利用したサービス量と所得に応じた負担
・医療費の負担軽減措置の見直し
・在宅サービスに関する国及び都道府県の財政
責任の明確化
(具体的な改正内容)
・施設利用者について、在宅とのバランスから食費や医療
費を自己負担
・福祉サービスについて、サービス量と所得に応じた負担
の 導入(扶養義務者負担は廃止)
・適切な経過措置と負担能力の乏しい者への個別減免
・障害者に係る公費負担医療の自己負担についても、
医療費と所得に応じた負担とするなど見直し
・国及び都道府県の財政の義務負担化
増大するサービス費用を皆で支え合う
制度の全般的な見直しを
前提に義務負担化
国
障害者の福祉
サービスに要
する費用
都道府県
市町村
○食費や光熱水費の
実費負担
○サービス量と所得
に応じた負担
○激変緩和措置
利用者
20
費用負担に関する考え方
21
障害福祉サービス(個別給付)に係る
利用者負担の見直しの必要性
○サービス提供未実施市町村が多く、新規の利用者が
急速に増えることが見込まれる
○既存の利用者と新規の利用者の公平
○当面、新たにサービスを利用し始める者の増加によるサービス量や、
支援の必要度に応じたサービス量を確保することが必要。
必要なサービスを確保するため、制度の効率化・透明化等を進めると
ともに、その費用を皆で負担し支え合うことが不可欠。
<利用者負担>
<国・都道府県の負担>
○在宅と施設のバランスのとれた負担
制度的課題の解決を前提に、国及び
○サービスの利用量に応じた負担
都道府県の財政責任を強化する。
22
現行の費用徴収の仕組み(負担の不均衡)
平成15年度実績
支 援 費
ホームヘルプ
入所・通所施設
児童入所施設
(親等)
生活保護
0円
0円
0円
市町村民税非課税
0円
~
2,200円
市町村民税課税
(均等割課税)
1,100円上限
(50円/30分)
市町村民税課税
(所得割課税)
1,600円上限
(100円/30分)
所得税課税
2,200円上限
(150円/30分)
~費用全額
53,000円
身体障害者
療護施設
96,000円
※実収入に応じて
4,500円
6,600円
9,000円~費用全額
実質的な負担率
約1%
約10%(入所)
約1%(通所)
約5%
費用負担をしている者の
比率
約5%
(本人)
約90%(入所・本人)
約5%(通所・本人)
約70%
※1 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所
施設は月額2万円~4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通
所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。
23
※2 精神障害者社会復帰施設は、負担の仕組みが異なり、食費、施設利用料等の実費 については全額自己
負担であり、直接サービスに係る負担はない。
支出の実態(一般家計、グループホーム、入所施設)
障害基礎年金2級
月額6.6万円
障害基礎年金1級
月額8.3万円
(全世帯平均) 一人あたり9.4万円 <家計調査>
食費(外食を含む)
2.2万円
居住費
1.3万円
その他生活費※
6.0万円
(年収200万円未満の世帯平均) 一人あたり5.0万円 <家計調査>
食費(外食を含む)
1.6万円
居住費
1.2万円
その他生活費※
2.1万円
1.6万円
(グループホームの費用負担の状況)(知的障害者) 一人あたり5.2万円(食費、居住費の
み)
食費
全平均2.4万円
居住費
全平均2.8万円
その他
(入所施設の費用負担の状況)(身体障害者) 一人あたり1.9万円(基礎年金2級の場合)
応能負担
1.9万円
(食費、居住費、サービス費)
その他
4.7万円
(入所施設の費用負担の状況(身体障害者) 一人あたり3.4万円(基礎年金1級の場合)
応能負担
3.4万円
(食費、居住費、サービス費)
その他
4.9万円
24
※ その他生活費は、被服・履物、家具・家事用品、保健医療、交通・通信、教育、教育娯楽費、その他支出である
障害福祉サービスに係る利用者負担の見直しの考え方
ー 実費負担+サービス量と所得に着目した負担 ー
(居宅、通所)
○ 応能負担(現在の平均負担率約1%)
→ 実費負担+サービス量と所得に着目した負担
(入所)
○ 応能負担(現在の平均負担率約10%) → 実費負担+サービス量と所得に着目した負
担
負担能力の乏しい者については、経過措置も含め負担軽減措置を講ずる。
居
宅
通
サ
(
定ー
率ビ
負ス
担量
+と
負所
担得
上に
限着
)目
は自己負担
この他、医療費・日用品費は自己負担
食
所
費
入
サ
(
定ー
率ビ
負ス
担量
+と
負所
担得
上に
限着
)目
所
サ
(
定ー
率ビ
負ス
担量
+と
負所
担得
上に
限着
)目
食費・光熱水費
個室利用料
※精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系
に移行したものから対象となる。それまでは、現行と同じ仕組み。 25
負担軽減する者の範囲(負担能力等の区分)
他制度との均衡を確保しつつ、普遍的な仕組みとする。
生活保護:生活保護世帯に属する者
低所得1:市町村民税非課税世帯であって世帯主及び世帯員のいずれも各所得が
ゼロであり、かつ、世帯主及び世帯員のいずれも収入が80万円(障害者
基礎年金2級相当)未満である世帯に属する者
→ グループホームで単身で生活する基礎年金2級のみの者
低所得2:世帯主及び世帯員の全員が市町村民税の均等割非課税である世帯に属
する者
→ 税制上の障害者控除や障害年金が非課税所得であること等から、通常
の市町村民税非課税世帯よりは実収入水準は高くなる。障害者を含む3
人世帯で障害基礎年金1級を受給している場合、概ね300万円以下の
収入に相当。
※ 医療保険、介護保険等の他制度においては、障害のある者もない者も世帯の一員である場合には、経
済的な面においては他の世帯構成員と互いに支え合う一体的な生活実態にあるという前提で、負担能力
の有無を認定する際に、個人単位ではなく、「生計を一にする者」の全体の経済力を勘案しており、例えば
健康保険においては、家族に保険料を求めない被扶養者制度等が設けられている。
26
※ 「生計を一にする者」の範囲については、法律事項ではないことから、法の施行時までに具体的に検討。
食費等の実費負担の見直しの考え方
生活に係る実費については自己負担とすることを原則
① 障害があってもなくても生活をしていく上で負担する費用である。
② 施設を利用をする場合でも、利用しない場合でも等しく負担することが公平である。
利用者負担の軽減の取り組み
食事提供等のコスト低減の促進
1 食費等の実費について、施設ごとに額を設定し、
利用者と契約する仕組みとする。
2 施設が利用者に求めることができる費用の範囲を
明確化。(利用者保護)
3 入所施設、通所施設における食事提供の規制緩和
等を進めコストの低下を促す。
4 障害の状況から特に栄養管理等が必要な入所施設
利用者については、平成18年度の新施設・事業体系
の報酬設定(10月予定)の際に別途評価方法を検討。
施設利用の低所得者への措置
1 通所施設利用の低所得者(生活保護、低所得1、低
所得2)について、概ね3年間、食費の人件費相当分
を支給。
2 入所施設利用の低所得者(生活保護、低所得1、低
所得2のうち一定の収入以下の者)について、食費等
に係る補足給付を支給。
3 入所施設における食費等に係る実際の契約額、提
供コスト等を調査し、コスト変化の結果を 補足給付の
基準額に反映(当初は、食費4.8万円、光熱水費1.
0万円)
27
※精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。それまでは、現行と同じ仕組み。
障害福祉サービスの利用者負担の見直し
ー サービス量と所得に着目 ー
所得にのみ着目した応能負担から、サービス量と所得に着目した負担の仕組みに見直す。
○ 契約によりサービスを利用する者と利用しない者との公平を確保する。(障害者間の公平)
○ 制度運営の効率性と安定性を確保する。(障害者自らも制度を支える仕組み)
これと併せて、国、都道府県の財政責任の強化を図る。
一 般
40,200円
負
担
額
定率負担(1割)
(サービス量に応じ)
月額負担上限
(所得に応じ)
負担能力の乏しい者
○生活保護 0円
負担上限の軽減措置によっても利用に係る負担をするこ
とが困難な者については、個別申請に基づき、生計を一
にする家計の負担能力等を勘案して減額できる仕組みを
導入。
○市町村民税非課税
低所得1 15,000円
低所得2 24,600円
サービス量
※ 負担上限の該当の有無は、各サービスに係る負担額の合計で計算する。
※ 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは、現行と同じ仕組み。
28
定率負担に係るグループホーム、
入所施設(20歳以上)の個別減免(低所得1,2)
1 3年間の経過措置( 期間終了までに実態調査を行い必要性を再検討)
制度施行後3年間、食事提供や人的サービスが事業者により提供されるグループホーム、入所施設(20歳
上)利用者に対して、定率負担に係る個別の減免制度を実施する。
以
2 費用基準と収入を比較(預貯金等を有している者は対象外)
グループホーム、入所施設それぞれで設定する基本的な費用尺度と本人の収入を比較し、定率負担の
別減免の範囲を定め実施。なお、一定の預貯金等を有している者は対象外。
個
<費用基準>
グループホーム:現在、障害基礎年金2級のみで生活している者がいるという前提で設定(6.6万円
の費用構成は、家計調査等を踏まえ、施行時までに検討)
入所施設(20歳
以上):補足給付の費用基準と同じもの。
<収入認定>
費用基準で一定の加算を受ける者以外については、賃金、工賃等に3千円の基礎控除を設ける。
それ以外の収入の計算方式については、施行時までに別途検討。
グループホーム利用者
費用
尺度
その他
生活費
2.1万円
食費
2.2万円
居住費
2.3万円
上限
定率負担
負担 減免
収入(年金、工賃等)
※ 障害基礎年金1級の者、60歳以上の者等はその他生活費に3~5千
円加算して計算
入所施設利用者
費用
尺度
その他
生活費
食費、光熱水費
5.8万円
(4.8万+1.0万)
定率負担
負担 減免
収入(年金、工賃、補足給付等)
29
※ 障害基礎年金1級の者、60歳以上の者等はその他生活費に3~5千
円加算して計算
定率負担の個別減免(グループホーム/入所施設 )に係る収入認定
1 工賃等
賃金、工賃等については、基礎控除として3千円(費用基準への3~5千円の加算による負担軽減
措置を受けている者は除く)を設定。 → 月額3千円の負担軽減措置
2 年金等
年金(障害基礎年金2級相当額以下)、仕送り等は、基本的に全額を収入として認定
3 今後の検討事項
① 賃金、工賃等の基礎控除以上の額、及び障害基礎年金2級相当を超える年金額に係る控除の方法
は、グループホーム、入所施設別に制度施行時までに検討。
②
なお、入所施設については、障害基礎年金1級程度の収入以下の者は、食費等に係る補足給付を 受
けていることから、グループホームとは別の基準を設ける方向で検討。
賃金、工賃等の控除の計算方式のイメージ
認定収入
控除がない場合
(負担額)
今後の検討事項
実収入額
30
基礎控除 3千円
定率負担に係る特別減額制度の概要
ー 地域生活、入所施設共通ー
本来適用されるべき上限額を適用すれば生活保護を必要とする
が、より低い上限額を適用すれば生活保護を必要としない状態にな
る者については、本来適用されるべき上限額より低い負担上限を適
用。
月額上限24,600円
より低い上限額を適用
月額上限15,000円
より低い上限額を適用
月額上限
0円
※ 認定については、生活保護の収入、支出と同様の仕組みとする。
31
今回講じた主な経過措置の概要
1 地域生活関係の経過措置(施行後3年間)
①通所施設の食費負担に係る減額(生保・低所得1、2が対象)
○食費負担について、人件費相当分を給付する。(月額5千円程度(本来の負担の1/3程度)とな
る。)
②グループホームの定率負担に係る個別減免(低所得1、2が対象)
○定率負担について、一定額以下の預貯金等しか有しない者であって、一定の基準で算出した生活費(施
行時は障 害基礎年金2級相当)と本人の収入とを比較して、定率負担が困難なものに対して、個別に減
免。
(継続の必要性については実態調査に基づき再検討)
2 入所施設関係の経過措置(施行後3年ごとに段階的に見直し)
①20才以上の入所者に対する負担の経過措置
○食費負担について、食費や居住費以外の「その他生活費」として一定の額(18年~2.5万円、21
年~2.1万円
など)が残るようにした上で、収入の範囲内で食費等の実費を負担する。
○定率負担については、グループホームと同様の個別の減免を、同じ期間実施。
②20才未満の入所者に対する負担の経過措置
○収入のない20才未満の者について、地域生活をしていれば通常かかる程度の費用(収入別の家計にお
ける平均 的な一人あたり支出)の負担を親等に求める。
※ 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは、現行と同じ仕組み。 32
平均的な利用者負担の例(在宅)
モデル1:在宅でホームヘルプを利用する障害児・者
身体障害
知的障害
精神障害
障害児
8.4万円
3.0万円
2.4万円
3.9万円
0円
0円
0円
0円
その他
8.4千円
3.0千円
2.4千円
3.9千円
改正後
5.9%
8.7%
7.3%
8.9%
改正前
1.1%
0.8%
1.6%
3.8%
月平均利用額
利用者負担
平均負担率
生活保護
モデル2:家族と同居して、通所施設に通いながら、ホームヘルプを利用する知的障害者
知的通所施設:月14.9万円(食費除く)/22日通所、ホームへルプ 3.0万円/月
食費(通所)
定率負担
生活保護
0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
0
0.5万円
低所得1
0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.5万円
2.0万円
低所得2
0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.8万円
2.3万円
1.43万円(650円×22日)
1.8万円
3.23万円
一
般
特
別
減
額
制
度
経過措置による費用
平均負担率1% →食費(3年間4割減) +8.5%
※ 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円~4.6万円であるの
に対して、 通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。
33
平均的な利用者負担の例(グループホーム/入所施設)
モデル3:グループホームで生活しつつ通所施設に通う知的障害者(グループホーム利用者の約2割)
グループホーム:月6.6万円、知的通所施設:月14.9万円(食費除く)/22日通所
食費(通所)
定率負担
経過措置後の費用増分
生活保護
0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
0
0.50万円
低所得1
0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.5万円
(グループホーム個別減
免)
0.50万円+1.5万円(個別減免)
=0.50万円~2.0万円
低所得2
0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
2.15万円
(グループホーム個別減
免)
0.50万円+2.15万円(個別減免)
=0.50万円~2.65万円
平均負担率1%
一 般
1.43万円(650円×22日)
→食費(通所) +8.
0%
2.15万円
1.43万円+2.15万円 =3.58万円
低所得1が全員、個別に定率負担が免除された場合
食費(3年間約4割減)+5.0%
モデル4:入所施設に入所する身体障害者・児
大人の施設の場合
平均3.5万円(0円~費用全額) →平均6.1万円(食費等込み)
平均 4.8万円
+定率負担(個別減免)
児童(負担者は親)施設の場合 ※大人と比較して同所得での負担水準が低い
平均1.1万円(0円~費用全額) →平均6.1万円(食費等込み)
18歳未満
平均 3.0万円
18・19歳
平均 3.9万円
※精神関係の施設は、平成18年10月以降に新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは現行と同じ仕組み。
グ
ル
ー
プ
ホ
ー
ム
・
入
所
施
設
個
別
減
免
特
別
減
額
制
度
3
年
経
過
措
置
34
改正案による各事業平均(マクロ)の負担の変化
ホームヘルプサービス
現
行
事業費 約6.0万円
通所施設
現
行
利用者負担 約0.1万円 (約1%)
平成18年
改正案
約0.4万円 (約7%)
事業費 約14.3万円(食費込み)
利用者負担 約0.1万円 (約1%)
平成18年
経過措置(3年間)
約1.9万円 (約13%)
入所施設(20歳以上)
現
行
平成18年
事業費
約32万円(食費等込み)
利用者負担
約3.5万円(約10%)
経過措置
約4.8万円(約16%)
+定率負担(個別減免)
入所施設(18歳未満)
現
行
事業費
約24.4万円(食費等込み)
利用者負担
約1.1万円(約5%)
平成18年
経過措置
約3.0万円(約12%)
平成21年
経過措置
約3.5万円
食費等が同水準(5.8万円)であれば
平成21年
経過措置
約5.2万円+定率負担
※ 18歳以上の場合には、+0.9万円
食費等が同水準(5.8万円)であれば
※ 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円~4.6万円であるのに対して、
通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。
35
※ 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。それまでは、現行と同じ仕組み。
平成17年度予算(内示)の概要(福祉サービス国庫ベース)
平成18年1月以降の在宅関係(3障害共通)は、制度改正を前提に国の財政責任を強化した形で整理されて
いる。
身体・知的関係予算(支援費関
係)
施設
(入所・通所)
居宅
増 分
改正効果
平成16年度
平成17年度
2,871億円
2,902億円
+31億円
(1%増)
△33億円
602億円
930億円
+328億円
(55%増)
△10億円
平成16年度
平成17年度
増 分
189億円
201億円
+24億円
(6%増)
30億円
45億円
+15億円
(48%増)
精神関係予算
施設
(入所・通所)
居宅
※精神の施設は、平成17年度中には新施設・事業体系に移行しないので改正影響は生じない。
また、精神の平成17年度の居宅は12ヶ月分に置き換えたもの(予算上は11ヶ月分で41億円)。
※児童入所施設関係は、平成18年10月施行のため平成17年度中は改正影響は生じない。
改正影響
△0億円
36
障害に係る公費負担医療制度の
利用者負担見直しの必要性
○ 同じ障害者なのに、制度の違いにより負担軽減の仕組みが異なり、その統一が必
要。
○ 更生医療、育成医療の対象者の半数以上は、一定の負担能力が認められる課税
世帯となり、給付の重点化が必要。
○ 精神通院公費、更生医療の対象者(人口の約1%)は急増し、財政的に極めて厳
しい状況に。
医療内容面での取り組み
○ 医療の質の確保と透明化を促進。
→ 医療機関の指定制
支給決定の有効期間等の見直し
○ 対象者の判断基準(診査指針等)や
医学進歩に応じた医療内容の明確化
→ 実証的な研究の促進
制度面での取り組み
○ 給付対象者の重点化。
→ 負担能力、重度かつ継続的負担
○ 負担に係る各制度間の矛盾の解消
入院・在宅の負担の公平化等
→
医療費と所得に応じた負担に統一
入院の食費負担(標準負担額)
必要な医療を確保しつつ、費用を皆で負担し支え合うことにより、中長期的な障害
者制度全体の持続可能性を確保(福祉・医療のバランスのとれた財源配分の確保)
37
障害に係る公費負担医療制度の概要
○精神障害者通院公費
一般
生活
保護
○更生医療、育成医療
自己負担
保険給付7割+高額療養費
公費負担
公費負担 9,5割
応益負担 一般
0.5割
自己負担
公費負担
応能負担
保険給付7割+高額療養費
生活保護 生活
0,5割 保護
公費負担 10割
精神通院
(昭和40年創設)
更生医療
(昭和29年創設)
育成医療
(昭和29年創設)
対象疾患
精神疾患
視覚障害、聴覚障害、肢体
不自由、内部障害 等
視覚障害、聴覚障害、肢体不
自由、内部障害 等
対象年齢
全年齢
18歳以上
18歳未満
月平均
利用件数
約70万件
(平成14年)
約98万件
(平成14年)
約14万件
(平成14年)
1件平均
医療費
約3.2万円
(通院のみ)
約40.0万円
(入院・通院)
約41.2万円
(入院・通院)
平均負担額
約1,600円/月
約3,200円/月
約5,600円/月
課税世帯割合
約1~2割(推計)
約5~6割
約7~8割
38
一人あたり医療費の構成(精神通院)
0.5%
0.7%
0.3%
一人あたり医療費が3万円
以下の者が全体の87.5%
を占める
0.5%
1人あたり医療費(5%負担)
2.2%
0円~10,000円 ( 500円)
1.1%
1.9%
10,001円~ 20,000円 (500円~1,000円)
5.3%
20,001円~ 30,000円 (1,000円~1,500円)
30,001円~ 40,000円 (1,500円~2,000円)
12.3%
40,001円~ 50,000円 (2,000円~2,500円)
48.5%
50,001円~ 60,000円 (2,500円~3,000円)
60,001円~ 70,000円 (3,000円~3,500円)
26.7%
70,001円~ 80,000円 (3,500円~4,000円)
80,001円~ 90,000円 (4,000円~4,500円)
90,001円~100,000円 (4,500円~5,000円)
100,001円以上
(5,000円以上)
39
障害に係る公費負担医療の負担軽減措置の課題
○ 現行水準
精神通院公費
(応益負担)
更生医療
(応能負担)
育成医療
(応能負担)
医療保険負担上限
<多数該当>
生活保護世帯
医療費の5%
0円
0円
市町村民税非課税世帯
医療費の5%
0円
2,200円
35,400円
<24,600円>
市町村民税課税世帯
医療費の5%
4,500~44,000円
4,500~44,000円
72,300円+医療費1%
<40,200円>
一定以上所得者
医療費の5%
44,000円
~給付対象外
44,000円
~給付対象外
139,800円+医療費1%
<77,700円>
※1 更生医療、育成医療の通院については、上記額の1/2
※2 多数該当とは、同一世帯で直近12か月に高額療養費の支給月額が3か月以上ある場合、4か月目から自己負担上限が
軽減されるもの。
○ 負担軽減措置の課題
・ 精神通院公費については、完全に医療費に応じた応益負担となっているため、
低所得者であっても高額の医療費の場合には高い負担を求められる。
→ 低所得者に厳しい制度
・ 更生・育成医療については、所得に応じた応能負担となっているために、医療費
の額の多寡が利用者負担に反映されない。→ 同じ所得層での負担率の不公平
40
医療内容面での見直し
1 精神通院公費制度への医療機関指定制の導入(更生、育成は当初より制度
化)
○ 都道府県知事が行う診療内容及び公費請求の審査・監査等を通じて、医療
内容の質の向上に資する。
○
医療内容が著しく不適当等の場合には、取り消し等を実施
→ 今回の法律改正で対応。平成14年度の検討会報告に基づき適正に運用。
支給決定の有効期間を1年に統一(更生、育成は現在1年)
2
○
1年ごとに医療の必要性や所得の状況を確認(今回の法律改正で対応)
○
再認定を認める場合や拒否する場合の要件等を明確化
→
臨床実態に関する実証的研究に基づき、制度施行後概ね1年以内に実
施。
3 医療実態に関する実証的な研究促進と制度運営への反映
○
対象者の判断基準(診査指針等)や医学進歩に応じた医療内容の明確化
○
重度かつ継続の対象となる者の基準等について見直しを図る。
→
施。
臨床実態に関する実証的研究に基づき、制度施行後概ね2年以内に実
41
医療費と所得に着目した自己負担
医療費のみに着目した応益負担(精神)と所得にのみ着目した応能負担(更生・育成)を、次の観点から、
「医療費と所得の双方に着目した負担」の仕組みに統合する。
○ 制度間の負担の不均衡を解消する。(障害者間の公平=医療費の多寡・所得の多寡に応じた負担)
○ 必要な医療を確保しつつ、制度運営の効率性と安定性を確保する。(障害者自らも制度を支える仕組み)
医療保険の
負担上限
(72,300円等)
医療保険の給付率医療費の3割
医療保険給付
負
担
上
限
(
月
額
)
応益負担(1割)
(医療費に応じ)
公 費
低所得等負担上限
(所得に応じ)
利用者負担
④ 課税世帯
一
般
③ 課税世帯
重度かつ継続
5,000円
10,000円
① 一定所得以下
○生活保護 0円
○市町村民税非課税
2,500円
5,000円
入院時の食費(標準負担額相当)は原則自己負担(入院と通院の公
平)
医療費
42
入院時の食費負担(標準負担額)
食費に係る各制度の考え方
○ 医療保険制度
:在宅療養の者と入院の者の費用負担の均衡を図る観点から、平均的な家計における
一人当たりの食費に相当する額を標準負担額として求める。
○ 新たな障害福祉制度
:入所・通所施設を利用するものと利用しない者の費用負担の均衡を図る観点から食費
(材料費、人件費)については原則自己負担とする。
医療保険制度や新たな障害福祉制度との整合性を確保し、
更生医療、育成医療に係る入院時の食費(標準負担額)については、原則、
自己負担(生活保護については支給)とする。
→ 一定所得以下の者のうち、標準負担額を支払うことにより、生活保護水準を下回るような場合には、
標準負担額に相当する額を支給
※ 障害福祉制度における特別減免制度に相当
43
制度改正案の概要
3 新制度施行時には、育成医療の中間層については
定の給付がなされるよう、経過措置を実施
一
施行後3年を経た段階で、医療費分布、平均負担率等を
踏まえ見直しを実施。
生活保護世帯、
市町村民税
非課税世帯
継続的に
給付対象
中間層
3 育成医療(若い世帯)における
一時的な高額医療費発生の場合
への経過措置(段階的縮小)
④その他の者
①一定
所得以下
③重度かつ継続
1 範囲の見直し
(2年以内)
所得税額
30万円以上
給付の対象外
(医療保険)
② 一定
所得以上
2 「重度かつ継続」
で「一定所得以上」
の者に 対する 経
過措置
2 新制度施行時に
は経過的に給付対象
施行後3年を経た段階
で、医療実態等を踏まえ
見直しを実施
所得に応じた適切な
負担上限
→ 2万円程度
(段階的見直し)
所得
1
実証的な研究結果を踏まえ対象の明確化等を図る。当面次の者を対象。
○ 疾病、症状等から対象となる者
精神・・・・・・・・統合失調症、躁うつ病(狭義)、難治性てんかん
更生・育成・・・腎臓機能・小腸機能・免疫機能障害
○ 疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続する
ことから対象となる者
精神・更生・育成・・・医療保険の多数該当の者
44
平成17年度予算(内示)の概要(公費負担医療国庫ベース)
平成17年度の公費負担医療に係る公費負担額は、平成17年10月の制度改
正を前提にしている。
平成16年度 平成17年度
増 減 分
改正影響
精神通院
477億円
547億円
+70億円
△12億円
更生医療
育成医療
111億円
108億円
△3億円
△26億円
45
主な入所施設の費用負担の変化
身体障害者療護施設
区分(構成割合)
現行 本人負担
扶養義務者
負担有
平均事業費
約33.8万円
(食費、光熱水費、日常
生活費、医療費除く)
食費
=4.8万円
生活保護(約5%)
低所得Ⅰ(約
16%)
実際の食費等の額は施設
ごと に定めることから、表の
額は施設により変わりうる。
知的障害児施設
(約
79%)
一般
全体加重平均
区分
現
平均事業費
約18.6万円
生活保護
(食費、光熱水費、日常
生活費、医療費除く)
低所得Ⅰ
食費
低所得Ⅱ
=4.8万円
60~64歳、20~59
歳(年金1級)
20~59歳
(年金1級以外)
18・19歳
0
0
0
0
0~19,100
51,000
22,000~38,000
+15,000(個別減免)
22,000~41,000
+15,000(個別減免)
25,000
20,800
~
96,000
67,600
38,000~58,000
+24,600(個別減免)
41,000~58,000
+24,600(個別減免)
34,600
91,800
91,800
91,800
54,000
35,200
61,400
47,400
49,900
38,900
+定率負担(個別減免)
+定率負担(個別減免)
行
当初試算
20歳未満
20歳以上
0
0
実施案(平成18年10月)
18歳未満
18・19歳
20歳以上
(年金1級以外)
0
0
0
0
0~19,100
51,000
16,000
25,000
22,000~41,000
+15,000(個別減免)
20,800
~
50,000
61,600
19,600
28,600
41,000~58,000
+18,600(個別減免)
76,600
45,000
54,000
76,600
27,900
60,700
30,400
38,700
0~2,200
光熱水費=1万円
一
実際の食費等の額は施設
ごと に定めることから、表の
額は施設により変わりうる。
実施案(平成18年1月)
0
年金2級で4.7万
円残る
低所得Ⅱ
光熱水費=1万円
当初
試算
般
全 体
加重平均
4,500
~全額
10,500
49,000
46
+定率負担(個別減
免)
※ 児童入所施設の20歳以上 年金1級の負担額は、大人の施設の年金1級と同額となる。
モデル的な利用者の負担(精神通院)
モデル1
精神通院: うつ病 月1回の受診と継続的な服薬 月額医療費約1万円
現在
見直し案
生活保護
0円(0%)
低所得1
1千円(10%)
低所得2
0.5千円(5%)
所得税課税
1千円(10%)
一定所得以上
モデル2
1千円(10%)
3千円(3割)
精神通院: 統合失調症 デイケア等を利用 月額医療費約15万円
現在
生活保護
0円(0%)
低所得1
低所得2
見直し案
2.5千円(1.7%)
7.5千円(5%)
所得税課税
一定所得以上
※
上記数値は月額の負担額である。(
※
赤字は、経過措置による数値である。
5千円(3.1%)
1万円(6.7%)
1.5万円(10%)
)内は、医療費に対する当該負担額の比率である。
47
モデル的な利用者の負担(更生医療・育成医療)
モデル3
更生医療:腎疾患 通院で人工透析を実施 月額医療費約28万円
現在
生活保護
0円(0%)
低所得1
0円(0%)
低所得2
0円(0%)
所得税課税
3.5千円(1.2%)
~1万円(3.6%)
一定所得以上
モデル4
1.0 万円(3.6%)
育成医療:先天性心臓疾患
現在
生活保護
0円(0%)
低所得1
2.2千円(0.1%)
低所得2
所得税課税
一定所得以上
※1
※2
※3
2.2千円(0.1%)
6.9千円(0.5%)
~4.4万円(2.9%)
5.23万円(3.5%)
~健康保険の規定通り
見直し案
0円(0%)
2.5千円(0.9%)
5千円(1.8%)
1万円(3.6%)
1万円(3.6%)
月額医療費約150万円
見直し案
0円(0%)
2.5千円(0.2%)+650円×日数
5千円(0.3%) +650円×日数
5.8万円(3.9%)+780円×日数
15.01万円(10.0%)+780円×
日数 →健康保険の規定通り
上記数値は月額の負担額である。( )内は、医療費に対する当該負担額の比率(平均負担率)である。
650円、780円は入院時の食費にかかる標準負担額(医療保険で自己負担と定めている)である。
赤字は経過措置による数値である。
48
介護保険との関係
49
介護保険との関係整理
障害者の自立支援のサービス
障害者の自立支援のサービス
支援費制度など現行の
障害保健福祉施策
制
度
改
正
障害者自立支援法を中心とする
新たな障害保健福祉施策体系
介護保険を活用した場合
障害者の自立支援のサービス
年齢に関わらない共通のサービスについては、一
定範囲の若年の障害者についても、65歳以上の
高齢者と同様、介護保険制度の仕組みを活用して
提供(保険給付の優先適用)
介護保険
引き続き検討し、必要な法改正等を実施
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障害者施策と介護保険をめぐる議論の状況
• 日身連、育成会、全家連の共同声明(11/30)
○「障害者の介護」も「介護保険制度」で支えてください。
○「介護保険」と「障害福祉」の組み合わせで障害者を支援してください。
○実施は数年後からとしても、時期を明確にして先送りはしないでください。
• 民主党NC(ネクストキャビネット)(12/8)
○5年後(09年度)をメドとした介護保険のエイジフリー化(被保険者・受給者の拡大)の方向性を基本的
にNCで了承した。5年後のエイジフリー化に向けて環境を整備してゆくという方向性を確認した。
• 公明党介護保険制度改革委員会(12/9)
○障害者施策の抜本的な改革の実施及び、年金・医療・介護保険制度の一体的改革の検討、税制の抜
本的改革の検討をふまえ、平成21年度までに普遍的な介護保険制度のあり方についての結論を得
て所要の措置を講じることが適切であり、介護保険法改正案の附則にその旨の検討の規定を置くべき
である。
• 与党(自民党・公明党)における検討と介護保険法改正法案の附則
「政府は、介護保険制度の被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲について、社会保
障に関する制度全般についての一体的な見直しと併せて検討を行い、その結果に基づい
て、平成二十一年度を目途として所要の措置を講ずるものとする。」
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