Transcript プロトコル間の公平性を向上する 低遅延のDCCP輻輳制御

2009年度 卒業論文
プロトコル間の公平性を向上する
低遅延のDCCP輻輳制御アルゴリズム
早稲田大学 理工学部
コンピュータ・ネットワーク工学科 後藤研究室
1G06R086-4 佐藤 圭
2010/2/1
研究の背景
• DCCP (Datagram Congestion Control Protocol)
– 輻輳制御を実装したトランスポート・プロトコル
– 信頼性のないリアルタイム通信を提供する
• IP電話やオンラインゲームなど
• 低遅延性が求められる
– ルータにおけるキューイング遅延が大きくなるという問題
• DCCP Vegaslike
– [1]で提案された手法
– 遅延時間の低減に成功
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研究の目的
• DCCP Vegaslike
– キューイング遅延の問題を解決
– スループットの不公平性の問題が新たに発生
• 制御方式の異なるプロトコルとの混在環境
• DCCP Vegaslike+
– 本論文の提案手法
– 不公平性の問題の解決を目指す
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スループットの公平性
• 複数の異なるプロトコルの混在環境
– 各コネクションのスループットに差がある→不公平
– 各コネクションのスループットに差がない→公平
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スループットの公平性: 例
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提案手法DCCP Vegaslike+ (1)
• ウィンドウサイズの更新方法が異なる二つのモード
– Moderateモード
• ルータのキューにパケットを数個しか溜めない
• 「Vegas型」
• DCCP Vegaslikeと同様の制御
– Aggressiveモード
• ルータのキューを最大限利用する
• 「Reno型」
• DCCP CCID2と同様の制御
• 二つのモードの切り替え
– 新しい変数counter
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提案手法DCCP Vegaslike+ (2)
• counterの更新方法
–
–
–
–
1に初期化
RTTの変化を観測し、RTTが大きくなれば1増加させる
逆にRTTが小さくなれば1減少させる
パケットロスを検出すれば半減させる
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提案手法DCCP Vegaslike+ (3)
• 2モードの切り替え
– Moderateモード→Aggressiveモード
• counterが閾値cthresh (counter threshold)を越えたとき
– Aggressiveモード→Moderateモード
• counterが1になったとき
• 閾値cthresh
– モードの切り替えの頻度
– スループットの公平性
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実証実験
•
•
•
•
ネットワークシミュレータns-2によるシミュレーション
DCCP VegaslikeとDCCP Vegaslike+を比較
競合するプロトコルにはTCP Renoを選ぶ
DCCP Vegaslike+の動作をシナリオファイルに直接記述
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実験1のネットワークモデル
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実験1: 発生させるトラフィック
実験1.1
実験1.2
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実験1の結果
実験1.1
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実験1.2
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実験2
• より輻輳が発生しやすい環境
– 実験1から帯域幅を半減させる
• 帯域幅以外は実験1と同様
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実験2の結果
実験2.1
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実験2.2
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実験3のネットワークモデル
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実験3: 発生させるトラフィック
実験3.1
実験3.2
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実験3の結果
実験3.1
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実験3.2
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結論
• まとめ
– 提案手法DCCP Vegaslike+
• DCCP Vegaslikeの低遅延性を残す
• プロトコル間の公平性を向上させる
• 今後の課題
– TCP Reno以外のプロトコルとの混在
– 閾値cthreshの決定
– 実装
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ありがとうございました
TCP Reno
(1)
(2)
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TCP Vegas
(3)
(4)
(5)
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実験の環境
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実験4の結果
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参考文献
[1] 河野真也, “遅延時間を低減するDCCPの輻輳制御アルゴリズ
ム”, 早稲田大学大学院理工学研究科情報・ネットワーク選考
2006年度修士論文, February 2007.
[2] 長谷川剛, 倉田謙二, 村田正幸, “バージョン間の公平性を考慮
したTCP Vegasの改善方式”, 電子情報通信学会技術研究報告
(SSE2000-31), pp. 1-6, May 2000.
[3] E.Kohler, M.Handley, S.Floyd, “Datagram Congestion
Control Protocol (DCCP)”, RFC4340, March 2006.
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