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レポート提出者のリスト
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レポートを提出した筈なのに、学籍番号の
ページに掲載されない場合は、前期の授業
の終了日までに、学籍番号と氏名を明記し
て後藤宛にメールで連絡をください。
1
Ver.2
代数入門 algebra
イーサネットによる
通信の基礎
2
FCS (Frame Check Sequence) 4オクテット
誤り検出のために使用。生成多項式は以下の通り。
G( x) x32 x26 x23 x22 x16 x12 x11
x10 x8 x7 x5 x4 x2 x 1
受信側で同様のアルゴリズムによりCRC値を計算
し、フレームチェックシーケンスの値と異なった
場合には、終端装置でフレーム誤りとして破棄。
「ワイドLANサービスのインタフェース 第1 版」
西日本電信電話株式会社 p.43 より引用
3
半群とモノイド
集合Aの上の二項演算「・」が次の性質(結合律)
を満たすとき、<A,・>を半群 (semigroup) という
a (b c) (a b) c
半群<A,・>の要素 e が、すべての a∈A に対して次の
性質を満たすとき、e を単位元という(1とも書く)
a e e a a
単位元を持つ半群のことを単位半群、モノイド
monoid という。 eを明示する場合の表記 <A,・, e>
4
半群とモノイドの性質
モノイドの単位元は一意に定まる。もし e と e’ と
が単位元であるとすると e=e’ となる。
e e e' e'
次の性質を満たす元 0 を半群の零元という。
a A (0 a a 0 0)
零元が存在するときは唯一である。
0 0 0' 0'0 0'
5
半群とモノイドの例
半群 <A,・> が可換 (交換可能) とは次の性質を満た
すことである。
a, b A (a b b a)
例:
<N,+> は可換なモノイド。単位元は 0。
<N,×> は可換なモノイド。単位元は 1。零元が0。
T { 0, 1, 2 } の上の演算 x y ( x y mod 3)
を考える T ,,0 は可換なモノイドである。
6
文字列の作るモノイド
形式言語理論の基礎
∑ は空でない有限集合。∑ 上の語 (word)または
文字列 (string) とは、∑ の有限個の要素を並べたも
のである。
a1a2a3 an
x a1a2a3 an の長さは l ( x) n
である。
長さ 0 の語を空語という。空語を
と表す。
二つの語の連接 (concatenation) を下のように定義。
x y a1a2a3 anb1b2b3 bm
∑ 上の語の集合を ∑*と書く。
*, , はモノイドである。可換ではない。
7
群とアーベル群
モノイド<A,・,e>の要素 a に対して、Aの要素 a-1が
存在して、次の性質を満たすときに、a-1を a の逆元
という
1
1
aa a a e
モノイド A の任意の要素に逆元が存在するとき、
Aを群 (group) という。逆元は一意に定まる。
1
1
1
1
a a e a (a a*) (a a) a* e a* a *
可換である群を、可換群またはアーベル群という。
可換群の時には、演算「・」の代りに「+」を使う。
可換群の時には、逆元を -a と書く。
8
群とアーベル群の例
<Z, +, 0> はアーベル群。nの逆元は ーn
<Qー{0}, ×, 1> はアーベル群。qの逆元は 1/q
平面上の点を原点を中心としてθ度回転させる操作
を考える。<回転, 回転の合成, 0度回転> はアーベ
ル群。θ度回転の逆元はーθの回転。
回転の操作を行列で表現する。単位元は単位行列。
x' cos sin x
y' sin cos y
線形代数の基礎
2×2の実行列の集合は、積の演算に関してモノ
イド。可換ではない。正則行列の集合は群をなす。
9
中間まとめ(半群、モノイド、群)
半群
モノイド
群
結合律
単位元
逆元
a (b c) (a b) c
e
可換な場合もある
x
1
アーベル群
10
環
集合 R の上に二つの二項演算「+」と「・」があ
り、次の性質を満たすとき、R は環 (ring) である
R の要素 0 に関して <R,+,0> はアーベル群
<R,・> は半群
可換とは限らない
R の任意の要素 a, b, c に対して分配律が成立つ
a (b c) (a b) (a c),
(b c) a (b a) (c a).
環の例:2×2の実行列の集合は、行列の和と積
に関して環をなす。行列の積は可換ではない。
11
可換環、単位的環
環 R において「・」が可換であるとき R を可換環
という。
環 R において 「・」に関する単位元が存在すると
きR を単位的環という。( <R,・,1> がモノイド)
モノイドであるから「・」の
逆元は存在しなくても良い。
単位的可換環の例:
整数環 <Z, +,・>、単位元は1。
Q, R, C (複素数)も単位的可換環である。
{0,1}, , は単位元1を持つ可換環。ここに
x y ( x y) mod 2, x y ( x y) mod 2.
12
体
R が次の条件を満たすとき、体 (field) という。
Rは「+」に関してアーベル群である。
Rの「・」は結合律を満たす。(半群)
環
R の「+」と「・」は分配律を満たす。
Rー{ 0 } が「・」に関して群になる。
Rの「・」の単位元1が存在する。
この「・」の単位元1と 0 とは異なる。
体の例:Q, R, C はいずれも体である。
要素が少なくとも
二つある。
簡単な体であるが符号理論に
おいて重要な役割を果たす。
体の例
13
Z2 {0,1}, , は単位元1を持つ可換環であ
るが、体でもある。
x y ( x y) mod 2, x y ( x y) mod 2.
0
1
0
1
0
0
1
0
0
0
1
1
0
1
0
1
Z p {0,1,, ( p 1)}, , は p が素数ならば体。
x y ( x y) mod p, x y ( x y) mod p.
14
演習問題 剰余環 Zp が体になるとき
Zp が体になるのは、pが素数のときに限る。
Zp は剰余環と呼ばれる環である。(証明略)
3
0
1
2
4
0
1
2
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
2
1
0
1
2
3
2
0
2
1
2
0
2
0
2
3
0
3
2
1
Z4 の2には逆元が存在しない。
もし 2x≡1 mod 4 となる x が存在したと仮定すると、2x-1=4y, 2(x-2y)=1
となるが、2倍して(modでなく)本当に1になるような整数 (x-2y)は存在しない。
15
中間まとめ(環、体)
環
単位的環
体
「+」アーベル群
「・」半群
「・」単位元
Rー{0} 群
分配律
可換な場合もある
可換でない場合に
特に斜体と呼ぶこ
とがある
環Rの零因子でない要素の集合は「・」に関して半群をなす。環Rにおいて0以外に
零因子がない場合に、Rは整域という。体は整域の一種である。体は単位的環でも
ある。
16
多項式環
F が体であり、x が変数であるとする。
n1
an x an1x a1x a0 ,
an , an1,, a0 F.
n
上の形の式を F 上の変数 x の多項式という。
この全体の集合を F[x] と書く。
F[x] の上に和と積を定義することができる。F[x]は
零元として定数 0, 単位元として定数 1 を持つ単位
的可換環となる。これを多項式環という。
多項式の逆数が多項式となるとは限らない。
17
多項式の除法定理
多項式の次数 (degree):
f (x) an x an1x
n
n1
deg( f (x) ) = n
a1x a0 , an 0
f(x)および g(x) が体 F 上の多項式とする。さらに
0deg(g(x)) とする。この時、F 上の多項式 q(x)と
r(x) が存在して下が成立つ。
f ( x) g( x)q( x) r( x)
多項式の積
r(0) は 0 であるか 0deg(r(x))<deg(g(x))
条件を満たす商 q(x) と剰余 r(x) は一意に定まる。
桁数が少ない例題
18
CRC (Cyclic Redundancy Check)
送信ビット列を多項式と見なしたものP(X)、生成
多項式G(X)、生成多項式の最高次数をnとした時、
P(X)・Xn / G(X) の余りをCRC符号とする。
【例】
送信ビット列 11001000 (P(X)=X7+X6+X3)
生成多項式G(X)=X6+X2
P(X)・X6 / G(X) = X7+X6+X2
必ず5次以下になる
余り X4
このとき、CRC符号は 010000 となる。
6ビットで表現可能
引用) http://www.netlaputa.ne.jp/~hijk/study/nw/glossary.htm
「ネットワーク・スペシャリスト・用語集」を一部修正して引用した。
19
イーサネットの CRC の計算法
CRC-32で33bitの定数ビット列から32bitのCRCを得る
ビット列– 100000100110000010001110110110111
生成多項式 (Generation Polynomial ) で書けば下記の通り
G( x) x32 x26 x23 x22 x16 x12 x11
x10 x8 x7 x5 x4 x2 x 1
計算の手順
生成多項式を G(x) とする
送信するデータに32ビットの0をパディングして多項式
表現したもの M(x)
CRC値は割算 R(x) = M(x)÷G(x) の剰余である
送信するフレームは F(x) = M(x) + R(x)
誤りの検出
正しい受信データでは、F(x)がG(x)で割り切れる
2005年度定期試験問題
20
演習問題:
Φ は次の形をした関数の集合である。
Φ = { f(x)=ax+b | a, bは実数でa≠0 }.
このとき、Φ は関数の合成「・」という演算
に関して群 (group) をなすことを説明せよ。
[解答] Φが関数の合成「・」の演算に関して
群(group)をなすことを説明するためには、
次の3つの性質を示せば良い。
(1) 合成の演算が結合律を満たす。
f(x)=jx+k, g(x)=mx+n, h(x)=px+qとする。
(f・g)(x)=f(g(x))=j(mx+n)+k=jmx+(jn+k)である。
j≠0, m≠0であるからjm≠0となる実数である。
jn+kも実数である。
(g・h)(x)=g(h(x))=m(px+q)+n=mpx+(mq+n)である。
m≠0, p≠0であるからmp≠0となる実数である。
mq+nも実数である。
((f・g)・h)(x)=jm(px+q)+(jn+k)=jmpx+(jmq+jn+k),
(f・(g・h))(x)=j(mpx+mq+n)+k=jmpx+(jmq+jn+k)
となるから、
((f・g)・h)(x)=(f・(g・h))(x)である。
つまり「・」は結合律を満たす。
(2) 合成の演算に単位元が存在する。
1≠0であり、1と0は実数であるから、e(x)=x=1x+0
はΦの元である。f(x)=ax+bを任意のΦの元とするとき、
(e・f)(x)=1(ax+b)+0=f(x)である。
また (f・e)(x)=a(1x+0)+b=f(x)であるから、e(x)はΦの
単位元である。
(3) 合成の演算に逆元が存在する。
f(x)=ax+bを任意のΦの元とするとき、
f -1(x)=(1/a)xー(b/a)はΦの元である。
(f ・f -1)(x)=a((1/a)xー(b/a))+b=1xーb+b=x,
(f -1・f)(x)=(1/a)(ax+b)ー(b/a)=1x+(b/a)ー(b/a)=x
であるから、f -1(x) は f(x) の逆元である。