Transcript A社従業員の出身地
ラオス・ビエンチャンの産業 化と生活空間 −縫製業の立地・雇用と労働者居住地からの検討515P 15:45〜16:10 西村雄一郎(愛知工業大学地域防災研究センター) 研究の目的 ラオスで現在起こっている産業化と日常生活 活動の変化の関係を明らかにする 産業化 生活空間の近代化 ラオスの産業化 市場経済の浸透 1986年新思考→新経済メカニズムへ移行 1997年ASEAN加盟 労働集約的産業の国際的移転 1990年代以降のグローバル化進展 タイ・韓国など→ラオスなど市場経済を導入した 社会主義国への生産拠点の移転:『ポスト新国際 分業』(山田2001) 生活空間の近代化 生業の変化:賃労働の増加→工場労 働など自然と関わりながら行われて きた生業のあり方とは激変 モビリティの変化:長距離移動の増 加, 通勤の増加 男女の役割分業の進展 対象:縫製業 グローバルな労働集約的部門の移転が活発に 行われている 途上国の都市化に重要な役割 ラオスの産業化における縫製業の重要性 全輸出金額の衣料品が占める割合 19.4%(1994), 20.8%(1998), 33.3%(2002) 方法 インタビュー 従業員名簿の分析 統計の利用 ラオス繊維産業組合 縫製業の増加 • ビエンチャンへの集 中 • ラオス繊維産業組 合:92加盟社中88 社がビエンチャン 特別市に立地(サ バナケット県に4 社) ラオス繊維産業組合加盟企業 外国直接投資26社/合弁10社/現地企業は36 社/下請け企業が36社 平均従業員数:260人(1,000人以上3企業, 100-999人52企業,99人以下37企業) (『2004ラオス繊維産業組合名簿』) A社生産体制 A社:2001年に操業開始 従業員数:生産開始時30人ほど→現在は700人ほど 取引先:フランス(下着メーカー)・イギリス(ス ポーツカジュアル) 生産能力(人員によって変動可能)Tシャツ(14,000 着/日)裁断・縫製・仕上げ行程 勤務時間:朝8時〜12時 13時〜19時(昼休み1時 間)残業 17〜19時 注文が多いと22時までやるこ とあり B社生産体制 A社:2000年に操業開 始 従業員数:生産開始時 1人ほど→現在は350人 ほど 生産能力:ジャケット2000着/ 日,Tシャツ2000着/日.裁断 ・縫製・仕上げ行程 勤務時間 8時〜17時(12-13 時休み 17時30分から残業 2 1時半ぐらいまで) A社入職時点における年齢構成 A社入職時点からみた性別構成 データ: A社従業員名簿 A社従業員の職務と性別の関係 A社従業員の出身地(県別) ビエンチャン特別 市内がほとんど 遠隔地から職を求 めてきた人は少な い A社従業員の出身地(ビエンチャン特別市内) Xaisettha郡内が9 割近くを占める それ以外では隣接 した郡がほとんど A社従業員の出身地( Xaisetta郡内) 通勤 A社: 400人は寮生活(バイクで通えない人は寮 に入る)残り300人は通い 工場の送迎バス(30人*2台)(近隣村落 を回る)7:10に車が工場出発 7:45 に戻ってくる B社:通い160人,寮女性130人男性60人 通いの場合送迎バス(40人乗り*3台 7時 に出発) →近隣工場との労働力の獲得競争あり 労働者募集・雇用条件 A社 月の頭には募集(18歳以上・小学校卒業・ 読み書き健康・保証人)経験ありだと特別 の待遇 経験がないと訓練:10日間は給料なしで食 事代のみ 時給2000kip/hour能力によって+α →相対的には労働者の供給は豊富 生活空間との関係 近隣の集落に居住する住民を雇用 通い(バイク・送迎バス) 寮住まいが多い 近距離でも通勤困難な場合が多い.農 村部と都市のアクセスが舗装状況など によって大きく異なる.特に雨季と乾 季の差は著しい 仕事と生活時間 フルタイム勤務のため,それ以外の生業・家 事・育児を行うこと困難(未婚の女性多い) 遠隔地は少ないので家族との関係が切り離 されてしまうわけではない.週末帰宅可能 ) 乾季/雨季で労働力供給は変動(雨季は農作 業などで日雇い割合低,乾期は日雇い割合高) 結論 首都ビエンチャンにおいて縫製業の急速な成長 若年労働者・女性(縫製・日雇いに女性偏り) 企業が立地する郡内を中心とした比較的狭い範囲で労働者が 集まる 通勤:寮・バイク・送迎バス →アクセス困難で寮生活 季節的変動の影響を多く受ける(家族の生業との結びつき) 自然との関わりを直接的・間接的に受けながら操業が成立