半導体励起レーザーを用いた 小型ライダーの開発

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半導体励起レーザーを用いた
小型ライダーの開発
交通電子機械工学課程
2001841 山下 大介
研究背景
ライダーを用いた観測と研究が
盛んに行われてきた
 本学既存のライダーシステム
→設置型
 ライダーの特性
→鉛直方向へ観測している
 観測ネットワークの重要性

本学にある既存のライダーシステム
532, 1064nm
355nm
4m-Dome
Laser
Beam
UV-Raman
Lidar
Laser Beam
R2
R3
R1
9F
PBS
2nd Nd:YAG
Laser
Slit Opening
R4
Telescopes R3
R2
R4
R1
/2 plate
8F
BE
Nd:YAG Laser
Top of View
Cross-sectional View
研究背景
ライダーを用いた観測と研究が
盛んに行われてきた
 本学既存のライダーシステム
→設置型
 ライダーの特性
→鉛直方向へ観測している
 観測ネットワークの重要性

研究目的
ポータブル小型ライダーの開発
ライダー(LIDAR)とは



Lidar (Light Detection And Ranging)の略
レーザーレーダーとも呼ばれる
レーザ-光を大気に向けて送出し、観測対象の後
方散乱光を受光することで、その距離や濃度を遠
隔計測できるリモートセンシングできる手法および
装置を呼ぶ
ライダー原理模式図
エアロゾルとは



大気中に浮遊している液体や固体などの微小な
粒子状物質
大きさは数 nm~数十 μm
人為起源のエアロゾル


自動車の排ガス、工場排出物
自然起源のエアロゾル

土壌粒子、海塩粒子
体
積
粒
径
分
布
粒径 (μm)
ライダー方程式
ミー散乱ライダーの受信光強度
C (R)Y (R)T (R)
P(R) 
 PB
2
未知数 R
2
P( R )
C
Y( R )
PB
R
:受信光強度
:装置定数
:幾何学的効率因子
:背景光強度
:距離
β( R ):後方散乱係数
T( R ):大気の透過率
α
:消散係数
T (R)  exp{  ( z)dz}
R
0
未知数
距離2乗補正値
X (R)  P(R)  PB R  C (R)T (R)
2
2
⇒簡易的にエアロゾル濃度を調べるために、距離2乗補正値を用いる
本研究で開発したライダーシステム
概略図
ライダーシステムの仕様
レーザー
小型LD励起Nd : YAGレーザー
波長
532.1 nm
線幅
About 0.1 nm
パルス幅
10 ns
パルスエネル
ギー
About 20 μJ
繰り返し周波数
1000 Hz (200 Hz ~ 1000 Hz で可変)
受信光学系
シュミットカセグレン式
望遠鏡口径
200 mm
受光視野角
1 mrad
検出器
光電子増倍管
検出系
単一光子計数法(フォトンカウンティング
法)
計測器
マルチチャンネルスケーラー/SR430
距離分解能
24 m
レコード長
2048
光学系と受信望遠鏡
レーザーパワー 約20 μJ
繰り返し周波数 1000 Hz
望遠鏡口径
200 mm
視野角
1 mrad
中心波長
532.05 nm
半値幅
0.36nm
開発したライダーシステムの写真
レーザーヘッド
レーザー発
振器
パルスジェ
ネレーター
光電子増倍管
経緯台
マルチチャンネル
スケーラー
計測制御プログラムの製作


マルチチャンネルスケーラー/SR430
とPCとの接続、制御(GPIB)
Visual Basic 6.0を使用
フローチャート
スタート
測定画面のLoad
終了
Unlock Keys
初期化
Stop ボタン押下
Start ボタン押下
Measure Loop の
呼び出し
Lock Keys
SR430の初期化
Measure Loop
Measure Loop
スタート
Fileを閉じる
Fileを開く
NO
Data受信
Fileへ書き出す
YES
時間が変わる
YES
正常処理
グラフにプロット
NO
Measure Loop
終了
データの解析例
2006年1月28日18時、19時
晴天時、仰角45°
1時間ごとに積算し、横軸を距離の関数したグラフ
距離二乗補正信号と
大気のみによる散乱強度の比較
2006年1月28日18時、19時
仰角45°
X (R)  P(R)  PB R
2
散乱比(Scattering Ratio)
2006年1月28日18時、19時
m  a
SR 
m
βm :大気の後方散乱係数
βa :エアロゾルの後方散乱係数
まとめ
• PCによりSR430を遠隔的に操作可能
• データを取得することが出来た
• 解析の結果を示すことが出来た
初期段階の小型ライダーの開発が
成功した
今後の課題
• より近距離からのライダーデータ取得の
ための検討
• Visual Basic を用いた計測、制御の充実
– 他の機器とPCとの接続
– 積算プログラム

日中測定