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2002.7.16
HERMES Dual-Radiator
RICH Detector について
柴田研究室 02M01132 田窪洋介
1. Ring Imaging CHerenkov (RICH) Detector ?
2. RICH in HERMES
3. Purpose
4. Mechanics
5. Efficiencies
1. Ring Imaging CHerenkov (RICH) Detector ?
RICH Detectorとは?
相対性理論によると、物質粒子は真空中の光速を超えた速度で運動す
ることはできない。しかし物質中では物質の屈折率に反比例して光速が
小さくなるため、“物質中の光速”を超えた速度で粒子が運動することは
できる。つまり、物質中では粒子は超光速で運動することができる。
超光速で運動する粒子は物質中を通過すると「チェレンコフ光」を放出
する。このチェレンコフ光のリングを測定することで、粒子の種類や速さを
決定する検出器をチェレンコフ検出器という。チェレンコフ検出器には、
チェレンコフ光が出たかどうかのみを検出して粒子識別する閾値型、チェ
レンコフ角を測定する微分型、それを発展させたリングイメージングチェレ
ンコフ検出器(RICH)がある。
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チェレンコフ光の発光
Cherenkov light
分極 +
-
π+
+
1)
荷電粒子が通過したときに物
質は分極を起こす。
+
例えばπ が物質中を通過する
と経路に沿って図のように分極
が起こる。
2)
この分極が元に戻るとき、そのエネル
ギーが光として放出される。粒子が超光
速で運動しているために、出た光はある
特定の角度にのみ生じる
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チェレンコフ角
Particle
Cherenkov light
θ
Material
光のでる角度θと粒子の速度、
屈折率には以下の関係がある。
c
cos 
nv
Cherenkov angle :θ
Particle velocity : v
refractive index : n
Cherenkov light
超音速で運動する飛行機のだす衝撃波とよく似ている(ホイヘンスの原
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チェレンコフ光の波長
また、角度θと波長、発生する光子数の間には以下の関係がある。
N
N  2 
cut
λ
sin 2 

2
d
λ
0
例えば、λ=400~700nmの可視光領域では単位長さ(1cm)あたり
約 500sin 2  個の光子が発生する。
この関係式では短波長側で光子数が発散してしまう?
⇒チェレンコフ光は物質の分極がもどるときに発生する光である。分極
のもつエネルギーより大きいエネルギーの光子、つまりある波長より短
い光は出ない。
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発光体の種類
物質
屈折率n しきい値(GeV/c)
π
K
p
シンチレータ(トルエン)
1.58
0.11
0.40
0.77
プレキシガラス(アクリル)
1.48
0.13
0.45
0.86
ガラス
1.46
0.13
0.46
0.88
水
1.33
0.16
0.56
1.07
エアロジェル
1.0304
0.56
1.97
3.78
ペンタン
1.0017
2.40
8.40
16.11
C4F10
1.00137
2.67
9.36
17.95
二酸化炭素
1.00043
4.77
16.71
32.05
ヘリウム
1.00003
17.23
60.31
115.71
チェレンコフ発光体の種類と屈折率
及び pion,kaon,proton の発光しきい値
(π、K、pの質量はそれぞれ0.14GeV、0.49GeV、0.94GeVとした)
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TOF Detector との比較
TOF (πーK)
TOF (Kーp)
RICH (πーK )
RICH (Kーp )
2
4
6
8
10
12
14
16
20
P(GeV/c)
1)TOFは時間分解能100ps、設置距離4mを仮定
2)RICHはHERMES RICHのデータ
TOF(Time of Flight) Detectorは、粒子の運動量が大きくなるとその二
乗に比例して、検出器のサイズを大きくするか時間分解能をあげてやる
必要がある。例えばπーK識別において、 P=1GeVでは時間分解能10
0psのとき検出器は1m程度で十分であるが、 P=3GeVでは時間分解
能100psのとき検出器は10m以上の大きさが必要である。
6
2. RICH in HERMES
RICH
Target
Beam line
HERMES Experiment
Beam : positron (Polarized ~ 55%) E ~ 27.5GeV
Target : He, H, D (Polarized ~ 90%)
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3. Purpose
• Particle IDentification (PID)
pion, kaon, proton の粒子識別
momentum range : 2.0 GeV ~ 15.0 GeV
Monte Carlo hadron momentum
spectra within
the HERMES acceptance
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4. Mechanics
Idea
P = 6GeV
2つの屈折率が異なる物質からの
チェレンコフ光を測定することで、
目的の運動量領域での粒子の識別
ができる。
例)
6 GeVの粒子が入ってきた場合、
リングが2つできればπ。1つならば
チェレンコフ角でKかpかを判別する。
※運動量はスペクトロメータで
測定されている。
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Outlook
PMT matrix
Soft steel plate
Mirror array
Aerogel tiles
Aluminum box
Particle
エアロジェルタイル組み込み前
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Detect System
RICHに入射した粒子はエアロジェル
とガス、2つの発光体を通過する。
発光体で出たチェレンコフ光は下流に
ある鏡で反射され、PMTで検出される。
光を反射するミラーのサイズは254×
80cmであり、8分割されている。
反射率は85%以上、表面の凹凸は5
nm以下である。
タイルとガスの間はルサイトで仕切ら
れ、タイルの周りには窒素ガスが充填
されている。
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Dual Radiator
目的の運動量領域はひとつの発光体ではカバーできない
⇒Dual Radiator system
Aerogel tiles (SiO2) & C4 F10gas (heavy fluorocarbon)
aerogel
n
1.0304
threshold [GeV]
π
0.6
K
2
p
3.8
Aerogel tiles in RICH
1 tile size : 114 ×114 ×11.3 (mm)
stacked in 17×5×5
gas
1.00137
2.7
9.4
17.9
refractive index (λ = 633 nm) and
cherenkov light threshold momentum
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PMTs
1934本の0.75インチ(18.6mm)
PMTを73×26 or 27列にMatrix状に
並べてある。
PMTは16×15 or 16×8にグループ
分けされ、データが読み出される。
1つのチェレンコフリングあたり10個程
度のPMTでチェレンコフ光が検出される。
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Monitoring
Online display of a single event
どのPMTが光子を検出したかがモニ
ターされる。この情報からIRT(Inverse
Ray Tracing)という方法でチェレンコ
フ角が決定される。
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5.Efficiencies
Contribution :IRTで決定するチェレンコフ角の不定性
Aerogel
em
 pix
chr
 MC
tile
 nvar
 fw
 press
exp
 m irr
1.8
5.6
2.5
7.1
~3.0
~1.1
~0.9
7.6
~2.3
C4 F10 [mrad]
2.2
5.2
7.2
~1.0
7.5
~2.2
発光した場所
PMTサイズ
波長による屈折率の変化
上の3つを加味したMCの結果
タイルのエッジ部分の効果
タイル毎の屈折率の違い
前方散乱
ガスの温度、圧力
実験値
ミラー
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Likelihood Analysis
粒子の識別には、Likelihoodという量を使う
 (th    )2 
L    exp

2
2   


   
N
2つの発光体でpion,kaon,protonについてlikelihoodを
計算し、もっともLikelihoodが高い粒子であると識別す
る。計算されたlikelihoodが等しい場合は「X粒子(識
別不能である)とする」
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Efficiencies
粒子識別の能力は左のような
P-Matrixという値であらわされる。
左の図は上からそれぞれ
「πをπ、K、p、Xと識別する割合」
をあらわしている。
(Xは識別不能をあらわす)
π、K、pとも90%以上の識別精度をあげて
いる。
Pi
Pion identify efficiencies
j
この値は
「本来iである粒子を、jである」
と識別する割合をあらわす。
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