プラスチックダイスを用いたA1050材の多段深絞り特性

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プラスチックダイスを用いた
深絞り加工における焼付きの防止
塑性加工研究室
漆畑
直人
アルミ,チタン板等の焼付き
潤滑剤の使用で防止
洗浄処理による廃液
アルミにおける焼付き 焼付いたダイス
環境に対する負荷が大きい
プラスチックダイスの適用
環境にやさしい焼付き防止技術の開発
実験方法
焼付き発生の有無,
プラスチックダイスを用い,
深絞り加工を行う.
容器の精度,
ダイスの耐摩耗性
を比較する.
ダイス材質
MCナイロン
弾性係数/GPa
3.18
ブランク
材質
ガラス繊維強化
ナイロン
20.4
ダイス鋼SKD11
210
純アルミニウム(A1050),
純チタン(JIS2種),アルミニウム合金(A5052),
冷間圧延鋼板(SPCC),ステンレス鋼(SUS304)
深絞り加工条件
φ41
φ20
絞り比1.75
絞り比1.71
(a)焼付き発生,容器精度
(b)耐摩耗性
水潤滑による純アルミニウム容器の焼付き
焼付き
焼付きなし
微小縦傷
(b)MCナイロン
(c)ガラス繊維
強化ナイロン
20mm
0.5mm
(a)SKD11
水潤滑による各段数の純アルミニウム容器
20mm
(a)1段目
(b)2段目
MCナイロンダイス
3段までの加工が可能
(c)3段目
容器の精度(純アルミニウム容器の外径)
0.5
MCナ イロ ン ,水
カ ゙ラ ス 繊維強化ナ イロ ン ,水
SKD 11,二硫化モリフ ゙デン
0.3
直径が増加
0.2
0.1
弾性係数
許容値
0
-0.1
小
ダイスが弾性変形
-0.2
0
5
10
15
20
容器底部から の高さ h / mm
25
容器外径測定部分
h
直径変化率 / %
0.4
ダイスの耐摩耗性(ダイス内径と容器外径)
0.5
0.02mm
0.25
0
MCナイロンダイス内径
純アルミニウム容器外径
許容値
加工個数n=1000個
のとき,ダイス内径
は,0.02mm増加した.
容器外径は,それ
に伴い,若干増加
している.
-0.25
-0.5
200
400
600
加工個数 n
800
1000
容器外径測定部分
9mm
0
6mm
直径変化率 / %
ダイス内径増加
多金属への応用
(a) 純チタン
(b) アルミニウム合金
20mm
(c) SPCC
(d) SUS304
MCナイロンダイス,水潤滑
組合せダイスによる容器精度の向上
焼付き発生の防止 → ◎
プラスチックダイス
容器の精度
→ ×
ダイスの耐摩耗性 → ○
鋼材部による拘束
プラスチック部
深絞り加工中の
焼付きの発生部分
ダイス変形
30mm
鋼材部(SKD11)
ダイスの
弾性変形抑制
組合せダイス
MCナイロン+SKD11
φ81mm
加工中のダイス変形
小
大
弾性係数
変位量
大
小
(a)MCナイロン (b)ガラス繊維 (c)SKD11
強化ナイロン
r方向変位量
/mm
0.14
0.12
0.10
0.08
0.06
変形抑制
0.04
Y
0.02
r 0.00
-0.02
-0.04
(d)組合せダイス
シミュレーションによる容器精度の予測
精度向上
0.8
0.8
直径変化率 / %
直径変化率 /%
0.6
0.4
0.2
0
0.6
組合せダイス
MCナイロン
0.4
ガラス繊維強化ナイロン
SKD11
0.2
0
-0.2
0
5
10
15
20
容器底部からの高さ /mm
(a)計算結果
25
-0.2
0
5
10
15
20
容器底部からの高さ / mm
(b)実験結果
25
まとめ
プラスチックダイスを用いた場合,
純アルミニウム,純チタン等の
焼付き発生を防止した.
弾性係数が小さいため,
容器の精度が低下した.
加工個数の増加による
ダイスの摩耗量は小さかった.
組合せダイスを用いることで
容器精度が向上した.