混和材料

Download Report

Transcript 混和材料

水(練混ぜ水)
 練混ぜ水:油,酸,塩類,有機物等の有害物質
を含まないこと.水道法の基準を満足する上水
道水であれば適(当然のことながら海水・下水
道水は不可).
 スラッジ水:ミキサその他,コンクリートが付着し
ている器具を洗った水から骨材を除いたもので,
上澄み液と固形分とがまじったもの
 スラッジ固形分が単位セメント量の3%以下であ
れば練混ぜ水として使用可(リサイクル)→顧客
の理解が得られず,なかなか普及していないの
が現状.
混和材料について
コンクリート工学研究室
岩城 一郎
混和材料とは?
混和材料:セメント,水,骨材(細骨材,粗骨材)以外の
材料.打込みを行う前までに加える材料(+α).
 コンクリートの品質向上,高性能化(高流動化,高強度
化,高耐久化),経済性の向上,環境への配慮の何れ
かが目的
 混和材と混和剤の2種類に大別
 混和材:使用量が比較的多く,配合計算時にその体積
を考慮
 混和剤:使用量が比較的少なく,配合計算時にその体
積を無視 (明確な区分はない。)
 最近のコンクリートでは,混和材料の使用は当たり前
→非常に重要!!

混和材料の種類
混和材
 ポゾラン
 鉱物質微粉末
 膨張材等
混和剤
 AE剤
 減水剤
 高性能AE減水剤
 流動化剤
 遅延剤
 硬化促進剤等
ポゾラン




ポゾラン:ポゾラン反応性を有する混和材
ポゾラン反応性:それ自身では水硬性を持たないが,セメ
ントの水和反応で生じたCa(OH)2と水があるとこれらと反応
し,硬化する性質.
フライアッシュ:石炭火力発電所から発生する灰のうち,微
細な粒子を集塵機で集めたもの.→フライアッシュセメント
シリカフューム:シリコンを生成する際の副産物,粒径1um
以下の超微粒子.超高強度コンクリートの実現(セメントに
対して5-10%程度置換)
水和直後
シリカフュ-ムを
セメント
用いたコンクリート
S.F.
数日後から数年後
鉱物質微粉末
高炉スラグ微粉末:鉄鉱石から鉄を採取する際に発生
する廃棄物(高炉スラグ)を急冷し,微粉砕したもの(産
業副産物).潜在水硬性を有する.→高炉セメント
 潜在水硬性:それ自身では水硬性をもたないが,セメ
ントと水との反応によって生じたCa(OH)2による刺激に
よって水和反応を起こし,硬化する性質.

膨張材
膨張材:コンクリートの乾燥による収縮を補う混和材
 コンクリートは乾燥すると収縮する(乾燥収縮).→この
変形が拘束されると,コンクリートが引っ張られた状態
となり,引張に弱いコンクリートにひび割れが発生する.
→膨張材により,初期にコンクリートを膨張させて,そ
の後の乾燥による収縮を打消し,コンクリートに発生す
るひび割れを抑制する.
 ケミカルプレストレス:
膨張材によるコンクリー
トの膨張を鉄筋等が拘
束することによりコンク
リートに導入される圧縮
応力→ひび割れ抵抗性
の改善
三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社

AE剤
AE剤=Air Entraining agent(空気連行剤):微小な独立
した気泡(エントレインドエア:Entrained air)をコンク
リート中に一様に分散させるために用いる混和剤
 凍害(後述)に対する耐久性が著しく増大
 強度は若干低下
 ワーカビリティー(後述)が改善

減水剤と高性能AE減水剤
減水剤:電気的反発により,セメント粒子を分散させる
ことにより,粒子間に水が入り込むことが可能となり,
セメントペーストの流動性を改善させた混和剤→単位
水量(後述)を減らすことが可能.→コンクリートの品質,
耐久性,経済性に好影響をもたらす.
 高性能AE減水剤:空気連行作用と共に,高い減水作
用を持つ優れた減水剤.→高流動コンクリート(後述)
の施工が可能

セメント
セメント
水
水
減水剤無(凝集)
-
- -
-
セメント
-
水
-
-
減水剤有(分散)
その他混和剤
流動化剤:コンクリートを打ち込む際に,コンクリートの
流動性を一時的に高めることにより,コンクリートの施
工を容易にする混和剤
 遅延剤:セメントの凝結時間を遅らせることを目的とし
た混和剤.コンクリートは夏期(高温下)において凝結
時間が早まり,作業時間が確保できなくなることがあり,
その防止に使用される.※凝結:セメントペーストのこ
わばりの状態(流動性が失われていく状態)
 硬化促進剤:コンクリートの硬化を促進する混和剤.冬
期(低温下)において,強度発現が著しく遅れる場合等
に使用. ※強度発現:打込み後,時間(材齢)とともに
コンクリートの強度が増加していく様子
