Transcript 実際の症例を交えて
メール作成・送受信の 介助者無人化への取り組み
〔 実際の症例を交えて 〕 愛媛県 身体障害者療護施設 三恵ホーム 理学療法士 生活支援員 水田 秋敏 曽我部 栄司
Ⅰ
.はじめに
キーボード メール マウス キーボード・マウスの操作、手順が難しい等でメール の送受信が困難である 操作手順を簡素化するが、毎回介助が必要であり、 利用者様の心理的負担が大きい
Ⅰ
.はじめに
端末操作一部可能 メールの作成 デスクトップ画面 メールの送受信
Ⅱ
.症例と問題点
• • • •
症例者氏名 M・A 様 年齢 疾患名 70歳 痙直型脳性麻痺 四肢麻痺 等級 重度の側弯あり 第1種1級
Ⅱ
.症例と問題点
平成17年初頭には施設のパソコンのキーボードにて 家族や友人とメール作成・送受信を行っていた メールの操作を行うときは必ず介助が必要であった
右上肢の不随意運動 がある 電動車いすに ゴムバンドを つけている
Ⅱ
.症例と問題点
平成17年初頭には施設のパソコンのキーボードにて 家族や友人とメール作成・送受信を行っていた メールの操作を行うときは必ず介助が必要であった 右上肢の不随意運動がある マウス機能をキーボードのテンキーへ移行するが、パソ コン側の問題でうまく作動しない
Ⅱ
.症例と問題点
メール作成時、運動機能的な問題、知的レベルの問題 があり、メール本文を打つだけの状態にしなければなら ない 介助者を呼ぶことを遠慮することが多く、何もできないま ま時間を過ごすことがある 他の利用者様のリハビリもあり、
A
様が望むときに常に は介助ができない
Ⅱ
.症例と問題点
平成17年7月より 介助者無人化システムについての取り組み開始 介助者無人化を行うために必要と思われること 不確実な キーボード のテンキー ①操作可能なマウス相当品 ②メールの本文記入までの操作手順の簡素化
Ⅲ
.準備と過程
不確実な キーボード のテンキー ①操作可能な マウス相当品
【こねこの手 Ⅱ 】 (マウスエミュレータ) 不確実な キーボード のテンキー ①操作可能な マウス相当品
※ ダブルクリックは 「Lボタン」を押したあと、 「Enter」キーを押す Enter
平成17年7月 ②メールの本文記入までの操作手順の簡素化 クリア ある地点の左クリックやポインタの移動 が確実に行えるだけ
平成17年10月 ②メールの本文記入までの操作手順の簡素化 ソフト名 : UWSC 内 容 : マウスとキーボードの入力操作手順を 記録し再生する
どれかひとつの アイコンのダブル クリックで対応で きるようにする
介助者無人化の実現に向けての大枠 ① メールソフトを起動したとき、右側に3センチ前後 の空白を作り、操作対象のアイコンを常に見られる ようにする ② 1つのアイコンのダブルクリックだけで、宛先、 題名が入力され、本文を打つだけの状態にする ③ ②と同じ要領で、メールの受信、送信、メール作 成の中断・中止にも対応できるようにする
① メールソフト起動 ② 宛先・題名記入 ③ ひらがなのフォントを大きくす る ④ メール作成前 の操作 書き終わったメールの送信とソ フトの終了 メール送信 アイコン1つを ダブルクリック アイコン1つを ダブルクリック ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 操作内容 書きかけのメールの保存とソフ トの終了 メール中断 書きかけのメールを保存しな いでソフトの終了 メールソフトを起動して受信ト レイを開く 受信したうちで目的のメールを 開く 目的 メール中止 メール受信 操作方法 アイコン1つを ダブルクリック アイコン1つを ダブルクリック アイコン1つを ダブルクリック 矢印のクリック ⇒ Enter
Ⅴ
.考察と今後の問題点
• • メール作成、送受信の介助者無人化が実現できた 平成17年11月よりシステムを使用し、A様の心理的 負担も軽減でき、メールの回数も増え、普段の生活面 も活発的になる
Ⅴ
.考察と今後の問題点
メール操作自動化により予期せぬ誤動作の発生 ①メール本文を打つときに、「ひらがな」ではなく、 「英数字」になっていることがある 《原因》 施設パソコン使用のため、他の利用者様使用 時の設定が残っている 《対策》 フリーソフトを使用して「ひらがな固定」をするこ とにより問題回避をする
Ⅴ
.考察と今後の問題点
メール操作自動化により予期せぬ誤動作の発生 ②無人化システムがうまく作動しないことがある (頻度は1週間に1回程度) 《原因》 旧式パソコンのため、最大積載の96 M にして いるが、メモリの容量が足りないためである 《対策》 パソコンそのものの入れ替えの検討が必要で ある
ご静聴ありがとうございました
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