運動習慣

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2002/08/04
次の世代のQOLセミナー
「噛んでつくろう」
親と子の健康セミナー
日進市立香具山小学校
あいち小児期の生活習慣病を考える会
長嶋正實
日進市立香具山小学校の皆様!!
暑い中をお集まりいただきまして
ありがとうございました
生活習慣病
食生活,運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活
習慣が,その発症・進行に関与する疾患
先天性でない循環器病、家族性でない高脂血症、
肥満、インスリン依存性糖尿病、慢性気管支炎、
肺がん,大腸がん、アルコール性肝炎など
生活習慣と生活習慣病
食習慣
糖尿病、肥満、高脂血症、
高尿酸血症、循環器病、
大腸がんなど
運動習慣
糖尿病、肥満、高脂血症、
循環器病など
喫煙
が ん 、 循 環 器 病 、
慢性気管支炎、肺気腫、
歯周病など
飲酒
肝障害など
子どもの生活習慣病
肥満→現在増加中、特に高度肥満が増加
将来の種々の生活習慣病の原因になる
 動脈硬化→小児期から始まる
 高血圧→高血圧の子どもが増加
肥満と関連している
 高脂血症→コレステロールはアメリカの子ども
より高い
 糖尿病→数は少ないが増加傾向
 運動不足→テレビ、ゲーム、塾通いなどが原因
運動能力、体力の低下
 やせ過ぎ→最近急増中

肥満の判定法

標準体重
+20%以上を肥満

体格指数
Body Mass Index(BMI)
=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
26.4以上を肥満

皮下脂肪厚
小児の肥満が健康に及ぼす影響
1.代謝異常
血清脂質異常
耐糖能異常(インスリン抵抗性、高インスリン血症)
2.高血圧
3.心肺機能の低下
4.運動能力の低下
5.脂肪肝
6.整形外科的疾患(膝関節、股関節の痛み)
7.心理的悪影響
過激なダイエットの弊害
肌荒れ・髪が抜ける
貧血
生理が止まる
骨粗しょう症
思春期過体重児の長期予後(55~65年後の予後)
死亡率
相対危険度(やせた人との比較)
死亡原因
男子(n=256)
女子(n=252)
全死亡
1.8
1.0
冠動脈疾患
2.3
0.8
脳動脈硬化性脳血管障害
13.2
0.4
大腸結腸がん
9.1
1.0
乳がん
ー
0.9
Must A et al : Long-term morbidity and mortality of overweight adolescents. Follow up study of the
Harvard growth study of 1922 to 1935. N Engl J Med, 1992
思春期過体重児の長期予後(55~65年後の予後)
罹患率
相対危険度(やせた人との比
較)
死亡原因
全体
男子
女子
冠動脈疾患
2.1
2.8
1.6
狭心症
1.7
1.6
5.1
糖尿病
1.8
1.6
2.2
動脈硬化
7.7
5.0
ー
関節炎
1.6
0.9
2.0
痛風
2.7 of overweight adolescents.
3.1 Follow up study
ーof the
Must A et al : Long-term morbidity and mortality
Harvard growth study of 1922to 1935. N Engl J Med, 1992
BMIと疾患の関係
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
疾
患
指
数
や
せ
過
ぎ
太りすぎ
22.2
BMI
肥満発生の要因
性格
家庭環境
運動不足
過食
肥
満
遺伝的素因
社会環境
生活習慣
エネル
ギー効率
良好
家庭環境
両親と子どもの肥満の相関
子どもの肥満の頻度
報告者
両親肥満 片親肥満 両親非肥満
Mayer
80%
50%
10%
陣内
53.3%
39.2%
9%
昭和63年度
国民栄養調査
父
母
58.8%
9.1%
24.4 26.9
環境因子70%、体質因子30%(陣内)
食欲制御中枢
ストレス、情緒など
高次元な精神活動
味、臭、色など
大脳皮質
視覚、味覚、臭覚
満腹中枢
視床下部
摂食中枢
血中ブドウ糖
レプチン
インスリン
遊離脂肪酸
肥満の原因
遺伝因子 30%
性格・・・・・・・・
セットポイント仮説
エネルギー倹約遺伝子
β3アドレナリン受容体異常(省エネタイプ)
環境因子 70%
食事・・・・・・
運動不足・・・・・・
エネルギー倹約遺伝子と糖尿病
余分なエネルギーを体脂肪として蓄積
Kosrae島(ミクロネシア)
Kosrae島
アメリカ
年齢
男性
27.8
以上
女性
27.3
以上
男性
27.8
以上
女性
27.3
以上
20~34
55%
63%
22%
35~44
74%
81%
45~54
81%
55~64
65~74
BMI
日本
年齢
男性
26.4
以上
女性
26.4
以上
25%
20~29
8.1%
4.7%
35%
37%
30~39
14.5%
7.2%
88%
36%
42%
40~49
15.0%
12.4%
74%
83%
40%
48%
50~59
13.6%
15.6%
38%
71%
43%
40%
60~69
12.2%
18.4%
BMI
住民の13%がインスリン非依存型」糖尿病、20%が高血圧
エネルギー倹約遺伝子と糖尿病
糖尿病王国
ナウル島(ミクロネシア)
欧米食に変ってから肥満が激増
1994年 男子80% 女子78%がBMI30以上の肥満
→そのうちの1/3人が糖尿病
ピマ・インディアン(アリゾナ州)
β3アドレナリン受容体の遺伝子異常
カロリーの40%を脂肪で摂取
→90%は肥満または過体重
太りやすい体質(遺伝素因)は黒人女性が最も顕著
子どもの食生活の背景
不規則な生活
塾、補習、夜更かし→不規則な食物摂取(質、量、
頻度)
 家庭環境の変化
母親の就業→買い置き、買い食い、ファーストフード
祖父母の過保護
核家族化→孤食
 行動の変化
屋内遊び(食べながら、運動不足)
 社会の変化
自販機、24時間営業、マスコミの宣伝

脂肪細胞は内分泌細胞!!
単に脂肪のタンクではない!!
アディポサイトカイン
TNF-α
PAI-1
Angiotensinogenn
血栓形成促進(心筋梗塞)
血管収縮(高血圧)
Adipsin
脂肪組織
インスリン抵抗性
免疫機構に関わる
生活習慣病
食べ物の好みは遺伝的な要因
が少ない
甘味
苦味
脂肪
後天的な要素が大きい
おふくろの味が大切
三つ子の魂、百までも
食生活
imprinting(おふくろの味)
食事を通じて親子の絆
乳幼児期の欧米型料理
→将来の食の好みの固定化
→生活習慣病
肥満の種類
●リンゴ型肥満→生活習慣病と関連が深い
(上半身型)
●洋梨型肥満
(下半身型)
脂肪細胞の携帯と肥満のタイプ
子どもの頃から太って
いた
脂肪細胞の数が多い
(過形成型肥満)
子どもの頃から太りは
じめ、おとなになってさ
らに太った
脂肪細胞の数も多く、
サイズも大きい
(連合型肥満)
子どもの頃は普通で、
おとなになって太った
脂肪細胞のサイズが
大きい
(肥大型肥満)
幼児期
人格形成への影響が大きい






身体発育と精神発達が最も旺盛
運動量が多い
感情表現が豊富
自己主張→反抗期
乳歯が生え→ものを噛む
食生活→好き嫌い
子どもの食の課題
(1)食生活の変化.
コンビニ、自販機→いつでも、どこでも、好きなだけ.
(2)子どもの生活環境の変化.
塾通い→遅い就寝時間、起床時間→朝食欠食.
食事リズムの消失.
テレビ、テレビゲーム→運動不足.
(3)親の食意識の低下.
親の食に関する関心の薄さ.
→子どもの適正な食事の量と質がわからない。
(4)加工食品や調理済み食品の導入.
脂肪や食塩が多い.
(5)心と食物摂取.
家族関係や友人.
健康づくりのための食生活指針
幼児期-食生活の基礎つくり








食事のリズムを大切に
何でも食べられる元気な子
うす味と和風料理に慣れさせよう
牛乳、乳製品を十分に
心がけよう、手つくりのおやつのすばらしさ
一家そろって食べる食事の楽しさ
保育所や幼稚園でも食事に関心を
外遊び、親子そろって習慣に
厚生省「健康づくりのための食生活指針」平成2年
健康づくりのための食生活指針
学童期-食生活の完成期









1日3回規則的に、バランスのとれた食事
野菜と果物を充分食べる習慣
食べ過ぎや偏食なしの習慣を
牛乳、乳製品を十分に
おやつにはいろいろな食品や量に気配りを
加工食品やインスタント食品の正しい利用
一家そろって食べる食事の楽しさ
学校給食のねらいと内容を考えよう
外に出て体を動かす習慣を
厚生省「健康づくりのための食生活指針」平成2年
小児肥満の食事の注意点
基本方針







栄養のバランスに注意
エネルギーの高いものを控える
ボリュームをもたせる
味付けはうす味に
夜食をしない
よく噛んで食べる
家族の協力を得て長続きするように
食品の種別
1群
魚、肉、卵、大豆
2群
牛乳、乳製品
骨ごと食べられる食品
3群
緑黄色野菜
4群
その他の野菜.果物
5群
米、パン、麺、いも
6群
油脂
6つの基礎食品を1日
30品目を摂取しよう
年齢別食事の噛み方
よく噛んで食べる
よくかまず丸のみ
昭和60年 平成7年 昭和60年 平成7年
(%)
(%)
(%)
(%)
1歳~1歳6か月
45.2
44.2
26.8
29.7
1歳6か月~2歳
57.8
55.7
16.6
18.2
2歳~2歳6か月
63.5
60.5
14.7
14.5
2歳6か月~3歳
73.7
62.3
11.0
16.0
3歳~3歳6か月
78.3
70.1
8.6
11.6
3歳6か月~4歳
77.7
75.5
10.0
8.5
4歳~4歳6か月
78.6
75.8
11.5
7.8
厚生省『乳幼児栄養調査」1995
エネルギーの栄養素別摂取構成比(年次推移)
平成11年
16
26.5
57.5
平成10年
16
26.3
57.7
平成9年
16
26.6
57.4
平成8年
16
26.5
57.5
平成7年
15.5
26.4
57.6
平成2年
15.1
25.3
59.2
昭和60年
14.9
24.5
60.4
昭和55年
14.6
23.6
61.5
昭和50年
14.6
22.3
63.1
0%
20%
40%
たんぱく質
60%
脂質
80%
糖質
国民栄養調査 平成11年
100%
エネルギーの栄養素別摂取構成比(年齢推移)
70歳以上
16.6
22.4
61
60~69歳
16.6
23.6
59.8
50~59歳
16.7
25.2
58.1
40~49歳
15.9
26.9
57.2
30~39歳
15.4
27.3
57.3
22.3
23.6
24.5
25.3
26.4
26.5
26.6
26.3
26.5
20~29歳
15.8
28.2
56
15~19歳
15.7
29.7
54.6
7~14歳
15.5
30.4
54.1
1~6歳
15
29.4
55.6
総数
16
26.5
57.5
0%
20%
40%
蛋白質
60%
脂質
80%
糖質
国民栄養調査 平成11年
100%
子どもの食事で困っていること(複数解答)
昭和60年(%)
平成7年(%)
77.0
81.4
遊び食い
38.6
43.4
むら食い
24.5
29.2
偏食する
18.8
24.9
食べるのに時間がかかる
21.7
20.6
小食
18.8
17.9
散らかし食い
14.7
13.6
よく噛まない
10.7
12.6
食欲がない
8.8
5.9
食べ過ぎる
3.5
3.6
早食い
2.1
2.1
その他
3.9
4.8
23.0
18.6
困っていることがある
困
っ
て
い
る
こ
と
が
あ
る
困っていることはない
厚生省『乳幼児栄養調査」1995
アメリカでの介入試験
1.National Cholesterol Education Program
1992
2.National School Program
給食内容の改善
3.The Child and Adolescent Trial for Cardiovascular
Health (CATCH)
摂食行動や身体活動などのプログラム
小児の運動不足の理由

小児人口の減少
遊び相手が少ない。過保護で激しい遊びをさせない
自動車などの交通機関の発達と普及
 体を動かす家事労働の減少
 室内娯楽の普及 テレビやテレビゲーム
 豊かになった生活習慣

部屋の冷暖房

受験の激化
発育期の運動不足による問題点

運動能力の発達障害
基本的な体力の発達低下
(巧みさ、運動の持続,力強さ、スピード)
運動嫌い
生涯スポーツが苦手
心身の発達の遅れ
 生活習慣病への移行

肥満児の増加
高脂血症、高血圧の増加