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確率・統計Ⅱ
第6回
検定(2)
1. 検定の注意点Q&A
2. 比率の検定
検定の注意点Q&A
① なぜ5%?
② なぜ否定したい仮説をたてる?
③ 棄却できない=採択する?
④ 「有意」ってどういう意味?
⑤ 危険率の意味って?
⑥ 検定の仕方で結果が違う?
⑦ 推定と検定の関係はどうなってる?
⑧ 確率が小さければ棄却していいの?
なぜ5%?
例:「硬貨投げで、10回中何回以上表が
出たら、異常に感じるか」
二項分布
Bn, p (r)n Cr  p q
r
n r
B10,1/ 2 (8)10C8 (0.5)  0.0439
10
B10,1/ 2 (9)10C9 (0.5)10  0.0098
B10,1/ 2 (10)  (0.5)  0.0010
10
なぜ5%?
例:「硬貨投げで、10回中何回以上表が
出たら、異常に感じるか」
だから
P( X  8)  B10,1/ 2 (8)  B10,1/ 2 (9)  B10,1/ 2 (10)
 0.0547
P( X  9)  B10,1/ 2 (9)  B10,1/ 2 (10)  0.0108
5%強
1%強
なぜ否定したい仮説をたてる?
例:「平均70gの卵を産む鶏にある薬を
与えたとき、卵の重さの平均値が上
がったかどうか知りたい」
検定したいこと: 薬を与えたときの平均値 μ>70 ?
仮定: μ>70
→ 何を計算すればいい?
真のμの可能性 μ=70.0, μ=71.5, μ=72.3,…
棄却できない=採択する?
-2.0
-1.0
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
たとえば標本平均の実現値が 3.5 だった場合
H0 : μ=2.0 H0’ : μ=3.0
どちらの帰無仮説も棄却できない。(他にもいろいろ…)
7.0
「有意」ってどういう意味?
統計的に有意…確率的変動でない、
はっきりした理由のある値や現象
検定の場合:
観測事実を確率的変動の範囲と考えてよいか?
帰無仮説ではそう考えることに無理がある
統計的に有意な理由がある → 対立仮説がその理由
「統計的に有意と考える限界」 = 「有意水準」
危険率の意味って?
H0が真なのに棄却してしまう
第1種の誤り
危険率
H0が偽なのに棄却されない
第2種の誤り
(防ぐには標本を大きくする)
どちらが重要か?
検定の仕方で結果が違う?
例: H0:μ=μ0 と仮定して、統計量Zの実現
値を計算したら Z=1.88 だったとする。
片側検定の場合 Z > 1.65
危険率5%でH0は棄却される
両側検定の場合 Z < 1.96
危険率5%ではH0 は棄却されない
検定の仕方で結果が違う?
例: H0:μ=μ0 と仮定して、統計量の実現
値を計算したら t=1.88 だったとする。
これって、
「μ> μ0 といえる」
のに
「μ≠μ0 とはいえない」
ってこと?
検定の仕方で結果が違う?
片側検定にするか両側検定にするかは、
調査目的により、前提条件をみ
て事前に決定しておくべきもの
調査結果をみてから決定すべき問題ではない
推定と検定の関係はどうなって
る?
例:母平均μの推定・検定
μの95%信頼区間 a ≦μ≦b
0 [a, b]
0 [a, b]
H0: μ=μ0 は有意水準5%で
は棄却できない
H0: μ=μ0 は有意水準5%で
棄却できる
確率が小さければ棄却していいの?
例:「硬貨投げで、10回中8回表が出た。
この硬貨は正常(表の出る確率 p=1/2)?」
P( X  8)  B10,1/ 2 (8)  0.0439
5%以下だから、仮説 p=1/2 は棄却できる。
…という推論は間違い!
確率が小さければ棄却していいの?
例:「硬貨投げで、10回中8回表が出た。
この硬貨は正常(表の出る確率p=1/2)?」
8回で異常なら9回表でも10回表でも異常なのだから、
P( X  8)  B10,1/ 2 (8)  B10,1/ 2 (9)  B10,1/ 2 (10)
 0.0547
5%以上だから、仮説 p=1/2 は(有意水準5%では)
棄却できない。
確率が小さければ棄却していいの?
0.3
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
0
0
1
2
3
4
5
6
7
9
10
}
この確率だけ見るのでなく
8
この確率を見なければならない
分布の中央部を除いた周辺部 = 末尾事象 が 棄却域!
検定(2)
1. 検定の注意点Q&A
2. 比率の検定
(復習)母平均の検定
母比率の検定
2 とする。
母分散σ
母分散は p0(1-p0) となる。
母平均μ=μ
母比率
p = 0p0と仮定 (帰無仮説 H0)
標本の大きさ n が大きい場合、
または(nが小さくても)
母集団が正規分布に従う場合
X
 p
X

00
Z Z 
は 標準正規分布に従う
p0 
(1  pn0 ) n
(復習)母平均の検定
母比率の検定
(有意水準5% , 両側検定の場合)
x  p0
と ±z
と 0.025
±z0.025
の大小をチェック
の大小をチェック
p0(1  pn0 ) n
つまり
xxp00
p0 (1  pn0 ) n
と ±1.96 の大小をチェック
[例題]母比率の検定
[1] 1つのサイコロを120回投げたところ、
1の目が27回出た。
このサイコロは異常であるといえる
か。有意水準5%で検定せよ。
[例題]母比率の検定
サイコロが正常なら1の目が出る比率
は1/6のはずだから、帰無仮説
H0 : p =p0 =1/6 をたてる。
n  120, x  27 / 120  0.225
であるから、統計量 Z の実現値は、
[例題]母比率の検定
x  p0
0
.
225

1
/
6
Z

p0 (1  p0 ) n
(1/ 6)  (5 / 6) 120
7 6

 1.71
10
これは標準正規分布の右側2.5%点
z0.025 =1.96 より小さいので、帰無仮説
H0 は棄却できない。
(すなわち、異常とはいいきれない。)
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