第七章 食事のマナー

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第七章
食事のマナー
食事のマナー
a) 接待を成功させるための準備
b) 和食、中華、洋食 様式別の席次
c) 和食のマナー
d) 中華のマナー
e) 洋食のマナー
接待前日までの流れ
①参加者を決める
➁日程を調整する
➂予算を組み立てる
➃会場を選ぶ
➄会場を予約
⑥日時、場所の連絡
⑦手土産、送迎の準備
⑧前日の最終確認
接待の会場とメニュー選いての
6つのポイント
➀相手の嗜好に合わせ
る
➁目的にあわせる
➂アクセスが便利な場所
にする
➃話題の店もチェックし
てみる
➄できるようなら事前の
下見を
➅料理はコースを選ぶ
接待側の注意
<接待する相手と同格か、
上格者がもてなす>人を
もてなすには、礼儀を踏まえた行動が
求められます。接待する側は、相手と
同格、または上格者が対応するように
します。接待する相手が自分より上格
のときは、上司に同席をたのむように
しましょう。
<どんな時も主客を優先する>
入店のとき、店のスタッフが席まで案内してくれるとき、席に着くとき、いずれの
シチュエーションでも、主客、女性、目上の人の順番で事を運びます。
<接待する側は遅刻厳禁>
接待する相手が席に来てしまうのは、絶対に避けたいことです。時間に余裕を持って、
早めに会場に入るようにしましょう。また、相手を出迎えるときは、接待する側は全員で
行うのが礼儀です。
b) 和食、中華、洋食
様式別の席
和室の場合
中華の場合
洋食の場合
➀
の床 に 床
前棚 し の
(た間
床席
が
のが
間最あ
のもれ
隣上ば
の座、
そ
違 れ
に
い。を
棚次
)は背
➂
➁
席い
がず
下れ
座も
出
入
り
口
に
近
い
口床
かの
ら間
遠が
いな
とい
こ場
ろ合
がは
上出
座入
。
中華の場合
➀中華の円卓では、
出入り口からもっとも遠
い席が上座。
➁下座は出入口に
いちばん近い席で上座の
向かい側。
➂中華料理のレス
トランなどでは主賓が席
に着くまで出入口近くで
待ちます。
洋食の場合
●ドアから遠い席が上座。
近いほど下座になります。
●あいさつが済んでから、
すすめられた場所に座り
ます。
●上座だからと遠慮すると、
かえって迷惑に。
●特に指定がない場合は、
下座に座るのが礼儀。
-和食のマナーとは?-
一口に和食と言っても、本膳料理、懐石料理、
会席料理、精進料理…と、それぞれの伝統に
支えられた格式の料理があります。しかし、
うつりゆく李節の味覚、香り、彩り、情趣を
大切にしているのは変わりません。料理をい
ただくときも同じことです。それには場の雰
囲気を損なわず、盛りつけの美しさも最後ま
で大切にして味わいましょう。
座
る
本膳料理
お椀もの
煮
会席料理
懐石料理
お 造 り
物
焼 き 魚
お酒の飲み方
箸
方気をつけたい箸の使い
懐
紙
食事を終わる
お酒の飲み方
• 日本料理では、最初の一
献は必ず日本酒が勧めら
れますから、飲めない人も
最初の一杯だけは受ける
のがマナーです。杯は糸底
に手を掛けて取り、左手を
添えてお酌を受け、いった
ん膳の上に置いて、主客に
続いて「いただきます」と軽
く会釈して両手
• で杯を取り上げます。飲め
ない人は、ちょっと口をつけ
る程度にして、あとは杯を
ふせて置きます。飲める人
でも、女性は一口に飲まず、
半分ぐらい飲んで一度膳に
置き、またいただくようにし
ます。
座いすがある時はお膳に向かって左
から、ない時は後ろから座ります。正座
は座り慣れていない人にはつらいもので
す。
「足をくずしてリラックスなさって下
さい」と早めに声をかけてあげるのも、
もてなす側の大切なマナーです。
女性が足をくずす場合は、体の斜め
後方、下座側へそろえて流します。 座
布団に座る時や降りる際に、座布団を踏
んだり、その上で立ち上がったりしない
ようにしましょう。
座布団には四辺のうち、一辺にだけ
縫い目がありません。 ここを「輪」と
よび、座布団の正面になることを覚えて
おきましょう。
会席料理とは冠婚葬祭
などに使われてきた本膳料
理と呼ばれた宴席用の料理
を簡素化したもので、現在
では料亭や旅館、結婚披露
宴などで出される一般的な
和食となっています。 会席
料理は最初に全品が並べら
れている場合と一品づつ出
される場合があります。
美しい食器を鑑賞しな
がら、正しい作法でおいし
くいただきましょう。
もっとも格
式の高い、和
食の正式なス
タイルです。
脚つきの膳が
使われます。
• 茶の席でお茶を飲
む前に出される料
理。一汁三菜の軽
い料理です。
左手をお椀に添え、右手で静
かにふたを取ります。
ふたを両手で持ち、ふたの内
側を上にして右脇に置きます。
もし、汁物などでふたが開か
ない時は右手でふたの糸底を持ち、
左手で椀の縁をはさみつけるよう
に押すと簡単に開きます。
小皿に醤油を入れて左手に持ち、わさびを直接さしみの上にのせて少量
つけていただきます。
もちろん、わさびを小皿に溶いてから食べてもかまいません。
醤油を垂らさないように小皿を口元まで近付けて食べましょう。
刺身は白身から食べると良いとされています。 料理は淡泊なものから
味の濃いものへと順に食べると、それぞれの味が楽しめると言われているか
らです。
シソなどの薬味は手で取って醤油に落としてもマナー違反ではありま
せん。刺身のつまはただの飾りではなく、消化を助ける役目があります。
季節の野菜や魚介類を煮た料理
です。温かいものは温かいうちにい
ただきましょう。
しずくが垂れそうな料理が小さ
めの器に入っていたら、器を手に持
ってもかまいません。
大きめの器の場合は、器を置い
たまま左手の懐紙で受けます。
一口で食べきれない大きさのも
のは無理にほおばらず、器の中で切
るか二度に分けて食べるとよいでし
ょう。
尾頭付きの魚は、頭から尾に向かって
箸を入れていくと身がほぐれて食べやすい
ものです。
上の身を全部食べ終わったらひっくり
返さずに、中骨と身の間に箸を入れて、下
の身をはずします。
はずした骨は皿の向こう側へ置き、
下の身を食べます。
焼き魚は食べ方のむずかしい料理の代
表格。
食べ終わったあと、皿の上が見苦し
くないようきれいに食べたいものです。
口に残ってしまった小骨は、口元を隠
しながら箸で取り出し、皿のすみに置きま
す。
正式な日本料理の席では、懐紙
は必需品です。
受け皿がわり、手や箸先、お膳
の上をふいたり、食べ物を押さえた
り、食べ残したものを包んだりとた
いへん便利なものです。
いつでも使えるように何枚か重
ねて二つ折りにし、着物なら懐に、
洋服ならバックにしまっておきます。
使い終わった懐紙は、目につか
ないところにまとめておき、最後に
持ち帰ります。
和食をいただく際、最
も基本となるのが、箸使い
のマナーです。
美しい箸使いをするこ
とで同席者にいい印象を与
え、楽しい宴を演出しまし
ょう。
食べ終わった食器のふたは元通りに戻し、
箸は結んだ箸袋の間にはさんでおきます。
食べ残したものは、皿の手前に見苦しくな
いようにまとめましょう。
女性の場合、器などに口紅が付いてしまう
ことがありますから、懐紙やティッシュできれ
いにふきとるようにします。
食後の膳の上を整えるまでが食のマナーと
いえるでしょう。
退席するときはまず主客、それから上座の
人、下座の人の順序で席をたちます。
-中華のマナーとは?-
中華料理は気候、風土によって各地
方ごとに独特の料理が発達したものです。
その味は北京料理、上海料理、広東料理、
四川料理の4種類ぐらいに分けることが
できます。どの料理も和食や洋食に比べ
てあまりマナーの規定はありません。さ
ほどマナーにこだわらず、皆で食事を楽
しもうというのが中華のマナーです。
料理を取るのは主賓から
料理はまず主賓のところ
に回します。回転台は時計回り
にし、自分が料理を取るときは、
料理が最後の人まで十分に行
き渡るように、配分を考えます。
また、大皿から料理を取るため
の取り箸がついているときは、
自分の箸で取らないこと。料理
が一回りしてもあまっているよう
ならおかわりも0kです。ただし、
一度取った料理は残さないよう
にします。
中国茶の飲み方
本格的な中国
茶は、左手で茶托
ごと持ち、右手で
蓋を少しずらし、
茶葉が口の中に
入らないように飲
みます。
④
パ
ー
ス
ー
(
あ
め
だ
き
)
③
カ
ニ
の
は
さ
み
揚
げ
②
殻
付
き
え
び
①
北
京
ダ
ッ
ク
賞
味
方
法
中
華
料
理
の
独
特
な
北京ダックの食べ方
春餅にみそ、
細ねぎ、ダックをの
せ、下端を折り、
次に横から巻くよ
うにして包みます。
これを手に取り、
具がこぼれないよ
うに注意して食べ
ます。
殻付きえびの食べ方
車えびなどの
殻はそのまま口に
入れしゃぶって賞味
します。後、殻を箸
で口から出し、取り
皿にまとめておき、
ウエーターに下げて
もらいます。
カニのはさみ揚げの食べ方
はさみを両
手で持って左右
に裂いて開き、裂
け目のところから
中身を取り出して
食べます。
パースー(あめだき)の食べ方
熱いうちに箸
で取り、一緒に運
ばれる小鉢の水に
いったんつけ、あ
めを固まらせてか
ら、取り皿に移し
食べます。
-洋食のマナーとは?-
洋食のマナーは苦手という人も臆
する必要はありません。おいしいお料
理を皆で楽しくいただく気持ちが大切
です。 よほど正式なスタイルでないか
ぎり、基本マナーさえ押さえていれば
堅苦しく考えなくてよいでしょう。自
分のペースで食事を楽しみましょう。
テーブルにつく
スープ
肉料理
食事を終わる
オードブル
魚料理
デザート・フルーツ・コーヒー
レストランでは西洋の生活習慣にのっ
とり、レディファーストが基本となります。
まず、レストランへ入る時は男性が
扉を開け、女性が先に中へ入ります。
女性は店の人が案内してくれた席の左
側に立ち、男性が椅子を引いてくれるのを
待ちます。
男性はそのまま女性がその引いた椅子
の正面に立つのを待ち、椅子を寄せて女性
を座らせます。
テーブルとお腹の間を握りこぶし二つ
くらい開けて座ると、動きやすく、美しく
も見えます。
食欲をそそるように、彩りよく出される
オードブル。
西洋料理はオードブル(前菜)から始ま
ります。
ずらりと並んだナイフやフォークは苦手と
いう人も多いのですが、使う順序は原則的に
は外から、奥からと覚えておくと簡単です。
一番外側のナイフとフォークを使い、テ
リーヌなどの柔らかい料理でもソースをから
めながら一口ずつ切って食べましょう。
小さなカナッペのようなものは手で食べ
てもかまいません。
スープは左手を皿のふちに
軽く添え、手前から向こうへす
くって、音をたてないように食
べます。
スプーンは、鉛筆を握るの
と全く同じように持つと扱いや
すく、口に入れやすいものです。
魚料理はナイフとフォークを使い、左か
ら一口ずつ切って食べます。レモンの輪切り
がついていたら、ナイフの先かフォークの背
で押してしぼり、しぼったレモンは皿の向こ
う側へ置きましょう。
骨がある場合は骨にそってナイフを入れ、
上の身を先に食べます。
上の身を食べ終わったら、フォークで身
を押さえながら、ナイフを使って中骨をはず
します。
続いてナイフとフォークで中骨を持ち
上げ、皿の向こう側に置いて、そのまま下の
身を食べます。
ステーキなどの肉料理は左の端から一口分ず
つ切って食べます。
最初に全部切ってしまうと、おいしい肉汁が
出てしまいます。
骨付き肉の場合は、フォークで肉が動かない
ように押さえ、ナイフで肉を開きながら骨をはず
してから食べます。
ただし、骨の先に紙がまいてあったり、フィ
ンガーボールが出ている場合は手で持って食べて
もかまいません。
ブロシェット(金串焼き)の場合は食べる前
に金串からナイフで具をすべて引き抜きます。
抜いた金串は皿の向こう側に置き、一口大に切っ
て食べます。
デザートには果物、ケーキ、アイスクリーム、コーヒーなどが
出てきます。
ケーキの場合はナイフとフォークを使って一口大に切って食べ
ます。
コーヒーは熱いからといって、息を吹きかけたり、音を立てて
すすったりしないで飲みましょう。
正式なマナーでは果物もナイフとフォークを使って食べますが、
慣れていないとなかなか難しいものです。
料理を味わうゆとりを持つことを第一にあまり形式にとらわれ
すぎないようにしましょう。
食事終了のサイン
は、ナイフとフォークは
皿の上に斜めにそろえ
て置きます。そのとき、
ナプキンは、おおざっぱ
にたたんでテーブルの
上に置きます。服装の
乱れに気を配ってから
立ち上がります。
チェックポイント:
○ビジネス相手を接待する場合、事前準備とし
て何をちゃんとしなければなりませんか?
○和食、中華、西洋料理のマナーの共通点は何
ですか?
○床の間のある和室でビジネス相手を接待する
場合、席次をどう決めますか。