奉仕活動の実践は個人奉仕を原則とする。

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Transcript 奉仕活動の実践は個人奉仕を原則とする。

ロータリー研修シリーズ

セントルイス宣言 徹底的解析

製作 2680 地区 PDG 田中 毅

なぜ

決議

23-34 は 重要なのか

決議

23-34 は ロータリーにおける すべての活動の 指針である

• • 採択当初のタイトル 綱領に基づく諸活動に関するロータリーの 方針を再確認し、国際ロータリーとロータ リークラブにおける今後の手引きとなる原 則を定めること 現在のタイトル 社会奉仕に関するロータリーの方針 当初は、ロータリーのすべての活動を 規制する指針として作られたが 四大奉仕移行に伴って 会奉仕に名称変更された 社

Community の解釈

• 古典的な Community の範囲 家庭・職場・業界全体・町・国・社会全体 • 四大奉仕に基づく Community の解釈 狭義の地域社会・・・社会奉仕 • ボーダーレス社会の Community の解釈 地球全体が一つの Community

決議

23-34 は ロータリーの 奉仕理念を定めた 唯一のドキュメント

Ideal of Service

• ロータリーは基本的には一つの人生哲学 である • 利己的な欲求と利他の感情の間の葛藤を 和らげる哲学である • その哲学は Service Above Self の哲学であり He Profits Most Who Serves Best 践倫理に基づくものである の実

ロータリーにおける 奉仕理念の変遷

ロータリー設立の動機

ロータリー設立の動機

大都会に住むすべ ての人はライバル 孤独感と疎外感に 加えて、いつ過酷 な自由競争に敗北 するかもしれないと いう恐怖感が付き まとっていた

初期のロータリー思考

殺伐とした大都会の中でお互 いに胸襟を開いて、どんなこ とでも語り合える友人をつくる シカゴ・クラブ定款 1. 会員の事業の利益の増大 2. 社交クラブに付随する親睦 Back Scratching の世界

• • • 会員同士の物質的相互扶助 原価取引 統計係 Statistician の設置

対社会的な奉仕概念の導入

ドナルド・カーター 利己的な組織には永 続性がない。 ロータ リークラブとして生き 残り、発展することを 望むならば、我々の 存在を正当化するた めに何ごとかをしな ければならない。 物質的 相互扶助 社会に対す る奉仕活動

公衆便所設置運動

• 市民団体の代表を集め、連合公衆 便所建設委員会を設立 • シカゴ醸造組合と百貨店組合の妨害 を受けて 着工まで2年がかかる • 1909年に市役所と公立図書館の横 に二つの公衆便所を設置 単なる寄付行為でないことが特徴

職業奉仕理念の導入

最もよく奉仕する者、最も多く報いられる 職業奉仕のモットー

アーサー フレデリック シェルドン

• ミシガン大学経営学 部修士課程で販売学 専攻 • 1902 年 ビジネスス クール開校 サービ ス理念を中核にした 販売学を教える • 1908 年 シカゴ・クラ ブ入会

奉仕理念の提唱

• 1910 年 シカゴ大会 • 1911 年 ポートランド大会 私の宣言 • 1913 年 バッファロー大会 事業を成功させる哲学と職業倫理 • 1921 年 エジンバラ大会 ロータリー哲学 He profits most who serves best

• 正しい経営学とは他人に利益をもたらす こと • • 販売学と は他人に対して奉仕する学問 事業を営むことは、経営学という学問を 実践すること • 事業の発展は、末長く利益をもたらす顧 客を確保すること・・・リピーターの確保

• 大きな Service を行えば、大きな profits が 得られる 原因結果論 • • Service を行った人が現世において受け取 る見返りが profits である 利他の心を持って、他人の成功を願うこと が、自らが成功する秘訣である • 職業は利益を得るための手段ではなく、 社会に奉仕するために存在する • 実業家の倫理基準を、専門職種の倫理 基準に引き上げる

リピーターを得る具体的経営方法

• • • • • • 適正な価格 経営者・従業員の接客態度 品揃え 公正な広告 取扱い商品に対する知識 アフター・サービス サービス 高い職業倫理

事業における人間関係学

• • • • 自分が事業上得た利益は、自分ひとりのもので はない。 自らの事業は、従業員、取引業者、顧客、同業者 によって支えられている。 これらの人々と、利益を適正に配分すれば、自ら の事業は継続し発展することを、自らの事業所で 実証する。 自らそれを実証することによって、業界全体の職 業倫理を向上させる。 He profits most who serves best

職業奉仕理念の具体化

• • • 1913 年 バッファロー大会 事業上適用すべき実践例の収集 • 1915 年 サンフランシスコ大会 「職業人のためのロータリー道徳律」 として、正 式承認される。 • 1916 年 「 A Talking knowledge of Rotary 」に収 録、配布される。 道徳律を事業場、業界で実践する活動の展開 四つのテスト

四つのテスト

ハーバート・テーラー 1954 年 RI 会長 1932 年、倒産寸前のク ラブ・アルミニューム社 再建のために考え、実 践したスローガン 1954 年、その版権を RI に寄贈

Four way test 1. Is it the truth ? 2. Is it fair to all concerned ?

3. Will it build goodwill and better friendships ?

4. Will it be beneficial to all concerned ? 1.真実かどうか? ?

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社会奉仕理念の導入

超我の奉仕 人道的奉仕活動のモットー

Service - not self 1911 年 8 月 22 日 米国ロータリークラブ 第 2 回年次大会 ポートランド大会 2 日目 コロンビア川をさかのぼ るクルージング B. Frank Collins ミネアポリスクラブ会長 即興演説

自らの利益を得るために、ロータリーに参 加するのは間違い いろいろな機会を通じて、会員同士の取引 を拡大する 会員同士の相互取引には限界があるので、 その対象をロータリアン外に広げる必要が ある 従来は会員同士で行っていた取引を ロータリアン以外の人にも広げていく

Service - not self スピーチの一フレーズに過ぎない。 大会における採択も議事録への記載もない Service る - not self の真意が誤解されて伝わ 「 Golden Strand 」の誤った解釈 Service - not self の解釈が、「自己の存在 を否定して他人に奉仕すること」と取り違え られる 自己犠牲の奉仕・・・無我の奉仕

Service above self 自己の存在を認めた上で、他人に奉仕す る意味を含めて Service above self が使わ れるようになる Service - not self Service above self Service before self の混在 1920 年から、 Service above self が使 われるようになる

ロータリーの奉仕理念

Service above self He profits most who serves best • 1950 年デトロイト大会で 共にロータ リー・モットーとして採択される 共に貴重なロータリーの奉仕理念として 遵守されなければならない。 He profits most who serves best が廃止さ れようとしている。 理念喪失の危機

身体障害児対策

• 1913年、シラキューズ・クラブによるリハビ リテーション実施 • 1915年、トレド・クラブによる肢体不自由児 への教育事業 • エリリア・クラブによるオハイオ身体障害児 協会の設立 • 1939年、エリリア・クラブのエドガー・アレン による国際身体障害児協会設立

奉仕活動の実践をめぐる論争

利益の 適正配分 理念提唱 職業倫理 高揚 個人奉仕 自己改善 人道主義 的活動 実践活動 金銭的 奉仕 団体奉仕

理事会の対応

• • • • • 決議 22-17 身体障害児対策の推奨 ロータリアンが身体障害児対策に狂奔す ることを戒める理事会決定 決議 23-8 全米身体障害児協会を支援し、 人頭分担金 1 ドルを徴収する シカゴクラブは激しい反対運動を行い決 議 23-29 を提案して対抗 決議 23-8 、決議 23-29 を取り下げ、その代 わりに決議 23-34 を提案することで収拾

決議 23-34

• • • 提案者 決議委員会 委員長 委 員 Will Manier Jr.

Donald Adama Frank Hatfield George Snedecor Herbert Wilson Paul Westburg が起草したという説は誤り

決議23-34 職業奉仕と社会奉仕の理念の調和

序 文 社会奉仕とは・・・広義の Community Service すべてのロータリアンが、個人生活 ( 家庭 生活 ) 、事業生活、社会生活に奉仕の理 念を適用すること

決議23-34 第1条

ロータリーは人生哲学 利己的な欲求 他人への奉仕 相反する二つの心の葛藤を調和 奉仕哲学 Service Above Self 実践理論の原理 He Profits Most Who Serves Best

決議23-34 第2条

ロータリークラブの役割 • 奉仕の理論を団体で学ぶこと • 奉仕の実践例を団体で示すこと • 奉仕活動の実践を個人で行うこと • ロータリーの奉仕理念と実践を一般の 人に受け入れてもらうこと

決議23-34 第3条

RIの役割 • 奉仕理念の育成と普及 • ロータリークラブの拡大、援助、管理 • 情報の相互伝達 • クラブ運営の標準化、社会奉仕活動 の標準化

決議23-34 第4条

ロータリー哲学は実践哲学 奉仕するものは行動しなければならない 団体奉仕活動の条件 • 毎年一つの新しいプログラム • 単年度で終了するもの • 地域社会が必要とするもの • クラブ全員の協力が得られるもの

決議23-34 第5条

クラブ自治権 • クラブは地域社会に適した奉仕活動を 選ぶ絶対的権限をもつ • クラブはロータリーの綱領に違反した り、クラブ存続を危険にする奉仕活動 を行ってはならない • RIはクラブが行っている奉仕活動を禁 じたり、命令することはできない

決議23-34 第6条

社会奉仕活動の指針 • 他機関との重複活動の禁止 • 大規模な奉仕活動は、他に適切な組織が ない場合のみに限ること • 宣伝目的の活動禁止 • 奉仕活動の実践は個人奉仕を原則とする。 クラブが行う団体奉仕活動はサンプルに 過ぎない

現行決議 23-34 の問題点

• 2001 年の規定審議会における性限定 用語使用中止の決定に伴って、 He profits most who serves best の文章全体を抹消 • 結果的にロータリーの職業奉仕理念の 否定につながる • 規定審議会の承認なしに、決議案の文 面を変更することは、重大な規約違反

社会奉仕 今後の対応

人道的奉仕活動の場の拡大 • • Community の拡大解釈 世界社会奉仕 社会奉仕 国際奉仕 ロータリー財団 国際奉仕を含めた全ての人道的奉仕活動 Service above self

社会奉仕活動実践の原則

• • 私たちが地域社会のニーズを推測するのでは なく、地域社会の人たちが必要だと感じるもの を見つける 自らが地域社会に入り込んで、地域社会の関 心を探る 元 RI 会長 クリフ・ドクターマン • 地域社会の既存団体に寄付するのではなく、 自分たちの力で、プロジェクトを完成すべき 元 RI 会長 グレン・キンロス

21 世紀の地球環境

年 2005 2025 2050 度 世界総人口 64 億 5105 万人 78 億 9798 万人 92 億 2437 万人 先進国人口 11 億 8797 万人 12 億 1489 万人 11 億 5540 万人 • • • • • 開発途上国・発展途上国の人口爆発 開発途上国・発展途上国の先進国化 先進国の少子化、地域格差の増大 環境破壊、資源の枯渇 貧困を原因とする地域紛争

• • • • 地球人口は確実に増加する • 50 年間で地球上の資産を使い切った愚 かさ 物質至上主義からの決別 価値観の変化 人類愛に基づく分かち合いの精神 ロータリーの存在価値

ロータリー研修シリーズ

セントルイス宣言

製作 2680 地区 PDG 田中 毅