Transcript 寄付額2 - 源流の会
ポリオ寄付の新しい流れ • 2009年1月21日の国際協議会で、ビ ル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団が世 界ポリオ撲滅活動のために2億5,500 万ドルの追加寄付をしたことを発表 • これに応え、ロータリーも追加の1億ド ルを独自に募金することを決定 ポリオ撲滅運動の経緯 • 1979年 3-Hプロジェクトとして、5年間フィ リピンにおけるポリオの予防接種実施 • 1985年 ポリオ・プラス」を開始し、1億 2,000万ドルの寄付を誓約する • 1988年 寄付額2億4,700万ドル • 1995年 寄付額5憶8,100万ドル 2005年にポリオ撲滅宣言をすることを決定 ポリオ撲滅運動の経緯 • 2000年 西太平洋地域がポリオ無発生地 域と宣言 • 2002年 ヨーロッパ地域がポリオ無発生地 域と宣言 • 2007年 寄付額6憶2,000万ドル • 2007年11月 ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ 財団が1憶ドル寄付 国際ロータリーは1億ドルの追加寄付 ポリオ撲滅プロジェクトの疑問 • ポリオ撲滅までは、他のコーポレート・ プロジェクトは採択されないのか • ポリオ撲滅のみが、地域社会のニー ズに適ったプロジェクトなのか • いつまで続けるのか • ポリオ撲滅は可能なのか 実施上の疑問 • 奉仕プロジェクトの選択はクラブの自 治権の範疇 • 財団への寄付は個人の意思 • プロジェクト実施の真意 • 他団体との連携に関する問題 • 財団の管理運営に関する問題 第12回源流セミナー 製作 2680地区 PDG 田中 毅 ロータリーの奉仕理念 • 職業奉仕理念 He profits most who serves best • 人道的奉仕活動の理念 Service above self 社会奉仕・世界社会奉仕 ロータリー設立の動機 大都会に住むすべ ての人はライバル 孤独感と疎外感に 加えて、いつ過酷 な自由競争に敗北 するかもしれないと いう恐怖感が付き まとっていた 初期のロータリー思考 殺伐とした大都会の中でお互 いに胸襟を開いて、どんなこ とでも語り合える友人をつくる シカゴ・クラブ定款 1. 会員の事業の利益の増大 2. 社交クラブに付随する親睦 Back Scratching の世界 • 会員同士の物質的相互扶助 • 原価取引 • 統計係 Statistician の設置 弱者に対する慈善活動 • 農夫と馬 • 新聞売りの少年 対社会的な奉仕概念の導入 フレデリック・ツイードとドナルド・カーターの 共同声明文 対社会的奉仕活動の必要性 物質的 相互扶助 社会に対す る奉仕活動 公衆便所設置運動 • 市民団体の代表を集め、連合公衆 便所建設委員会を設立 • シカゴ醸造組合と百貨店組合の妨害 を受けて 着工まで2年がかかる • 1909年に市役所と公立図書館の横 に二つの公衆便所を設置 D.カーターとF.ツイードの発案 ロータリーの 二つの 奉仕理念 最もよく奉仕する者、最も多く報いられる アーサー F. シェルドン 超我の奉仕 社会奉仕・世界社会奉仕 身体障害児対策 • 1913年、シラキューズ・クラブによるリハビ リテーション実施 • 1915年、トレド・クラブによる肢体不自由児 への教育事業 • エリリア・クラブによるオハイオ身体障害児 協会の設立 • 1939年、エリリア・クラブのエドガー・アレン による国際身体障害児協会設立 奉仕活動の実践をめぐる論争 利益の 適正配分 職業倫理 高揚 理念提唱 人道主義 的活動 自己改善 個人奉仕 実践活動 金銭的 奉仕 団体奉仕 理事会の対応 • 決議22-17 身体障害児対策の推奨 • ロータリアンが身体障害児対策のみに狂 奔することを戒める理事会決定 • 決議23-8 全米身体障害児協会を支援し、 人頭分担金1ドルを徴収する • シカゴクラブは激しい反対運動を行い決 議23-29を提案して対抗 • 決議23-8、決議23-29を取り下げ、その代 わりに決議23-34を提案することで収拾 なぜ 決議23-34 は 重要なのか 決議23-34 ロータリーの綱領に基づく すべての活動に対する指針 第一条 ロータリーの奉仕理念 • 利己的な欲求と利他の心との間の矛盾を 調和する人生哲学 • 二つの奉仕理念 • He profits most who serves best • Service above self 決議23-34 ロータリーの綱領に基づく すべての活動に対する指針 第二条 ロータリークラブの役割 • 奉仕理念を団体で学ぶ • 実践例を団体で示す • 個人が日常生活で実践する 決議23-34 ロータリーの綱領に基づく すべての活動に対する指針 第三条 RIの役割 • • • • 奉仕理念の普及 拡大と管理 情報提供 クラブ運営の標準化 グローバル・スタンダード化 中間管理体制 決議23-34 ロータリーの綱領に基づく すべての活動に対する指針 第四条 実践哲学の定義 • 理念の提唱だけではなく、客観的な行動が 必要 • 団体的奉仕活動の諸条件 社会のニーズを満たす奉仕活動 決議23-34 ロータリーの綱領に基づく すべての活動に対する指針 第五条 クラブ自治権の定義 • クラブは奉仕活動の実践に関する絶対的 な権限を持っている • RIはクラブに奉仕活動の実践を命令したり 干渉することはできない 決議23-34 ロータリーの綱領に基づく すべての活動に対する指針 第六条 クラブの団体奉仕活動の制限 • • • • 大規模プロジェクトの禁止 宣伝目的の活動の禁止 他団体との重複事業の禁止 サンプルとしての団体奉仕活動 決議23-34撤廃の動き ロータリー・モットーがロータリーの奉仕理 念であることを明記した唯一のドキュメント が決議23-34である • • • • • 第二モットー廃止の動き 手続要覧から決議23-34の削除 1984年 第二モットーの格下げ 第二モットーの使用停止 手続要覧からの第二モットー削除 ビル・サージャント元RI副会長とエド・ フタ RI事務総長の2007年11月開催の RI理事会に対する提案 • 決議23-34は、社会奉仕の理念やRIや クラブの方針を必ずしも正確に説明して いないように思われる • ロータリー章典や手続要覧の改訂版か らこの声明を削除する 具体的理由 • アメリカに限定して、小規模な商売人で構 成されていた時代に作られた組織なので 現代にそぐわない • 現在のクラブの社会奉仕活動とは合致し ない。これを遵守すれば何もできなくなっ てしまう • 決議23-34に敢えて違反したので、ポリオ や3-Hが可能になった • 当時の仕立屋や靴屋にはこの問題が あったとしても、現在利己と利他との 調和に悩む人はほとんど存在しない • RIはプロジェクトの提案だけではなく 指示をすべきである • 他の組織が全くそれをしない場合だ け奉仕活動を実施するのならば、何も できない 奉仕活動の実践はクラブ自治権の範疇 2008年1月の理事会決定 • 決議23-34は、社会奉仕の理念やRIや クラブの方針を必ずしも正確に説明して いないように思われる • 今後の手続要覧の改訂版に、決議2334を歴史的文書として保存すること • 1923年の声明が歴史的な価値を有する ものとして、手続要覧に記載されている ことを言及する文をロータリー章典に含 めること 2008年11月 ロータリー章典 • 決議23-34の本文抹消 • 歴史的文書としての記載なし • 1923年の社会奉仕に関する声明 理事会は、歴史的な価値を考慮して 手続要覧の将来版の発行に当たって 社会奉仕に関する1923年の声明を含 めることを事務総長に要請した。 • 世界は絶えず変化しています。そして私た ちは世界とともに変化する心構えがなけ ればなりません。ロータリー物語は何度も 書き替えられなければならないでしょう • ロータリーがその適正な運命を理解すると したら、ロータリーは必ず進歩しなければ なりません。時には革命が起こる必要が あります ポール・ハリス語録より 変えてはならないもの ロータリー哲学 ロータリーの奉仕理念 He profits most who serves best Service above self 変えなければならないもの • RI・地区、クラブの管理運営 • 奉仕活動の実践 大連宣言 古沢丈作 • 須らく事業の人たるに先立ちて道義の人た るべし。蓋し事業の経営に全力を傾倒する は因って世を益せんがためなり。ゆえに吾 人は道義を無視していわゆる事業の成功 を獲んとする者に与せず。 • 成否を日うに先立ち退いて義務を尽さむこ とを思い進んで奉仕を完うせんことを念う。 自らを利するに先立ちて他を益せむことを 願う。最も能く奉仕する者、最も多く満たさ るべきことを吾人は疑わず。 大連宣言 古沢丈作 • あるいは特殊な関係をもって機会を壟断し あるいは世人の潔しとせざるに乗じ巨利を 博す、これ吾人の最も忌むところなり、吾 人の精神に反してその信条を紊るは利の ため義を失うよりはなはだしきは無し。 • 義をもって集まり、信をもって結び、切磋し 琢磨し、相扶け相益す。これ吾人団結の本 旨なり。しかれども党をもって厚くすること なく他をもって拒むことなく私をもって党す る者にあらざるなり。 大連宣言 古沢丈作 • 徒爾なる角遂と闘争とは世に行なわるべ からず、協力をもって博愛平等の理想を実 現せざるべからず、しかり吾が同志はこの 大義を世界に敷かむがために活躍す吾が ロータリーの崇高なる使命ここに在り、そ の存在の意義またここに存す。 新しい声明の策定 • ロータリーの理念とすべての奉仕活 動の実践の指針 • ロータリー哲学の再確認 • RIとクラブとロータリアンの役割を明 確に規定する • 現在の人道的奉仕活動のニーズに 適った指針 人道的奉仕活動の分類 Community の解釈の変化 • 広義のCommunity 家庭、職場、業界、町、国 • 狭義のCommunity Service 地域社会における奉仕活動 • 広義のCommunity Service 地球全体が一つのCommunity 世界社会奉仕 世界社会奉仕 WCS とは 地域社会の ニーズに基づく プロジェクト 人 的 資 金 的 制 約 その地域の クラブによる 社会奉仕活動 外国のクラブ・地区 との共同事業 共に奉仕活動を実践したという達成感 WCSプロジェクトの選択 • WCSプロジェクト 交換表の活用 • 地区やクラブに よる現地調査 • 他クラブとの共 同事業も可能 • トゥイン・クラブに よる共同事業 実施上の留意点 • • • • • • • プロジェクトの事前調査 援助要請クラブの現況調査 送金方法の選択と確認 プロジェクト進行状況確認 プロジェクト完了の確認 財務処理の確認 運営状況の定期的確認 マニラ市内のストリート・チルドレン 乳幼児無料健診 電動ミシン授産所建設 母子栄養相談 ケソン地区 スープ・アンド・キッチン CLEによる授業風景 1 CLEによる授業風景 2 人道的奉仕活動実践の原則 • 私たちが地域社会のニーズを推測するのでは なく、地域社会の人たちが必要だと感じるもの を見つけて実施する • 自らが地域社会に入り込んで、地域社会の関 心を探る 元RI会長 クリフ・ドクターマン • 地域社会の既存団体に寄付するのではなく、 自分たちの力で、プロジェクトを完成すべき 元RI会長 グレン・キンロス 活動資金の調達方法 • 本会計より予算化 • 日本では一般的ではない • プロジェクトを事前に決定する必要が ある • ニーズの変化に対応しにくい • 予め予算化しにくい 活動資金の調達方法 • • • • • ニコニコ箱より支出 日本では一般的な募金方法 アメリカの Fine (罰金)とは異なる 慶事中心なので集め易い・・歳入超過 余剰金の処理・・安易な寄付行為 ・・本会計への流用 • 昨年度実績を繰り越して支出 • 本年度予測より支出 活動資金の調達方法 • 目的別集金 • 外国では一般的な募金方法 • 実績に基づくので無駄がない • 活動計画・・募金・・実施 完結型 Sunshine Committee 活動資金の調達方法 • 地区からの資金提供 • 地区補助金 DDFの20% • ボランティア奉仕活動補助金 個人 $3,000 グループ $6,000 • マッチング・グラント クラブ・個人 50% DDF 100% • 3-H 補助金 $100,000~$300,000 21世紀の地球環境 21世紀の地球環境 年 度 2010 2025 2050 • • • • • 世界総人口 68億6千万人 80億3千万人 95億4千万人 先進国人口 11億8千万人 12億1千万人 11億5千万人 開発途上国・発展途上国の人口爆発 開発途上国・発展途上国の先進国化 先進国の少子化、地域格差の増大 環境破壊、資源の枯渇 貧困を原因とする地域紛争 人口爆発の抑制 • 計画的出産 • 発展途上国の若い女性の識字率向上 • • • • 非識字者・・10億人 成人の25% 女性の2/3 アジア人・・75% • 地球人口は確実に増加する • 食料を燃料に代える愚かさ • 50年間で地球上の資産を使い切った愚 かさ • 物質至上主義からの決別 • 価値観の変化 • 人類愛に基づく分かち合いの精神 ロータリーの存在価値 ロータリーが生き残る道 • ロータリー固有の奉仕理念の堅持 職業奉仕を捨て去り、ボランティア組織に移行す ることの愚かさ • 組織管理運営方法の改革 地域的特色や言語を尊重した中間管理組織 グローバル・スタンダードに基づいた管理運営 • 社会のニーズに適応した奉仕活動の実践 地域社会の人々が真に望むプロジェクトの実施 第12回源流セミナー 製作 2680地区 PDG 田中 毅