Ⅲ 具体的な改善事項 - 徳島県立総合教育センター

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教育課程研究集会資料
新学習指導要領の手引(小学校特別活動)
徳島県立総合教育センター
手引の構成
Ⅰ 改訂の趣旨
1 改善の基本方針 2 改善の具体的事項
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について 2 内容について
Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について 2 内容について
Ⅳ指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
2内容の取扱いについての配慮事項
Ⅴ 移行期間中の取扱い
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について
1. 特別活動の目標
望ましい集団活動を通して,心身の調和のと
れた発達と個性の伸長を図り,集団や社会
の一員としてよりよい生活や人間関係を築こ
うとする自主的,実践的な態度を育てるとと
もに,自己の生き方についての考えを深め,
自己を生かす能力を養う。
栽培・収穫
修学旅行
遠足
給食
福祉施設訪問
授業
清掃
運動会
代表委員会
休み時間
委員会活動
音楽会・発表会
異年齢集団活動
修了式
全校朝会
人形劇クラブ
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について
望ましい集団活動の条件
ア 活動の目標を全員でつくり,その目標につい
て全員が共通の理解をもっていること。
イ 活動の目標を達成するための方法や手段な
どを全員で考え,話し合い,それを協力して
実践できること。
ウ 一人一人が役割を分担し,その役割を全員
が共通に理解し,自分の役割や責任を果た
すとともに,活動の目標について振り返り,生
かすことができること。
Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について
望ましい集団活動の条件
エ 一人一人の自発的な思いや願いが尊重され,
互いの心理的な結び付きが強いこと。
オ 成員相互の間に所属感や所属意識,連帯
感や連帯意識があること。
カ 集団の中で,互いのよさを認め合うことがで
き,自由な意見交換や相互の関係が助長さ
れるようになっていること。
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について
1. 特別活動の目標
人間関係を築こうとする・・・・
・本来,望ましい集団活動を通して身に付けるべき資質
や能力の中で,「人間関係を築く力」の育成を重視する。
1. 特別活動の目標
・・・自己の生き方についての考えを深め,自己を
生かす能力を養う。
・道徳的実践の指導の充実を図る観点
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について
2. 各活動・学校行事の目標
(1)学級活動の目標
学級活動を通して,望ましい人間関係を
形成し,集団の一員として学級や学校
におけるよりよい生活づくりに参画し,
諸問題を解決しようとする自主的,実践
的な態度や健全な生活態度を育てる。
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について
2. 各活動・学校行事の目標
(2)児童会活動の目標
児童会活動を通して,望ましい人間関
係を形成し,集団の一員としてよりよい
学校生活づくりに参画し,協力して諸問
題を解決しようとする自主的,実践的な
態度を育てる。
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について
2. 各活動・学校行事の目標
(3)クラブ活動の目標
クラブ活動を通して,望ましい人間関係
を形成し,個性の伸長を図り,集団の一
員として協力してよりよいクラブづくりに
参画しようとする自主的,実践的な態度
を育てる。
Ⅱ 改訂の要点
1 目標について
2. 各活動・学校行事の目標
(4)学校行事の目標
学校行事を通して,望ましい人間関
係を形成し,集団への所属感や連帯
感を深め,公共の精神を養い,協力し
てよりよい学校生活を築こうとする自
主的,実践的な態度を育てる。
Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について
2. 各活動・学校行事の目標
特別活動の目標を受けて今回新設された
・「望ましい集団活動を通して」という特別活動の方法原理は各
活動・学校行事すべて共通である。
・「望ましい人間関係の形成」や「自主的・実践的な態度」は各活
動・学校行事の目標に示されている。
・学級活動,児童会活動,クラブ活動においては,「集団の一員
として」「参画し」を共通に示されている。各内容相互の関連を
図り,児童による自発的・自治的な活動が一層効果的に展開
できるようにするともに,社会に参画する態度や自治的能力が
育つようにする必要がある。 学校行事においては「公共の精神
を養い」を入れた。
Ⅲ 具体的な改善事項
2.
1 目標について
各活動・学校行事の目標
特別活動の目標を受けて今回新設された
・「望ましい人間関係の形成」
(例)学級活動における望ましい人間関係の形成→
「楽しく豊かな学級生活づくりのために互いに尊重しよさを認め
合えるような人間関係」
低学年:仲良く助け合おうとする人間関係
中学年:協力し合おうとする人間関係
高学年:信頼し支え合おうとする人間関係
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【学級活動】の内容
〔第1学年及び第2学年〕
学級を単位として,仲良く助け合い学級生活を楽しくするとともに,
日常の生活や学習に進んで取り組もうとする態度の育成に資する活
動を行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
学級を単位として,協力し合って楽しい学級生活をつくるとともに,
日常の生活や学習に意欲的に取り組もうとする態度の育成に資する
活動を行うこと。
〔第5学年及び第6学年〕
学級を単位として,信頼し支え合って楽しく豊かな学級や学校の生
活をつくるとともに,日常の生活や学習に自主的に取り組もうとする
態度の向上に資する活動を行うこと。
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【学級活動】の内容
〔共通事項〕
(1) 学級や学校の生活づくり
ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決
イ 学級内の組織づくりや仕事の分担処理
ウ 学校における多様な集団の生活の向上
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【学級活動】の内容
〔共通事項〕
(2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全
ア 希望や目標をもって生きる態度の形成
イ 基本的な生活習慣の形成
ウ 望ましい人間関係の形成
エ 清掃などの当番活動等の役割と働くことの意義の理
解
オ 学校図書館の利用
カ 心身ともに健康で安全な生活態度の形成
キ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の
形成
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【学級活動】
(1) 学級集団の育成上の課題や発達
の課題に対応した適切な指導ができ
るようにするため,低・中・高学年毎
に内容を示し,いずれの学年におい
ても取り扱う内容を「共通事項」とし
て示した。
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【学級活動】
(2) 道徳の内容項目のうち,学級・学校生
活にかかわるものが重点的に示されて
いる。関連を図った指導ができるように
する。
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
(3) 〔共通事項〕 1 学級や学校の生活づくり
ウ 学校における多様な集団の生活の向上
・多様な集団による自発的・自治的な活動が一層
効果的に行われるように加えた。学級活動では,
全校での児童会活動や異年齢集団での活動に
対する協力の在り方を話合う活動なども取り扱う
ことを意味している。
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
(4) 〔共通事項〕 2 日常の生活や学習への適応及び
健康安全
エ 清掃などの当番活動等の役割と働くこ
との意義の理解
・ 「勤労観」を養うことの観点から加え,キャ
リア教育の推進に資するようにした。
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
(5) 〔共通事項〕 2 日常の生活や学習への適応及び
健康安全
キ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ま
しい食習慣の形成
・「食育」の充実に資する観点から,「食育の
観点を踏まえた」を加えた。
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【児童会活動】の内容
学校の全児童をもって組織する児童会において,学校生活の充実と
向上を図る活動を行うこと。
(1)児童会の計画や運営
(2)異年齢集団による交流
(3)学校行事への協力
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【クラブ活動】の内容
学年や学級の所属を離れ,主として第4学年以上の同好の児童をもって組織する
クラブにおいて,異年齢集団の交流を深め,共通の興味・関心を追求する活動を
行うこと。
(1) クラブの計画や運営
(2) クラブを楽しむ活動
(3) クラブの成果の発表
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
【学校行事】の内容
全校又は学年を単位として,学校生活に秩序と
変化を与え,学校生活の充実と発展に資する体
験的な活動を行うこと。
(1)儀式的行事
(2)文化的行事
(3)健康安全・体育的行事
(4)遠足・集団宿泊的行事
(5)勤労生産・奉仕的行事
Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
(2)文化的行事
・現行指導要領では,「学芸的行事」として示されていた
が,これまでの平素の学習活動の成果を発表する活動
に加えて,文化や芸術に親しむ活動を含めた表現とし
て「文化的行事」と変更した。
(4)遠足・集団宿泊的行事
・児童の発達の段階や人間関係の希薄化,自然体験の
減少といった状況を踏まえ,小学校段階においては自
然の中での集団宿泊的活動を重点的に推進することが
望まれる。望ましい人間関係を築くという観点から,一
定期間(例えば1週間(5日間)程度)にわたって行うこと
が望まれる。
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
(1)特別活動の全体計画や各活動・学校行事の年間指導計画の作成に当たっては,学
校の創意工夫を生かすとともに,学級や学校の実態や児童の達の段階などを考慮し,
児童による自主的,実践的な活動が助長されるようにすること。
また,各教科,道徳,外国語活動及び総合的な学習の時間などの指導との関連を図
るとともに,家庭や地域の人々との連携,社会教育施設等の活用などを工夫すること。
各学校で作成するべき指導計画が明示された。
・特別活動の全体計画に示す内容の例
○特別活動の重点目標
○学校教育目標や指導の重点との関連
○各教科,道徳(道徳の内容項目や道徳の重点),外国語活動及
び総合的な学習の時間などとの関連
○学級活動,児童会活動,クラブ活動,学校行事の目標と指導の
方針
○特別活動に充てる授業時数や設置する委員会,クラブ,実施す
る学校行事
○学級活動の各内容に充てる授業時数
○評価の観点 など
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
「学級活動の指導計画」の作成の手順
1 指導計画作成上の配慮事項
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
(4) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳
の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,特別活動
の特質に応じて適切な指導をすること。
「人間としての生き方について・・・・」が特別活動と道徳のいず
れの目標にも示されていることを踏まえ積極的に関連を図る必
要がある。
・集団活動を通して身に付けたい次の道徳性を踏まえ道徳的
実践の場としての指導の充実を図ることが大切である。
・自分勝手な行動をとらず節度ある生活をしようとする態度
・自己の役割や責任を果たして生活しようとする態度
・よりよい人間関係を築こうとする態度
・集団や社会の一員としてみんなのために進んで働こうとする態度
・自分たちで約束をつくって守ろうとする態度
・目標をもって諸問題を解決しようとする態度
・自己のよさや可能性に自信をもち集団活動を行おうとする態度
等
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
総合的な学習の時間との関連
〈特質〉
・特活「望ましい集団活動を通して」
・総合「横断的,総合的な学習や探究的な学習を通して」
〈共通性〉
・自主的,主体的に物事に取り組む態度を養うこと
・学級や学校における各種のグループや異年齢集団において活
動が行われ,自然体験やボランティア活動などの体験活動を重
視したり,幼児,高齢者,障害のある人との触れ合いを大切にし
たりする。
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
総合的な学習の時間において計画した学習活
動が,学習指導要領に示した特別活動の目標
や内容と同等の効果が得られる場合について,
総合的な学習の時間の実施によって,特別活動
の実施に替えることができる。
○総合的な学習の時間においてその趣旨を踏まえると同時に,
特別活動の趣旨をも踏まえ,体験活動を実施した場合に特別
活動の代替を認めるものである。
(例)総合的な学習の時間における自然体験活動を特別活動の
「遠足・集団宿泊的行事」の実施に替える。同様にボランティア
活動を「勤労生産・奉仕的行事」に替える。
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
2 内容の取扱いについての配慮事項
(1)〔学級活動〕,〔児童会活動〕及び〔クラブ活動〕の指導につい
ては,指導内容の特質に応じて,教師の適切な指導の下に,児
童の自発的,自治的な活動が効果的に展開されるようにすると
ともに,内容相互の関連を図るよう工夫すること。また,よりよい
生活を築くために集団としての意見をまとめるなどの話合い活
動や自分たちできまりをつくって守る活動,人間関係を形成する
力を養う活動などを充実するよう工夫すること。
・学級活動,児童会活動及びクラブ活動における「よりよい生活を築くための話合い
の活動」について
ア 理由を明確にして,自分の言葉で思いや考えを話すことができるようにする。
イ だれの話でも,相手の立場に立って真剣に聞くことができるようにする。
ウ 互いの意見や考えの相違点を理解し合えるようにする。
エ 互いの思いや気持ちを察し合い,そのよさを理解し合えるようにする。
オ 異なる意見について,説得したり,互いの意見のよさを生かしたり,折り合いを付
けたりして 集団としての意見をまとめることができるようにする。
カ 自分が賛成していないことに決まっても,集団決定したことについて,気持ちよく
従い,協力できるようにするとともに,互いの気持ちを推し量った言動ができるよう
にする。
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
2 内容の取扱いについての配慮事項
(2) 〔学級活動〕については,学級,学校及び児童の実態,学級
集団の育成上の課題や発達の課題及び第3章道徳の第3
の1の(3)に示す道徳教育の重点などを踏まえ,各学年段
階において取り上げる指導内容の重点化を図るとともに,
必要に応じて,内容間の関連や統合を図ったり,他の内容
を加えたりすることができること。また,学級経営の充実を
図り,個々の児童についての理解を深め,児童との信頼関
係を基礎に指導を行うとともに,生徒指導との関連を図よう
にすること。
学級活動においては,次の3点を踏まえて各学年段階において取り上げる
指導内容の重点化を図ることが重要である。
ア 学級の実態
イ 学級集団の育成上の課題
ウ 発達の課題(小1プロブレムや中1ギャップ等)
・指導の参考例として,話合い活動,係活動,集会活動における発達に即
した指導のめやす等が示されている。
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
2 内容の取扱いについての配慮事項
(3) 〔児童会活動〕の運営は,主として高学年の児童が
行うこと。
(4) 〔学校行事〕については,学校や地域及び児童の
実態に応じて,各種類ごとに,行事及びその内容
を重点化するとともに,行事間の関連や統合を図
るなど精選して実施すること。また,実施に当たっ
ては,異年齢集団による交流,幼児,高齢者,障
害のある人々などとの触れ合い,自然体験や社会
体験などの体験活動を充実するとともに,体験活
動を通して気付いたことなどを振り返り,まとめた
り,発表し合ったりするなどの活動を充実するよう
工夫すること。
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
2 内容の取扱いについての配慮事項
学校行事においては,特に言語力の育成や体験した
ことからより多くのことを体得させる観点から,体験活
動を通して気付いたことなどを振り返り,まとめたり,発
表し合ったりするなどの活動を充実する。その場限り
の体験に終わらせることなく,事前にそのねらいや意
義を児童に十分理解させ,活動についてあらかじめ調
べたり,準備したりすることができるようにするとともに,
事後には体験活動を通して,感じたり気付いたりしたこ
とを,自己と対話しながら振り返り,文章でまとめたり,
発表し合ったりする活動を重視し,他者と体験を共有し,
幅広い認識につなげる必要がある。
Ⅴ 移行期間中の取扱い
移行期間中の留意事項
新小学校学習指導要領によること