Transcript PPT

Solar-Bによるリコネクションモデル
の検証2 ~ slow shockについて
塩田大幸、成影典之、磯部洋明、
David H. Brooks、柴田一成
京都大学花山天文台
Introduction
Tsuneta et al. (1992)
Masuda et al. (1994)
Shibata et al. (1995)
ようこうの軟X線観測などにより、太陽フレアでは磁気リコネク
ションによりエネルギー解放が起きているという考えはほぼ確
立された。しかし、どこでどのように起きているかなどの詳しい
物理はほとんど解明されていない。とくに、リコネクションの基
礎的な物理についても未だに確立されていない状態である。
リコネクションにともなう衝撃波の観測
磁気リコネクションに伴うスローショックとファーストショックは
Y字型の構造を形成する。
1992年1月24日の巨大アーケード形成現象に伴って噴出す
るY字型の構造が観測された(Hiei et al. 1993) これらは位置関
係から同じ物であると考えられ、 太陽コロナにおけるリコネク
ションにともなう衝撃波の同定が初めてなされた例である。
(Shiota et al. 2003、2002年秋季年会M14a)
Petschek
slow shock
Yohkoh/SXT
weak slow shock
Soft X-ray image synthesized
from our numerical results
Yokoyama and Shibata (1998)
Solar-Bによる観測
Shiota et al. (2003)により報告された例は、軟X線の撮像観
測のみのみである上に時間分解能が十分ではないため、リ
コネクションにともなうslow shock とconduction frontの構造の
解明には不十分。そこで、Solar-Bでは
• XRTによるX線撮像観測
⇒グローバルな構造の時間変化
• EISによる極紫外線分光撮像観測の同時観測
⇒異なる温度のプラズマの位置と速度の情報
リコネクションにともなうslow shockの構造を明らかにすること
で、リコネクションの物理に迫りたい。
本研究では、リコネクションが起きている領域をXRTとEISで
観測したときの画像をMHDシミュレーションの結果に基づい
て合成した。
MHDシミュレーション
重力、非等方Spitzer熱伝導を考慮した2.5次元MHDシミュレーション
シミュレーション結果
(color: 密度、実線:磁力線)
t=55
Color: 密度
実線:温度
slow shock
conduction front
視線が磁気中性線に完全に平行な場合
XRT (thin Al mesh)
Ca XVII 192.82 A (5.0MK)
シミュレーション結果から
XRT (thin Al mesh filter)観測画像
EIS 観測画像
低温成分
Si VII (0.6MK)
コロナ温度成分 Fe XII (1.4MK)
高温成分
Ca XVII (5.0MK)
を合成。(すべてネガ画像)
Fe XII 195.119 A (1.4MK)
Si VII 275.361 A (0.6MK)
それぞれのlineで観測される構造
Ca XVII 192.82 A (5.0MK)
Fe XII 195.119 A (1.4MK)
Si VII 275.361 A (0.6MK)
Fe XII 195.119 A (1.4MK)
conduction front ?
温
度
密度の不連続と一致 温度の不連続と同じ位 温度の不連続の外側
置に少し明るい構造 conduction front 上流
slow shock 下流
conduction front?
密
度
斜め上から観測した場合
2次元のシミュレーション
結果を一様に並べて
θ=30°
φ=30°
から観測したときの画像を
合成
Si VII 275.361 A (0.6MK)
Fe XII 195.119 A (1.4MK)
θ
φ
Ca XVII 192.82 A (5.0MK)
Fe XII 195.119 A (1.4MK)の分光撮像画像
15km/s < v < 45mk/s
-45 km/s< v <-15 km/s
slow shock
conduction front
slow shock
-75
15km/s
km/s<<vv<<-45
45 km/s
視線
方向
-45
45 km/s < v < 75
-15km/s
km/s
conduction front
Color: 密度 実線:温度
Slow shockの構造を観測するために
Shiota et al.(2003)
アーケードの磁気中性線が視線方向に平行に近かったため、フェイントなY
字型構造を観測することができたと考えられる。
Cremades & Bothmer (2004)によると、
東のlimbの方がそのような観測ができる可能性が高い
Summary
• MHDシミュレーションの結果をもとにXRT、EISによる観
測画像を合成した。
• slow shock から分離したconduction front では約1.4MK
のプラズマの画像でわずかに増光して見える。この増光
した部分は大きな速度を持っているので分光観測で分離
できる可能性がある。
• リコネクションに伴うslow shock は逆方向の速度を持った
高温のプラズマが隣り合う構造として観測されることが予
測される。
• これらの構造を観測するためには、磁気中性線が視線
方向に平行に近い方が都合がよい。そのような観測が多
くできると考えられる東側のlimbをターゲットとして観測し
てもらいたい。
Si VII 275.361 A (0.6MK)
12 < v < 36
-36 < v < -12
Ca XVII 192.82 A (5.0MK)