2009 7月 9日 (第1回)

Download Report

Transcript 2009 7月 9日 (第1回)

第1回目講義 (2009年7月10日)
化学工学基礎
−後半の後半−
担当 二又裕之
物質工学1号館別館253ー3号室
e-mail : [email protected]
http://cheme.eng.shizuoka.ac.jp/~tatemotolab/classese.htm
1
<前回の復習>
第2章 流 動
− 層流と乱流 −
・容器(円管)内における流体の動きを制御する
・そのために、容器(円管)内における流体
(気体や液体)の動きを解析する
・容器(円管)に流体を通すために必要な
考え方や原理を学ぶ(エネルギーについて考える)
・Reynolds(レイノルズ)数 [−]
・相当直径(De [m])
2
3
<前回の復習>
・Reynolds(レイノルド)数 (Re [−])
Re = DUρ/μ
粘性(摩擦エネルギー)と運動エネルギーの比
層流では粘性、乱流では運動エネルギーが支配
D :管の直径 [m]
2300
4000
層流 過渡範囲 乱流
U :流体の平均速度[m s-1]
ρ :流体の密度[kg m-3]
μ :流体の粘度[Pa・s] = [kg・m/s2・1/m2・s] = [kg m-1 s-1]
・相当直径(De [m])
流路の断面が円でないものを円とみて直径を算出する
De [m] = 4 × (流路の断面積[m2]) / (流路の濡れ辺長 [m])
課題1.1
幅0.4 m、高さ0.3 mの長方形断面を持つダクトを293K (20℃)の
水が0.24 m3/sで輸送されている時の流れは、層流か乱流かを相
当直径を利用しRe数を求めた上で識別せよ。また、層流にするた
めには、体積流量を何倍にすればよいか。
4
課題1.2
内径Dの平滑円管内を密度ρ、粘度μの流体が平均速度Uで
流れている。管内壁面の摩擦応力τwを次元解析によって求め、
その結果からRe数とは、何を表しているのかを説明せよ。
なお、単位系はSIを用いるものとする。
(注)摩擦応力(管内壁単位面積にかかる摩擦力のこと)
5
第2章 流 動
− 円管内の流れ−
・容器(管)内における流体の動きを制御する
・そのために、容器(管)内における流体の動きを解析する
・速度分布(Hargen-Poiseuilleの定理)
(ハーゲン・ポアズイユ)
・摩擦(Fanning)
6
円管内の流れ
7
・連続の式
時間が経過しても変化しない流れを定常流という。
単位時間に流れる質量(質量流量 w [kg/s])
w = ρUS = ρQ = 一定(定常流)
②
U2
S2
①
U1
ρ:密度 [kg/m3]
U:速度 [m/s]
S:断面積 [m2]
S1
Q:体積流量 [m3/s]
密度ρが一定の流体を非圧縮性流体と呼び、
以下の式が成立する。
ρU1S1 = ρU2S2 = ρQ = 一定(定常流)
円管内の層流速度分布
物体に力が作用すると流れが生じ、
流れを持続するために、力を作用し続けなければならない。
円管内に流れる定常流(=非圧縮性)に、
どのような力が作用し、
速度がどのように分布しているのか・・・
を知る必要がある。
ある地点における速度を表現する
式が必要になる。
考え方として、
Hargen-Poiseulle(ハーゲン・ポアズイユ)の法則を利用する
8
管内における層流の流れイメージ図
流体の流れ
9
Umax(最大速度)
管壁から最も遠い場所(中心)が
最も早い速度となっている。
R(距離)
剪断力τW
管 壁
剪断力τW(上の層と下の層の間に働く力)は、
流体の速度(u) に比例し
中心からの距離(管径(r))に半比例する
τW = ーμ(du/dr) ……..① と表現される。
比例定数μ(この比例定数を粘度[Pa・s]と定義している)
流体(流速U[m/s])の中に、両端が閉じた筒が入っていて、
静止していると考える
10
半径 = R
半径 = r
平均速度
U [m/s]
長さL [m]
筒にかかる力のバランス(静止している)を考えると
P1
τW
P2
P1 × πr2 = P2 × πr2 + 2πrL × τW
ΔP = (P1 - P2) [Pa] (ΔP:圧力損失)
ΔP × πr2 = 2πrL × τW ……..
②
(押す力と摩擦力が釣り合っている)
rΔP
②の ΔP ×
= 2πrL × τWから τW =
2L
rΔP
du
-μ
① = ③より
=
2L
dr
πr2
ΔP
∫ r dr
2Lμ
-
……③
= ∫ du
ΔP r 2
= u + C’
4Lμ
r = R のとき u = 0 (壁に密着するため) より
C’ = u=
ΔP (R2- r2) から
4Lμ
ΔP
4Lμ
R2
r 2 } …④
)
u = ΔP R2{1- (
R
4Lμ
層流における速度分布の式
11
速度分布の式
ΔP
2{1- r
R
(
)2 } …④
u ( r)=
R
4Lμ
U
Umax
0
12
R
r
(半径Rの円管の中心から距離rの地点での
流体の速度、管長L、粘度μ)
r = 0の時、最大速度umaxとなるので、
umax =
ΔP R2
4Lμ
umax = 2U (層流においてumaxは平均速度Uの2倍)なので
4Lμ
8Lμ U
umax から ΔP =
…⑤
ΔP =
2
2
R
R
( ΔP:圧力損失)
③と⑤式から
τW = 4RμU = 8DμU (R :半径、D:直径)
Fanning の摩擦係数(f ):
乱流における摩擦応力の求め方
13
円管壁上に生じる摩擦応力は、流体の運動エネルギーと比例関係にある
(摩擦応力) = (運動エネルギー) × f と記述できる
摩擦応力τW は、単位体積当たりのエネルギー
運動エネルギー[J] = 1/2(kg・m2/s2)も単位体積当たりにすると、
K =1/2(kg・m2/s2) / m3 = 1/2(kg/m3)・(m2/s2)
ρ U2
τW = 2 ・f で表される(f : 摩擦係数)
層流の場合、 f = 16/Re
乱流の場合、 Moodyチャートなどを利用
摩擦係数(f)は粗度(ε(粗滑度) / D(管径))とReで決定される
14
粗
度
15
日付
講義名
学年 学籍番号 氏 名
課題番号を記す事
丁寧に書く
鉛筆の使用可
講義に対するコメント
(裏面でも可)
課題1.3
層流状態における流体の平均速度Uは最大速度umaxの
半分であることを示せ。
16