健康信念モデル(ヘルス・ビリーフ・モデル)

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Transcript 健康信念モデル(ヘルス・ビリーフ・モデル)

IT機器の使用と
子どもの心の健康問題
-埼玉県学校保健会の調査より-
戸部秀之 (埼玉大学教育学部)
埼玉県学校保健会「子どもの心の健康問題
検討委員会」における検討の背景
テレビゲームやインターネット、その他のIT
機器の使用が、子どもの心の発達に何らか
の悪影響を及ぼしているのではないかという
懸念がある。
さまざまな悲惨な事故・事件の背景に、IT
機器の存在が見え隠れしている。
ネットと自殺
ネットでのコミュニ
ケーションと敵意
佐世保
の事件
ネットと性被害
詐欺
インターネット
中毒
テレビゲーム
インターネット
など、IT機器
の影響は?
脳への影響
暴力性
リセットボタン
社会的不適応
埼玉県の子どもについて、実証的な調査を!
IT機器の利用には、「光」と「影」がある
『「光」をいかに輝かせ、「影」をいかに抑制
するかを考えていく必要がある』
光
◎テレビゲームによるよい面

向上する能力もある
視覚的知能(空間描写や図像能力)
瞬時の情報処理→反応(平行情報処理能力)

上手な利用 ⇒ 娯楽、ストレス解消

教育テレビゲームの可能性
テレビゲームが人を引きつける技術を教育に有効利用
できないか

対人恐怖を取り除くためのクッション
など
光
◎インターネットによるよい面

情報活用能力の育成 ☆

学習動機(教育への活用)

国際理解

対人不安やシャイネスの人のコミュニケーション
(非対面式)
など
今日は、「影に焦点をあてる」
光
影
埼玉県学校保健会「子どもの心の健康問題
検討委員会」における調査WGの結成と調査
1班: 0歳~小3年生の保護者対象
(WG:埼玉県医師会が中心に)
埼玉県医師会会員の小児科に診察等で訪れた保護者
計513名
2班: 小4~高2の児童生徒を対象
(WG:研究者、医師、教員等が中心)
県内公立小学校(11校)、中学校(10校)、県立高等
学校(10校)の児童生徒 計2,947名。
ワーキンググループ・メンバー








大友 一夫 (秩父地区学校保健会会長)
小笠原圭一 (越谷市立千間台小学校教諭)
金井 忠男 (埼玉県学校保健会副会長・埼玉県医師会副
会長)
首藤 敏元 (埼玉大学教育学部教授)
高橋 明美 (深谷市教育委員会学校教育課課長補佐)
高橋 功人 (川越市立霞ヶ関西小学校長)
高橋 宏至 (埼玉県教育局県立学校部保健体育課指導
主事)
竹内 一夫 (埼玉大学教育学部教授)








谷本 秀司 (埼玉県学校保健会常任理事・埼玉県医師会
学校医会副会長 1班グループリーダー)
戸部 秀之 (埼玉大学教育学部教授 2班グループリーダー)
中村 泰三 (埼玉県学校保健会常任理事)
星野 崇啓 (埼玉県小児医療センター)
堀田美枝子 (埼玉県立浦和西高等学校養護教諭)
峯 真 人 (岩槻医師会・埼玉県小児保健協会会長)
森 泰二郎 (与野医師会)
山崎 昭 (さいたま市学校保健会理事)
(敬称略)
調査の内容(2班)
1 IT機器の使用実態
2 問題性のある使用実態
3 子どもの心の問題との関連
小学生:
テレビゲーム、インターネットを中心に
中学生・高校生:
テレビゲーム、インターネット、携帯電話を中心に
本日の話の概要
1 埼玉県の児童生徒のテレビゲーム・イン
ターネットの使用実態と問題性
会場の皆様にお願いしたいこと
2 携帯電話の使用実態と問題性
学校医としてご担当されている各学
3 テレビ・ビデオ視聴、テレビゲームの使用と、
校の先生方が、この問題について十
保護者の認識
分認識を持つよう、是非、情報提供
とご指導をお願いしたい。さらに、家
4 IT機器の使用と「子どもの心」
庭に情報提供をして頂くよう、お力を
5 いま、何が必要か?
お借りしたい。
★大人が本気にならないと!
1 テレビゲーム・インターネットの
使用実態と問題性について
児童生徒は、どれくらい使っているか?
どのような問題性があるか?
テレビゲーム をする日は、一週間で何日?
高
0~2日
0
高校生
1
1~2
2
中
中学生
3~4日
3
1~3
4
小
5~7日
5
小学生
6
4~6
0%
10%
20%
30%
男子
40%
50%
60%
70%
80%
90%
7
100%
高
0
中
2
高校生
1
中学生
3
4
小
5
小学生
6
女子
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
7
テレビゲーム をする時間 1週間あたり
しない
高
~10h
10~20h
一日2h×4日
3h×週5日
高2
20h~
4h×週5日
3h×週7日
高1
中3
中
しない
-< 10h
-< 20h
20h -
中2
中1
小6
小
小5
小4
男子
0%
20%
40%
60%
80%
100%
・男子では、長時間使用者がかなり多い!
・小学校就学前後で使用者急増 (1班:幼~小3調査より)
テレビゲーム をする時間 1週間あたり
しない
高
~10h
10~20h
20h~
高2
高1
中3
中
しない
-< 10h
-< 20h
20h -
中2
中1
小6
小
小5
小4
女子
0%
20%
40%
60%
80%
100%
・性差が大きく、女子では発達とともに減少するが、
小学生段階では、1割程度が10時間以上
インターネット をする日は、一週間で何日?
高
中
中学生
小
小学生
0%
20%
男子
40%
60%
80%
0~2日
0
1
2
3
4
5
6
7
高校生
100%
3~4日
5~7日
高
高校生
中
中学生
小
小学生
女子
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0
1
2
3
4
5
6
7
インターネット をする時間 1週間あたり
しない ~10h
少しでも使用
高
10~20h
3h×週5日
20~30h
5h×週5日
5h×週7日
高2
高1
中3
中
しない
-< 10h
-< 20h
-< 30h
30h -
中2
中1
小6
小
小5
小4
男子
30h~
0%
20%
40%
60%
80%
100%
インターネット をする時間 1週間あたり
しない ~10h
10~20h
20~30h
30h~
高2
高
高1
中3
中
しない
-< 10h
-< 20h
-< 30h
30h -
中2
中1
小6
小
小5
小4
女子
0%
20%
40%
60%
80%
100%
・男女とも、かなりの長時間使用者が小学校高学年から
現れ始め、中学生から高校生にかけて明らかに増加。
インターネット で何をする?
(インターネットをする者のうち)
ほぼ毎日 する日が多い
HP
を
み
る
メ
ー
ル
高校生
高
ほぼ毎日
中学生
中
みる日が多い
小学生
小
みない・分からない
たまにみる
0%
20%
40%
60%
80%
100%
ほぼ毎日
する日が多い
たまにする
しない・分からない
高校生
高
ほぼ毎日
中学生
中
みる日が多い
小学生
小
みない・分からない
男子
高
高校生
中学生
中
たまに
たまにみる
0%
20%
40%
60%
80%
100%
高校生
高
ほぼ毎日
する日が多い
中学生
中
たまにする
しない・分からない
小学生
小
しない・分からない
小
小学生
0%
20%
40%
60%
80%
100%
男子
女子
0%
20%
40%
60%
80%
100%
女子
インターネット で何をする?
(インターネットをする者のうち)
ほぼ毎日 する日が多い
オ
ゲン
ーラ
ムイ
ン
Web
日
記
高高校生
たまに
しない・分からない
高校生
ほぼ毎日
ほぼ毎日
する日が多い
中
中学生
する日が多い
中学生
たまにする
たまにする
しない・分からない
しない・分からない
小学生
小学生
小
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
男子
高校生
高
0%
20%
40%
60%
女子
80%
100%
高校生
ほぼ毎日
ほぼ毎日
する日が多い
中学生
中
する日が多い
中学生
たまにする
たまにする
しない・分からない
しない・分からない
小学生
小
小学生
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
男子
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
女子
○ テレビゲームの使用は、学年とともに減
少する傾向はあるものの、特に男子では、
かなりの長時間使用者が、小学生~高校
生まで見られる。
○ インターネットの使用者は、学年とともに
確実に増加する傾向あり。かつ、小学校高
学年段階から、かなりの長時間使用者が
現れ始め、学年とともに顕在化する。
○ インターネットの利用内容は、HP閲覧と
メールが中心。オンラインゲームとWeb日
記が確実に浸透してきている。
• オンラインゲーム中毒者の横顔
あるゲームの参加者は登場人物になって戦闘をくぐり抜け、
武器を買い、決闘をして、あるいはモンスターやドラゴンを殺し
たり、城を襲撃して乙女を救ったりする。ソフトは何百種類も
あって、それぞれに独自のテーマがある。・・・(中略)・・・闘い
や決闘に勝ち進むとポイントが追加され、地位も向上する。
○○(中毒者の名)のキャラクター「カメレオン」は、最高レベル
である「魔法使い」の地位に達している。つまり、他の参加者
は、彼に向かってお辞儀をしなければならない。「魔法使い」は
不死身でギリシャ神話の神のような存在だ。・・・ゲームには終
りがなく、昼も夜も、次の週も続くので、魔法使いになるには、
とにかくたくさんプレイするしかない。・・・
彼は言う、△△(ゲームの名称)の中では僕は神だ。すべて
の参加者から僕は尊敬されている。・・・権力を掌握しているの
が楽しいんだ。・・・しかし、 △△をしていないときの彼は・・・
「インターネット中毒」(キンバリー・ヤング著)毎日新聞社 より
テレビゲーム・インターネット使用に
関する・・・
○ 保護者の介入状況は?
○ 調査から浮かび上がってきた問題性
テレビゲームをするとき、家の人は近くに?
いることが多い
いたりいなかったり
いないことが多い
高
高校生
いることが多い
中
小学生
小
中学生
いたり、いなかったり
いないこと多い
0%
20%
40%
60%
80%
100%
高
高校生
男子
いることが多い
中
小学生
小
中学生
いたり、いなかったり
いないこと多い
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
女子
・
傾保
向護
あ者
りが
い
な
い
環
境
で
実
施
す
る
家の人とルールを決めているか?(時間など)
しっかり決めて
少しは
決めていない
高
高校生
しっかり決めている
中
小学生
小
中学生
すこしは
決めていない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
高
男子
高校生
しっかり決めている
中
小学生
小
中学生
すこしは
決めていない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
女子
・
し
っ
か
り
決
め
て
い
る
家
庭
は
少
な
い
決めたルールをまもっているか?
「しっかり・少しは決めている」もののうち
まもっている
どちらとも
まもっていない
高
高校生
守っている
中
中学生
ど ち らともいえない
守っていない
小
小学生
0%
20%
40%
60%
80%
100%
男子
高
高校生
守っている
中
中学生
ど ち らともいえない
守っていない
小
小学生
0%
20%
40%
60%
80%
100%
女子
・
のル
ー
はル
半を
数決
程め
度て
も
、
守
っ
て
い
る
ゲームソフト購入時、家の人が内容を確認する?
いつもする
ときどき
しない
高校生
高
中学生
中
小学生
小
いつもする
ときどきする
しない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
高校生
高
中学生
中
小学生
小
男子
いつもする
ときどきする
しない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
女子
・
え督い子
てしてど
きて、も
たい保の
。る護テ
と者レ
はがビ
い十ゲ
え分ー
なにム
い介の
状入使
況し用
が、に
見監つ
格闘系のゲームをどれくらいする?
なぐったり、けったり、武器で痛めつけるなどして、
相手をたおすようなゲーム
ほとんど
半分以上
半分以下
ほとんどやらない
高校生
高
中学生
中
小学生
小
ほとんどが格闘系
半分以上
半分以下
ほとんどやらない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
高校生
高
中学生
中
小学生
小
男子
ほとんどが格闘系
半分以上
半分以下
ほとんどやらない
0%
20%
40%
60%
80%
100%
女子
・
女・
男
子子
でが
は、
、好
学ん
年で
と実
と施
も
に
増
加
傾
向
テレビゲームに関わる、その他の
気になる傾向
○自室で遊ぶ子ども
○子どもが一人で遊ぶ状況
○親が遊ぶ(特に父親)
○テレビゲームへの「依存傾向」に注目
する必要性がみえてきた
インターネット使用に関する
保護者の介入状況について
○家の人は近くにいるか?
○自室でインターネット
○ルールを決めているか?
○ルールをまもっているか?
○注意点を教えるか?
き保 テ
わ護 レ
め者 ビ
ての ゲ
不介 ー
十入 ム
分、 と
。監 同
督様
は、
家の人は、インターネットをするときの
注意点を教えてくれますか?
教えてくれる
少しは
教えてくれない
高校生
高
教えてくれる
中学生
中
小学生
小
少しは
教えてくれない
0%
20%
40%
60%
80%
100%
男子
高
高校生
教えてくれる
中学生
中
少しは
教えてくれない
小学生
小
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
女子
・
も十利
用
「
分
教 に
当
えと
は
て言た
く っ
れえて
るなの
い保
」
は。護
半小者
数学の
以生指
下段導
。階は
で
インターネット使用に関わる、その他の
見のがせない傾向
○インターネットへの「依存傾向」に注目す
る必要性が見えてきた。
○インターネットを利用する中で、子どもた
ちは、危険性の高い使用、さまざまな危険
な体験 をしている、という事実が見えてき
た。
インターネット 危険な使用と体験
誹謗中傷
ネット上では・・・
相手の表情が不明、存在感の不足
危険な使用 (小学生)
人数
%
誰にもいえなかったような強烈な意
⇒
「少しくらい悪いことを書いても」
見を自由に表現できる開放感。
孤独であったり、落ち込んでいる子どもを簡単に
はげしい言い争い
23 4.5 ⇒
さらに悪く解釈⇒
ののしり合い
捜し出し、接触できる。
ふだんは内気な人でも、ネット上で
違う性格になる
36 7.0
は社交的になれる。(居心地の良さ)
自分(子ども)が言った本音を相手が肯定すると、
無記名の会話を楽しむ
30 5.9
すぐに信頼し、無防備になる。
多くのインターネット中毒患者はオ
過激なサイトに好奇心
20 3.9
ンライン上では別人になっている。
過激なサイトを閲覧
34 6.7
『ネットでは、「私」と書けば男にも、
知らない人から「会いたい」と言われた
19 3.7
女にもなれる。』
親にかくれて連絡を取っている人あり
インターネットを利用する小学生
8
511
1.6
危険な使用・ニアミス経験
中学生%
高校生%
11.9
12.4
8.9
14.8
18.5
10.9
過激なサイトに好奇心
過激なサイトを閲覧
○犯罪や自殺のページを見た
価値観の共有
出会い系の使用経験あり
出会い系で知り合った人と連絡手段の提示
仲間を募る
○出会い系で知り合った人と会った
○詐欺にあいそうになったorあった
3.8
7.9
3.6
1.0
9.5
21.4
10.3
3.9
0.8
0.8
3.3
3.5
1.2
10.3
○知らない人から「会いたい」と言われた
7.4
14.8
○犯罪や怖い思いの経験あり
親にかくれて連絡を取っている人あり
1.8
3.6
2.5
5.6
607名
486名
○はげしい言い争い
無記名の会話を楽しむ
違う性格になる
○印は、特に危険
性の高い「ニアミ
ス」項目(6項目)
インターネットを利用する者(計)
2 携帯電話の使用実態と
問題性について
○ どれくらい使っているか?
○ 保護者の介入状況は?
○ 調査から浮かび上がってきた問題性
携帯電話 を持っていますか?
高
高2
持っている
高1
中3
中
中2
持っている
持っていない
中1
持っていない
小6
小
小5
小4
男子
0%
20%
40%
60%
80%
100%
携帯電話 を持っていますか?
高
高2
持っている
高1
中3
中
中2
持っている
持っていない
中1
小6
小
持っていない
小5
小4
女子
0%
20%
40%
60%
80%
100%
電話機能の使用は、中学生・高校生でも、一日に2
~3回 以下がほとんど(男女とも)
一日あたりの携帯メール送信回数
0~10回
高
10~30回
30~50回
50回~
高2
高1
0-<10回
10-<30回
30-<50回
50回-
中3
中
中2
中1
0%
高
20%
40%
60%
80%
100%
高2
高1
0-<10回
10-<30回
30-<50回
50回-
中3
中
男子
中2
中1
0%
20%
40%
60%
80%
100%
女子
携帯電話についてのルールの取り決め
中学生所持者 697名, 高校生所持者 726名
○使用料制限
・・・ 決めている者の割合
中学生:37%、高校生:27%
○有害サイトのアクセス禁止
中学生:59%、高校生:38%
○連絡する相手
中学生:21%、高校生:13%
○夜間使用など、生活習慣について
ま
も
6っ
割て
程い
る
度者
は
、
中学生:21%、高校生:9%
保護者によるコントロールは十分とはいえない。
また、コントロールがきちんと機能しているとはいえない。
携帯電話が原因で次のような自覚は?
中学生%
高校生%
生活習慣の悪化(睡眠不足など)
20.5
20.5
忘れると不安
集中力が低下(勉強など集中力が必要な時でも)
31.9
24.7
48.3
31.4
計画的な行動の低下
責任を果たさなくなった
漢字や文章力の低下
友達・家族との会話が減少
5.9
4.3
5.6
4.9
6.6
4.4
11.7
4.4
本音で話せる相手が減少
有害情報に触れる機会が増えた
よくないことに誘われる
3.4
5.3
2.3
4.4
7.4
4.0
7.2
6.9
697人
12.5
9.1
726人
事故にあいそうになった・あった
公共モラルの低下(まわりを気にせず)
携帯電話を所持する生徒(計)
携帯電話(メール機能)の利用によって、子ども
のコミュニケーションの形態が大きく変ってきて
いる。(非対面型,短い文章,感情は絵文字で,随時
アクセス可,不特定多数に,・・・)
家庭でのコントロールがうまくいっているとは思
えない。
子どもは、携帯電話の利用によって、自己の心
理や行動にさまざまな悪影響がもたらされてい
ることを自覚している。
3 テレビ・ビデオ視聴、テレビゲームの
使用と、保護者の認識
○児童生徒の視聴時間
○幼児~小3の保護者は、子どものテレビ・
ビデオの視聴、テレビゲームの使用にどの
ような認識をもっているか?
(小4~高2のデータ、および、幼児~小3の保護者対象の
データより)
一週間あたりのテレビ視聴時間
0~20h
男子
20~40h
40~60h
60h~
高2
高1
中3
0-<20h
20-<40h
40-<60h
60h-
中2
中1
小6
小5
小4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
一週間あたりのテレビ視聴時間
0~20h
女子
20~40h
40~60h
60h~
高2
高1
中3
0-<20h
20-<40h
40-<60h
60h-
中2
中1
小6
小5
小4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
週40時間を超える者が1~2割前後見られ、時間的には
テレビの視聴は長時間におよぶ傾向 。
0歳~小学3年生以下 の保護者の認識
テレビ・ビデオ を見てお子様に何か変化は?
【出た】
・・・ 53%
【出ない】
・・・ 20%
【分からない】 ・・・ 22%
テレビゲーム を始めてお子様に何か変化は?
【よい変化】
【悪い変化】
【両方】
【ない】
・・・ 13%
・・・ 22%
・・・
3%
・・・ 61%
0歳~小学3年生以下 の保護者の認識
テレビ・ビデ
オを見て
【よい変化】
・知恵がついたように思う ・・・ 75%
・表情が明るくなった
・・・ 22%
【悪い変化】
・外遊びが少なくなった
・家族とのコミュニケー
ションが少なくなった
・性格が荒っぽくなった
テレビゲー
ムを始めて
39%
14%
・・・
・・・
8%
2%
28%
9%
・・・
6%
18%
安
心
感
を
持
っ
て
い
る
の
で
は
?
テレビ・ビデオについては、保護者はそれらが子どもに
良い影響を及ぼしているという実感を持っており、幼児期
には積極的に活用していると推測できる。最近の幼児向
け教育番組は大変優れており、親の十分なコントロール下
で利用する限り、子どもの知的側面・情意的側面・社会性
の発達等に良い影響をもたらす可能性は十分にある。一
方で、基本的生活習慣の基礎を獲得するこの時期に「テレ
ビ等に長時間接する」生活習慣とIT利用スキルを子ども達
が獲得すると、発達とともに徐々に親の意図とは異なった
番組や刺激に触れ、求めるようになり、親の制御も効かな
くなり、それが他のIT機器の利用にも波及しながら、気が
ついたときには子どもに大きなマイナスの問題が起こって
いくという可能性は十分考えられる。この時期の子どもを
持つ保護者には、良い番組を利用しつつ、将来を考えな
がらIT利用に関わる家庭環境を作ってもらいたい。
4 IT機器の使用と「子どもの心」
テレビゲーム・インターネットへの
「依存傾向」
テレビゲーム、インターネットの影響があるとして
も、影響を受けやすい子どもと、受けにくい子ども
がいるのではないか?
そこで、 「依存傾向」という考え方を導入。
調査における『依存傾向』の評価項目と得点
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
○○をする時間が、思っていたよりずっと長くなる
家族と一緒にいるより○○の方が楽しいと感じる
友達と一緒にいるより○○の方が楽しいと感じる
「 ○○で遊ぶ時間が長すぎる」と注意される
家族にかくれて○○をする
○○をすることで、ふだんの生活のいやなことを忘れる
○○をするのを誰かにじゃまされるとひどく腹が立つ
○○をしないと、落ち込んだり不安になる
○○のしすぎで、睡眠不足になる
○○のしすぎで、学校の成績や勉強に悪い影響がでる
いつも○○のことばかり考えている
○○・・・「テレビゲーム」または「インターネット」
調査における『テレビゲーム依存傾向』の得点化
上記の質問に対して得点化し、11項目を合計点を求める
よくある:
ときどきある:
あまりない:
ない:
3点
2点
1点
0点
合計点
「20点以上」
「17~19点」
「13~16点」
「0~12点」
40人中
依存傾向、最上位5%に入る
次の5%に入る (上位5~10%)
続く15%に入る (上位10~25%)
低い方から75%に入る
(上位25~100%)
極めて
2人
かなり
2人
高い
6人
ふつう
30人
調査における『インターネット依存傾向』の得点化
上記の質問に対して得点化し、11項目を合計点を求める
よくある:
ときどきある:
あまりない:
ない:
3点
2点
1点
0点
合計点
「19点以上」 依存傾向、最上位5%に入る
「15~18点」 次の5%に入る (上位5~10%)
「9~14点」
続く15%に入る (上位10~25%)
「0~8点」
低い方から75%に入る
(上位25~100%)
IT機器の使用と「気分の調節障害」の関連
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
?
使用時間
インター
ネット 依存傾向
軽度のうつで見られる自覚的
症状等への回答から判定
気
分
の
調
節
障
害
IT機器の使用と「気分の調節障害」の関連
※矢印が太い(*の数が多い)ほど、関連が明確であることを示す。
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
使用時間
インター
ネット 依存傾向
小学生
***
依存傾向が高いほど、調節
障害が陽性の者が多い
**
使用時間が長いほど、調節
障害が陽性の者が多い
気
分
の
調
節
障
害
「独立した関連がある」とは・・・
使用時間
テレビ
ゲーム
依存傾向
気
分
の
調
節
障
害
テレビゲーム
依存傾向
極めて高い⇒
高い
⇒
ふつう ⇒
テレビゲーム依存傾向
かなり高い⇒
上位5%以上
上位5~10%
調節障害なし
調節障害あり
上位10~25%
上位25%未満
0%
20%
40%
60%
80%
100%
テレビゲーム依存傾向と
気分の調節障害との関連(小学生)
IT機器の使用と「気分の調節障害」の関連
中学生
高校生
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
***
依存傾向が高いほど、調節
障害が陽性の者が多い
使用時間
インター
ネット 依存傾向
***
依存傾向が高いほど、調節
障害が陽性の者が多い
携帯メール送信
***
送信回数が多いほど、調節
障害が陽性の者が多い
気
分
の
調
節
障
害
インターネット
依存傾向
かなり高い⇒
高い
⇒
ふつう ⇒
インターネット依存傾向
極めて高い⇒
上位5%以上
上位5~10%
調節障害なし
調節障害あり
上位10~25%
上位25%未満
0%
20%
40%
60%
80%
100%
インターネット依存傾向と
気分の調節障害との関連(中学生・高校生)
携帯メール回数(一日当たり)
50回30-<50回
調節障害なし
調節障害あり
10-<30回
0-<10回
0%
20%
40%
60%
80%
100%
携帯メール送信回数と
気分の調節障害との関連(中学生・高校生)
IT機器の使用と「攻撃衝動」の関連
痛いことをしたり、ひどいことを言ったりして、だれかを攻撃したい
と思うことがある (「そう思う」「まあ~」「あまり」「そう思わない」)
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
格闘系ゲーム
小学生
***
依存傾向が高いほど、
攻撃衝動が高い者が多い
使用時間
インター
ネット 依存傾向
攻
撃
衝
動
テレビゲーム
依存傾向
<質問>
痛いことをしたり、ひどいことを言ったりして、だれか
を攻撃したいと思うことがある
極めて高い⇒
高い
⇒
ふつう ⇒
テレビゲーム依存傾向
かなり高い⇒
上位5%以上
そう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
そう思わない
上位5~10%
上位10~25%
上位25%未満
0%
20%
40%
60%
80%
100%
テレビゲーム依存傾向と
攻撃衝動との関連(小学生)
IT機器の使用と「攻撃衝動」の関連
暴力をふるったり、ひどいことを言ったりして、だれかを攻撃したい
と思うことがある (「そう思う」「まあ~」「あまり」「そう思わない」)
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
格闘系ゲーム
***
依存傾向が高いほど、
攻撃衝動が高い者が多い
使用時間
インター
ネット 依存傾向
送信回数が多いほど、
攻撃衝動が高い者が多い
携帯メール送信
**
中学生
高校生
攻
撃
衝
動
テレビゲーム
依存傾向
<質問>
暴力をふるったり、ひどいことを言ったりして、だれか
を攻撃したいと思うことがある
極めて高い⇒
高い
⇒
ふつう ⇒
テレビゲーム依存傾向
かなり高い⇒
上位5%以上
そう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
そう思わない
上位5~10%
上位10~25%
上位25%未満
0%
20%
40%
60%
80%
100%
テレビゲーム依存傾向と
攻撃衝動との関連(中学生・高校生)
IT機器の使用と「規範意識」の関連
見つからなければ、少しくらい悪いことをしてもかまわないと思うこ
とがある (「そう思う」「まあ~」「あまり」「そう思わない」)
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
格闘系ゲーム
***
依存傾向が高いほど、
規範意識が低い者が多い
使用時間
インター
ネット 依存傾向
* 小学生
規
範
意
識
<質問>
見つからなければ少しくらい悪いことをしても
かまわない
テレビゲーム
依存傾向
極めて高い⇒
高い
⇒
ふつう ⇒
テレビゲーム依存傾向
かなり高い⇒
上位5%以上
そう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
そう思わない
上位5~10%
上位10~25%
上位25%未満
0%
20%
40%
60%
80%
100%
テレビゲーム依存傾向と
規範意識との関連(小学生)
IT機器の使用と「規範意識」の関連
見つからなければ、少しくらい悪いことをしてもかまわないと思うこ
とがある (「そう思う」「まあ~」「あまり」「そう思わない」)
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
格闘系ゲーム
**
依存傾向が高いほど、
規範意識が低い者が多い
使用時間
インター
ネット 依存傾向
依存傾向が高いほど、
規範意識が低い者が多い
携帯メール送信
*
*
中学生
高校生
規
範
意
識
<質問>
見つからなければ少しくらい悪いことをしても
かまわない
テレビゲーム
依存傾向
極めて高い⇒
高い
⇒
ふつう ⇒
テレビゲーム依存傾向
かなり高い⇒
上位5%以上
そう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
そう思わない
上位5~10%
上位10~25%
上位25%未満
0%
20%
40%
60%
80%
100%
テレビゲーム依存傾向と
規範意識との関連(中学生・高校生)
IT機器の使用と子どもの心
※ いずれも、好ましくない方向性の関連
(その他の項目)
小学生
人間関係
使用時間
*
使用時間
**
*
*
テレビ
ゲーム 依存傾向
インター
ネット 依存傾向
**
・親には何でも相談
・何でも話せる友達
コミュニケーション
・気持ちを口に出せない
学校・家庭
・学校は楽しい
・家はホッとするところ
IT機器の使用と子どもの心
※ いずれも、好ましくない方向性の関連
(その他の項目)
中学生・高校生
人間関係
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
・親には何でも相談
・何でも話せる友達
コミュニケーション
使用時間
インター
ネット 依存傾向
携帯メール送信
・気持ちを口に出せない
学校・家庭
・学校は楽しい
・家はホッとするところ
IT機器の使用と、危険な使用、生活習慣
※ いずれも、望ましくない方向性の関連
小学生
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
使用時間
インター
ネット 依存傾向
インターネット
危険な使用
***
***
**
睡眠時間
IT機器の使用と、危険な使用、生活習慣
※ いずれも、好ましくない方向性の強い関連
中学生・高校生
使用時間
テレビ
ゲーム 依存傾向
使用時間
インター
ネット 依存傾向
携帯メール送信
インターネットによ
るニアミス経験数
睡眠時間
※女子が短い傾向
IT利用の有効面(光)をいかに促進するか
そして、悪影響(影)をいかに抑制するか
埼玉県学校保健会の調査結果がもつ意義
○ 埼玉県の子どもたちの結果
○ きわめて「黒」にちかい「灰色」
○ 「影」の内容が、より具体的に見えてきた
○ 子どもの心(人の本質)に関わる問題
○ 多くの危険と同じ空間に子どもたちが同居
○ 影響を受けている可能性のある子どもは
必ずしも「特殊な例」ではない
○ 依存傾向に注目する必要性
○ 大人たちは、この問題に「本当には」気が
ついていない
5 いま、何が必要か?
様々な方法論が提案されている
○ 業界 自主規制,レーティング,・・・
○ 行政 研究・教育の振興、活動拠点づくりの支援等
○ 学校 情報モラル教育、メディアリテラシー教育等
県教委が「情報モラル教育指導資料」(H17)
○ 家庭
・時間制限 ・自室で利用させない ・ノーゲーム日
・多様な活動に ・レーティングや内容の確認
・子どもと一緒に利用 ・よい内容を選ぶ ・・・
私たち大人が、「影・闇」の部分を
本当に理解すること
5 いま、何が必要か?
様々な方法論が提案されている
○ 業界 自主規制,レーティング,・・・
○ 行政 研究・教育の振興、活動拠点づくりの支援等
○ 学校 情報モラル教育、メディアリテラシー教育等
県教委が「情報モラル教育指導資料」(H17)
○ 家庭
・時間制限 ・自室で利用させない ・ノーゲーム日
・多様な活動に ・レーティングや内容の確認
・子どもと一緒に利用 ・よい内容を選ぶ ・・・
私たち大人が、「影・闇」の部分を
本当に理解すること
IT機器の使用と
子どもの心の健康問題
ご静聴ありがとうございました。