時間外・休日労働とは - 福岡労働局

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Transcript 時間外・休日労働とは - 福岡労働局

過重労働による
健康障害防止のための総合対策
平成20年度
福岡労働局
労働基準監督署
1
概 要
1.
過重労働による健康障害
1-1
1-2
1-3
1-4
1-5
2.
脳・心臓疾患の具体的な疾病
時間外・休日労働と健康障害の関係
睡眠時間から算出した時間外労働時間数
時間外・休日労働と健康障害のリスク
労災認定件数
過重労働による
健康障害防止のための総合対策
2-1 労働時間対策
2-2 労働者の健康管理
2
1. 過重労働による健康障害*1
脳・心臓疾患の
発病
自然経過を超え
著しく悪化
発病の基礎となる
血管病変等
心筋変性等
3
1-1 脳・心臓疾患の具体的な疾病
脳内出血
(脳出血)
くも膜下出血*
脳血管疾患
高血圧性脳症
脳梗塞
心筋梗塞
狭心症
虚血性心疾患等
心停止
(心臓性突然死を含む)
解離性
大動脈瘤
4
1-2 時間外・休日労働と健康障害の関係
脳・心臓疾患の
発病
疲労の蓄積
睡眠不足
長時間労働
残業
5
1-3 睡眠時間から算出した
時間外労働時間数
食事等
時間外労働なし
睡眠
余暇
仕事
7.5
睡眠7.5時間
2.2
6
睡眠6時間
3.7
5
睡眠5時間
0
5
4.7
10
15
(注) 1 食事等は、食事、身の回りの用事、通勤等の時間である。
2 拘束時間(仕事)は、法定労働時間(8時間)に休憩時間(1時間)を加えた時間である。
3 余暇は、24時間から睡眠、食事等、仕事の各時間を差引いた趣味、娯楽等の時間である。
45時間/月*
80時間/月*
100時間/月*
20
(資料出所)総務庁「平成8年社会生活基本調査報告」
(財)日本放送協会「2000年国民生活時間調査報告書
6
1-4 時間外・休日労働と健康障害のリスク
健康障害のリスク
時間外・休日
労働
高
月100時間 以上
または
2~6ヵ月平均
月80時間 以上
月45時間
長
く
な
る
ほ
ど
除々に高まる
低
7
1-5 労災認定件数 ①
過重労働が深刻
脳・心臓疾患に係る
労災請求・認定件数の推移
件数
福岡
全国
1000
819
800
30
742
36
816
931
33
32
28
600
400
938
869
27
22
15
15
200
294
314
317
15
13
13
355
330
392
0
14年度
15年度
全国 請求件数
16年度
全国 認定件数
17年度
18年度
福岡 請求件数
19年度
40
35
30
25
20
15
10
5
0
年度
福岡 認定件数
8
1-5 労災認定件数 ②
平成19年度
3.8%
13.0%
14.5%
その他
23.7%
2.3%
5.4%
1.5%
3.8%
生産・労務
16.6%
運輸・通信
従事
7.4%
サービス
11.0%
販売職
その他
教育,学習
25.8%
飲食店、宿泊
業
情報通信業
医療、福祉
8.4%
事務職
13.0%
管理職
卸・小売業
12.8%
運輸業
建設業
18.1%
専門技術
職
職種別認定件数※
18.9%
業種別認定件数※
製造業
9
1-5 労災認定件数 ③
平成19年度脳心・精神障害労災支給決定事案(全国)
労働時間数
脳心臓疾患
決定件数
精神障害等
うち死亡
決定件数
うち自殺
20時間未満
0
0
72
5
20~40
0
0
20
7
40~60
0
0
11
8
60~80
28
16
17
9
80~100
135
54
27
11
100~120
91
25
39
20
120~140
39
12
17
4
140~160
34
15
12
4
160以上
35
7
16
9
合計
362
129
231
65
※労働時間数については、左数字以上右数字未満である。
グラフ化
※脳心臓疾患については、長期間の過重業務(認定基準3)により支給決定を受けた事案の統計である。
※精神障害等については、労働時間の長さを考慮して支給決定された事案の統計であり、PTSDまたは異常な出来事による心理的負荷のみにより決
定された事案を除いている。
10
2. 過重労働による
健康障害防止のための総合対策
健康診断の
実施
時間外・休日
労働の削減
労働者の健康管理
労働時間対策
36協定
限度基準
年休の
取得促進
医師による
面接指導
その他
11
2-1 労働時間対策
12
<労働時間対策>
時間外・休日労働とは
 時間外・休日労働は本来臨時的な場合 に
実施
 時間外・休日労働をさせる場合
36協定(*2)の締結が必要
但し、36協定にも限度基準があります
時間外労働をなくすように努めましょう
13
<労働時間対策>
36協定の締結から届出まで
時間外労働が必要な具体的理由
使用者
業務の種類
(
所
定
様
式
第
9
号
に
よ
る
届
出
締結当事者
協
定
事
項
労働者の数
)
労
使
協
定
の
締
結
1日および1日を超える一定の期間に
ついて延長することができる時間
または労働させることができる休日
労働者の過半数を代表する
労働組合または
過半数労働者の代表
有効期限の定め
(労働協約による場合を除く)
所轄労基署長
14
<労働時間対策>
36協定、限度基準(*2)
36協定は限度基準等
に
適合していますか?
健康障害防止の観点から、実際の時間外・休日労
働は月45時間以下とするように努めましょう
期 間
1週間
2週間
4週間
1箇月
2箇月
3箇月
1年間
限度時間
15時間
27時間
43時間
45時間
81時間
120時間
360時間
労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準
(平成10年労働省告示第154号)
15
<労働時間対策>
労働時間の把握(*3)
労働時間を適正に
把握していますか?
労働日ごとの始業・終業時刻を記録し
時間外労働が増加してないか
確認しましょう
16
<労働時間対策>
年休の取得促進(*4)
年次有給休暇の取得を
促進していますか?
休暇を取得しやすい職場環境を
作りましょう
17
2-2 労働者の健康管理
18
<労働者の健康管理>
長時間労働者に対する医師の面接指導制度①
時間外・休日労働
月100 時間 以上
健
康
障
害
の
リ
ス
ク
が
徐
々
に
高
ま
る
2~6ヵ月平均
月80 時間 以上
月100時間、または2~6月平
均で月80時間を超え、疲労の
蓄積が認められる者(申出によ
る)に対する医師の面接指導
長くなるほど
月45 時間以内
平成20年4月1日より50人未満の
事業場に対しても適用
19
<労働者の健康管理>
長時間労働者に対する医師の面接指導制度②
まずここを改善すると
いいですね
時間外・休日労働が月45時
間を超えたら
うちの事業場での健
康管理はどうしたら
いいですか?
健康管理に関する情報等について提供
助言指導
地域産業保健センター(*5)
産業医等
50人未満の事業場については、産
業医、嘱託医等が選任されていない
時は、地域産業保健センターを活用
して、面接指導を実施する。
事業者
20
<労働者の健康管理>医師の面接指導等
●月100時間超の時間外・休日労働を行い、
疲労の蓄積が認められる者(申し出)
○月80時間超の時間外・休日労働を行い、
疲労の蓄積が認められる者(申し出)
○事業場で定める基準に該当する者
①
④
長時間労働者
①面接指導等の実施通知
②
②面接指導等の実施
事業者
■勤務状況・疲労状況の把握
■就業場所の変更、作業転換
④事後措置の実施
■メンタルヘルス面でのチェック
■労働時間の短縮、深夜業の回
数減少
■把握結果に基づく必要な指導
■衛生委員会等への報告 等
③医師からの意見聴取
産業医等
●は、法66条の8面接指導(義務) ○は法66条の9面接指導等(努力義務)
21
<労働者の健康管理>
健康診断の活用
定期健康診断の実施の徹底
事後措置

深夜業の自発的健康診断給付

二次健康診断等給付
保健指導
22
深夜業の自発的健康診断
診断結果
自ら
健康診断を受診
事後措置等
事業者
労働者
費用の一部が援助される
自発的健康診断(*6)
23
二次健診給付(*7)
定期健康診断等の結果
脳・心臓疾患に関連する一定の項目について
異常の所見があった労働者は
血圧の検査、 血中脂質検査、血糖検査、BMI(肥満度)の測定
二次健康診断
が受けられます
特定保健指導
24
<労働者の健康管理>
労働者の疲労蓄積度チェックリスト
疲労の蓄積を診断してみましょう
労働者による
チェックリスト診断
(*9)
家族による
チェックリスト
診断(*10)
25
<労働者の健康管理>
その他
 心と体の健康づくり(THP)
生活習慣を見直し、身体的と精神的と両面の
健康づくりを目指しましょう
 メンタルヘルスケア
労働者の心の健康を保持、増進対策を検討しましょう
 快適職場作り
労働者が働きやすい職場環境を作りましょう
26
参考資料①<リーフレット等>









過重労働による健康障害を防ぐために(*1)
時間外労働の限度に関する基準(*2)
労働時間の適切な把握のために(*3)
年次有給休暇取得のすすめ(*4)
地域産業保健センターの利用案内(*5)
自発的健康診断受診支援助成金利用のご案内(*6)
二次健康診断等の給付の請求手続(*7)
労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト(*8)
家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト(*9)
※スライド中に出てくるリーフレットですが、スライドからはリンクしてい
ません。リーフレットを参照されるときは、パワーポイントを一旦修了さ
せて、スライド資料一覧からお願いします。なお、右の()数字はスライド
中では赤字で印字しています。
27
参考資料②<各関連法令通達等>

脳・心臓疾患の労災認定

過重労働による健康障害防止のための総合対策


長時間労働者への医師による面接指導制度について
職場における心の健康づくり

労働基準法第36条第1項で定める労働時間の延長の限度等に関する基準

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準

小規模事業場産業保険活動支援促進助成金のご案内
※過重労働関係のリーフレット、関係通達等ですが、スライドからはリン
クしていません。参照する場合は、パワーポイントを一旦修了させて、
スライド資料一覧からお願いします。
28
おわりに
過重労働による健康障害防止のための総合対策について
詳しく知りたいときは、
最寄の都道府県労働局、労働基準監督署にお問い合わせ下さい。
厚生労働省
都道府県労働局
労働基準監督署
※時間に余裕がある場合は、ミニ知識へ
29
グラフ 脳・心臓疾患に係る
労災請求・認定件数の推移
件数
1000
800
600
400
全
690
617
493
312
938
869
816
705
317
143
85
81
200
0
819
330
294
931
355
392
請求件数
認定件数
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
19年度
国
件数 40
福
30
27
27
25
15
20
33
22
15
28
32
27
13
5
1
1
10
岡
36
30
13
請求件数
15
認定件数
0
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
19年度
30
次へ
6%
4%
5%
5%
3%
4%
15%
16%
16%
15%
18%
14%
28%
27%
27%
29%
29%
34%
40%
42%
41%
43%
40%
10%
10%
11%
11%
8%
10%
11%
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
平成17年度
平成18年度
平成19年度
6%
23%
29%
29歳以下
30~39歳
40~49歳
50~59歳
60歳以上
27%
42%
もどる
31
グラフ 職種別認定件数
17%
18%
13%
22%
13%
20%
10%
13%
18%
9%
3%
4%
6%
9%
5%
21%
25%
18%
18%
7%
9%
6%
25%
13%
19%
12%
15%
18%
13%
14%
8%
10%
11%
7%
7%
25%
25%
24%
25%
25%
24%
10%
12%
15%
10%
12%
7%
20%
21%
14%
20%
25%
11%
11%
25%
14%
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
専門技術職
管理職
事務職
販売職
サービス
運輸・通信従事
技能職
その他
もどる
32
グラフ 業種別認定件数
24%
23%
22%
19%
26%
5%
3%
20%
4%
7%
5%
16%
17%
17%
21%
27%
24%
26%
26%
下記以外
の業種
接客娯楽
業
卸・小売業
運輸業
建築業
27%
製造業
10%
13%
9%
10%
10%
22%
16%
平成15年度
19%
18%
11%
平成16年度
平成17年度
平成18年度
平成19年度
もどる
33
支店長付き運転手に発症したくも膜
下出血
大手保険会社の支店に派遣された男性
支店長付き運転者として勤務
時間外労働による負荷
慢性的な疲労
基礎疾患
動脈瘤
発症まで相当長期期間に亘り
長時間の時間外労働が認めら
れた。
業務内容も、精神的緊張を伴
い、不規則で労働密度も低くな
かった。
くも膜下出血
発症
午前5時頃、
自宅近くの駐車場を出発後
間もなく「くも膜下出血」を発症
(当時 54歳)
もどる
34
睡眠時間から算出した時間外労働時間数
労働によって睡眠時間が5時間となる状態
余暇2.3時間と睡眠2.4時間を合わせた4.7時間が時間外労働に割かれる。
この場合の月間の時間外労働は、次のとおり。
4.7時間/日 × 21.7日/月 ≒ 100時間/月
21.7日 ≒ (365日-(52週×2日))÷12ヵ月
もどる
35
睡眠時間から算出した時間外労働時間数
労働によって睡眠時間が6時間となる状態
余暇2.3時間と睡眠1.4時間を合わせた3.7時間が時間外労働に割かれる。
この場合の月間の時間外労働は、次のとおり
3.7時間/日 × 21.7日/月 ≒ 80時間/月
21.7日 ≒ (365日-(52週×2日))÷12ヵ月
もどる
36
睡眠時間から算出した時間外労働時間数
労働によって睡眠時間が7.5時間となる状態
余暇2.3時間のうち、2.2時間を時間外労働に割かれる。
この場合の月間の時間外労働は、次のとおり。
2.2時間/日 × 21.7日/月 ≒ 45時間/月
21.7日 ≒ (365日-(52週×2日))÷12ヵ月
もどる
37
ミニ知識
~時間外労働を減らすために~
「所定外労働削減要綱」の概要
もどる
38
<労働時間対策>
所定外労働を減らすために
1.
労働時間に対する意識を改革
2.
業務体制を改善
3.
所定外労働削減のための労使委員会を設置
4.
「ノー残業デー」「ノー残業ウィーク」を作る
5.
フレックスタイム制や変形労働時間を活用
もどる
39
<労働時間対策>
所定外労働を減らすために
6.
ホワイトカラー等の残業を削減
7.
時間外労働協定の延長時間を短縮
8.
「原則限度時間」を設定
9.
所定外労働を行う理由を限定
10.
休日を確保
もどる
40
フレックスタイム制とは
就業規則及び労使協定で所定の事項を定めた場合には、
1箇月以内の清算期間を平均し1週間の労働時間が
法定労働時間を超えない範囲内で、労働者の選択により、
週又は1日の法定労働時間を超えて労働させることがで
きます。
もどる
41
変形労働時間制とは
●1箇月単位の変形労働時間制
労使協定又は就業規則等で1箇月以内の一定の期間を平均し1週当たりの労
働時間が法定労働時間を超えない定めをした場合においては、その定めの範
囲内で特定の週又は特定の日の所定労働時間を法定労働時間を超えたものと
することができます。
●1年単位の変形労働時間制
労使協定で1箇月を超え1年以内の期間を平均し週40時間を超えない定めを
した場合には、その定めの範囲で特定の週又は特定の日に1週40時間
又は1日8時間を超えたものとすることができます。
●1週間単位の非定型的変形労働時間制
規模30人未満の小売業、旅館、料理店、飲食店については、労使協定に
もどる
おいて1週間の労働時間を40時間とした場合に、1日について10時間まで
労働させることができます。
42
平成19年度脳心臓疾患・精神障害等労災認定
時間外労働時間別決定状況(全国)
件数
160
140
120
脳心臓疾患
決定件数
脳心臓疾患
うち死亡
精神障害等
決定件数
精神障害等
うち自殺
100
80
60
40
もどる
20
0
20時間未満
20~40
40~60
60~80
80~100
100~120
120~140
140~160
160以上
労働時間
43