卒業論文発表 自動車広告の広告表現 -安全問題・環境問題の広告
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Transcript 卒業論文発表 自動車広告の広告表現 -安全問題・環境問題の広告
自動車広告の広告表現
-安全問題・環境問題の広告表現の社会史的考察-
社会学部
メディアコミュニケーション学科4年
内藤 靖人
問題意識
環境問題と、企業の環境活動にはどのような
関係があるのか
環境広告はいつからあり、なぜ、今多くみるよ
うになったのか
自動車と交通安全は広告でどのように表現さ
れてきたのか
安全問題に関する自動車広告
交通事故の増加原因として、自動車の普及
(国民の自動車保有台数の増加)が挙げられ
るようになった。
1970年 第一次交通戦争
1990年 第二次交通戦争
交通事故件数推移
140
万
120
100
60
40
20
0
1955年
1959年
1963年
1967年
1971年
1975年
1979年
1983年
1987年
1991年
1995年
1999年
2003年
件数
80
18000
16000
14000
12000
10000
死者数
8000
6000
4000
2000
0
事故発生件数
死傷者数
死者数
第一次交通戦争
原因
交通規制や、道路の整備が急激なモータリ
ゼーションに対応できていなかった。
自動車の安全性能が重視されていなかった。
企業の対応
自動車の安全性能の開発
広告による安全の訴求
1.自動車の安全性能の訴求
2.企業広告による企業姿勢のアピール
企業広告
自動車広告
第二次交通戦争
原因
1990年にNHKのドキュメンタリー番組「日本
死者急増」により外国の自動車と日本の自動
車の安全性能の違いがおおやけになったこと
により、注目される。
自動車乗車中の死者が多かった。
↓
自動車の安全性能に不安
安全性能の訴求
安全性能の開発に成功
安全性能が標準化
↓
安全性能の差別化
トヨタ自動車GOA(ゴア)日産自動車ゾーンボディ、
FLプラットホーム(FFベース)、FMプラットホーム
(FRベース)
本田技研工業全方位衝突安全設計ボディG-CON
(ジーコン)、ACO(アドバンスドGCON)マツダ
MAGMA(マグマ)
三菱自動車工業RISE(ライズ)
スバルクラッシュセーフ・ボディ、全方位衝突安全強
化ボディ、新環状力骨構造ボディ、衝撃吸収位相制
御構造
スズキSSIS、TECT(テクト)
ダイハツ工業TAF(タフ)
日野自動車EGISキャブ (イージス)
環境問題に対する広告の変遷
社会問題としての環境問題
1970年公害問題として、一時的な社会問題
として捉えられる。
1990年環境問題として、長期的な社会問題
として捉えられる。
公害問題と環境問題の比較
公害問題
環境問題
規模
国内社会的規模
地球規模
推移
急進的
やや漸進的
発端
国内からの告発
欧米諸国からの
告発
業種別の
影響
特定の業種に集
中傾向
広範な業種にま
たがっている
形態
短期集中的
長期永続的
1970年代は主に企業広告により訴求された
HONDA・CIVIC
環境広告の誕生
ボルボの広告が出稿された翌年には日本経
済新聞社が「環境広告コンクール」を創設し、
「環境広告」という言葉は社会に定着すること
となった。
それに続き、各自動車企業も環境広告を出
稿し始める。
当初は自虐的な表現→ボルボの影響
徐々に広告戦略の一つとして扱われるように
なる。
1990年環境広告は戦略の一つに
トヨタ・ECO-PROJECT
ECO-PROJECTの機能
トヨタのイメージの向上(環境問題に熱心な企
業)
ハイブリッドカープリウスの販売促進
消費者の環境意識を高める。
結
自動車広告は自動車性能を一番に訴求する
ものである。
しかし、自動車の持つ社会問題を解決させる
性能の開発がまず求められる。
その性能が、もっとも有効な訴求内容となり、
広告戦略の大きな武器となるため、性能があ
りきの広告こそが、その自動車の価値が決め
るということになる。