クラスターツリー図

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Transcript クラスターツリー図

2004年度秋学期 熊坂研月曜ゼミ
最終プレゼン 「野球」
~ ジャンル「野球」 のクラスターツリー ~
小野田哲弥
(1)概観分析
レイヤー1は以下の10人。
1.イチロー、2.王貞治、3.野茂英雄、4.松坂大輔、5.清原和博、
6.長嶋茂雄、7.原辰徳、8.松井秀喜、9.江川卓、10.高橋由伸。
大きくは、以下の5領域に分けられる。
1.江川領域…個性の強い人たち(毒舌、関西キャラ)が多い。
2.王・長嶋・原領域…80年代正統派。球界の重鎮、現球界の首脳陣。
3.野茂・イチロー領域…パリーグのスーパースターとメジャーリーガー。
4.西武黄金領域…清原を筆頭に、秋山・石毛・工藤がつづく。
5.新世代領域…松井・由伸・松坂が代表格。繋がりやすいのは由伸。
(2)領域分析1 「江川領域」
この領域は、かなり個性の強い人たちによって構成される。
選手としての能力は高いが、どこかいわくつきで一般的に監督に不向き。
(落合・掛布・田淵・江本・川藤などが典型)
関西人が多く、江川はそのまま
阪神に入団しておいた方が…
とも思わせるツリー図。
パの最強外国人は意外にも
サンデー兆治と繋がった。
これに匹敵する豪華な対決は
現在の球界にあるだろうか?
また2004年には、
意外にも“オレ流”落合が
中日監督としてリーグ優勝達成。
田淵(岡田も?)は失敗したが、
江川、掛布が監督になる日も
そう遠くないかも(実際、掛布には
楽天からオファーがあった)。
また阪神ファンの夢
「バース監督」もあるうる!?
(2)領域分析2 「王・長嶋・原領域」
この領域は、80年代野球ファンの王道ともいえる。
王・長嶋に代表される名球界と、原に代表されるエリート集団。
王と江夏の対決はプレミアもの。
江夏はパを媒介するとともに
「江夏の21球」でカープと繋がる。
ハラタツの下位レイヤーは
・70年代(赤ヘル)
・80年代(第2次巨人黄金期)
・90年代(ヤクルト全盛期)
とセの支配図を再現している。
巨人の80年代主力のほとんどが
解説者として著名なため、
「野村ヤクルト以前」のクラスターは
「ヤクルト全盛期」ではなく、
こちらと繋がっている。
大洋・中日はこれらの影に隠れた感。
阪神がまったく登場しないは象徴的。
また、ヤクルトはかなり有能な外国人に
恵まれていたことも確かめられる。
(2)領域分析3 「野茂・イチロー領域」
2000年前後の、過渡的状況を表象する領域。
日本人メジャーリーガーの名はほとんどここに登場する。
1989年のドラフト会議で、
ヤクルトの1位指名が野茂、2位指名が古田
だったのは有名な話。しかも野茂が渡米した
95年は日本ではヤクルト全盛期まっただ中だった。
イチローと伊良部の対決も1995年前後では
特に注目度が高かった。
伊良部は日本人最速投手として有名なため、
ツリー図において、ノーラン・ライアンや
ランディ・ジョンソンを引き寄せるのだろう。
ロッテ・オリックスとメジャーとのパイプの強さも目立つ。
ロッテは特にメッツとの繋がりが強い。
(バレンタイン・小宮山・立花(コンディショニングコーチ))
オリックスからは、長谷川(マリナーズ)と
田口(カーディナルス)が輸出されるとともに
マック鈴木(ロイヤルズ)が輸入された。
ボンズらがマック鈴木の下に位置づけられる点からも
当時まだMLB未開拓時代だったことがうかがえる。
(2)領域分析4 「西武黄金領域」
清原和博に代表される、西武の黄金時代を表す領域。
次点で続くのが、秋山・石毛・工藤、そしてPL学園同期の桑田である。
この領域でキーとなる選手は工藤だ。
彼は清原・秋山・石毛らと西武黄金期を築いた
ばかりでなく、秋山とともにダイエー黄金期の礎を築いた。
したがって工藤配下には、東尾や森監督らの
西武メンバーのみならず、井口・城島・小久保の
ダイエー黄金期が連なっている。
これでも十分にすごいのだが、これに飽き足らず
巨人に移籍したのだから工藤の功績は半端ない。
したがって桑田と清原は、85年PL優勝のKKコンビ
としてだけではなく、工藤に媒介され
巨人のベテランとしても密接に結びつくこととなる。
また中日の80年代の顔だった牛島は
選手生活の晩年、落合との1対4トレードの屈辱を味わう。
(横浜監督としてオレ竜への雪辱なるか!?)
また、このクラスターは田尾の存在によって西武と繋がる。
日ハムはあまり色がない。そう考えると2004年の
札幌移転&新庄加入の衝撃は予想以上だったのでは。
(2)領域分析5 「新世代領域」
現在進行形の21世紀選手が多く帰属する領域。
別格の松井と、未知数の松坂は単独となり、
すべての下位クラスターが高橋由伸と結びついている。
まず由伸に苦言を呈しなければならない。
今日、巨人不人気、野球不況などと
言われるがそのA級戦犯は由伸ではないか?
これだけ多くのクラスターを従える
重責にありながら、期待ほどの成績を
残せていないからである。
同様に現状では高木大成も期待先行型。
(がんばれ!慶応OB)
球団名が消えた近鉄だが
精神的支柱の石井浩郎が巨人に移籍
したあたりから雲行きがあやしかったのでは?
星野は当時ミスター中日だったが
今日ではレイヤー1に格上げされ
タイガースとしての認知の方が上回っている
だろう。スター選手クラスターも今や
レイヤー1にあっておかしくない。
むしろ由伸を凌ぐ勢いだと思われる。
頼りないのが巨人領域。
80年代の輝きは見る影もない。
(3)メディアマップへの興味・関心
クラスターツリーとは、かなり様相が異なると思われる。
クラスターツリーでは「江川領域」ができたが
江川・原・王・長嶋はアイテムとして近く、
巨人の第1次・第2次黄金期が固まる予感がする。
他方、レイヤー1を勝ち取れなかった阪神だが
メディアマップでは「阪神領域」たるものが形成されるであろう。
また一時代を築いた、カープ・西武・ヤクルトが
どの程度の比重を占めるかも見もの。
コアな人気を持つ、ロッテ・阪急・近鉄・中日・大洋などが
レイヤー3で強固な領域を形成すると面白い。
個性的な選手や外国人選手がメディアマップ上の
どこに配置されるのかも興味深いところである。