Transcript 第11回

土木計画学
第11回(12月21日)
土木計画と説明責任
計画における代替案の作成1
担当:榊原 弘之
土木計画における循環的なプロセス
問題の明確化
YES!
意思決定
Decision Making
調査
NO!
OK?
予測
解釈と評価
代替案の設計
本日の内容
土木計画と説明責任(accountability)
・土木計画における説明と合意の重要性を説明する.
・代替案作成の手順と考え方について説明する.
計画における代替案の作成1
・数理計画法の概要を説明する.
公共事業に対する社会的批判
「無駄だ」
「昔決定した事業をそのまま続けている」
「最初に事業ありきではないのか」
意思決定過程の明確化(アカウンタビリティ)
どのような前提をおいているのか
どのようにしてその結論は導かれたのか
経済評価など
言い訳?
説得材料?
市民との対話の出発点として,一つの考え方を
提示する
どこまではできるのか,何はできないのか
あることを実現するために,他のどんなことを
犠牲にしなければならないのか.
市民に対し選択を求めるために,
共通の対話言語をつくってゆくための
手段
カリフォルニア州の住民投票パンフレット(左:2000年,右:2002
年)
提案の概要
税収の一部の使途を特定目的(交通,環境,スクールバス)に限定
「賛成」「反対」がどのような結果をもたらすか
賛成意見
反対意見
双方の立場の主張
第三者による
分析
代替案(alternative):問題の解決策
合意形成の観点からは,
代替案そのものと同時に,どのような条件の下で,
どのような目的で作成されているかを明示することが
重要
•確率モデル(例:ベルヌーイ,ポアソン)の必要性
•数理計画法の適用可能性
線形計画法,非線形計画法,動的計画法
数理計画(mathematical programming)
なんらかの制約条件(constraints)の下で,
目的関数(objective function)を最大化または最小化する
問題によって異なる
利潤,便益,効果....最大化(maximization)
費用,所要時間,損失...最小化(minimization)
最適化
与えられた数理計画問題を解き,目的関数が最大となるように
設計変数を決定する
数理計画問題の図式化
2変数x1,x2の場合
制約条件.. x1,x2のとりうる範囲を規定
指定された範囲..実行可能領域(集合)
x2
x1
実行可能領域内で,目的関数が最大となるようなx1,x2の組を
選ぶ
x2
F ( x1 , x2 )  C1
F ( x1 , x2 )  C0
数理計画問題の解
F ( x1 , x2 )  C1
x1
制約条件式,目的関数がすべて線形の場合:
線形計画問題(Linear Programming, LP)
制約条件式,目的関数に非線形の式が含まれる場合:
非線形計画問題(Nonlinear Programming, NP)
x2
x1
生産計画
2つの部門の工事受注額 X 1 , X 2
2つの部門の利潤率
C1 ,C2
2つの部門の単位受注額あたり
a p1, a p2
労働力使用量
2つの部門の単位受注額あたり
aq1, aq2
建設機械使用量
労働力の上限
bp
建設機械使用量の上限
bq
固定費用
K
労働力と建設機械の制約の下で,利潤を最大化するためには?
Objective Function
C1 X1  C2 X 2  K →max
Constraints
ap1 X1  ap2 X 2  bp
aq1 X1  aq2 X 2  bq
労働力の制約
建設機械の制約
資源配分の最適化問題
(資源の内容が変わっても(水,人,土地,時間),構造は同じ)
高速道路のインターチェンジの最適配置問題
都市2(4,7)
人口 P
2
(x  4)  5y 15  0
2
都市3(8,3)
人口
都市1(0,0)
人口 P
1
P3
「最適な」インターチェンジの配置は?
基準によって目的関数は変わる!
人口の重みを考慮
Objective Function
P1 (x2  y2 )  P2{(x  4)2  ( y  7)2}  P3{( x  8)2  ( y  3)2}
→min
Constraints
(x  4)  5y 15  0
2
インターが路線上にあること
「最適な」インターチェンジの配置は?
公平性を考慮
Objective Function
max[(x2  y2 ),{(x  4)2  ( y  7)2},{(x  8)2  ( y  3)2}]
→min
Constraints
(x  4)  5y 15  0
2
インターが路線上にあること
輸送問題
複数の生産地から複数の消費地へ同じ製品を輸送する
(例:複数の工場を持つメーカーの物流,廃棄物輸送)
s1
生
産
量
X11
1
. X1n
.
.
si i
.
.
.
sm m
生産地
1
X1 j
X ij
d1
.
.
.
j
dj
.
.
.
n
dn
消費地
消
費
量
生産地iから消費地jまで1単位の製品を輸送するための費用
Cij
総輸送費用を最小化するには?(在庫は認めず)
定式化
m
si 
Objective Function
m
n
C X
ij
i 1 j 1
 d
i 1
ij
n
j
j 1
→min
Constraints

n
X ij  si (i  1,2,...,n)
発地(生産地)側の制約
j 1
X
m
i 1
ij
 dj
( j  1,2,...,n)
着地(消費地)側の制約
在庫を認める場合
n
i 1
j 1
si  d j
定式化
Objective Function
m
n
C X
ij
m
ij
→min
i 1 j 1
Constraints
n
 Xij  si
(i  1,2,...,n)
発地(生産地)側の制約
j 1
X
m
i 1
ij
 dj
( j  1,2,...,n)
着地(消費地)側の制約
非線形計画問題
z(x)
最小化
gi ( x)  0
h j ( x)  0
(i  1,...,m)
( j  1,...,l )
x  ( x1 , x2 ,..., xn )
制約条件
(1)変数が一つの場合
(x  2)
2
最小化
a  x b
a
2
内点解
b
制約条件
x
2 a
b
x
端点解
a b 2
x
目的関数が凸関数でない場合は?
局所的最適解
全域的(大域的)
最適解
x
局所的最適解の条件
2
dz
d z
 0,
0
2
dx
dx
(2)変数が2つ以上の場合(制約条件なし)
局所的最適解の条件
 z 


 x1 
z   :   0
 z 
 x 
 n
ヘシアン行列
ベクトル
かつ
y Hy  0
t
非負定値
2
 2z


z



 x 2


x

x
1
n
 1

H  :

: 
 2z
2z 



2
 xnx1


x
n


(3)変数が2つ以上の場合(制約条件あり)
x2
g( x1, x2 )  z( x1, x2 )
(λは適当な実数)
 g g 

g ( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
実行可能領域
 z z 

z( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
gi ( x)  0
x1
x2
gi ( x)  0
 z z 
  0
z( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
実行可能領域
x1
x2
gi ( x)  0
g( x1 , x2 )  z( x1 , x2 )
実行可能領域
 z z 

z( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
 g g 

g ( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
x1
x2
g1 ( x1 , x2 )  (1   )g2 (x1 , x2 )  z( x1 , x2 )
 g1 g1 

g1 ( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
 g 2 g 2 

g 2 ( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
実行可能領域
 z z 

z( x1 , x2 )  
,
 x1 x2 
g1 ( x)  0
g 2 ( x)  0
x1