COBRA-JMSM2002

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沖縄バイスタティック偏波降雨レーダー(COBR
A)による次世代の気象レーダー観測
* 佐藤晋介、中川勝広、花土弘、井口俊夫(通信総研)、
山崎次雄(NEC)、Joshua Wurman (BINET Inc.)
COBRA: CRL Okinawa Bistatic polarimetric RAdar
Oogimi bistatic site
気象レーダーの技術開発
(COBRAの機能、観測方法などの紹介)
気象学・天気予報の
発展にどう役立つか
Two-faces bistatic antenna
in Onna (CRL-Okinawa)
Examples of the COBRA observation data
COBRA main radar (15 m tower)
COBRA主レーダの主要諸元
Frequency
Peak power
Pulse width
PRF
Antenna
Antenna gain
Beam width
Sidelobe level
Cross pol ratio
Doppler estimation
Range bin num
Antenna scan
5340 MHz
250 kW×2 (Dual Klystron)
0.5, 1.0, 2.0 s
250-3000 Hz, 0.5 s (PRT) step
4.5 m  parabola in 8 m  radome
45.6 dBi (H) / 45.7 dBi (V)
0.92 deg (H) / 0.91 deg (V)
 -30 dB (AZ),  -28 dB (EL)
 36 dB (integ in a beam)
Pulse-pair / FFT
 2000
0.5-10 rpm (PPI), 0.1-3.6 rpm (RHI),
0.1 rpm step, CW/CCW
6種類の偏波(H,V,+45,-45,RC,LC)の
パルス毎切り換え送信機能とH,V同時受信機能
2台の送信機(H、V)
送信偏波の例
単一偏波で、V-H
・V
+45
送信と同等のデー
・ V-H
RC-LC
タが期待できる
・ V-V-+45
・ V-V-H-H
・ V-H-+45--45-RC-LC
2台の受信機(H、V)
H-port、V-port同時受信、位相制御は行わない
2段のA/Dからなるデジタル受信機で90 dB以上
のダイナミックレンジを実現
偏波データの役割
・ 強雨時の減衰補正
・ 降水粒子の分類(雨/雪/霰)
・ 雨滴粒径分布の推定
アンテナの性能
レドーム直径:8 m
アンテナ直径: 4.5 m
・ ビーム幅 ~0.9°
・ サイドローブレベル < -30 dB
・ 交差偏波比 > 36 dB
H-Port
EL-Plane
AZ-Plane
V-Port
EL-Plane
AZ-Plane
COBRA主レーダーのアンテナパターン
SROT (Sophisticated Radar Operating Technique) for COBRA
・ 可変観測パラメータ(パルス繰り返し周波数, パルス幅, アンテナ回転速度)の自動最適化
・ 2重PRF(pulse by pulse)による広範囲観測とドップラー観測の両立
・ 高いPRFの時は、高速アンテナ回転
Rmax= C /(2・PRF)
long-range obs: low PRF
Vmax= ±(λ・PRF)/4
large-velocity obs: high PRF
→ 短時間での密なボリュームスキャン
SROTで計算された詳細観測モードの例
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
EL
[deg]
0.5
0.9
1.4
2.0
2.6
3.4
4.3
5.5
6.8
8.5
10.5
13.0
16.1
20.0
90.0
PW
[us]
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
1.0
1.0
0.5
PRF1 (Rmax, Vmax)
[Hz] ([km], [m/s])
750 (200.0, 10.5)
750 (200.0, 10.5)
750 (200.0, 10.5)
750 (200.0, 10.5)
750 (200.0, 10.5)
750 (200.0, 10.5)
811 (185.0, 11.4)
976 (153.7, 13.7)
1182 (126.9, 16.6)
1439 (104.2, 20.2)
1756 ( 85.4, 24.7)
2150 ( 69.8, 30.2)
2400 ( 62.5, 33.7)
2400 ( 62.5, 33.7)
2400
3000 (( 62.5,
50.0, 33.7)
42.1) FFT
Vmax_staggered =±(λ・ PRF1 ・ PRF2)/4(PRF1-PRF2)
PRF2 (Rmax, Vmax)
[Hz] ([km], [m/s])
563 (266.4, 7.9)
563 (266.4, 7.9)
563 (266.4, 7.9)
563 (266.4, 7.9)
563 (266.4, 7.9)
563 (266.4, 7.9)
608 (246.7, 8.5)
732 (204.9, 10.3)
887 (169.1, 12.5)
1079 (139.0, 15.2)
1317 (113.9, 18.5)
1613 ( 93.0, 22.7)
1800 ( 83.3, 25.3)
1800 ( 83.3, 25.3)
Unfold-Vmax
[m/s]
31.7
31.7
31.7
31.7
31.7
31.7
34.1
41.1
49.9
60.6
74.0
90.7
101.1
101.1
33.7
42.1
Integ
Ant.Spd
Time
[hit]
[rpm]
[sec]
64
1.2
54.
64
1.6
42.
64
2.2
33.
64
2.8
26.
64
3.7
21.
64
4.6
18.
64
6.3
15.
64
9.5
11.
64
10.0
11.
64
10.0
11.
64
10.0
11.
64
10.0
11.
64
10.0
11.
64
10.0
11.
1024
6.
total= 292.1[sec] ( 4m52s )
計算条件: 5分以内, PRF1:PRF2=4:3, Rmax = 200 km, Vmax > 30 m/s, integ-dis < 1.5 km (~max 3deg)
(注):小さな(Vmax1-Vmax2)はエラーの原因、Vmax2は実際の速度変動より大きくなくてはならない
15仰角
SROTで計算されたボリュームスキャンの仰角
・ エコー頂高度の推定誤差を観測範囲内で一定にする
・ ボリュームスキャンのデータから鉛直断面を作成する時の不自然さを減らす
・ 圏界面高度を超えるような観測レンジでは、データ収集を行わない(Higher PRF)
参考文献:Wood, V. T., and R. A. Brown, 1999, 29th Radar Meteor Conf. 229-231.
バイスタティック・ドップラー・ネットワーク機能
1台のドップラーレーダー+
複数台のバイスタティック受信機
Izena
Bist #2 (Ogimi)
Backscatter
Bistatic
scatter
100 km range
COBRA Radar site
(26N 35’, 128E 04’)
Bist #1
(Onna)
2方向のドップラー
速度を観測
35 km
Itokazu
→ デュアル・ドップ
ラー解析による3次
元風速場の算出
COBRA bistatic dual-Doppler areas
2面バイスタティック・アンテナ
バイスタティック
受信局
バイスタティック
アンテナパターン
AZ方向
θ
有効ビーム幅
(AZ>90°)
θ
送信レーダ
・1台のBIST受信機で両側のデュアル範囲を観測
・観測面積を最大にする2つのアンテナの取付角度は
ベースライン長によらず一定
バイスタティック
アンテナパターン
EL方向
有効ビーム幅
(EL>20°)
バイスタティック・レーダーの長所と短所
長所:簡便で安価なデュアル・ドップラー観測
必要な送信周波数が一つ
同じ観測ボリュームを同時に観測
短所:サイドローブエコーの混入(強いエコー)
弱いエコーに対する受信感度が悪い
Multiple scattering echo
Sidelobe echoes
主レーダのアンテナ・サイドローブ混入と
多重散乱の概念図
バイスタティック・アンテナパターン
から計算した最小受信感度
(Satoh and Wurman,
2002)
COBRAの観測方法とデータ処理
COBRA観測データ
(エコー面積、強
度)
地上観測データ
・研究用レーダだが、
24時間運用を行う
観測モードの自動選択
AROS (Adaptive Radar Operating System)
・定常(監視)観測モード
2~3の低仰角+clear airモード
・詳細観測モード
・無人運用(停電時、
ネットワーク切断時
も48時間以上の
継続運転が可能)
ボリュームスキャン+EL=90°
気象衛星
雲画像データ
・特別観測モード(手動設定)
ボリュームスキャン+RHI+多重偏波
気象庁GPV
予報データ
(※すべて5分間隔が基本)
1次処理データ (受信信号、送信信号、ノイズ信号)
ストークスパラメータ
複素相関
・データ処理はすべてリアルタイムで行い、
3次処理データは自動的にWebで公開
2次処理データ (VHまたは+45送信の場合)
DBM(ZVV, ZHH, ZHV, ZVH), DBZ, NCP,
ZDR, LDR, ρHV(0), φDP,KDP,
VEL, VEL1, VEL2, SPW1, SPW2 など
・データフォーマットはnetCDF、解析処理ソフトはNCAR TITAN
・データはCRL地球環境データサーバを通して、すべて公開する
3次処理データ
u, v, w (bistatic)
R(Z), R(KDP), R(ZDR)
1hr-R, 24hr-R, 48hr-Rなど
COBRAの観測例
南北鉛直断面(反射強度, dBZ)
高度2 kmのCAPPI(反射強度, dBZ)
(ドップラー速度, m/s)
COBRAの観測例(偏波、その他)
COBRAの観測例(バイスタティック)
COBRA主レーダの反射強度(dBZ)
とバイスタティック・デュアルドップラー
で得られた風速ベクトル
バイスタティック反射強度(dBm)
と風速ベクトル
新しい気象レーダー観測と未来の天気予報
全球降水観測(GPM):2007~
GSM: 全球モデル(x=60 km) ----- 3DVAR: 衛星観測(ATOVS/AMSU-Bなど)
RSM: 領域モデル(x=20 km) ----- OI (Optimum Interpolation): Radar-AMeDAS, WP
MSM: メソモデル (x=10 km) ----- 4DVAR: Radar-AMeDAS, WindProfiler, TMI
(共通: GMS-TBB, Sonde, Surface obs, SSM/I)
NHM: 雲モデル(x=1~5 km)
鉛直プロファイルが重要
雲モデルのためのデータ同化(4DVAR)
・風速場: ドップラーレーダー(Bistatic? and SDR)、ウインドプロファイラー
・降水量: 地上レーダー、衛星搭載マイクロ波放射計(海上)
・水蒸気量:GPS気象、衛星搭載マイクロ波放射計(水蒸気センサー)
・温度場: RASS、ドップラーレーダーデータから推定する潜熱加熱量
dry
dry
wet
wet
均一な収束する風
(人為的に与える)
短寿命の対流
南から流入する風
(ドップラー観測)
長続きする対流
構造を再現
非静力学モデルによる予報実験(米国の例)
ARPS realtime forecast for IHOP 2002
Data Sources
May 13 to June 25, 2002
WSR-88D
(NIDS and full volume data)
GOES IR data (cloud analysis)
Oklahoma Mesonet
Wind Profiler
Rawinsonde
METAR (surface observations)
MDCRS (aircraft observations)
Eta model (initial conditions)
CAPS (Center for Analysis and Prediction of Storms)
University of Oklahoma
http://ihop.caps.ou.edu
27km CONUS and 9km SPmeso: start at 12UTC for 42 and 24 hour forecasts
3km SPstorm: start at 15UTC and 00UTC for 15 and 12 hours forecasts
Both SPmeso and SPstorm grids use NIDS and WSR-88D
Level-II radar data for the analysis of wind, moisture and
cloud fields in the initial condition.
風速場のデータ同化が予報精度
の向上にもっとも効果がある
まとめ
・ ドップラーレーダー
観測は、 メソ気象
学の研究ばかりで
なく、将来の天気
予報にも重要な役
割を果たすと考え
られる。
・ 日本でもレーダー
データ同化の研究
を進めなければな
らない。COBRAの
データはリアルタイ
ムで公開する。
Reserved
バイスタティック・ドップラーの解析例
(Satoh and Wurman,2002)
観測範囲の重なるデータの合成
サイドローブ混入データの除去
COBRA主レーダー
名護市多野岳付近
の海抜343 mピーク
に設置されたCOBRA
レーダーシェルターの外観
施設入口
発動式発電器(停電時に自動立ち上げ、
48時間以上の連続運用)
レドーム内部の様子
レーダーシェルター内部の様子
Digital
Signal
Proc.
Pol. SW
Radar oper.
ROC
GPS Receiver
Klystron #1
Bistatic
sys. mon.
Bist-Hub
720GB-HDD
Antenna
Controller
Power
supply
Remote
watching
Klystron #2
COBRAシステムの系統図
パラメータ
記号
レーダ反射因子
レーダ反射強度
ドップラー速度
速度幅
反射強度偏波比
交差偏波比
偏波間位相差
偏波間位相差の空間微分
偏波間の相関
規格化コヒーレント因子
コヒーレントレーダ反射因子
log10|<ZHH>-<ZVV>|
Bistatic-wind
Z-R 関係を用いた降雨強度
KDPを用いて推定した降雨強度
プロファイル法を用いて推定した降雨強度
ZDRを用いて推定した降雨強度
降雨減衰を考慮し、推定した降雨強度
DBM
DBZ
VEL1、VEL2、VEL
SPW
ZDR
LDR
PHIDP (φDP)
KDP
RHOHV (ρHV(0))
NCP
Zc
ZDP
(u,v,w)
R(Z)
R(KDP)
R(profile)
R(ZDP)
R(attenuation)