Transcript 経気道感染
主な感染症とその感染経路
長岡営業所 小林雅樹・倉井智
感染経路と主な媒介生物
感染経路と主な媒介生物
経気道感染(空気感染)
経口感染
接触感染
経皮感染
■経気道感染(空気感染)
病原体 ブドウ球菌 肺炎球菌 緑膿菌
結核菌 レンサ球菌 レジオネラ
インフルエンザウイルス
アデノウイルス
カンジダアスペルギルス
クリプトコッカス
媒介生物 ダニ類
呼吸器などからの飛沫,経気道感染
病名
☆ ジフテリア
病原体
ジフテリア菌
潜伏期間 主 要 症 状 主な発生地
3-7日
発熱,咽頭痛, 世界各地
偽膜
☆ 結 核
結核菌
4-6週間
発熱,咳,痰
世界各地
☆ 麻疹(はしか)
ハシカウィルス
8-13日
発熱,上気道
炎,発疹
世界各地
☆ 風疹(三日ハ
シカ)
風疹ウイルス
14-21日
発熱,発疹,リ
ンパ節腫脹
世界各地
☆ 流行性耳下腺
炎(オタフク)
ムンプスウイルス
12-26日
発熱,耳下腺
炎
世界各地
☆ 百 日 咳
百日咳菌
7-10日
激しい咳,痰,
嘔吐
世界各地
髄膜炎菌
2-3日
高熱,悪寒,頭 世界各地
痛,痙攣
1-3日
発熱,頭痛,関 世界各地
節痛
流行性髄膜炎
☆ インフルエンザ インフルエンザイ
ウィルス
☆
印
ワ
ク
チ
ン
な
ど
の
予
防
薬
あ
り
■経口感染
病原体 サルモネラ 病原性大腸菌 腸炎ビブリオ
ボツリヌス菌 ウエルシュ菌 コレラ菌
カンピロバクター ヘリコバクターピロリ
赤痢菌 エロモナス セレウス菌
腸チフス菌 ブドウ球菌 肝炎ウイルス
媒介生物 ダニ類
飲食物などからの経口感染
感染症名
病原菌
潜伏期間
主要症状
★ 流行性肝炎(A型)
肝炎ウィルス
15-20日
発熱,全身倦怠感,
黄疸
☆ 流行性灰白髄炎
(ポリオ)
エンテロウイルス
7-14日
発熱,頭痛, 頸背部 W
の強直
★ コレラ
コレラ菌
1-5日
激しい下痢, 嘔吐
A,B
アメーバー
赤痢アメーバ
数日-数ヶ月
下痢(粘血便),腹痛
W
細菌性
赤痢菌
1-5日
腸・パラチフス
パラチフスA菌
1-2週間
倦怠感,悪寒,発熱
W
食中毒
各種食中毒菌
1-72 時間
下痢,嘔吐,腹痛など W
寄生虫症
各種寄生虫
不定
寄生虫による
赤痢
主な
発生
地
W
W
W:世界各地 A:アジア
☆印:ワクチンなどの予防薬あり
B:アフリカ C:南米
★印:海外渡航前に行き先に応じて予防接種を受けたほうがよい疾病
■接触感染
病原体
エイズウイルス 皮膚糸状菌
リケッチア
媒介生物 ダニ類
皮膚や粘膜の接触又は血液,体液を介して感染
感染症名
病原体
★ 破傷風
破傷風菌
B型肝炎ウィル
B型肝炎
☆
ス
水痘,帯状疱 帯状疱疹ウイル
☆ 疹(ヘルペス) ス
Treponema
梅毒
Pallidum(細菌)
潜伏期間
主要症状
4日-3週間
痙攣,強直
全身倦怠感,黄
疸
水疱,発熱,神
経痛
硬結,発疹リン
パ節腫脹
尿道炎,排尿
痛
リンパ節腫脹
免疫不全
8-25週間
13-17日
3-4週間
淋病
淋菌
3-7日
エイズ
エイズウィルス
6週数年間
住血吸虫など
寄生虫
の寄生虫症
発熱,全身倦
寄生虫による
怠,皮膚炎
主な
発生
地
W
W
W
W
W
W
W・
A・
B・C
■経皮感染
病原体 狂犬病ウイルス ブドウ球菌
媒介生物 ダニ ツツガ虫 シラミ
ノミ ゴキブリ ハエ カ
昆虫や動物を介して感染
伝染病名 潜伏期間
★ 黄熱病
3-6日
☆ マラリア
12-30日
★ 日本脳炎
7-20日
☆ ペスト
2-6日
★ 狂犬病
1-3ケ月
オウム病
4-15日
発疹チフス
6-15日
だいたい数
フィラリア
年
回帰熱
2-12日
ツツガムシ
1-2週間
病
テング熱
2-35日
アフリカ出
3-17日
血熱
アフリカ睡
1-3週間
眠病
主要症状 発熱,黄疸,出血症状
一定間隔で悪寒を伴う発熱
高熱,脳,脊髄などの炎症
高熱,意識障害,リンパ痛
麻痺,不安感,頭痛,発熱
発熱,頭痛,肺炎症状
倦怠感,悪寒発熱
伝染経路
ネッタイシマカ
ハマダラカ
コガタアカイエカ
鼠に寄生するノミ
犬,猫,コウモリ,狐
鳥類との接触,排泄物
コロモジラミ
発熱,リンパ腺,管炎
ハマダラカ,アカイエカなど
発熱,頭痛,関節痛
シラミ
高熱,発疹,リンパ節腫脹
鼠に寄生するダニ
高熱,頭痛,発疹,脳炎
ネッタイシマカ,ヒトスジシマ
カ
下痢,発熱,白血球減少
鼠,野生動物?
発熱,頭痛,リンパ節腫脹
ツエツエバエ
恐ろしい蚊による感染症
1.マラリア
アフリカ、南アメリカ、南~東南アジア
等を中心とした亜熱帯や熱帯地域の主と
して辺地で現在も大流行をしています。
感染者は年間約3億人、死者は150~
300万人で、そのおよそ95%がサハラ
砂漠より南のアフリカで発生しています。
吸血するハマダラカ
熱帯熱マラリア原虫を媒介する。
2.デング熱
東南アジアや中・南米、それに、アフリカなど
の熱帯地域に常在。
昨年のWHOの推計では全世界で年間50万人以
上の患者が発生しているとされている。媒介す
る蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)は、
空き缶の水のような少しの水たまりでも発生す
るため、シンガポールなど衛生状態の良い都市
部でも流行し、日本人旅行者が感染する機会も
マラリアよりはずっと高いと考えられます。
ヒトスジシマカ
ネッタイシマカ
マラリアの世界分布
(デング熱も類似)
3 日本脳炎
南アジア~東南アジアを経て東アジアへ至るア
ジアモンスーン地帯に広く分布しています。流
行は先ずブタの間でウイルス感染が拡がり、媒
介蚊がブタを吸血し、再度ヒトを刺すことに
よってヒトの間に流行がみられるようになりま
す。感染者のうち、脳炎の発症率は300~3
000人に1人と言われています。世界的には
毎年約43000人以上の患者が発生し、この
うち9000人が死亡している。
コガタアカイエカ
4 西ナイル脳炎
アフリカ、ヨーロッパ、中東に分布して
いましたが、1999年以降北米にも発
生がみられるようになりました。ウイル
スは鳥と蚊の間で感染環が維持され、蚊
を介してヒト、ウマに感染します。重い
症状が出現するのは1%未満とされてい
ます。北米では2002年には患者は2
000人を越え、死者も100人以上と
なっています。
熱帯イエカ
ウェストナイル脳炎
鳥・蚊・哺乳動物・人において感染が確認された地域
ウェストナイル熱・脳炎の患者が発生した地域
ウェストナイル脳炎
アメリカで大流行
2001年のアメリカ合衆国における
馬のウェストナイル熱は、20州738頭の発
生が確認された。発生は2001年6月
25日~12月21日に見られ、転帰が
報告された470頭中156頭(33.2%)
が死亡ないしは安楽死させられた。
カラスや野鳥を中心に鳥のサーベイランスも
行われた。その結果、27州1地区7,000
羽以上が陽性となった。なお、コマー
シャル養鶏には感染していない。アメリカ
合衆国においては、ウェストナイル熱
は風土病になったと考えられ、2002年
も年の後半にはウィルスの活動が見ら
れるだろう。
海外感染症情報2001
一太郎スライドが出るまで、しばらくお
待ちください。
感染予防のための注意事項
生もの,生水は口にせず,必ず加熱され
たものを食べる。
用便後,炊事前,食前,外出から帰宅時
には必ず石鹸と流水での手洗いを実行す
る。
蚊やダニなどにさされないようにする。
野生動物には直接触れない。はだしで歩
かない。
特に男性は品行方正でいる。
生活環境を清潔に保ち,過労は避け,睡
眠休養を充分にとり,体力を維持する。
感染症予防法
平成10(1998)年10月2日交付
平成11(1999)年4月1日 施行
第二十七条
(感染症の病原体に汚染された場所の消
毒)
第二十八条(ねずみ族、昆虫等の駆除)