オーロラ発生時の CNAと電離層活動の関連性

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Transcript オーロラ発生時の CNAと電離層活動の関連性

イメージングリオメータを用いた
オーロラ発生時のCNAと電離層
活動の関連性について
尾崎 光紀 前川 公男
(福井高専)
研究目的

オーロラ現象の全体像をとらえるため、昭
和基地と磁力線で結ばれたアイスランドの
共役観測点に設置されたイメージングリオ
メータを利用して、
電離層活動とオーロラ発生の関連性につ
いて解析する
オーロラの原理
太
陽
太陽風
プラズマシート
Cosmic Noise Absorption(;CNA)
オーロラの発生と同時に電離層電子密度の
増加
銀河電波が電離層で吸収を受ける現象をCNA
CNAの領域を2次元的に測定するのが
イメージングリオメータ
電波的観測でオーロラの観測が可能となる
CNA、QDC、吸収量の日変化
吸収量 = 10 log
10
CNAデータ
QDCデータ
解析方法
10分間隔のヒストグラムでの比較
10分間隔のヒストグラム
平均強度の折れ線グラフ
両地点の平均強度差の折れ線グラフ
両地点の平均強度差
昭和、チョルネスの視野の中に
占める領域がずれている
占める領域がずれている
 両地点での吸収現象の出現時間に、
数分の時間差がある
数分の時間差がある
 直接比較は、難しい
直接比較は、難しい

春と秋の解析

春、秋の時期では、極域の電離層状態は
等しいと考えられる
3月 昭和:秋、チョルネス:春
 9月 昭和:春、チョルネス:秋

昭和:秋
チョルネス:春
0[dB]で安定
昭和:春
チョルネス:秋
0[dB]で安定
夏と冬の解析

夏、冬の時期では、極域の電離層状態に
偏りがあると考えられる
8月 昭和:冬、チョルネス:夏
 1月 昭和:夏、チョルネス:冬

昭和:冬
チョルネス:夏
冬側で強い分布
昭和:夏
チョルネス:冬
冬側で強い分布
解析結果
 春と秋
 夏と冬
南北で吸収量が等しい
極域での平均吸収強度差が
冬の時期の方が強い
吸収現象の要因

D層(高度80~90km)の大気温度
オーロラ加速領域の発達(夜間のみ)

昼間(8~13UT)について解析

昼間の吸収量モデル

国際宇宙科学委員会が国際協力で作成し
た全地球をカバーする標準大気モデル
(CIRA89モデル)
10 log
10
Ts
Tt
Ts:昭和の大気温度
Tt:チョルネスの大気温度
昼間の吸収量の年変化
比較の結果
 モデルと平均吸収量を比較した結果、
6月7月を除いてよく一致した
まとめ
ヒストグラムでの解
析で、電離層活動状
況の変化は、CNA現
象に影響を与えてい
るという結果を得た
今後の課題
 オーロラの加速領域の発達
の効果の検証
 長期に渡っての解析