マイクロソフト・パワーポイント

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レーザーシーロメーターによる
大気境界層エアロゾル及び
低層雲の動態に関する研究
交通電子機械工学専攻
2002316 仲尾 龍馬
発表内容
研究の背景と目的
 観測原理及び観測装置について
 雲底データの統計的解析
 混合層について
 まとめと今後の課題

研究の背景
雲の放射収支に対する影響・不確定要因
の解明
 大気境界層構造の大気汚染との関係
 雲及び大気微粒子(エアロゾル)の連続モ
ニタリングの必要性

研究の目的
対流圏下部における雲底高度の日・季節
変化の把握
 シーロメーターの境界層観測への応用
 シーロメーターのエアロゾル観測に関する
性能・特性評価

雲とは
小さな水滴や氷の結晶の塊
 大半の雲は対流圏で発生
 降水現象や熱の放射過程を担う
 大気汚染物質や海塩粒子を核として発生
するものもある

大気境界層とは
地表面から力学的摩擦や機械的な乱れ・
熱交換を直接に受ける
 日中晴天時に地表面が強く熱せられ、大
気の対流が強い時に大気エアロゾルや水
蒸気が一様に混合される「混合層」が形成
される
 夜間では熱的に安定することが多く、「接
地逆転層」が観測

混合層の発達過程の概念図
観測原理について
ライダー(LIDAR)
LIght Detection And
Ranging
 光波を大気に向けて
照射、測定対象粒子
に対しての後方散乱
光を受信 し、距離な
どを計測する手法

観測装置概要

Vaisala社製シーロメーター「CT25K」
レーザー
パルスダイオード InGaAs MOCVDレーザー
パルスパワー
1.6μJ±20%
波長
905±5nm (25℃において)
光検出器
シリコンアバランシュフォトダイオード
測定範囲
7.5kmまで 三層の雲底まで検出
光学方式
1レンズ(単レンズ) 直径15cm
サンプリングタイム
15秒~2分 (可変)
距離分解能
雲底:15m
後方散乱プロファイル:30m
CT25K模式図
観測装置の特徴について
メンテナンスフリー
 PCとのRS-232Cインタフェース接続で付属ソフト
「CT-VIEW」により連続データ収集及びリアルタイ
ムデータ表示が可能(表示例.ppt)
 観測時のスケールファクターを1~100まで変えら
れる機能(アルゴリズムスケール)を付加すること
によりエアロゾルの記録感度を上げることができ
る
 得られる後方散乱係数は更正され距離二乗補正
された値

観測
新2号館9階にシーロメー
タを設置
 鉛直から5度傾けての連
続観測

観測システム概要
鉛直分布時系列データの可視化例
本学2002年10月8日~14日
雲底高度100m毎の月別統計
2002年度
雲底高度100m毎の月別統計
2003年度
高度2kmまでの雲出現頻度と
地上相対湿度の日変化 2002年8・9月
高度2kmまでの雲出現頻度と地上
相対湿度の日変化 2002年11・12月
検出した最低雲底高度と地上
相対湿度の例 2003年3・4月
持ち上げ凝結高度について
未飽和の空気塊が高度の上昇に伴う温度
の減少により飽和する高度
 雲の高度にほぼ一致する
 へニングの公式から計算できる(露点温度
と気温から計算)

へニングの公式について
露点温度・・・気塊を圧力と水蒸気圧、含有量な
どを一定にして冷却し、水に対する飽和に達した
温度
 露点温度における水の飽和蒸気圧が水蒸気圧
 地上相対湿度 f =露点温度Tdにおける水蒸気
圧/気温における飽和蒸気圧 e
 温度Tcにおける水の飽和蒸気圧はテテンの公式
から計算

飽和蒸気圧eTc  6.11107.5Tc /(273.3Tc )
へニングの公式について
相対湿度 f  eTd / eTc
273.3
露点温度Td 
7.5
1
feTc
log
6.11
地表付近の空気塊は混合比、温度減少が一定
で上昇すると仮定し、クラジウジウス-クラペイロ
ンの式と静力学平衡の式を用いる
 気温T、露点温度Tdにおける持ち上げ凝結高度
LCL≒125(T-Td) (m)

持ち上げ凝結高度の計算例
混合層について
まとめ
観測の自動処理・更新システムを構築
 雲の出現は夜間、夏季に多い傾向にある
 持ち上げ凝結高度から雲の最低高度の
データは持ち上げ凝結高度とほぼ同じ曲
線を描く
 相対湿度と低層雲の出現頻度の相関関係
 混合層について

今後の課題
モデムを用いたシーロメータの通信遠隔操
作環境の構築
 通常のライダー観測や水平方向観測によ
る後方散乱係数との定量的比較
